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影法師   著 百田 尚樹

影法師   著 百田 尚樹



国家老・名倉彰蔵は14歳のときに知り合い、それからあず~~と友情を深めてきた
磯貝彦四郎のことを考えていた。
彼は不遇の死を迎えてしまったのだ。
彼はそんな人生を送るような男ではなかった。
彼に何が起こったのか。
そこで初めて知る過去の真実。



感想    

前作の「モンスター」がイマイチだったのですが、これは面白かったです。
ジャンルは時代小説。
これまた、今までの小説とは違うジャンル。
それにしても毎回、毎回、違った題材で小説を書かれますね。
そして、綿密に背景が描かれるのも同様。


実は、いろいろ読書している私ですが
時代小説は苦手でほとんど読みません。
映画も時代劇ってすすんで見る方ではないし・・
ハマってしまえばそんなに苦手でもないのでしょうが、そこに行くまでがなかなか・・・・。



ということで、今回、最後まで読みとおすことができるか不安ももっていたのですが
初心者でも取り組みやすい文章で、大丈夫でした。



武士ならではの生き方・・・・
現代の人にはピン!!とこない部分もありますよね。
でも、昔のお侍さんて、生き方にそれぞれ美学をもっていたのですよね。
今の日本人にもそういう部分、少しは残っているんでしょうかね。


主人公は
14歳のとき目の前で父親を殺されます。
なんてひどい仕打ち・・・。
上下関係も厳しい時代ですからね。
でも無礼を働いたというだけで(そんなひどい行為でもないのの)
簡単に人を殺してしまう短絡的な上層部の人・・・。


父親の死を悲しんでいる主人公に
「武士の子なら泣くなっ」と怒鳴った少年。
彼こそが
磯貝彦四郎なのです。


どんなときも主人公の支えになり、的確な助言をし
応援していた磯貝彦四郎。



彼の晩年の行為は・・・普段の彼を知る者にとっては信じられないことだった・・
私だって、主人公同様、
なんで、磯貝彦四郎。。そんなことしたの!!と終始疑問だったもの。



やがて明らかになる真実。




そのとき初めて題名の意味がわかるのよね・・



そういう生き方もありなのかしら・・
そんな生き方できる人もいるのかしら・・・。



時代小説ならではの醍醐味が存分に感じられました。



かげもうし
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モンスター   著  百田尚樹

モンスター   著  百田尚樹

田淵和子は、
生まれながらにして醜い容姿のため
「バケモノ」扱いされていた。
自分の殻に閉じこもり孤独な日々を送る。
彼女は幼い頃に自分を守ってくれた少年に恋していた。
そんなある日、高校で再びその少年と再会する。
恋心を伝えたいが、醜い容姿のため思い悩む。
やがて、彼の目をつぶすという恐ろしい行為をしたため
モンスターと呼ばれ、家族や周囲から恐れられてしまう。
地元にいられない和子は東京へ。
そこで、
彼女は整形して美しくなるという方法を知り、のめりこんでいく。



感想



主人公の行動はう~~んです。
心情としては理解しますが
やはり、やりすぎでしょう・・
美に対する意識として

美容整形の医者の説明・・
短大の心理学の先生の説明・・


などが出てきます。
より具体的に
論理的に説明されていて
納得できること多かったです。


男の人って美人が好きなんだな・・・っていうは
わかる気がします。
まずは目に入るものから・・・っていう気はするのよね。

そういえば、某テレビ番組で
整形をする・・という企画ものがありましたよね。

あれをそのまんま、思い出してしまいました。

当事者にとっては、深刻な悩みなんでしょう。

美容整形はしたい人がいるならそれはそれでしょうがないわ。
でも安易な気持ちではしない方がイイと思うけれど。
自分がそこまで悩んでいないからそう思うのかな・・・とは
思うものの、やっぱり、痛いのはイヤだし、
手を加えるのが、悪い気がして。


このお話を読んでいると
美容整形に対するハードルがより低くなっているかなって
気がしますね・・
さっき私が書いたような痛いからいや、罪悪感あるし・・なんて感じないような雰囲気。
それよりも
化粧より便利じゃないか、化粧はまやかしだけれど、
整形はそのものの自分だと言われると
ほ~~と感心してしまう始末。
まるで、化粧より美容整形どんどんしましょう・・的なにおいがしてきます。
でも
私はいやだな・・・笑



この物語で気分が悪くなるのは
性風俗描写が多いこと。
下半身にまつわる手術もあったし・・
そこもイヤなのよね。

整形の資金つくりのために
どんどん身を落としていくわけよ、この和子が。

それはどうかな・・・と思うからね。


ジェットコースター的な物語で
整形によってどんどん和子の周辺が変わっていくの。
そして和子は綺麗になって
昔、ひどいことをした男達に
復讐もしていくの。

そういう復讐場面を読んでいても
爽快さはないわね。
なんだか、
そういう行為をすればするほど、
和子って愚かね・・・と思ってしまうから。
追い詰められていたっていうのもわかるけれどね・・・



初恋の英介さん。
どうってことない男だよね・・・・笑
それよりも
風俗で味方になってくれた男。
ああいう人の方が、人間として良いかもよ。


ああいうラストで
しょうがないかな。
私はてっきり
友人のアケミちゃんみたいな結果になると思っていたわ。
まあ、同じようなものだけれど。


あんまり気持ちがいい読後感ではなかったです。
作者はいろいろな題材で
作品発表していますよね。
資料探していろいろ大変でしょうね。
今回は、私にとっては、
ちょっと苦手な題材だったかなという気がします。
女性にとっては聞きたくないような
お話が多かったからね。



ももたモンスター

風の中のマリア     著   百田尚樹

風の中のマリア   著  百田尚樹

オオスズメバチ、マリア。
戦いを使命とする彼女の日々は・・・



感想   初作者さんです。
予備知識なしで、手にとったので、ちょっとびっくり。
なぜなら、主人公はハチ・・・だったから・・・。
動物を擬人化した作品は児童書などにもたくさんありますけれど、
大抵ファンタジック・・。
そういえば、昔、ハチのアニメもありましたっけ。
マーヤにしろ、ハッチにしろ、子供に夢や希望を与えてくれるような
素敵なアニメでした。涙も誘われたかな~~。

しかし、こちらは夢見がちなお話ではありませんでした。
生態に忠実。学識的な説明もあり、なるほど・・・・と思うこともしばしば。

子供を産むこともせず、
女王蜂が生んだ幼虫を育て上げるため、
日々、他の昆虫を殺し、肉団子にし、運ぶという日々。
戦いが彼女=マリアのすべて。
生きることのできる期間が羽化して30日。
戦いのために、多くの仲間が死んでいく現実。

自分の使命に、ときに疑問を感じるものの、やはり、それしか自分は生きるすべがないと
悟るさまは、なんともせつなくなるけれど・・・。
それが、生き物の性なのだからしかたがないのかな・・

死闘の末、餌にされる昆虫たち・・・。
哀願しても容赦なく命を絶つ・・・。
それが、この世界で生きる道だから・・・


帝国の女王までも、能力がなくなったから、襲うなんて・・・
う~~ん、非情なんだね、ハチの世界は。


今までにない小説で
非常に興味深く読みことができました。


ただし、小説を読んだからといって、ハチにより親近感がわき
優しくなった・・とは言えないのが現実。
やっぱり、ハチがいたら怖い・・もの。
今年、家の軒下に
ハチが巣を作ったし。
そりゃあ、壊すのに、難儀したのよね。



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