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野ブタ。をプロデュース   著者  白岩玄

野ブタ。をプロデュース   著者  白岩 玄

舞台は教室。イジメられっ子転校生
を人気者にすべく、修二はプロデューサーを買って出る。

第41回文藝賞受賞


感想
 子どものリクエストで、私もつられて読んでみました。
わりと、サクサク読める作品。
文体も今風ですしね・・・・・笑
今まで私が読んでいるとは、また違っているので、
戸惑うことも多かったです。自分の高校生時のノリとは
全然違うんですもの。時代を感じてしまいますよ。
こういった話し言葉・・、今風の高校生像なんですかね・・。
作者は83年生まれ。綿矢りささんと同年齢なんですね。
そういえば、「蹴りたい背中」も自宅にあるのですが、どうも
手が伸びません。若い作者の作品は、
後回しになってしまいますね。
この内面告白系の文体は
以前読んだ  赤坂真理さんの「ヴァイブレータ」と同じようでした。
主人公像は年代も性別も違いますけどね。


子どもがリクエストした理由は、もちろんドラマの
影響。亀梨君がお気に入りのようで・・・・笑
小学生にこの小説がわかるのかと思っていましたが、
結構面白そうに読んでいましたね。
ところどころ??と思ったところがあるようだったけれど。
高校生の心理ですからね・・・それも男だし。
理解できなくて当然・・・・笑

ドラマは私は初回しか観ていないのですが、
原作とだいぶ違うのですね。
一番の大きな違いは、野ブタ。こと小谷信太が・・男になっていること。
それもかなり・・・気持ち悪い。。ヤツってことに・・・。
どんくさそうだしね。
ドラマは女性になっているし・・・役柄の子が可愛かったですよね。
雰囲気も違ってくるのはあたりまえでしょう。


で・・・・内容について。
自分を装って生きている人間って、高校生じゃなくても
どこでもいますよね。大人になればなるほど、そうじゃない?
例えば、平凡な主婦でさえ、うわべだけの姿で
ご近所さんとお付き合いしている方多いと思いますし。
本当は、高校生、中学生の頃こそ、
本音を吐き出して付き合っていくべき年代だと思います。
学生時代の友人って、一番気持ちをわかりあえる存在だったり
するものですからね。
こういう話を読んで、自分はこんな薄っぺらな生きかたは
いやだと思う・・・こんなヤツとは付き合いたくないと本気で思ったりしました。
これに共感した同年代の人は
少なからず、同じ経験しているのかな。。。と思うと
ちょっと悲しくなりますね。
結局、自分の心の中にまで誰も入って欲しくなくという
孤独な人間が集団の中で生きていくために編み出した
手段っていうことでしょう・・・気ぐるみ着ている自分って。
着ぐるみきて、生きていくのに慣れれば、世渡りも上手に
なると思います。でもそれをやるのには、早いような
気がするな・・・。子どもが早々と大人の世界に入り込んでいるような気がして、とっても悲しくなります。

信太といういじめられる人間と、
それをプロデュースする偽善者ぶった修二。
信太の変化を描いているけれど、本当は修二の物語でも
あるんですよね。
いじめられる・・・信太の心の中ももっとのぞいてみたいと
思いました。結局、野ブタも、修二も自分を偽り続けることでしか
いき続けることはできないんですよね。
面白いって笑うまえに、すごくせつなく感じました。


ところで・・・文章内で、
一休さんのアニメ話とか、にしきのあきらなんて表現も
出てきてビックリ。修二っていう高校生・・・古い話題も
よくご存知で・・・・笑



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テーマ : 読書
ジャンル : 小説・文学

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