fc2ブログ

ナチュラルウーマン

ナチュラルウーマン(2017)
UNA MUJER FANTASTICA
A FANTASTIC WOMAN
上映時間 104分
製作国 チリ/ドイツ/スペイン/アメリカ
公開情報 劇場公開(アルバトロス・フィルム)
初公開年月 2018/02/24
監督: セバスティアン・レリオ
製作: フアン・デ・ディオス・ラライン
パブロ・ラライン
製作総指揮: ジェフ・スコール
ジョナサン・キング
ロシオ・ハドゥエ
マリアーヌ・ハルタート
ベン・フォン・ドベネク
脚本: セバスティアン・レリオ
ゴンサロ・マサ
撮影: ベンハミン・エチャサレッタ
プロダクションデ
ザイン: エステファニア・ラライン
衣装デザイン: ムリエル・パッラ
編集: ソルダッド・サルファテ
音楽: マシュー・ハーバート

出演: ダニエラ・ベガ マリーナ
フランシスコ・レジェス オルランド
ルイス・ニェッコ ガボ


 「グロリアの青春」のセバスティアン・レリオ監督が、トランスジェンダーの歌手ダニエラ・ベガをヒロインに迎えて贈る感動ドラマ。トランスジェンダーゆえの偏見や差別にさらされ、急死した最愛の人の葬儀にも参列できないヒロインが、理不尽な現実に力強く立ち向かっていく姿を描く。共演にフランシスコ・レジェス、ルイス・ニェッコ。
 ウェイトレスをしながらナイトクラブで歌うマリーナ。年の離れた恋人オルランドと幸せな日々を送っていたが、ある日突然オルランドが自宅で倒れ、そのまま亡くなってしまう。悲しみに暮れるマリーナだったが、トランスジェンダーというだけであらぬ疑いすらかけられてしまう。さらに2人で暮らしていた部屋を奪われた上、葬儀への参列も拒絶されてしまうマリーナだったが…。

<allcinemaより引用>

感想

主人公マリーナには
トランスジェンダーの歌手ダニエラ・ベガ。彼女の存在そのものが
この映画のメッセージをより強い物にしているように思いました。

ラスト
愛する人に、最後のお別れを言えたのが
救いであり、心から良かったと思いました。

愛する人には
お別れ言いたいもの


偏見、差別という映画は
この映画以外にも、数々観てきました。

それぞれに、特徴があり、見応えがあり
忘れられない作品ばかりでした。

まだまだ世の中が・・・というところもあるのでしょうね
fc2blog_2018111920315870a.jpg
スポンサーサイト



ノクターナルアニマルズ

ノクターナル・アニマルズ(2016)
NOCTURNAL ANIMALS
上映時間 116分
製作国 アメリカ
監督: トム・フォード
製作: トム・フォード
ロバート・サレルノ
原作: オースティン・ライト
『ミステリ原稿』/『ノクターナル・アニマルズ』(早川書房刊)
脚本: トム・フォード
撮影: シーマス・マッガーヴェイ
プロダクションデ
ザイン: シェイン・ヴァレンティノ
衣装デザイン: アリアンヌ・フィリップス
編集: ジョーン・ソーベル
音楽: アベル・コジェニオウスキ

出演: エイミー・アダムス スーザン・モロー
ジェイク・ギレンホール トニー・ヘイスティングス/エドワード・シェフィールド
マイケル・シャノン ボビー・アンディーズ
アーロン・テイラー=ジョンソン レイ・マーカス
アイラ・フィッシャー ローラ・ヘイスティングス
エリー・バンバー インディア・ヘイスティングス
カール・グルスマン ルー
アーミー・ハマー ハットン・モロー
ローラ・リニー アン・サットン
アンドレア・ライズブロー アレシア
マイケル・シーン カルロス
ゾウイ・アシュトン
インディア・メニューズ
グレアム・ベッケル
ニール・ジャクソン
ジェナ・マローン
クリスティン・バウアー・ヴァン・スト
ラテン

 映画監督デビュー作「シングルマン」で高い評価を受けたカリスマ・デザイナー、トム・フォードが、オースティン・ライトのベストセラー・ミステリーを実力派キャストの豪華共演で映画化したサスペンス・ドラマ。20年前に別れた夫から突然小説が送られてきたことに戸惑いながらも、その衝撃的な内容に惹きつけられていくヒロインの不安と葛藤を、過去と現在に加え劇中小説の物語も巧みに織り交ぜ、美しくかつスリリングに描き出す。主演は「メッセージ」のエイミー・アダムスと「ナイトクローラー」のジェイク・ギレンホール。共演にマイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン。
 アート・ディーラーとして成功を収めながらも夫との結婚生活は冷え切り、満たされない日々を送るスーザン。ある日そんな彼女のもとに、20年前に離婚した元夫エドワードから彼の著作『夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)』が送られてくる。作品が彼女に捧げられていることに困惑しつつも、早速読み始めたスーザン。そこに綴られていたのは、車で移動中の家族が暴漢グループの襲撃に遭い、妻と娘が殺され、夫は刑事と共に犯人たちを追い詰めていくという壮絶な復讐の物語だった。そのあまりに暴力的な内容と完成度の高さに衝撃を受けながらも、これを彼女に捧げたエドワードの意図をはかりかねるスーザンだったが…。
<allcinema  より引用>

感想

あまり気分の良い映画ではないのですが
面白かったです。
冒頭から惹きつけられました。

音楽もぞわぞわする感じで、終始、不安感がつきまとっていました。

映画は、現代パート、過去パート、小説パートと
3場面が交差していくつくりですが、
混乱することなく、逆に入り込みやすく、すんなり観ることができました。

主人公の
エイミー・アダムス。
この年は「メッセージ」をみていたのですが
そのときの雰囲気とはまったくの別人で、あたらめて、女優さんのすごさを感じました。

彼女は現代パートと、過去パートで、同じ人物を演じていましたが
若作りも全然違和感ありませんでした。

対する
ジェイク・ギレンホールは、彼女の元夫なわけですが、
彼は過去パートとで元夫のエドワード(当然若作り)
小説の中で、妻と子供を殺される、 トニー・ヘイスティングスの二役を演じていました。
ジェイクの現代の姿は一度も映ることはなかったですよね。
どんな姿になっていたのでしょうか。

元夫のジェイクが、エイミー・アダム演じる スーザン・モロー に贈った小説の中身。
小説のトニーは、
元夫、エドワードのイメージ?なのでしょうか。
映像ではトニーはエドワードと同じ顔。
ジェイクが二役演じていました。
でもそれはあくまでもスーザンの脳裏での小説の映像化。
いや、トニーって、スーザンではないのか?と思う部分もあったり。
暴漢グループのリーダーのいうがままで
妻と娘を殺されてしまう彼。過去、エドワードとの娘をおろしてしまったのもスーザンの意志だし、
エドワードを裏切って他の男に乗り換えたのもスーザン。
結局のところ、夫と子どもとの暮らしを壊したのはスーザンの意向であるわけで・・・。

想像力かきたてられます。

スーザンは、エドワードから
彼女が眠らないことから、
<<“夜の獣”と呼ばれていた>>ということもあり、
この小説、いろいろと考えさせられますよね。

単なる復讐劇では終わらない、スーザンには、意味ある小説。

その小説の中身。

本当に怖いものです。
現実の世界でもいくらでも起こりそうな理不尽極まるもの。

こんな物語が贈られてきただけでも怖いのに
自分のしてきた行動を振り返ってみてみると
おや・・・なにか、私の起こした行動に似ているの?そういうこと?
スーザン、精神的なダメージをうけますよね。

元夫のジェイクはどういう復讐をしたかったのか。
自分の成功を素直に見せびらかしたいというだけではないのかも。
お前が捨てた男は
こんなにも大きくなったんだ・・・
で・・今のお前はどうなんだ。
幸せなのか。
お前が捨てたものは一体なんだったのか・・・
それ以外にもいろんな思いが詰まっているのかも。


ラスト、元夫を一人まつスーザン。
着飾るスーザン。
ここも怖いですよね。
スーザン、この姿がもの悲しくもあるかな


じわじわと精神的に追い詰める
見応えのある作品でした。

イケメン
現夫のアーミーハーマー。
最近見た「君の名前~~」の短パン姿よりはいいです(笑)
マイケル・シャノンの
やっぱり怖そうな容貌(笑)
でもこの映画では、悪い奴ではないのですが(笑)
悪いと言えば
どうしようもない
アーロン・テイラー。野性的です。トイレとか・・笑

スーザンの
母親は
ローラ・リニー。久しぶりです。

母親のいうような人間になったスーザン。
皮肉というか、母はお見通しというか。


前作の
「シングルマン」未見なので
いつかみたいです。

ちなみに
冒頭の裸の女性の踊り
インパクトありましたね。
ライザップのCMみたいで。

とっても幸せそう、楽しそうな様子だったのが印象的です。

あの冒頭のシーンは意外とこの映画の本質を表しているのかも。

面白かったな、本当に。

ちょっと冒頭は、デヴィッド・リンチ映画の雰囲気がしました

nokuta-naruanimaruzukannsou.jpg

ナイスガイズ

ナイスガイズ!(2016)
THE NICE GUYS
上映時間 116分
製作国 アメリカ
監督: シェーン・ブラック
製作: ジョエル・シルヴァー
製作総指揮: ケン・カオ
ハル・サドフ
アレックス・ウォルトン
マイケル・J・マローン
脚本: シェーン・ブラック
アンソニー・バガロッツィ
撮影: フィリップ・ルースロ
プロダクションデ
ザイン: リチャード・ブリッジランド
衣装デザイン: キム・バレット
編集: ジョエル・ネグロン
音楽: ジョン・オットマン
デヴィッド・バックリー
音楽監修: ランドール・ポスター

出演: ラッセル・クロウ ジャクソン・ヒーリー
ライアン・ゴズリング ホランド・マーチ
アンガーリー・ライス ホリー・マーチ
マット・ボマー ジョン・ボーイ
マーガレット・クアリー アメリア・カットナー
キース・デヴィッド オールドガイ
ボー・ナップ ブルー・フェイス
ヤヤ・ダコスタ タリー
キム・ベイシンガー ジュディス・カットナー
ロイス・スミス
ギル・ジェラード
デイジー・ターハン
ジャック・キルマー
タイ・シンプキンス

 ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングが凸凹コンビを組んで大暴れする痛快バディ・ムービー。70年代のロサンゼルスを舞台に、冴えない私立探偵が、ひょんな成り行きから乱暴男の人捜しを手伝うハメになり、いつしか巨大な陰謀に巻き込まれていくさまが、70年代テイスト満載に軽妙なタッチで綴られていく。共演はアンガーリー・ライス、マーガレット・クアリー、マット・ボマー、キム・ベイシンガー。監督は「キスキス,バンバン」「アイアンマン3」のシェーン・ブラック。
 酒浸りの日々を送るシングルファーザーの冴えない私立探偵マーチ。ある日、死んだはずのポルノ女優の捜索依頼を受け、アメリアという若い娘の存在に辿り着く。しかしマーチは、自分を探られたくないアメリアから依頼を受けた腕力専門の示談屋ヒーリーにボコボコにされ、あっさり手を引くことに。ところが今度は、ヒーリー自身がアメリアを捜す別の男たちの襲撃を受けてしまう。そこで自ら事件の解明に乗り出したヒーリーは、嫌がるマーチを無理やり相棒にして失踪したアメリア捜しを開始する。そこにマーチの一人娘でおませな13歳ホリーも加わり、ダメ男2人としっかり者の少女が始めた人捜しは、やがて思いも寄らぬ事件へと発展していくのだったが
<allcinemaよりあらすじ引用>

感想

リーサルウェポンの監督だそうで・・・。

当時↑タイプの映画はあまり観ていませんでした。
得意ではなかったからかな・・笑


今回のこの映画、 普通に楽しい映画だったかな。
ラッセルクロウが一段と体が大きくなっていて
もはや彦摩呂にしか見えなかったです。

コメディのライアンも素敵ですよね。

今年は大活躍ってところでしょうか。

軽い下ネタもあり。
まあ・・そんなに笑えなかったのですけど・・・・・・・笑

ライアンとしっかりものの
娘とのやりとりが
楽しかったです。

何も考えず
気軽に鑑賞できる
一本かな。

naoisugaizu 264904

ナイトクローラー 

ナイトクローラー (2014 アメリカ)
NIGHTCRAWLER

監督: ダン・ギルロイ
製作: ジェニファー・フォックス
トニー・ギルロイ
ミシェル・リトヴァク
ジェイク・ギレンホール
デヴィッド・ランカスター
製作総指揮: ゲイリー・マイケル・ウォルターズ
ベッツィー・ダンバリー
脚本: ダン・ギルロイ
撮影: ロバート・エルスウィット
プロダクションデ
ザイン: ケヴィン・カヴァナー
衣装デザイン: エイミー・ウェストコット
編集: ジョン・ギルロイ
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演: ジェイク・ギレンホール ルイス・ブルーム
レネ・ルッソ ニーナ・ロミナ
リズ・アーメッド リック
ビル・パクストン ジョー・ロダー
アン・キューザック
ケヴィン・ラーム
エリック・ラング
ジョニー・コイン
マイケル・ハイアット
マイケル・パパジョン

 ロサンゼルスに暮らす孤独な中年男ルイス・ブルーム。野心はあるものの定職にも就かず、コソ泥をしてはその日暮らしのしがない日々。そんなある日、偶然遭遇した事故現場で、ビデオカメラ片手に夢中で撮影する男たちを目撃する。彼らはニュース映像専門のパパラッチ、通称“ナイトクローラー”。事件、事故の現場にいち早く駆けつけ、誰よりもショッキングな映像をカメラに収め、それをテレビ局に高く売りつけるのを生業とする連中だ。そんなことが商売になると知り、さっそくビデオカメラと無線傍受器を手に入れると、見よう見まねでナイトクローラーとしての活動を開始するルイスだったが…。
(allcinemaより)


感想

ナイトクローラーとは、報道スクープ専門のパパラッチのこと。→画像を探すと違う彼が出るけど…笑
この映画は、公開前から、ジェイクの演技がすごい・・・ということを聞いていたので
楽しみにしていました。今回、久々、チネチッタまで頑張りました
主人公は
ルイス・ブルーム。
コソ泥をして生活費を稼いでいる、しょうもない男なんですけど、
自己アピール能力は長けている感じで、言葉一つ一つについつい引き込まれてしまうものを感じます。
そんな男のサクセスストーリーの映画ですが
成功してよかったね・・・なんて褒め言葉をおくるつもりはさらさらなく
むしろ、どうしてお前は生き残れるんだ・・・と、ちょっとムカッとする感じの作品。
どっちかというと
不愉快な気分にさせられるそんな映画であります。
じゃあ、この男がものすごい極悪非道だから、腹立たしいのかと思えば
そうではないのですよね。
大きな犯罪はもしかしたら、やっていないのかもしれないし。→いや、盗みはしているから犯罪には手を染めてはいるね。
悪い奴と言ったら悪い奴か
彼は
無意識のうちに、
非常識なことをし、その結果、不幸な人も出る・・・といった感じなんですよね。
彼は、一般的な感覚では到底、なしえない行動を
いとも簡単に成し遂げてしまうそういう人。
ふつうは、常識人ならそんな行動をしないでしょ?っていうことだけど
最初からコソ泥行為を悪と思っていない人なんだから
この人の常識はまた全然違ったものなんでしょうね。

まったく悪びれた様子もないのに、物事が彼にとって良い方向に進んでいくことって
なんだか、むかむかってきちゃうけど
世の中には、そうい人もいることはいますものね~~

彼は
仕事ができるという部類の人間にどんどん成長していくの。
はたから見て
こういう人の仕事のもっていきかた、うまいな・・・・とは思いますよ。

写真ネタを売り込む時、
部下を採用するとき
どちらのときも、話術が光ります。
これ、もって生まれた能力ですね。
ネットの講座で交渉力を学んだみたいですが、あんなに孤独なさみしい部屋に一人すみながら
世渡りを上手にしていってしまうところは、すごいな・・・って思います。

自分は勤勉で物覚えが早い
自分のことをこれだけアピールできる人はそうそういませんよね。

ネタを買い取る女性にも
仕事面だけでなく
プライベートでも
俺の言うとおりにしろ
みたいな場面があり、
変に、いやらしいシーンになるのかな・・・・と思いましたけど…笑
結局、そんなシーンはみせない・・。あったけど、うつさないだけよね。
全体的には、淡々としていて彼の仕事ぶりを追っていくというクールなスタンスの映画で
それもまた
魅力的な感じに映りました。


ラストの
カー追跡、銃撃戦
部下の死・・
ここまでの流れがとくに緊張感あるれていて見ごたえありました。

彼中心の映画だけれど
彼の仕事は
そういう刺激的な報道、写真をみたがる
第三者がいての存在だから
いろいろ複雑な気分にもなりますよね。
不愉快だけど
そういうものを求めているのは私たちかもって考えるから・・・・。

ジェイクあっての作品かな
絶対
この一本で、彼の演技の評価が高まったと思うわ~~

なにせ、怖いというか
気持ち悪いよね、雰囲気…笑

naitokuro-ra 11375206_879490405469815_1846647520_n

嘆きのピエタ

嘆きのピエタ(2012)  韓国)

PIETA


監督:
キム・ギドク
脚本:
キム・ギドク
撮影:
チョ・ヨンジク
音楽:
パク・イニョン
出演:
チョ・ミンス
(チャン・ミソン)
イ・ジョンジン
(イ・ガンド)
ウ・ギホン
(フンチョル)
カン・ウンジン
(ミョンジャ)
クォン・セイン
(ギターの男)
チョ・ジェリョン
(テスン)

 2012年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した作品。
天涯孤独に生きてきたイ・ガンド。
彼は利息を払えない債務者に対して
重傷を負わせ、その保険金で借金を返済させる取り立て屋。
ある日、彼の前に
母親を名乗るミソンという女が現れた。


感想

冒頭から借金取りの非情な手段が出てきたので
これは、目を覆わなくてはいけないか・・・とビクビクしたものの
生々しいシーンまでには至っていなかったので、ちょっと安心。
ただ、あの機械音や、悲鳴は心臓によくないですわ・・・・泣

債務者に同情もせず、
悪魔のような取り立てをする主人公。
金が払えなければ、障害者にさせて保険金・・・。
相手を生殺しにするのもなんとも思わず・・
そこに息子を思う母の姿をみても、取り乱すこともなく行動する主人公。


まさに悪魔のごとき人物に描かれる主人公。
天涯孤独で愛を知らない男。
だからこんな非人間的なことが、いとも簡単にできるのか・・


そんな男の前に、自分を捨てたという母親が現れるのよね~~

ミステリー風に描かれる物語に
目が離すことができなかったです。
この女性は本当に母親なの?
母親の愛に触れて改心する男の話なの?

いやいや・・それだけではなかった・・・・驚
私の想像を超えたストーリー展開。
終盤からは、言葉もでない状態でした。
余韻もかなりあり・・・
思わずう~~んと唸ってしまう感じ。
そうきたか・・・。

ネタバレ。

寓話的な物語として考えるべきなのかな・・・
題名から受けるイメージも考えると
観るものは、この映画からいろいろなものを受け取ることができそうですよね。

母親は・・・本当の母親ではなく
主人公ガンドによって、自殺に追いやられた男の母親。
つまり復讐のために、ガンドに近づいたのだ。
しかし、ただ相手を殺すだけでは物足りない。
愛を知らないガンドに、母親を与えるという行為によって
愛を植え付け、さらに、母親がいなくてはダメだというところまで気持ちをもっていかせたところで
プツンと断ち切る・・・。
母親であるミソンの死を、ガンドの前で示すのだ。
そこで感じる
「大切なものを失うことへの深い悲しみ」


おお~~~~なんという、非情な復讐手段であろう・・・・。
それを知ると
ミソンが、編んでいるセータの存在も
植えた木の存在も、意味をもったものと感じるわ・・。

でもなりより
衝撃なのは
ミソンの心境変化。
息子を失った悲しみと憎しみの中での
行動だと思っていたのに、彼女が今まさに死のうとしている瞬間に
復讐する相手、ガンドに、いいようのない感情をもっているんだということ。
「可哀そうな、ガンド」といった、ミソンのその心内を思うと複雑な心境。


憎しみで近づいた相手に
親としての感情を再び、蘇らせてしまうなんて
なんてせつないことなんだろう。


母親はだからこそ偉大なんだろうね。
憎しみの中でも感じる、慈しみの心に
人間の奥深い、感情の世界を感じずにはいられなかったです。

ラストも
近頃みたこともないほどの
静かで、美しい光景に感じますね。
罪の浄化・・・

あ~~~すばらしい作品でした。

今度は劇場で観たいなと思うものの
「メビウス」は
かなりきつそうですね・・・。

ss09sub01_largepieta.jpg

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ  

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ  (2009  イギリス・カナダ)


NOWHERE BOY


監督: サム・テイラー=ウッド
製作: ロバート・バーンスタイン
ダグラス・レイ
ケヴィン・ローダー
製作総指揮: マーク・ウーリー
テッサ・ロス
クリストファー・モル
ジョン・ダイアモンド
ティム・ハスラム
原作: ジュリア・ベアード
脚本: マット・グリーンハルシュ
撮影: シーマス・マッガーヴェイ
プロダクションデ
ザイン: アリス・ノーミントン
衣装デザイン: ジュリアン・デイ
編集: リサ・ガニング
音楽: ウィル・グレゴリー
アリソン・ゴールドフラップ
音楽監修: イアン・ニール
出演: アーロン・ジョンソン ジョン・レノン
アンヌ=マリー・ダフ ジュリア・レノン
クリスティン・スコット・トーマス ミミ・スミス
デヴィッド・スレルフォール ジョージ伯父さん
デヴィッド・モリッシー ボビー
トーマス・ブローディ・サングスター ポール・マッカートニー
サム・ベル ジョージ・ハリスン
オフィリア・ラヴィボンド
ポール・リッター



1950年代半ばのイギリス、リバプール。
伯母夫婦のもとで育てられていたジョン・レノン。
ある日
伯父ジョージが突然死去。
葬式の日に、実の母ジュリアを発見するジョン。
実の母が近くに住んでいることを知り、交流を持ち始めるが・・・




感想

ビートルズにはあまり思い入れがある方ではないので
その点では、他の人より楽しみ方として、損しているのかな・・・と思いました。
いろいろな背景や知識を知っていれば
実際はこうだったとか・・・
いや違うとか・・・
もっと膨らみのある感想も述べられたかもしれないからね・・・・。



でも、ビートルズ詳しくないものでも
この映画は
青春映画として完成度が高いので
充分満足して観ることができました。


2人の母親との間で苦悩する主人公。
共感できるんだよね~~~
思春期の子供にとっては当然の反応だと思うことが多かったです。
(母が2人もいるってわかれば戸惑うものね)
でもそれだけなら、普通の映画と同じように感じるんだけど
この映画では
そんな息子に接する親、2人の母親の
立場もところどころで
わかるな・・・・という部分があったのよね。
これは親になっている自分だから余計そう感じるのかもしれないけれど。
普通なら子供を捨ててしまった母親の方には、いい感情持たなかったりするんだけれど
この映画の母親では、そう感じなかったのが不思議。


この2人の母親は姉妹。
ジョンを生んだ母親は
若かりしころは夫がいても他の男性と軽々しく関係もっちゃうような・・・そんな女性なんだけれど、
憎めない魅力があったんだよね。
無邪気で明るくって音楽の才能もあって・・・
そういう部分を彼が受け継いだのね…と思うと
血は争えないんだな・・・としみじみ思ってしまうんだよね
一方で厳格であるもう一人の母親。
こちらは、危なっかしいジョンを一生懸命、見守ろうとしている。
時には疎まれたりもしていたけれど
この母親の存在もまたジョンには影響力大であったと思うんだよね。
確実に言えることは
2人とも彼を充分愛していたってこと。

良い話だったよ。


ラストはちょっと悲しい場面があってビックリしてしまうんだけれど、
気持ちよい終わり方で締めくくっているので
後味はとっても良いです。


no-bo-i302.jpg





主演のアーロン・ジョンソンは
新作「アンナ・カレーニナ」に出演だよね。キラーのお相手。
私はこのジョンレノン映画がアーロンお初かな。
ちなみに、結婚後、妻の旧姓を合わせて法律上の名前をアーロン・テイラー=ジョンソンとしたそうな。
奥さんはこの映画『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』の監督さんで
23歳の年齢差。まあ・・・これは書いとかないとね、うらやましいから・・・・笑


名前のない少年、脚のない少女

名前のない少年、脚のない少女  (2009   ブラジル・フランス)


OS FAMOSOS E OS DUENDES DA MORTE
THE FAMOUS AND THE DEAD


監督: エズミール・フィーリョ
製作: サラ・シルヴェイラ
マリア・イオネスク
脚本: エズミール・フィーリョ
イズマエル・カネッペレ
撮影: マウロ・ピニェイロ・Jr
音楽: ネロ・ヨハン
出演: エンリケ・ラレー “ミスター・タンブリンマン”
イズマエル・カネッペレ ジュリアン
トゥアネ・エジェルス “ジングル・ジャングル”
サムエル・ヘジナット ジエゴ
アウレア・バチスタ 少年の母


ブラジル南部の小さな田舎町。
母親と2人で暮らす16歳の少年。
居場所がない彼は
インターネットの中に安らぎを見出している。
やがて彼はネットで写真を投稿をしている
神秘的な少女“ジングル・ジャングル”の存在を知り・・・



感想


新作2本続けて観ました。一週間まえぐらいかな。
この作品とあわせて観たのがスーパーエイト(そのうち感想UP)
あちらが分かり易いぶん、余計この映画はつらかった・・・


わからない・・・・・!!
映画続けて観ているから、多少疲れてはいたけど・・
それでもわからない・・・


今思いだして感想書いているけど、余計わからなくなっている・・・・笑


今回
何の予備知識もないまま(ちらしも、予告知らず)鑑賞に臨んでしまったのが響いたのかもしれない・・・
いや、予備知識はあまり入れない方が新鮮な気分で観ることができるので
絶対いいに違いないんだけど
この映画に関してはね・・・・どうかな・・


この映画を鑑賞に選んだのは
DVDのパッケージと映画の題名から。

すっごくそそられる感じだったから。
ね・・・いいでしょ?
脚のない少女って意味深でしょ?
実際脚はあるけど・・。


岩井俊二っぽい、少年少女の淡い恋愛映画だと思っていたけどちょっと違ったわ。



前半はとくに話がつかめないと思うわ・・・

現実と幻想が入り乱れているので。
説明的な部分も
極端に少ないので
ついていけないところもあります。


思春期はそれでなくても不安定だからね・・・
その感情の波に
他人がのるのは難しい・・・まして、結構年いっている自分だし・・・笑



ネットと繋がる
孤独な少年という、設定は現代ならでは。
さらにこの映画、ブラジル映画なんですよね。
アートを感じさせる映像であるので、意外!!と思わせます。



全然内容に踏み込まず、すみません。
もっと明確なレビューも存在するので深く知りたい人はそちらを・・・
なにより
関心があれば是非自分の目で確かめてみてください。
一筋縄ではいかないかもしれませんが・・・


ジングル・ジャングルの
ネット上の写真は魅力的ですし、
物語で印象的に流れる
ボブ・ディランの「ミスター・タンブリンマン」も耳に優しいです。
少年のハンドルネームでもあるタンブリンマン。



自分の若い頃を思い出してみてみるのもよいかもしれませんね。



↓ちなみに写真の男の人は少年ではありません。


thefamousdeadmain_s.jpg

ニュームーン/トワイライト・サーガ  

ニュームーン/トワイライト・サーガ  (2009  アメリカ)


THE TWILIGHT SAGA: NEW MOON
NEW MOON


監督: クリス・ワイツ
製作: マーク・モーガン
グレッグ・ムーラディアン
ウィク・ゴッドフリー
原作: ステファニー・メイヤー
脚本: メリッサ・ローゼンバーグ
撮影: ハビエル・アギーレサロベ
プロダクションデ
ザイン: デヴィッド・ブリスビン
美術: キャサリン・イルチャ
衣装デザイン: ティッシュ・モナハン
編集: ピーター・ランバート
音楽: アレクサンドル・デスプラ
舞台装置: レスリー・ビール
出演: クリステン・スチュワート ベラ・スワン
ロバート・パティンソン エドワード・カレン
テイラー・ロートナー ジェイコブ・ブラック
ダコタ・ファニング ジェーン
アシュリー・グリーン アリス・カレン
ニッキー・リード ロザリー・ヘイル
ジャクソン・ラスボーン ジャスパー・ヘイル
ケラン・ラッツ エメット・カレン
ピーター・ファシネリ カーライル・カレン
エリザベス・リーサー エズミ・カレン
エディ・ガテギ ローラン
ラシェル・ルフェーブル ヴィクトリア
マイケル・シーン アロ
ジェイミー・キャンベル・バウアー カイウス
クリストファー・ハイアーダール マーカス
キャメロン・ブライト アレック
チャスク・スペンサー サム・ウーレイ
アレックス・メラズ ポール
ブロンソン・ペルティエ ジャレッド
キオワ・ゴードン エンブリー・コール
ギル・バーミンガム ビリー・ブラック
アナ・ケンドリック ジェシカ・スタンリー


“トワイライト・シリーズ”の第2弾。
18歳の誕生日を迎えてしまったベラは憂鬱だった。
永遠に17歳のままでいる恋人のヴァンパイア、エドワードより年上になってしまうからだ。
そんなある日、エドワードの家族から誕生祝いの招待をうける。
しかし、その席でベラは指を切ってしまい、
それをみた、エドワードの家族は彼女に襲いかかる。
エドワードたちカレン一家はベラのことを考え、町を去ることに。
エドワード自身からも別れを告げられベラは落ち込むのだが。





感想   

青春ラブロマンス・・・笑、のトライライトシリーズの第2弾。
今回はエドワードが不在(最初と最後にちょっこと出てくる感じ)で代わりといってはなんですが
新たな人物クローズUPで、物語は大きく展開していきます。


130分の長編。
ちょっと長いな・・という気もしました。
ただ、物語展開としては
こういう方向性になるのね(意外だわ・・・)とわかり始めるので
興味は惹かれます。


今回は、笑いの部分が少なかったのは
早々に、エドワードが退散してしまったからでしょうか。
寂しいです・・・とは思いませんよ・・・。
映画は前半から
主人公のベラちゃんが恋人エドワードが去ったことで
かなりやつれまくりますし、
行動も、はちゃっめちゃになっていくので
ジメジメした暗~~い雰囲気が漂います。


もともと明るい方ではないベラちゃんは
ますます暗くなるので
なんだか、観ている方も、大きなため息をついてしまいそう・・・・。

でも・・・そこに
新たに助っ人が・・・・!!


新たなに主人公に絡んでくる人物として、幼馴染のジェイコブが現れるんです(1作でも出てきたけどね)
このジェイコブ・・・・思いははたからみても見え見え。
ベラちゃん大好きオーラがでています。

男らしくてなかなか素敵です。
なぜか、途中から髪を切り短髪に。
そして、なぜかしら、上半身裸に・・・・笑
ここはファンら嬉しい限りということなのかしら・・。

なぜに裸が多いかというと、
それもそのはず、ジェイコブの正体は、○○○男だったんですよね!!
(いや、洋服着ていたって変身の妨げにはならないでしょう・・・)


ベラちゃんの言う
年をとることの恐れ・・・
そうよね・・・エドワードは永遠に17歳のままなんだものね。
考えれば考えるほど
状況は最悪。

2人の幸せの道はやっぱり、同じように、
ヴァンパイアになって、永遠の命を得ることなのか・・・
難しいよね。

それで愛は永遠のなのかな・・・って思ったり。
だって一生、そのまんまの若さなんだよ・・・・。
気持ちの部分で永遠ってありえるのかな・・。


ジェイコブの急な変身は見どころ。
おお~~~と思ってしまうから。
意外と大きな○○○○になるのね。
迫力ありました。



ヴァンパイアのアリスと
妙に仲良しだったのが意外でした。
前作でそんなに仲良かったっけ?気に入ったのかなベラのこと。



イタリアへの、
死を求めてのエドワードの旅。
一番盛り上がるところなんだろうけれど、
私的には、あまり興味深くなかったかな。


とにかく、長いという印象があるのは
メリハリがないからかも。

パッ、パッいうはげしい場面展開で
いろいろ考える間もなく、勢いのみで進めていった方が
より面白く感じられたんじゃあないのかなと思いました。



個人的に・・・ジェイコブは
彼女を支えて偉いね。
振り回されるジェイコブが不憫でした。



べラの周りには
もっといろいろな男がいるだろうに・・・
なぜに気になる男性たちは皆、
普通じゃあないの・・・・笑


ヴァンパイアの次は
○○○○男だなんて、
ビックリです。

ニュームーンサーガンe





ナルニア国物語   第一章  ライオンと魔女

ナルニア国物語    第一章  ライオンと魔女 (2005 アメリカ)


THE CHRONICLES OF NARNIA: THE LION, THE WITCH AND THE WARDROBE

監督: アンドリュー・アダムソン
製作: マーク・ジョンソン
製作総指揮: アンドリュー・アダムソン
ペリー・ムーア
フィリップ・ステュアー
原作: C・S・ルイス
脚本: アンドリュー・アダムソン
クリストファー・マルクス
スティーヴン・マクフィーリー
アン・ピーコック
撮影: ドナルド・マカルパイン
クリーチャーデザ
イン: ハワード・バーガー
視覚効果スーパー
バイザー: ディーン・ライト
特殊メイク: ハワード・バーガー
プロダクションデ
ザイン: ロジャー・フォード
衣装デザイン: アイシス・マッセンデン
編集: シム・エヴァン=ジョーンズ
ジム・メイ
音楽: ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
クリエイティブス
ーパーバイザー: リチャード・テイラー
出演: ウィリアム・モーズリー ピーター・ペベンシー
アナ・ポップルウェル スーザン・ペベンシー
スキャンダー・ケインズ エドマンド・ペベンシー
ジョージー・ヘンリー ルーシー・ペベンシー
ティルダ・スウィントン 白い魔女
ジェームズ・マカヴォイ タムナスさん
ジム・ブロードベント カーク教授
声の出演: リーアム・ニーソン アスラン
ルパート・エヴェレット キツネ



第二次世界大戦下のイギリスが舞台。
戦争を避け、カーク教授に預けられる4人の子供たち。
長男ピーター 長女スーザン 次男エドマンド 次女ルーシィ。
ある日、ルーシーが衣装箪笥に入り込むと、一面雪に覆われた世界が広がっていた。
その世界はかつては偉大な王「アスラン」が作った国。
しかし今は「白い魔女」によって寒い冬の世界になっていた。


感想    地上波放映されたのを観ました。
今頃です・・・笑。すでにブームも過ぎているでしょうか・・・笑
なぜか、この手のファンタジーものは後に後にと回ってしまいます。
あのロード・オブ・ザ・リングも、全部、観るのに何年かかったことか・・・。
それもすべて、テレビでだなんて。ファンには怒られますね・・・。
有名なパイレーツ・オブ・カリビアンも、きちんと観たことがないのですよ。
映画ファンとはいえませんね。ああ・・ハリーポッターだけは前作以外は観ているけど★


ということでナルニア。
あ~~これが噂の長男ピーター君なんですね。
あ~~これが噂の石野陽子似の長女。
誘惑にかられて兄弟を裏切ってしまう弟君。・・・子どもならば致し方ないと・・・納得できます。
末娘ちゃんは、可愛い顔立ちとは思わないけど、観ていると、愛おしくなる
キャラで好き。

そして、タムナスさんの、ジェームズ・マカヴォイ 。
観たかったのよ。彼の演技。耳も鼻も強烈だったけれど、
素敵な泣き顔に、あらまあ~~そんなお顔しないでとニタニタしてしまったわ。

長い映画でしたけれど、面白かったですよ。
それだけの感想かい↑・・笑



タンスの中には、秘密の世界があったなんて。
何て空想力膨らむ内容なの!!
子どもと楽しむには最適かも。残酷なシーンもないし、しゃべる動物達も愛らしいです。

それと、この映画だけで充分完結しているので
消化不詳にならないのがいいです。


ではちょこっと真面目なお話。


ナルニア国物語は、20世紀を代表する英国作家C・S・ルイスの著作。
全7巻からなるファンタジー。
第1章「ライオンと魔女」で
原作者のC・S・ルイスはクリスチャン作家だそうで
ナルニアの民を救うためにアスランが石舞台で殺されていくのは
キリストの「犠牲の愛」、「身代わりの死」を意味しているようです。
映画「パッション」のイエスと同じ。
あの毛をかられるシーンは痛々しくて観ていられなかったです。
アスランが、地震とともに復活するのも↑を考えると納得できますよね。
聖書の世界に置き換えて観るのも
興味深いですね。
ちなみに、うちは子どもがキリスト教主義の学校なので
子の方が聖書については詳しいです。色々教えてもらっています。
↑の本はすでに読んでいるみたいで、やはり定番なんでしょうね・・。
外国の映画は聖書が絡んだものも多いので知識はあった方が
より楽しめるかもしれませんね・・。




narunia.jpg

ナイロビの蜂 

ナイロビの蜂  (2006年 イギリス)

監督  フェルナンド・メイレレス
出   レイフ・ファインズ(ジャスティン)
レイチェル・ワイズ(テッサ)
    ダニー・ヒューストン(サンディ・ウッドロウ)
    ビル・ナイ(サー・バーナード・ぺレグリン)
    ピート・ポスルスウェイト(ロービア)

製作:サイモン・チャニング=ウィリアムズ
脚本:ジェフリー・ケイン
原作:ジョン・ル・カレ
音楽:アルベルト・イグレシアス


原作はジョン・ル・カレの『ナイロビの蜂』。
情熱的な若妻テッサと、植物を愛する穏やかな
外交官の夫ジャスティン。
2人は 結婚し夫の駐在先のナイロビで暮らしていた。仕事で旅立つ
妻を2日前に見送ったばかりのジャスティンの元に
妻の死の知らせが届く。
妻の死に疑問をもったジャスティンは、
真相を独自に調べ始める。
そして、アフリカで横行する薬物実験、
官僚と大手製薬会社との癒着にたどり着く・・。
テッサの想いを引き継ぐジャスティンだが・・。


感想  レイフファン必見の映画です。
賞を受賞したのはレイチェルですが、私は、レイフも
かなり・・良かったと思います。
むしろ、レイチェルより良かったのではと・・・笑
私はずいぶん前に原作を読みました。
これに彼が主演するとわかってすぐ手を出したのです。
詳細は忘れてしまっていたのですが、主だったストーリーは把握していたということで、いわゆる予備知識ありの状態でした。
ですから、え・・・甘いラブ・ストーリーじゃあないの~
こんなに社会的な要素が含まれていたの~~というような
意外だった的な・・感想は持ちませんでした。
原作どおり・・・だと・・笑
(巷の宣伝によるとロマンス色が強い感じですけど、ちょっと違いますよね。)
原作はスローテンポの展開なので読むのが、苦痛でしたので、
映画のような早いスピードで進んでくれた方が私にはかえって
ありがたかったです。本を読んだ限り
ラブ・ロマンス的なものに関しては感情移入しにくかったように記憶しています。でも、映画では、
生身の人間が演じているでしょ。心の動きが、表情、行動で
リアルに伝わってくるんですよね。
ですから、夫婦のあり方というものが
強く感じ取れましたね。

さて・・この物語は
一つのジャンルには当てはまらない作品です。
ラブと(夫婦愛の再確認?)と社会派サスペンス。
2つの観点から感想書きますね。


社会派ということで。
ナイロビの現状が描き出されます。
医療も満足に受けられない人々。
貧しい生活を送っている人々たちを、利用しようとする
権力者たち・・。
どんな状況下で生きていようとも与えられた命の
重さに違いはありません。
いとも簡単に捨て去ってもいい命など
どこにもないのです。
でも・・・だからといって、そういう現状を見て見ぬふりするのが
多くの人たち。なぜなら、どこかで、なにをしても
変わることなど何もないと考えるからかもしれません。それは
映画、冒頭の外交官ジャスティンも同様だったでしょう。
でも、ジャスティンは変わっていきます。
彼を動かしたのは、妻への死が原因で、愛を知ることによって
彼は人としてとっても魅力的な人物になっていったと思うのです。
事なかれ主義から、自分の信念を貫くほどの熱い人物に
なっていったこと・・。映画後半、飛行機に子どもを乗せようと
する試みもその表れであるでしょう。
でも、ことはそんな簡単には収拾しないのが、現実。
ここらへんはちょっと複雑な思いも感じなくはなかったですね・・・。

映画を観ながら自分達も、何か得るものが、あったはず。
何かできることから始めようという精神をもつようになれたの
ならば、そういった意味において
この作品は非常に価値あるものだと思うのです。

さて・・次に夫婦愛・・。
語らせると長いよ・・・笑
ジャスティンを動かしたのは、まさに妻への思いからに
違いありません。

この夫婦・・私たち一般人の夫婦関係とは
また異質であると思えるところもあります。

夫婦関係があまり描かれていない分、
妻の夫への愛がわかりにくいとも
思います。(映画においては夫の心の動きの方が明確・・
だからそちらの方が断然感情移入できますね・・レイフだし・・。)

彼らの結びつきをみると、ジャスティンは、テッサの押せ押せムードに巻き込まれて、強引に結婚させられてしまったという様子が伺えますよね。愛人でも妻でもいいから連れてって・・というプロポーズは
どうかと思えますしね・・。好きといえば・・ってね・・笑

ジャスティンにしてみれば、嫌いじゃあないけれど、まさか、こんなに早く結婚を考えるとは・・と思っていたんじゃないの?映画を観る限りはテッサは、ジャスティンを自分の信念を貫くための手段として
考えていたように思われます。

これが、そもそもこの夫婦の、結婚にいたるまでの過程で
納得いかない点を感じる部分ではあるでしょう。

「あなたといると安心するの」
というテッサのいう安心とは
仕事ができる環境ということのように感じられます。

テッサにとっての、夫というのは
一般的のそれとは大きく違うように感じます。

雨の降る中・・遅くまで仕事をしてきた妻を
1人膝を抱えて待ている夫。身重の妻の体を案じての夫なのに
妻は「待っていなくても・・いいのに・・・」
なんて。そりゃ・・・夫・・レイフは可哀想・・。

でも、テッサは別に悪気はなかったのかも。
それがテッサの夫に対する愛情。自分のために夫が
つらい思い・・苦痛を感じているのをすまなく感じるのが
テッサなのです。

だから、夫を守るために真実をいわなかったというのは
テッサなりの愛です。テッサは弱くないのです。
限りなく強い・・。強すぎてかえってジャスティンには理解の出来ない存在でもあったのですよね。

私は、普通人だから、そんな大きな愛はなく、
あなた・・助けて・・・と告白しちゃうタイプですかね。

つまり、テッサは、女性的な要素を持ちながら
精神は男性的なように感じますね。

夫の・・妻の人生に干渉しないという考え方と
妻の・・・肝心なことは何一つ夫には伝えない・・・という・・
考え方。

すべてを分かち合ってこその夫婦・・・という私の考えとは
違う夫婦像です。
それはやはり気にはかかります。
2人がどんなにか信頼しあい
愛し合っていたというものには感じられなかったからね。
でもそれが逆に後半の展開にいきてきたと思うのです。
後半・・・彼の愛再確認もしくは、真実の愛に到達する過程には
やっぱりうるうるしてきたのです。
ジャスティンはテッサ=自分の愛した人はどんな人かということを
知る中で、新たな愛を見つけ出していったといっていいでしょう。
それは真実の愛です。
そうね・・倦怠期の夫、もしくは妻が、お互いの伴侶の
新たな面を発見し、再び愛を確認するような心境よね・・
あ・・倦怠期ではありませんが・・・笑


2人が出発した時点では(結婚・・当初)
心底わかりあっていたとはいえない・・・
結婚してもやはりお互いの心の中にまでは
入っていかない夫婦だったのだから、やはりわかりあっていたとは
いえない・・・どこか溝があったのでは・・。

でも、その溝を妻の死をきかっけとして
埋めていったのではないかと・・・。
夫のほうが歩み寄ったという形ですが。

テッサの自分への愛は、大きかった。

彼女のもつ愛は、アフリカの民にたいして与えていた
愛と同じようなものだったような気がします。
比べちゃ・・悪いけれど、
彼女の夫への愛はアフリカの民と同じくらいに強かったん
じゃあないかな。人類愛みたいな感じ。
だから、普通人の夫婦の愛とはちょっと違うような・・。
彼女の愛が大きかったという表現は、そういった意味で使われていた
ような気がしますよ。

彼女なりの愛なので
私の夫への感情とは違うような気はするけれど。




地の果てで、やっと君に帰る。



ラストは、物哀しいものではあるけれど、
彼にとっては幸せな選択であったのかもしれませんね。

汗でにじんだTシャツ姿のレイフがとても素敵でした。
小汚くても魅力的。むしろそのほうがいい・・

あ・・・映像について。
回想を多くし、残酷な面は直接的にはみせず、
なにより、現場のリアル感を出すような演出でした。
ラブもサスペンスもバランスよく組み込まれていて
よく出来ていたんじゃあないかな・・。
前作の方が、力強さというものが感じられたけれど
これは原作ありの作品なので、これはこれでよかったと思っています。


ところで、思想の違う夫婦の姿といえば、
私は「追憶」を思い出すのですが、似ていませんか。
活動的な妻に対して何事も穏便に済まそうとする夫。
結局のところ妻の生き方を理解しがたい夫は、
妻と別れる決断をしてしまいます。愛していても、
生活できないということはあるものです。

でも、レイフ扮するジャスティンは
自分を変えていくんです。
そこがいいな・・・。でも愛する人はもういないというのも
むなしいですが・・。

この物語は彼なしでは成立しなかったのではないでしょうか。
ってそこまで言っていいのか・・笑



夫婦とはやはり相手の世界に入り込むことだと。
そういう意味では私はテッサへも
同じ思いを要求しますね。

死んじゃったけれどね。
彼女もまたジャスティンを思いやるべきでは・・。

やはり隠すのは
どうかと思うよね。

323841_005.jpg

323841_013.jpg

<N0007783_l.jpg

05062505b.jpg

プロフィール

みみこ

  • Author:みみこ
  • レイフ・ファインズ好き
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク