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わたしを離さないで  

わたしを離さないで  (2010  イギリス・アメリカ)

NEVER LET ME GO


監督: マーク・ロマネク
製作: アンドリュー・マクドナルド
アロン・ライヒ
製作総指揮: アレックス・ガーランド
カズオ・イシグロ
テッサ・ロス
原作: カズオ・イシグロ
『わたしを離さないで』(早川書房刊)
脚本: アレックス・ガーランド
撮影: アダム・キンメル
プロダクションデ
ザイン: マーク・ディグビー
衣装デザイン: レイチェル・フレミング
スティーヴン・ノーブル
編集: バーニー・ピリング
音楽: レイチェル・ポートマン
音楽監修: ランドール・ポスター
ジョージ・ドレイコリアス
出演: キャリー・マリガン キャシー
アンドリュー・ガーフィールド トミー
キーラ・ナイトレイ ルース
シャーロット・ランプリング エミリ先生
イゾベル・ミークル=スモール キャシー(子供時代)
チャーリー・ロウ トミー(子供時代)
エラ・パーネル ルース(子供時代)
サリー・ホーキンス ルーシー先生
デヴィッド・スターン
ナタリー・リシャール
アンドレア・ライズブロー
ドーナル・グリーソン



カズオ・イシグロの同名小説の映画化。
イギリスの田園地帯にある寄宿学校“ヘールシャム”。
徹底した管理が行われている謎めいた施設の中で
幼い頃からずっと一緒に育ってきたキャシー、ルース、トミー。
彼らは過酷な運命を背負っているのだが、静かにそれを受け入れていた。
18歳になったとき、彼らは、ヘールシャムを卒業し、
農場のコテージで共同生活を送ることになるのだが・・・・。





感想


DVD鑑賞になるだろうと諦めていたのですが、
なんとかギリギリで鑑賞。間に合って良かったです☆・・・。

原作は前に読んだことがあるので、ストーリーの大筋(真相を含む)はを知っていました。
だから最初から、彼らはそういう運命なんだよ・・という
思いが頭に中をちらちらかすめていて、一つ一つの言動すべてが、ひどくもの悲しいものにみえて
しかたがなかったです。
原作のときは、彼らの三角関係についてよりも、その運命的なものに
興味を惹かれてしまった印象があるのですが
映画の方は真相を知っている分、恋愛部分においてのせつなさを注目して観ることが
できた気がして、それは良かったのかな・・・と思います。
子供時代の
キャシーのトミーへの思い。
ルースのトミーへの思い。
子役の雰囲気がとても良くって、揺れる思いが素直に伝わってき、
また自分の青春時代の淡い思いもクロスして、とても良かったです。


やっぱり映像で観ると、ストレートに心にバシバシ響いてくるという感じがしますね。

原作読んだとき、
一番に思ったことは、選べる未来があることは幸せなことなんだな・・・・・・・でした。

今回、それを含め
またまた、いろいろ考え巡らしてしまったかな・・・という感じです。



映画の後半で
臓器提供の猶予をえるために
マダムのところに行く、キャシー
とトミーがいますよね。
愛し合っているという証拠をみせるため、芸術作品を持って行く彼ら。
でもそれは、噂でしかないこと。
彼らの運命は変えられない・・・。
そもそも、作品を集めていたのは、彼らに魂があるのかどうかということを知るためであるということ。
そのときマダムは
彼らに
「かわいそうに・・・助けてあげられなくてごめんね・・・」みたいなニュアンスで
同情の視線を送るのですよね。

は~~複雑な心境でしたね、そのシーン・
そのあと、トミーの慟哭シーンですからね。
観ているこちらも
どうしていいか・・・わからなくなってしまって、ただただ同じように叫びたい心境でした。



彼らの心情を理解してくれた人がいたとしても
彼らを救う事はできない・・・
また彼ら、クローン自身も
その運命から逃げ出すこともせず
結局受け入れてしまうしかない・・・



そうやって皆が
すでに構成されているシステムの中、
流されるまま・・・過ごしていく・・・
やるせない・・・
やるせない・・・・

終始、そういうムードが漂う映画なんですよね。
これはもう、かなしくてしょうがないとしか言えないですよね。


ただ、
それだけで
思いを完結してはいけないのかもしれないなとも・・・と思います。




トミー、 キャシー・・ともに
猶予を得たいと申し出たのは
心が通じ合う=愛する人に
巡り合えたから。

生を感じもっとさらに感じたいと願ったから。

猶予を申し出た・・・(本当だったらもっと、わがままいって、オリジナル同様、最後の命が燃え尽きるまで
生きたいという考えに及んでもいいのではと思うのだけれど、そこまでの発想には発展していかなかったですね)

たとえ、数年の命でものばしてもらいたいと思ったんでしょうね。


やっぱり、生きたいと思うその原動力になるのは
夢や希望なんでしょう。
トミーやキャシーも夢や希望をお互いの愛情を育む中で
当然持ち得ていたのだろうし。


だからこそ、今、ここにいる
私たちは、それが十分できる環境を幸せだと思い
まずは、生きなくてはいけないと思うな~~~
どんなことがあっても
自ら生に終了をうつことなく、与えられているであろうそれぞれの生の期間を
精一杯生きなくてはいけないと思うのです。


もうひとつやっぱり考えなくてはならないのが、
オリジナルのために犠牲になるクローンの存在。
ここの部分を考えると難しいよね。
多くの映画で扱われている問題で、観るたびに
嫌な気分になるよね。
最近では
「月に********」の主人公、サムさん。
あのときも感じたけれど
科学が進歩していく中できっと人間は
失っていくのものも増えていくのかもしれないよね。
自分の利益を求め過ぎて
犠牲になるものの大きさに気付きもしない・・・



幼少、ヘールシャム時代に
突然、先生からら運命を聞かされてしまいますよね。
それも淡々と聞き入れる・・・彼ら。


彼らにとって、生きるということはどういうことだったんだろうね。
生まれた時からきっと同じような仲間がいて
そこには親や兄弟はいず、もちろん家族という共同体は発生していないわけ。
そんな中でどのような価値観が備わってきたんだろう。
それでも、異性に対してのほのかな感情は湧きあがってくる・・
やっぱり、人格をもった一人の人間として、存在しているんだよね。


中でもキャシーは
介護人という仕事を選ぶ・・


それはクローンたちの
臓器提供の場に立ち会い
精神的な支えになること。
いうなれば、生死をもみ届けるわけです。
やがて、自分も同じ立場になるというのに・・・。
それを引き受ける心境ってどういうものなんだろうね。

私なら
たぶん、そういう仕事は選べないと思う、きっと。
その強さが
彼女の魅力でもあるんだろうね。


表題の
わたしを離さないで・・は
トミーからもらった、1本のカセットテープの歌。


「わたしを離さないで・・・」のメロディーが
2回ほど流れるけれど、
音で聞くのはやはりいい・・。


衝撃的な内容だけれど、
終始淡々として描かれます。
感情も皆抑え気味だしね。
こちらも静かに受け入れ考えてみたくなる物語。
牧歌的な風景が
かえってもの悲しい・・・



主演の3人がそれぞれに持ち味をいかして素晴らしい・・
キーラ・ナイトレイは病んだ時の顔が怖いくらい・・・。
アンドリュー・ガーフィールドは前回観たソーシャルとイメージが違うのでビックリ。
キャリー・マリガンは幼い顔なのに芯が強い女性役で見ごたえあり。

また本も読み返してみたいわ(忘れている部分も多いから)




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ワイルド・ガール 

ワイルド・ガール   (2008  アメリカ・イギリス  未公開)

監督  ニック・ムーア
出演  エマ・ロバーツ
    ナターシャ・リチャードソン
    シャーリー・ヘンダーソン
    エイダン・クイン、アレックス
    ペティファー、デイジー・ドノヴァン
    ジュノ・テンプル



L.A.で暮らす少女・ポピー、16歳。
母親の死後
父親が恋人を作ることが許せなく、恋人への嫌がらせが続いていた。
そんなある日、我慢していた父親が怒り心頭。
ポピーを、英国厳粛な名門寄宿学校に転校させてしまうという行為にでた。
そこで彼女を待っていたのは、
意地悪な生徒会長・ハリエットだった…。





感想


亡くなったナターシャ・リチャードソンの最後の出演作。学園長役です。
父親役は、エイダン・クインです。最初と最後にちらり程度ですが。

「アレックス・ライダー」(未見ですが・・・)のアレックス・ペティファーくんも
学園内のイケメンクンとして登場します(だいぶ成長しましたね・・・・でもかっこいいね、相変わらず)


で・・・主演は、エマ・ロバーツ。
私は初めてですが、ジュリア・ロバーツの姪御さんなんですって。

この作品の
キャラを観る限り
ちょっと「ハイスクール・ミュージカル」のシャーペイ役の子と雰囲気がかぶりますね。



お話は青春コメディーかな。
ラブは少なめ。そこは物足りないな。せっかくイケメンさん出演しているんだからね・
女の子同士の友情が中心だったかな。


この主人公
結構わがままなんですよね。父親に対する反発心があるっていうのはわかるけれど、
イケイケ状態がかなり派手。
これじゃあ、父親も、しつけということで
厳格な学園に入れたくなるよね。ちょっと同情。


環境に、天と地の違いがある学園生活。
息苦しいよね・・これは。

最初は主人公と
いがみあうこともあった同室の女の子たちだけれど、
次第に心を通わしていくっていうのは定番と言えば定番。


それゆえ、安心して観ることができます。


ファッションも華やかで
出演しているガールズたちも可愛いから
それだけで目の保養にはなるでしょう。
個人的にはイギリス人のキンバリーニクソンが可愛かったです。



ラクロスの試合風景も
みることができます。楽しいね、競技風景。
ラストのチアリーダーのよる応援風景は必見。



ハリポタの、嘆きのマートルも出演していました!!→シャーリー・ヘンダーソンね。




特典も沢山ついていて、あわせてみましたけれど
撮影風景も修学旅行のようにワイワイしていてとっても楽しそう。
同じぐらいの年齢層のそれも女子ばかりが集まっているからかな。

観ているこちらも元気湧いてきてしまう
そんな映画でした。


エマ・ロバーツ
は髪の色を変えると雰囲気違うのね。

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私の中のあなた

私の中のあなた(2009)

MY SISTER'S KEEPER


監督: ニック・カサヴェテス
製作: マーク・ジョンソン
チャック・パチェコ
スコット・L・ゴールドマン
製作総指揮: ダイアナ・ポコーニイ
スティーヴン・ファースト
メンデル・トロッパー
トビー・エメリッヒ
メリデス・フィン
マーク・カウフマン
原作: ジョディ・ピコー
『わたしのなかのあなた』(早川書房刊)
脚本: ジェレミー・レヴェン
ニック・カサヴェテス
撮影: キャレブ・デシャネル
プロダクションデ
ザイン: ジョン・ハットマン
衣装デザイン: シェイ・カンリフ
編集: アラン・ハイム
ジム・フリン
音楽: アーロン・ジグマン
出演: キャメロン・ディアス  (サラ・フィッツジェラルド )
アビゲイル・ブレスリン   (アナ・フィッツジェラルド )
アレック・ボールドウィン    (キャンベル・アレグザンダー)
ジェイソン・パトリック    (ブライアン・フィッツジェラルド)
ソフィア・ヴァジリーヴァ   (ケイト・フィッツジェラルド)
ジョーン・キューザック  ( デ・サルヴォ判事)
トーマス・デッカー   (テイラー・アンブローズ)
ヘザー・ウォールクィスト   (ケリーおばさん)
エヴァン・エリングソン   (ジェシー・フィッツジェラルド)
デヴィッド・ソーントン ドクター・チャンス
ブレンダン・ベイリー
エミリー・デシャネル
マット・バリー
アニー・ウッド
マーク・M・ジョンソン


 
 サラとブライアン夫妻には3人の子供がいた。
長男ジェシー、長女ケイト、次女アナ。
実はアナは、白血病であると判明したケイトを救うべく
ドナーになる目的で作られた子供だった。
アナは幼いころから
ケイトのために何度も手術を受けてきた。
ところがある日11歳になったアナが突然、姉ケイトへの腎臓の提供を拒んで
両親を訴えるという行為を引き起こす。
お金を貯め弁護士を雇ったのだ。
ケイトを助けるために人生をささげてきたサラは衝撃を受ける。



感想   ジョディ・ピコーの世界的ベストセラー小説『わたしのなかのあなた』の映画化。
原作は未読です。
映画を観た後に知ったのですが、原作と映画とではラストが違うそうです。
これ以外のラストっていったいどんなものなんだろう。
とっても興味深く感じました。
映画のラストは悲しいけれど、それだけで終わらない
ある種の希望を感じるので、気分がどんよりとはしないんですよね。


難病ものは進んでみようとは思わないのですが
今回は、臓器提供をするために遺伝子操作で子供を作り、その子が
親を訴えるという今までにない展開に、興味を持ちしました。

まずですね、
私が思っているのとは違うような展開でした。
もっとこう、裁判中心で、訴えたという子供、アナの心理的な部分を
描いていくのかなと思ったのです。
しかし、実は、家族の絆の物語。ケイト自身の闘病の様子も描かれます。
親を訴えたというアナが、家族の中で孤立することもなく
訴えるという行為自体で、家族が崩壊していってしまうという
危機感は感じませんでした。
そもそも、それには、理由があるわけで。

ラストで明かされるように、アナの真意は別のところにあり、
少なくとも、長男ジェシーは、そのことを知っ
ているわけなんですよね。
考えてみれば、病に冒されているケイトもそんな行為をする
妹に何か意見をすることもなかったし・・・。
けんかもなかった・・・。
冷静に考えてみれば、ああそうか、そういうわけか・と答えが想像できなくは
ないですよね。
このアナの行為に対して
やっきになって、取り乱すのは母親サラのみ。父親はもっと冷静な態度で
アナの行為をとらえていたように思います。


物語は時間を行きつ戻りつつしながら
展開していきます。
アナの語りで、始まり
父親ブライアン、母親サラ、長男ジェシーがどのような気持で
白血病の姉ケイトと接していたかが語られていくのです。

ケイトが生まれ、白血病を告知される夫妻。(医者は子供がいる前で
さらりと真実を告知してしまうんですね。驚きです)
ケイトを助けるためには、もう一人の子供を作り、ドナーになってもらう方法もあると聞くと
即座に決断する母親サラ。
そのうち、長男ジェシーは失語症になってしまうなど・・・
(これはやはりケイトにかかりっきりな生活だったので寂しさからなのか・・)


ケイト中心で家庭は動いていたわけですが
けっして、日々悲観しながら生活してきたわけではない家族。

もちろん、それぞれがそれぞれに
思うこと色々あったようには思います。

病に冒されていない子どもたちは親の愛情がどこにあるのか不安を感じていただろうし、
夫はこの一生懸命の妻に複雑な思いを感じていたのかもしれない・・
もちろん、病のケイト自身は、それ以上に悩んでいたと思われるけど。

早い段階から自分の状況を理解していたケイト。
前向きな気持ちを持ちながら一方で、気持ちの整理もしていったのかもしれない・・
そう思うとつらい・・

お互いがお互いを思いやる心。
家族の
温かい愛情に包まれて生きることはどんなに素敵なことか。
自分を守ってくれる存在がいるということ。
一生懸命生きることの意味
どういう最期を自分は迎えればいいのか・・

どの部分に自分が一番心を打たれるのかは
どの家族に感情移入するのかでも
また違ってくると思います。

私はいろんな場面でツツツ~~と涙していたのですが
マックスはやっぱり、最後の母親サラと娘ケイトが病室で
アルバムを見ながら話すところでしたね。
自分も娘を持つ身なのでこういう言葉&行動を娘からされたらと思うと
そりゃ・・・もう・・・・・・。


よくあるような難病物とはまた違った奥の深い作品でも
あったかなと思いました。
素敵な作品であったと思いますよ。


が・・・あえて、言わせてもらうと。
ケイトの恋人の存在。あれは、
結末がきっとそうなるであろうと予想でき、それがあまりにも当たってしまい
う~~んの部分がありました。
素敵な場面であると重々わかっています。
確かに素敵な恋もさせてあげたい・・・
一瞬でも幸せにさせてあげたいとそういう思いから素直に観れる部分も
あったのですが、どうしても、きっと最後はそういう結末ではと
よぎるところもあり・・・、(そう思えてしまう自分も嫌だったけど)
それはありがちでは・・・・と思うところもありました。

「ガンになったから君に会えた」・・・これは
彼女ケイトにとっては、どんな言葉よりも心に響いたと思いますが
でも、やっぱり、複雑だな・・・・観ている身としては。
恋人のテイラー役のトーマス・デッカは
ドラマの、「ターミネーター」の子なんですね。なかなか素敵です。


また、どうしても気になるのは
子どもを助けるために存在するもう一人の子供という発想。
母親サラの思いは充分理解できます。
子を助けるために自分のキャリアを投げうって
なりふりかまわず突き進む行為には、ある種の、感動もします。
が、それしか見えなくなる部分には同時に疑問も感じるのです。

自分がそういう状況に置かれているわけではないので
軽々しくはいえないけど。

こういう状況を受けて
生死を離れたところで考えてみたんです。

子どもが複数入る場合
比べてはいけないし、
愛情に差をつけてはいけないし
ましてや、生き方を押し付けるのはいけない・・・よねって。


だから、アナの誕生をそういうふうにさせてしまったことに(姉のために産んだということ)
私はすでに親として、
納得できないところがあるんですよね。
母親サラのあの考え方に
どこかモヤモヤさを感じるのです。

子どもへの愛情は平等でなくてはいけない。
わかっていたって、健康児がいたとしても、現実問題、いろいろと難しかったりするんですよね。
ましてや、一方が病の子なおさら難しい。

アナは本当のところどう思っていたんだろうって、思っていました。
もっともっと自分の存在に疑問を感じたのではないのかな・・
その部分はそういうところは映画では
あまり描かれていなかったみたいだけど(意外と、葛藤が少なかった様子)
すごく気になるところでした。
実際自分がアナのような存在であったならば、もっとひねた部分があっただろうから。


音楽は明るめで
キャメロンも今までにない役で頑張っていました。
家族はみないい人で、俳優さんたちも好演。
何より
ケイト役のソフィア・ヴァジリーヴァは素晴らしかったです。
自分たちの家族のありようとか
子育てについても考えたくなるそんな映画でした。


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鰐~ワニ~

鰐~ワニ~  (1996 韓国)

CROCODILE
ALLIGATOR


監督: キム・ギドク
脚本: キム・ギドク
撮影: イ・ドンサム
出演: チョ・ジェヒョン
ウ・ユンギョン
チョン・ムソン
アン・ジェホン


漢江の橋の下に住む
浮浪者ヨンペ(チョ・ジェヒョン)。
彼は仲間内から粗野な行いをする悪いやつということで
ワニと呼ばれていた。彼と一緒にいるのは老人と小さな子ども=孤児だった。
ある夜、漢江に自殺をしようとする女性が現れる。
溺れる彼女を助けるワニ。
しかし助けた女性を彼はレイプする。そして彼のいいように扱われる女性として
傍に置くようになる。
鰐は次第に女に情が移ってきた。しかし、女は自殺する原因となった男ジュノをまだ愛していた。
鰐はその男に会いに行くが・・




感想  ギドク作品を色々観ていきますと
やっぱり処女作というのは気になります。だから早速チェック~~。
鰐・・・という題名のこの作品.
観る前から想像できないお話ね・・・・と好奇心いっぱいでありました。
題名にどこか、ひねりがあるんだろうか・・と深読みしていたら
主人公の名前が鰐でした。
そのまんま・・・。
とくにひねりはなかったのね・・・笑

シュンプルな題名でしたが、なかなかのハードな内容。
痛いシーンも多かったですし、
ムムム==ひどいよ~~~と思えるシーンも相変わらず多多ありましたね。(女性としては
きつい感じの描写ね・・・)

どうも、その後の作品を鑑賞しているからか、
冒頭のシーンから、
「悪い男」とかぶるな・・・(主人公も同じ人で、荒々しい性格だったし・・)
とか
ああ・・・主人公と女性の2ショットではどこか「うつせみ」に似た感じもするな・・とか、
その他の作品と比べてしまう部分が多かったです。

結局、彼の描く世界は出発点当初から
しっかり確立されていて、作品数が多くなるにつれ、より洗練されていったのかな・・・・と
素人なりとも感じられることができたのが大きな収穫だったかな。

とくにラストのシーンは幻想的で
そういう発想をすること自体はやっぱり、独特なんだろうな・・・って感じます。

普通は思いつかないでしょ。ああいう発想。

主人公の彼が作り上げる
あの深い海の世界にこめた思い・・・。
これも前回と同様(絶対の愛)
ぐぐぐ~~~と胸つかまされるほどの大きな
ものはなかったのですが、なにか言いようのない寂しさと愛おしさが感じられ
印象度は抜群でありました。

欲望だけが先行していて
愛の深さを知らない彼の唯一人間的、愛情満ちた行動と感じられたところだったからかな・・
でもその愛ってなんだか、せつないんだよね・・・・。


ゲイの男性が登場したり
子どもを悪の手段に使ったり
・・前半は、衝撃度の多いエピばかりで、観ていて心から面白いというものでは
なかったけれど、やっぱり後半からの展開がよかったので
頑張ってよかった・・・笑・・・と思います。
主人公の鰐・・て本当どうしようもない
行いばかりで、けっして善の人間ではないわけですけれど、
どこか彼に惹かれるものがあるのが不思議。
嫌悪感ばかりじゃあないのですよね。
普通なら・・・女性にあんなことして、それだけで、問題外としてしまう人物像
なのに、そう感じない・。何故?それって主役の俳優さんの持ち味なのかな。
どこか、完全否定できないものを感じるの。
だから女性なのに女性の立場からというよりも、彼の方に気持ちをいれてみてしまった
ところがありましたね。

ただ、会話があるわりには2人の関係にもう少し
深みが欲しかったような気がします。踏み込んで欲しかったの。
せつない思いをもっと感じたかった・・・。
だからなのか、会話が少ないのに2人の関係に深いものを感じる「うつせみ」が
恋しくてたまらなくなりました・・・・笑
「うつせみ」のが好きだということを再確認。


あと気になったのは・・
冒頭から
薄暗いシーンが多くて、よくわからなかったこと・・・・笑
はっきり観たいシーンでもなかったけれど(レイプあるしね・・・・・)
音だけ、声だけ聞いていてもイライラしちゃうかな・・・・。

さらに、ラストにかぶる音楽が、妙だったこと・・・笑
映像の美しさに比べて
チグハグな気もしましね。


ワニ

私にも妻がいたらいいのに  

私にも妻がいたらいいのに  (2001  韓国)

I WISH I HAD A WIFE


監督: パク・フンシク
脚本: パク・フンシク
撮影: チョ・ヨンギュ
音楽: チョ・ソンウ
出演: チョン・ドヨン  (チョン・ウォンジュ )
ソル・ギョング   (キム・ボンス)
チン・ヒギョン (特別出演)
ソ・テファ

手品が趣味のさえない銀行員キム・ボンス。
向かい側の子供学習塾の講師チョン・ウォンジュと
蛍光灯の修理がきかっけで出会い、挨拶する間柄となる。
チョン・ウォンジュは、彼の素朴な人柄に惹かれ好意を持つのだが
まったくその気持ちに気付かないキム・ボンス。
そのうち、彼の方は偶然であった同窓生と再会し付き合い始めるのだが・・



感想   劇場未公開。

ソル・ギョングとチョン・ドヨンの共演ということで、
観てしまった一本です。
ほのぼのとしたラブストーリー・・・・ということで
安心して観ることができました。
成り行きは予想通りということですが、韓国の恋人達ってこんな会話を楽しむにね・・・と
色々な発見もあって楽しかったです。

2人のキャラ設定が面白いです。
ソル・ギョングって今までシリアスな演技ばかり観ていたので
この映画のような平凡な役柄はとても新鮮。
ちょっとさえないところがあるのが、また可愛いです・・・・笑
手品が趣味なんですよ・・・・・・。
ホームビデオに思いを語りかけているようなオタクな彼です。

一方の学習塾の講師のチョン・ドヨンもまた地味な感じですね・・・笑
同じく、防犯カメラに思いを語りかける・・これもまた
ちょっと内気な感じのする女性です。

もうすでにお似合い・・・って感じなのですが
銀行員の彼は違う女性に目がいってしまうんですね。

もっとよく吟味すれば・・・・と思うのですが、馴染みの彼女といると楽なのか・・・
ついつい気持ちが入り込んでしまう。
でも同窓生の彼女は、彼のこと、友達ぐらいにしか思っていなかったんじゃないかな・・。

彼に片思い中のチョン・ドヨンはせつないばかり・・・。
わかるわ~~
勇気をもって
一緒に食事を~~~といっても
彼が鈍感でね。断ってしまうの・・・

もう・・バカバカバカのソル・ギョングです。


雨のシーンが多いのでそれにまつわるエピソードもいろいろあったり
お互いメガネマンだったので、それにまつわる些細な行為もまた
味わい深かったかな・・・。

ヤクルト?だったかな・・その飲み物を変わった飲み方していたり(確か後ろから
あけていた?)
飼い犬の鳴きかたで盛り上がったり・・・・。
2人のやりとりがとにかく、面白かったですね。

私にも妻がいたらいいのに・・・

これって男側も言っていましたけれど
女の方からも言っていましたね。

「妻がいたら便利じゃない?」って。
ある種プロポーズにも似たものですよね


男もここだ・・・というときは
怖気ず頑張って欲しいものですよね。



追伸  チョン・ドヨンの最新作「シークレット・サンシャイン」が気になる私。
監督は「ペハー・ミントキャンディ」のイ・チャンドンです。
東京フィルメックス上映ではどうな感じだったのでしょうね・面白いのかな~~・
つまがいたら

惑星ソラリス

惑星ソラリス (1972  ソ連)
SOLARIS


監督: アンドレイ・タルコフスキー
原作: スタニスワフ・レム
脚本: フリードリッヒ・ガレンシュテイン
アンドレイ・タルコフスキー
撮影: ワジーム・ユーソフ
音楽: エドゥアルド・アルテミエフ
助監督: ラリッサ・タルコフスキー
 
出演: ナターリヤ・ボンダルチュク
ドナタス・バニオニス
ユーリ・ヤルヴェット
ニコライ・グリニコ
アナトリー・ソロニーツィン
ウラジスラフ・ドヴォルジェツキー


 近未来。
惑星ソラリスの軌道上にある
宇宙ステーションで異常事態が発生
原因を追究するべく、科学者クリスが現場に派遣される。
ステーション内には3人の科学者がいたのだが
皆、不思議な体験をしていた。
そのうち、クリスもいるはずのないものを目にする。
数年前に自殺したはずの妻ハリーだ。
ソラリスの海は、その場に居る人間の潜在的なものを
具体化させるのだった。

スタニスワフ・レムの『ソラリスの陽のもとに』を
映画化。




感想  165分。2枚組みとは知らず、図書館で受け取ったときは
驚きました。長いんだ・・・・笑
アンドレイ・タルコフスキー は「鏡」に続いて2回目。

前回は、ちょっと眠くなりましたが
この作品は、意外としっかり観ることができました。
やはり謎めいている物語のその結末を
この目で確かめたいという強い興味が働いていたからだと
思います。
妻は・・・どうなるのか・・。
一体なぜ現れたのか。
夫婦に何があったのか。
自殺したのはどうしてか・・。

それらすべてに答えが用意されていたとは思いませんが
この科学者クリスの心に
深く眠っていたものは妻の存在だったということは
確かです。

ハリーは人間とはみなされていませんでした。
でもハリーと呼ばれる女性は
夫を愛しているのです。
そして夫もその女性を愛します。
科学的な立場だとその存在は、
人間とみなされない・・・。


死んでも生き返るハリー。
クリスがいなくなると、突如取り乱すハリー。

現実には存在しないはずのものでも
クリスの中には愛おしい思いが芽生えてくるのです。


この作品には、独特の映像が現れます。
「鏡」でも同じでした。

火・雪・水・・・

そして母親の存在。妻と混同されるような現れ方です。



そして、物語は
衝撃的な結末へと向かうのです。


正直、言葉が足りない自分はどう表現していいか
わかりません。
ああ・・こういうことね・・と
単純に理解できない世界でした。
難しいです。
自分の存在意義を考えてみたくなってしまうほど・・
人間のもつ記憶というものが
どんな意味があるのかも
ふと考えてしまいたくなりました。


なんていうのか・・哲学的なのですよね。



自分もまたソラリスという惑星の中に
放り込まれているような気分です。


大きく分けて前半と後半。
前半は宇宙船に乗り込む前の地上での出来事。
後半は宇宙船内の出来事です。


冒頭に現れる
水面に漂う水草。
それを見ているだけでも何ともいえない
思いが心の中から沸いてきますよ。


その人の心に潜在的に眠っているものをカタチに
してしまうソラリスの海。


自分なら一体どうなってしまうのでしょう。
恐い気がしますね。


相変わらず、バックに流れる
宗教音楽?が心地よいです。

時間があるときにゆったりした気分で観たい映画ですね。
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忘れえぬ想い

忘れえぬ想い  (2003  香港)


LOST IN TIME
忘不了


監督: イー・トンシン
製作総指揮: ティファニー・チェン
脚本: ジェームズ・ユエン
撮影: キョン・クォッマン
音楽: ピーター・カム
 
出演: セシリア・チャン (シウワイ)
ラウ・チンワン (ファイ)
原島大地 (ロロ)
ルイス・クー (マン)

シウワイは、ミニバス運転手の婚約者・マンを事故で亡くす。
どうしていいかわからなかったシウワイだったが、
彼の連れ子ロロを自分1人で育てる決心をし
彼と同じミニバス運転手で生計をたてることにする。
だが現実は厳しかった。仕事のやり方もよくわからない彼女は
色々な失敗を経験してしまうのだが
そのたびに、彼女を助ける同僚のファイがいた。
朴訥だが優しさに溢れるファイ。
そんな彼に惹かれる中、元恋人への思いは消えずにいた・・・


感想  今年最初のDVD鑑賞でした。昨年末、お友達のサイトさんで
この作品の名前をみつけて(その方の評価が高かったの!)
長らく興味をもっていた作品でもありました。

とっても素敵な作品でしたよ♪
観終わったあとも
余韻をいつまでも引きずっておりました。

実は、冒頭で、主人公の婚約者が亡くなってしまうので
これは、悲劇のヒロインを強調した物語で
甘い、甘い恋が語られるのかもしれないという思いが
ありました。
それだったら、あまり期待しなくてもいいのかも・・(だって
いかにも・・って感じでマンネリだものね・・)なんて
思いも感じていたのですが、これが大違い。

なんていうのか・・・・純愛映画ではありますが
それだけを語るのはもったいない作品なのです。
家族の絆って・・
生きることって・・
色んなことを考えてしまう作品でした。

どんな困難にあおうとも、自分の信念を貫く主人公に
同じ女性として共感持つことが多かったですし(やや意地っ張りねと
思うところも少しあったけれど、このくらい強気じゃなければ
子どもは1人で育てられないよね)
時折見せる、弱い面では
応援したい気持ちも沸いてきました。

もちろん、彼女の愛しい人との想い出シーンや
新しい恋に踏み出す過程には
胸がキュンとならずにはいられなかったです。

子どもにまつわるエピソード。
ずるいよな・・・・・こんな子どもに語らせたら
泣かないわけにはいかないじゃないですか・・。


幼いロロは父の死をなかなか理解できず、
寝る前にいつものように父の携帯に電話をするのですが
そこには父親の声の留守電。
「パパいつ帰ってくるの、すごく会いたいよ」・・

そんな子どもの素直な言葉に
観ている私も・・・自然に涙が・・。
子どもが無邪気であればあるほど、傍にいる大人は
つらいに違いありません。だからこそ、これ以上
子どもを悲しませないために
シウワイはがむしゃらに生きるしかなかったのですよね。

でもそんな彼女もやがて壁にぶつかります。
子どもを育てることに金銭的にも精神的にも
行き詰まるのです。
彼女は子どもを施設に預けようとすると・・

気配を察した子どもは

「いい子にするから、一緒にいてよ」

おお~~~~

ココで泣かなくて
どうするのよ・・・自分!!と思いながら号泣き。

子役の原島大地君がとっても愛らしくて

そこにいるだけで抱きしめたくなりますね。



確かに、よくある話ではありますけれど、
それだけで見逃してしまったらもったいない作品ですよ。

主人公や彼女の周りにいる人々の
心の機微が実に丁寧に描かれていて
感情移入しやすいのです。

泣かせようというあざとさがまったくなく
その点においても好印象。
自然と涙が流れ、
次第に心が温かくなってくる・・・そんな作品だったのですよ。


舞台になる香港の街の生活風景。
実に新鮮に映りました。
主人公の仕事が
ミニバスの運転手ということで
香港の街の交通事情がよくわかりましたよ。

ミニバスといってもタクシーのようなのですね。
好きな場所で乗ったり降ろしたり。
また客の奪い合いや、違反のくぐりぬけ。
いかに上手にお金を稼ぐのか。
ファイがシウワイに教えるそんな知識の数々が
実に面白くもありました。


人と人が寄り添いあい、愛を語ることが
どんなに素晴らしいことか。

それぞれに過去を背負っている2人。
主人公の彼女は婚約者を失った痛み。
そして彼のほうも、人には言えない心の傷をもっているのです。


お互いが傷を舐めあっているだけでは愛は生まれません。
やっぱり、その人のことを好きという思いがあってこそだと
思うのです。
でも、好きという気持ちはあっても、
心の中に別の人への思いが以前残っていたのなら。


もしかして、今目の前にいる人への気持ちは
過去の人を忘れるための
まやかしではないか・・
寂しさを紛らわすためだけの思いではないのか・・・と
疑ってみたくなる気持ちってよくわかりますよ。

中途半端な状態で思いを断ち切られたりすると
なかなか忘れることができなかったりしますものね。

逆に、今いる相手への気持ちが本当でも
気づかなかったり。


忘れるために人を愛するのではなく
今目の前にいる人を大切にしたいから
過去の思い出をそっと心の隅に
追いやるのだと思います。
忘れるということじゃない・・
大切な想い出の小箱にそっと納めるだけの事。


人の心って1+1が2になるように簡単には
いかないのですよね。
後戻りしたり遠回りしたりして、
やっと2の方向に向かっていくことができた2人。

応援したくなりました。


ロロを寝かせて、シウワイとファイが
2人きりで外に出る・・。
道を歩きながらシウワイがファイの手を・・
握るかな・・握りそうだよ・・・
手が指が動いているよ・・・笑

そんな微妙な感じがものすごく良かったです♪


セシリア・チャンは毎回思うのですが
常盤貴子に似ていますね。星願・パイランに続いて
今回も感動をもらいましたよ。
ラウ・チンワンは私は初めて。
THE BOOM 宮沢和史に似ておりますね。
どうですか・・・・笑


彼のようないざと言う時に手助けしてくれる男
最高ですよ・・・素敵♪


P.S  ↑2003年製作なのに公開は昨年でしたね。
良い作品なのになかなか公開されなかったのね。

mackokxgxf.jpg

私の頭の中の消しゴム

私の頭の中の消しゴム (2004  韓国)



監督: イ・ジェハン
脚本: イ・ジェハン
撮影: イ・ジュンギュ
美術: チェ・ギホ
衣装: キム・ソンイル
 
出演: チョン・ウソン ( チョルス )
ソン・イェジン (スジン)
ペク・チョンハク
パク・サンギュ
クォン・ビョンギル
キム・ヒリョン



 建設会社の社長の娘スジンは不倫の恋に破れ
傷ついていた。
そんなときチョルスという男性と出会う。
やがて恋に落ち、結婚をするが・・
しだいにスジンの物忘れが度を越したものとなっていく。
診断の結果若年性アルツハイマー。
スジンは1人悩むが・・。


感想   先日の地上波放送を録画して観ました。
吹き替えは
谷原さんと小西さん。
小西さんは髪を短く切っていましたね。ビックリ~~
やはり儚げなイメージから・・採用でしょうか。
谷原さんも今旬な方ですしね・・・。
有名人での吹き替えは
色々思うところありなのですが、
今回はまあ・・・よかったです。
小西さんはちょっと顔がちらついたけど・・・。
谷原さんはいい声だったな~~。
もともとの俳優さんの声を知らないもので
違和感なく観れたのかもしれません。

内容は純愛映画の王道といったカタチですね。
愛し合う2人→不治の病→悲しい別れ
っていうパターンはあちらの作品多い気がしますけれど、
今回の病はアルツハイマーということで
なぜか身近に感じますね。
いずれそういう形で身内と接することになるかもしれない・・
・・いや・・自分もなりゆるかも。。。。と考えると
人事には思えませんものね。

この手の作品も色々観ていますけれど、
「君に読む物語」に一番近いのかな・・・。
日本ドラマが元なんですって。
知らなかったです。

今回は箇条書きで・・思いついたまま書きます・・
 
 1・・思ったより病気とわかるまでが長かったですね。
    アルツハイマーを描いたお話という印象が強かった
    分、随分甘い世界が続くのね・・・と
    思いました。
    まあ・・その甘い世界も良かったですけどね・・笑

 2・・その2人の結婚までの経緯。
    不倫&身分違いの恋愛と
    ベタな展開だな・・・よくあるパターンね・・と
    思いましたけれど
    2人の演技がとっても自然で本当に理想的なカップル
    像だったので、知らず知らずのうちに引き込まれて
観ておりました。
    だって・・・彼氏・・カッコイイんですもの。
    私ははじめてみるのだけれど、主役の彼・・
    チョン・ウソン ・・カッコよすぎる・・・・笑
    仕事がらか、鍛えた体がちらちら見えるのだけれど
    ちょっとこっちまでドキドキするくらい
    いい体だ・・・・笑
    少し触りたいな・・・。
    シャツのボタンもさりげなく開けてあるのね・・う~~ん
    タバコの吸い方とか、笑い方が・・これまた決まっているね
    さらに目が優しい♪

    美男&美女カップルなのはやはり目の保養
    になります。こうなりたい・・・、いや・・うらやましい
    と思わせますね・・。
    ここをきつい・・・と思う人はたぶん、この作品は
    合わないかも・・
 
3・・こんなに愛してもらってどうしよう・・というくらい
    彼女を愛しているのね。ムフ♪

4・・その分、後半の病に陥ってからが
   つらく感じるのだと思いますが
   号泣きとまではいきませんでした。確かに
   気持ちを察すれば心が痛くなるようなシーンばかり
   でしたが、泣くまでは至らなかったかな・・
   それはやっぱり美男&美女すぎるからなのかな。
   全体的に綺麗過ぎるのですよ。
   非の打ち所がない2人だとかえって現実味が薄れる
   部分が出てくるんですよね。
   現実的な問題として
   どう対処していくのか・・
   もっと見たかった&知りたかった
   気もします。
   こういった病気は愛している→見守る・尽くすといった
   だけではいきませんよね。もっともっと葛藤が
   あるはずです。
   現実的には難しいもの沢山ありますよね。
   そういったものが若干少ないように
   感じました。だからといって全面的に否定的には
   思っておりません。
   この物語で描かれているように病を前にしても
   お互いが相手を思いやり、気持ちを一つにして
   乗り越えていこうという姿勢は大事だと思うからです。
   どんなつらい仕打ちを
   受けようとも、ただただ黙って
   彼女の幸せだけを守ろうとするチョルスの姿は
   観るものの心をとらえますね・・。
    
5・・お母さんひどすぎです。
   あれじゃあ・・・彼がかわいそうです。
   許すことは大事といいますが、もうちょっと親としての
   価値あるエピソードの一つでもあって欲しかったです。
   ただ、それを入れるともっと話が広がって
   焦点がボケそうですよね。

6・・医者は・・すぐ告知してしまうのですね。
   驚きました。
   旦那さんにこそ・・と先に報告してはくれなれないのですね。
   なんだか残酷ですね・・。

7・・ラスト・これは意見が分かれますね。
   あまりにも都合が良過ぎるのではと感じました。
   みんないい人過ぎませんか・・。
   ファンタジーのようになってしまい
   現実味が薄れます。
   もちろん、幸せであってほしい・・
   こうであって欲しいという思いは感じますが
   なにかこう・・・釈然としないものを感じます。
   だからといって、後味の悪いラストも嫌ですがね・・。


7・・と色々いいながら↑、いいシーンは一杯ありました。
   不意打ちのキスとか(キャ=)
   お姫様抱っことか・・・
   カードゲームも楽しそう・・・・私もしたい♪

韓国の純愛映画
・・たまには
いいですよね。


ところで・・・・・明日の記憶はまだ未見です。
そちらも観て見たいです 
こちらのほうが、すごっく泣けそうな気がしております。
かなり現実的ですよね・・・


    
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 

今日BSで
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ が
放映されることを発見。


でも、わが家は見ることできないんですよね。

好きな作品なので
以前の感想ですけれど、
紹介したくってUPしちゃいます。

時間があれば再再見したいですわ。お家にDVDあり。
でも長いんだよね・・。
時間が今ないわ・・。


ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 
 (1984  アメリカ)  
 監督  セルジオ・レオーネ 
 出  ロバート・デ・ニーロ(ヌードルス)
    ジェームズ・ウッズ(マックス)
    エリザベス・マクガバン(デボラ)
    ジェニファー・コネリー(デボラ少女時代)
    ジョー・ペシ(フランキー)

1920年代初頭のニューヨーク。禁酒法の中、2人の少年、ヌードルスとマックスは出会い、
共にボスを作らず不良仲間として悪事を重ねていった。やがて、彼らを慕う仲間が加わり、ちょっとしたギャング団気取り・・・
しかし、仲間の一人が殺されたことに怒りを感じたヌードルスが、人を殺めたことから刑務所送り・・・。彼らの友情はなくなったかに
見えたが、数年後、出所を出迎えてくれたのは、成長したマックスだった。彼はもっと大きな力をもつ、ギャング団を作っており、
ヌードルスも一緒になって、活動していくのだが、それぞれの生き方、考え方に微妙なズレが生じ始めていた・・・。


感想  

ユダヤ系ギャング団の一大叙事詩です。1920年から60年にかけての日々・・・、少年期、青年期、老年期とわけて
描かれていますが、順序立て手描かれるのではなく、回想の形になっているので、多少わかりずらい構成になっていると思います。
物語の主人公はロバート・デ・ニーロ扮するヌードルスです。彼が思いを巡らす日々がアメリカの歴史そのものを物語っているのです。
映画は、229分と非常に長いので、1度観ただけでは理解しがたい部分がありますね。私は、今回、DVDの完全版を再見したので
前回観た時にわからなかった部分がはっきりした分、より深く鑑賞後の余韻に浸ることができました。それだけ歳をとったということかも
知れませんが。

この映画は多分、ある程度年齢を重ねてから観ると、より主人公の気持ちを理解できるんじゃあないかな・・・って思います。
友情と愛と裏切りと・・・、せつなさと哀愁を含めて、非常によくできている映画なんです。ギャング映画なので、暴力シーンはもちろん
あるのですが、それ以外にも、性的描写で不快感覚える部分(女性の立場としてはね!)もちらほらと含まれているので、
女性向の映画ではないかもしれませんね。
監督さんが、西部劇中心の方だったので、男くさい映画になっているし、女性の扱いは
ちょっと添えものみたいかな・・・・って感じもぬぐえないのですがね。そういう部分があったとしても、この映画の男同士の関係には魅力をを感じるし、なぜか深い感動を覚えてしまうのです。たぶん、遠い過去を懐かしむという設定に心ひかれるんだと思います。

自分もノスタルジーな気分を味わうことが出来ることが、私としてはひどく心地よいのかもしれませんね。

冒頭は、アヘンを吸い込むヌードルスが映し出されます。彼は仲間を裏切り、その罪の意識に苛まれて、薬へと手を出しているのです。
彼の裏切りによって、殺された仲間・・・・。そんな様子から一転して、初老のヌードルスへの場面に移行・・・・・。その事件をきっかけに街を逃げるようにして出ていったヌードルスが再び、思い出の街に舞い戻ってくるシチュエーションと、なります。この青年期から老年期
への移り変わりが見事なんですよね。挿入されるイエスタディーも心に響きます。そういう行ったり来りの映像が延々と続く中、
なぜ、歳とったヌードルスが再び、思い出の街に舞い戻ってきたかという疑問がわいてきます。それは、一枚の招待状が来たから・・・。
しかし差出人のベイリーという男には、思い当たるふしがない。彼は誰か・・・何が目的か・・・。そんなミステリーも含まれてくるんです。
複雑な内容になっていますよね(笑)。説明するより、映画を観た方が手っ取り早いようです。

最初にも、書きましたが、少年期、青年期、老年期と分れている中で、特に少年期のエピソードの数々は印象深いものばかりです。
私が好きなのは、やはりアマポーラーをバックに踊るデボラのシーン。少女期はジェニファー・コネリーが演じているのですが(デビュー作
ですね)、素敵ですよ。気の強い美少女を演じていた彼女は当時光っていました。ヌードルスとの恋の行方もせつなかったです。

青年期に入るとかなりダークな展開になってしまうのですがね。
数え上げればいくらでもある名場面.
ビデオパッケージの方もなかなかの絵柄ですよ。この構図がたまらなく好きです。
音楽はエンニオ・モリコーネ。素晴らしくいいです。1度聞いたら耳から離れない、印象的なメロディーです。

かなり長い映画ということで、気軽に観ることの出来る作品とは言えないのですが、是非是非、観て欲しい作品です。
お薦めです。なぜか、自分自身の過去までもがいとおしく感じてしまうのではないかと、思えるのですがどうでしょうか。  
 onceupon.gif

悪い女・・青い門 

これは未公開だったのかな。

悪い女・・青い門  (1998   韓国)   
 監督  キム・ギドク   出  イ・ヘウン(ヘミ)   アン・ジェモ(ヒョンヌ)   イ・ジウン(ジナ)

海辺の売春宿・鳥篭に流れ込んできた娼婦・ジナ。昼は美術学校、夜は客の相手をする彼女を、
一緒に暮らす女子大生・ヘミは軽蔑する。一緒に歯を磨くのも、食事をするのも嫌悪感を生じていた。
一方のジナは、その体でヘミの父や弟、そして恋人までも虜にしていった。

感想  あらすじを聞くと、かなりエロそうな内容を想像するのですが、そうでもありません。
まあ、設定が売春宿なので、当然それなりの描写があるのですが、こういった世界もあるのね・・・と思えば、
案外真面目に観ることができます(と思います)
そもそも、この世の中、純愛だけで世界が回っているのではなく、当然、こういったどろどろした中で
生活をしている人もいるわけです。観て、損はないと思います。(興味がない人は別よ)
この宿には、生活レベルに差がある人たちが住んでいます。同じ年齢の娘、ヘミは宿経営者の娘で、女子大生です。
恋人もいますが、結婚するまで体を許さないわというひどく貞操性に縛られている、真面目な女性です。
一方の娼婦のジナは、昼こそは美術学校で学んでいますが、夜は客にいわれるままに体を許しています。
そうしなければ、生活が出来ないという境遇なのですよね。
かといって、女子大生のヘミをうらやましがっている風には感じさせません。風のように実に爽やかに。
自分の好きなように生きているように感じます。それが運命とでもいうような・・・。彼女にとっては娼婦というものが
特別なものではなく、生活の一部と化しているのですよね。
でも、そんな彼女を汚らしく感じるヘミ。  恋人と関係を結ばないのも、売春宿の娘ということで性に対して異常なまでの
嫌悪感があるからなのでしょうね。
物語はこの2人の女性の心の交流が中心かな。友情を育んでいく過程が、さりげなく描かれています。
どちらかというと、ヘミのほうが、娼婦のジナに影響されて価値観が変わってきたという感じかな。
特に性に対しての考え方が、変わってきますね。   
父親と弟までもが、ジナと関係を結んでしまうというかなりショッキングなエピソードがあるものの、
2人とも性病をうつされ、病院でバッタリという笑わせてくれる場面も用意されているなど、決して不快になるような
話だけでまとめてはいません。
「悪い男」がお好きならば、あわせて観るのもいいかもしれませんね。
   
ちなみに、海辺の町、絵を好む主人公の女性、娼婦、など、共通点も多いです。比べてみるのもいいでしょうね。
「悪い女」と邦題をつけたのも、きっと「悪い男」を意識してのことでしょうが、これはまずいですね。ちっとも悪い女ではないから。
青い門のままで、良かったでしょう。

女子大生のヘミは、冬ソナのチンスクさんですね。意外な面が観れたのも、面白かったですよ
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みみこ

  • Author:みみこ
  • レイフ・ファインズ好き
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