わたしを離さないで 著 カズオ イシグロ
わたしを離さないで 著 カズオ イシグロ
自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる
人々を12年間世話をしている。
彼女が生まれ育ったのはヘールシャムという施設。
ヘールシャムの仲間も提供者である。
その施設で過ごした青春が彼女自身の口から
語られる。
友達だったルースとトミーの思い出。
徐々に明かされてゆく施設の秘密・・・
真実はいったい・・。
感想 カズオ・イシグロさんは1954年の長崎生まれ。
父の仕事のためにイギリスに渡り、帰化した、
イギリス人なのです。
第三長編「日の名残り」はブッカー賞に輝き
映画化もされているので
ご存知のかたも多いですよね。
本書は彼の最新作。すでに英米でベストセラーにもなっております。
色々なところで噂に聞いていたので
挑戦しました。彼の本は、初めてです。
ミステリー色をおびた物語。
読者は、最初から、介護人って?提供者って?と疑問を持ちながら
読み進めていくことになります。
小出しに出される、真相。
施設での保護官たちの、謎めいた言動はどういうことなのか。
実は、主人公のキャシーも、幼少の頃はこの施設の隠された
秘密をよくわかっていなかったのです。
今だから・・・・語れる・・。
あのときの、保護官たちの行動の真意が・・。
ネタバレしないで語るのは
難しいお話です.
とりあえず、読んでいない人のためへの言葉としては・・
いい小説ですよ。いまもし、なにかに迷いを感じているとしたら
この小説を読むことで
吹っ切れることがあると思います。
将来の夢を思い描ける自分を
幸せと感じるべき・・・
自分がどう生きていけばいいのか・・・
迷う時ってありますよね。
それを自分で考えてみることができることは
貴重なことなんだな・・って思います。
選択できる人生をもてることは
素敵なことなんだ・・って。
すでに読んでしまった、もしくは
ネタバレでもいいと・・思える方へ・・
別の自分のために、
犠牲にならなければならない自分の人生。
なんて悲しんだろう。
その時点で、自らの人生を嘆き悲しんでしまわないか。
でも彼らはそんなこと少しも感じていないことが
かえって、つらかったです。
自分に託された運命を、自ら納得し、まっとうしようとする
科学は発達し
より人間が生き易い環境を
作り出してはいるけれど、
それによって何かが犠牲になっていきはしないかという
危機感さえ感じました。
起こっても不思議ではない事柄。
青春時代の甘い思い出に簡単には
酔えない重さがこの物語には
隠されていましたね。
「わたしを離さないで」は
キャシーが好きな歌の一曲。
「ネバー・レットミーゴー・・オー、ベイビー、ベイビー
・・・わたしを離さないで・・」
赤ちゃんを見立てた枕を抱いてスローダンスを踊るキャシー。
マダムと同じく、私もとてもせつなく感じました。
自分が・・・子どもを産めた喜びをあらためて
感じたりもしました。
以前、タモリの「世にも奇妙な物語」だったかな。
その中の武田真治さんのドラマで「完全治療法」というのが
ありましたが、それをふと思い出しました。
こんな話・・。
<末期がんに侵されたミュージシャンの主人公。
人工冬眠により完全な治療法が確立するのを
待つことを選択。
二十年後、大学病院のベッドで目覚めた主人公は
「あなたは治療法が見つかるまで
コールドスリープしていたその時から何十年も経っていて
今は治療法が確立している」と聞かされる。
しかし、どうも記憶がはっきりしないし、おかしい点が多い。
そんなある日、自分にそっくりの男性を
見かけて驚く主人公。
何か秘密があると
院内を探る内に、ある部屋に・・
そこには体にナンバーが打たれた自分と同じ
人間がいくつか保存されていた。
医師は、彼に説明をする。
「治療」とはクローンからの移植であるということ。
そのクローンは、内臓を抜かれてしまうので当然死んでしまうということ。かなり驚く事実なので、今まで
彼には隠していたのだと・・・。
そうか・・・病院で見かけたの自分ソックリな
男性はクローンだったのか。
安心する主人公。
だが、手術直前、自分の体に巻かれた包帯が
気になった主人公。包帯を取ってみると・・・
その下には、あの部屋で見たクローンたちと同じ
ナンバリングがあった。
そうか・・・自分もクローンだったのか!!!!・・。
手術のために蘇生させられたのか・・
といった、結構ショッキングなお話でした。
クローンを作り出すことはとっても恐いのだということも
また、考えなくてはいけないよね。
自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる
人々を12年間世話をしている。
彼女が生まれ育ったのはヘールシャムという施設。
ヘールシャムの仲間も提供者である。
その施設で過ごした青春が彼女自身の口から
語られる。
友達だったルースとトミーの思い出。
徐々に明かされてゆく施設の秘密・・・
真実はいったい・・。
感想 カズオ・イシグロさんは1954年の長崎生まれ。
父の仕事のためにイギリスに渡り、帰化した、
イギリス人なのです。
第三長編「日の名残り」はブッカー賞に輝き
映画化もされているので
ご存知のかたも多いですよね。
本書は彼の最新作。すでに英米でベストセラーにもなっております。
色々なところで噂に聞いていたので
挑戦しました。彼の本は、初めてです。
ミステリー色をおびた物語。
読者は、最初から、介護人って?提供者って?と疑問を持ちながら
読み進めていくことになります。
小出しに出される、真相。
施設での保護官たちの、謎めいた言動はどういうことなのか。
実は、主人公のキャシーも、幼少の頃はこの施設の隠された
秘密をよくわかっていなかったのです。
今だから・・・・語れる・・。
あのときの、保護官たちの行動の真意が・・。
ネタバレしないで語るのは
難しいお話です.
とりあえず、読んでいない人のためへの言葉としては・・
いい小説ですよ。いまもし、なにかに迷いを感じているとしたら
この小説を読むことで
吹っ切れることがあると思います。
将来の夢を思い描ける自分を
幸せと感じるべき・・・
自分がどう生きていけばいいのか・・・
迷う時ってありますよね。
それを自分で考えてみることができることは
貴重なことなんだな・・って思います。
選択できる人生をもてることは
素敵なことなんだ・・って。
すでに読んでしまった、もしくは
ネタバレでもいいと・・思える方へ・・
別の自分のために、
犠牲にならなければならない自分の人生。
なんて悲しんだろう。
その時点で、自らの人生を嘆き悲しんでしまわないか。
でも彼らはそんなこと少しも感じていないことが
かえって、つらかったです。
自分に託された運命を、自ら納得し、まっとうしようとする
科学は発達し
より人間が生き易い環境を
作り出してはいるけれど、
それによって何かが犠牲になっていきはしないかという
危機感さえ感じました。
起こっても不思議ではない事柄。
青春時代の甘い思い出に簡単には
酔えない重さがこの物語には
隠されていましたね。
「わたしを離さないで」は
キャシーが好きな歌の一曲。
「ネバー・レットミーゴー・・オー、ベイビー、ベイビー
・・・わたしを離さないで・・」
赤ちゃんを見立てた枕を抱いてスローダンスを踊るキャシー。
マダムと同じく、私もとてもせつなく感じました。
自分が・・・子どもを産めた喜びをあらためて
感じたりもしました。
以前、タモリの「世にも奇妙な物語」だったかな。
その中の武田真治さんのドラマで「完全治療法」というのが
ありましたが、それをふと思い出しました。
こんな話・・。
<末期がんに侵されたミュージシャンの主人公。
人工冬眠により完全な治療法が確立するのを
待つことを選択。
二十年後、大学病院のベッドで目覚めた主人公は
「あなたは治療法が見つかるまで
コールドスリープしていたその時から何十年も経っていて
今は治療法が確立している」と聞かされる。
しかし、どうも記憶がはっきりしないし、おかしい点が多い。
そんなある日、自分にそっくりの男性を
見かけて驚く主人公。
何か秘密があると
院内を探る内に、ある部屋に・・
そこには体にナンバーが打たれた自分と同じ
人間がいくつか保存されていた。
医師は、彼に説明をする。
「治療」とはクローンからの移植であるということ。
そのクローンは、内臓を抜かれてしまうので当然死んでしまうということ。かなり驚く事実なので、今まで
彼には隠していたのだと・・・。
そうか・・・病院で見かけたの自分ソックリな
男性はクローンだったのか。
安心する主人公。
だが、手術直前、自分の体に巻かれた包帯が
気になった主人公。包帯を取ってみると・・・
その下には、あの部屋で見たクローンたちと同じ
ナンバリングがあった。
そうか・・・自分もクローンだったのか!!!!・・。
手術のために蘇生させられたのか・・
といった、結構ショッキングなお話でした。
クローンを作り出すことはとっても恐いのだということも
また、考えなくてはいけないよね。

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