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県庁おもてなし課     著  有川  浩

県庁おもてなし課     著  有川  浩



高知県にある「おもてなし課」
そこで働く掛水は高知出身の小説家、吉門にいろいろアドバイスを受け
高知への魅力アピールに駆け回る。。。。
彼の成長は・・・・いかに。






感想


高知弁ってたぶん、本として読むのは初めて。
TVではたまに時代劇とかで聞いていたけど活字としては初めてなんだよね。
だからか・・・慣れるまでは読みずらかったところもあったかな。
丁寧に頭で反復しちゃったりしたよ。

お話は、お役所、おもてなし課の奮闘記みたいな感じで
そこにあわせて役所内の男女と
このお役所の方にアドバイスする民間?的な発想をもつ男の恋物語が
絡んであるというもの。
恋愛の方は2組とも落ち着くところに落ち着く・・・というのは
最初の方からわかっていたので、安心して読むことができます。
期待を裏切らない感じ・・・・の流れになるので
逆にいうと、定番過ぎる感はあるかな・・・。
ドラマ的にはピッタシな題材だと思います。
キャラも際立っていますしね・・・。

まあ・・・経営論のようなものだけど、小難しく考えることもなく、結構楽しく読むことができました。

前半よりとくに後半かな・・・
物語が加速していく部分が面白いです。
パンダ論を昔語っていた
元お役所の清遠さんが、急に役所のアドバイザーを外れるあたり・・・。
役所の体質っていったい・・・・と思わずにいられなくなりますもの。
高知のパンフ製作の過程やインタビューのあたりなども
興味深い展開になっていて
サクサクページが進みました。

お役所勤めの、掛水さんがどんどん変化していく様子
は、魅力的だったな。
多紀さんへの思いも含め、頑張れ~~~男になれ~~と応援したくなりますもの。
しかし、手短なところで彼女を探すんですね。一緒に仕事をしてすぐに好きになっちゃうのね・・・笑
一方の
作家さんである吉門喬介(清遠喬介)さんと佐和さん。
佐和さんの激しいキャラはどうよ~~~と思わなくはないけど。性格云々というより、
マナーとしてなっていないよ。役所の人だからといって水かけるのってどうよ?殴るのもさあ・・。

この2人の関係は、血のつながらない兄妹ってことなのよね。恋心が湧いてきたといっても
素直に飛び込むっていうには気持ち的に複雑なものがあるんじゃないかな・・・とは
思ったけど、そこらへんは、クリアーするに簡単ですんなりでした。
まあ・・ハッピーな方がいいけどね。


作者、有川さんの
地元である高知をはじめとする地方新聞で掲載されていた作品だそう。
なるほど・・・
自分の生まれた土地、そして、地方都市への愛を感じる作品でした。
私個人は、生活環境として2つ・・しか知らなく、(誕生&結婚後)かつ、関東圏。
あまりこれがなくて不満・・・と思ったことがなかったのよね・・・
真剣にその土地をアピールするっていうこともしたことなかったし・・・。
でも、同じ土地で生まれた人がいると
うれしくなる気持ちはあるのよね。
やっぱり、育ってきた環境って大切にしたいものね。

あ・・・さらにここでは公務員批判っぽい展開になっていて
なんだか・・仕事に関してヌルい・・・ていう
印象を感じる部分が多々あったけど・・・・笑
一応、私も昔は役所じゃないけど、公務員だったので
そんなに責めないで欲しいと思ったわよ・・・・・・・・・・笑



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レインツリーの国  著  有川 浩

レインツリーの国  著  有川 浩

大学を卒業し、関西から上京して入社3年目の
向坂伸行。ノートパソコンで昔読んだ「フェアリーゲーム」という
本のラストを皆がどう解釈しているかを検索してみた。
その中で、自分と同じ感性をもつ
「レインツリーの国」というブログをもつ「ひとみ」という
女の子と知り合う。
お互いメール交換をし、次第に
意気投合。やがて、実際に会ってみようということになったのだが・・


感想   この本は同じ作者の「図書館内乱」と内容が一部リンク。
この「図書館内乱」にはこの『レインツリーの国』が
意味を持って登場してくるそうです。(私は未読)
コラボレーション企画ということみたいですね。
関連のある本は未読でしたが、この本、オンリーでも
楽しめる作品となっておりました。
恋愛物です。


2人の出会いがネット上という設定は
実に今時ですよね。
そういえば、映画の方でも、パソコン通信で知り合った
というものがありましたね。(森田監督のハル・・)

ブログは、今や大盛況ですし、
こういう接点の持ち方って、どこにでも転がっているかも
しれませんよね。
ただし、あくまでもネット上での関係ですから
そこがすべて、真実とは限りません。
私などは、変に慎重になってしまうたちなので、
素直に受け取れない部分があるのですが、
この物語の2人は別。
成功例といっていいでしょう。だからといって、
世の中全てがこういった出会いをできるかとは言いがたいのでそこは現実と小説と言うのをうまく切り離した方が
いいかな・・・と思っております。
素直に素敵な恋物語ね・・・と
思う作品でした。もちろん、甘いだけのストーリーではありません。


自分と同じ本を読んだ人と
交流をもてるということはネット
をしている人なら、誰でも憧れることとだと思います。
コメントをもらえば、当然うれしいですし・・。
だから、主人公の彼が、躊躇いながらも出したメールに
返事がきたというときは、私自身もとってもうれしかったですよ。
相手も感じのいい子で、
うまく関係がいくといいわね・・と願わずにはいられませんでした。
現実ではどうかな・・と思うところがあっても
小説内ではいい方向に行って欲しいというのは
当然ですよね。

メールでの言葉は
どんな自分でもさらけ出してしまうと思います。
本来の自分もそうだけれど、
逆にいえば、いつわりの自分を出すことだって
できるはず。
隠していることは当然あると思います。
だからこそ、目と目を見つめあいながら
会話をすることも重要なことだと思うのです。
メールだけでは
わからない相手の姿を
知るためにも・・。

相手を好きならば、
その相手の抱える問題を
すべて受け入れる努力をしなけらばならないと
思います。

といっても、受け入れることに戸惑いを感じる度合いは
人ぞれぞれではないでしょうか。
すんなり受け入れることができる人もいるだろうし、
悩む人だって当然いますよね。

そういうこと考えると
この主人公はよく出来た人だと思いますね。
なにも問題がないとでもいうように・・・
なにかうまく行く方法を見つけ出そうとする・・。

でも逆に相手の女の子は
この”気にしなくてもいいよ”という妙に親切に聞こえる
言葉が、気に触るのですよね。
本当に自分の状況を理解した上でのことなのかって・・


そうやって、2人が率直に
自分の心をぶつけ合う姿が
とても気持ちよかったです。
うまくいかなくなるたびに、懸命に立て直そうとする
姿に好感もてました。

これは、恋愛関係にある誰でもが
見習いたいことかもしれませんよね。最近は簡単に諦めちゃう人も
いますしね。
些細なことで、
行き違ったりしてはもったいないのです。
貴重な出会いなのだから、
努力して、いい方向に持っていかなくては・・。


ネットを越えて
真実の恋にたどり着くまでの道が
歯がゆかったりもしたけれど、
いい形になっていく結末なので
読み終わったあとは温かい気分になりますね。

主人公伸行は関西弁をしゃべり
メールも関西弁です。
私は関東人なので、馴染みは少なかったのですが、
こういう風に、気軽にその土地の言葉を使う人をみると、
自分の育ってきた場所を大切にするという姿勢を感じるので
素敵なことだよね・・・と感じますね。


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