誰でもよかった    著  五十嵐貴久

誰でもよかった    著  五十嵐貴久





渋谷で無差別殺人が起こった
死者11人。犯人はその後、人質をとって立てこもる。
捜査本部は交渉人をつかって説得にあたるが・・




感想


秋葉原の無差別殺人をモチーフにしたお話。
実際に起こった事件そのものはあまりにも衝撃的だったので
いまだ記憶に残っています。
だからなのか、小説前半の事件に関する描写は、読んでいても
生々しくって息苦しくなってしまいますね。
やはり、人が殺される描写は気分悪いです。

読み手としては、この犯人の心の闇にどれだけ迫っていくのか
いや、そういう方向でなければ
被害者側の立場からのお話が展開されるのか
はたまた、復讐劇にでもなるのか・・・
どういう切り口になるのかが、非常に気になるところでした。
しかし、どれもはずれ。

予想外の警察側のそれも、交渉人に焦点をあてたストーリー展開でした。


犯人との交渉が延々と続くなかで
犯人像は徐々に明かされていきます。
この犯人
いらいらしますね。
社会から排除されていた孤独な男というイメージということですが
交渉に関しては言いたいことをしっかり言っているんですよね。
もっと根暗で人との会話なんかできないのかと思っていましたが
警察相手に自己主張はバッチシ。
挙句に
あれだけの人を殺しておきながら
逃げたいという主張も持っている。
ふてぶてしいにもほどがありますよ。
実際、こういう無差別殺人を起こす人が
逃げようとか、助かりたいとか考えるのかな・・・・・・・って思いました。
どうなってもいいや・・・という投げやりの気持ちで犯罪を起こしたのかと思っていましたからね。


どうも犯人像に関して、私が思っていたものを違うなっていうところがありました。


このお話の言いたいことは
ラストにあるのですよね。
この題名に込められた意味。
誰もが犯人側の言葉だと思うのだけど
実は、警察側にこそ、
必要な言葉だったってこと。


ああ・・・そういうことかという、納得する気持ちはあるものの、
衝撃が走るっていうほどではないかな。
それでこの手の事件がなくなるとは思わないし、ああいう犯人が出現しなくなるとも
思わないし・・・。ただ、警察としての対応はしっかり、多くの人に見せつけられたとは
思うけれど・・・。


そもそも
「誰でもよかった」という言葉自体
嫌な響きだよね。


この事件をモチーフにするのなら
重厚なお話を読みたかったな・・・というのが一番の感想でした。


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ウエディング・ベル   著  五十嵐  貴久

ウエディング・ベル   著  五十嵐  貴久


「年下の男の子」の続編。
年の差カップルのその後・・・






感想


良くある設定なんだけど
前作は好きだったのよね。
面白かった・・・
なにせ夢がある・・・

でも今回は
あまりにも現実的で
さらに進展もこれといってないので
読み手は悶々としてしまう。

たしかに
女性側のお父さんの言うことはよくわかる・・・常識的な考えだよね。
年齢だけでなく
格差っていうのは
結婚に関してかなりの、ハードルだと思うからね

彼氏の方が派遣社員で
さらに若いって、親としては、すぐさま、うん!!とは言えないところでしょ。



でもそれにしても、
そればかり。
無理無理無理。
終始
親の説得にかかる2人の話になってしまっていて(もちろん、会社の商品をめぐってのいざこざも
もう一つの話として紹介されてはいたが・・・)
夢を求めていた
ものとしてはちょっとガッカリ。



続編だけど
決着つかず。

またその後がありそう。


でもそんなにのばす必要があるのか・・


それこそ、読み手も
どんどん年とっちゃうよ。

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ダッシュ!  著  五十嵐 貴久

ダッシュ!    著  五十嵐  貴久


陸上部のヒロイン、菅野桃子。
今は高三で引退の身だが彼女は
後輩4人にとっては憬れの存在。
「ねーさん」と呼ばれ、どんな命令でも従う状態。
そんな彼女が、病魔に冒されていると知る彼ら。
骨肉種・・・結局片足を失うことになる。
そんな彼女のために
初恋の相手、杉田さんを探すべく努力する彼ら。



感想  

ダッシュ・・というから、陸上関係かなと思ったのですが
半分だけ当たったという感じ。

陸上部というのは正解だけど、走りに関しては出番としては少ないのです。
それよりも、そこにかかわり人々の話。

大好きな、ねえさんのために、一肌脱ごうとする
若者たちの、その熱意にほだされます。

元恋人の杉田さんが外国にいるということで
探しだすのは国際電話を使って。
彼は元サーファーなんだそう。退学して外国へ・・ってどんな高校生よ。
そんなうまく、探せないよ…と思うものの、
彼らの行動力に圧倒されて細かいことは気にしなくなります。
高速飛ばして
成田まで行くのも、実際、現実離れしているでしょうと
突っ込みいれたいところだけれど
これも許します。


とにかく、ベタなお話を
相変わらず、テンポよく読ませます。



主人公はイノケンこと、井上健一君。他のメンバーの男の子たちも
みな個性的で楽しいです。
イノケンは、後輩の草野さんと恋の話も今後ありそう。
(ただ一筋縄ではいかないと思うけど)
そんなラストが気持ち良かったです。



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パパママムスメの10日間   著  五十嵐貴久

パパママムスメの10日間   著  五十嵐貴久


「パパとムスメの七日間」の続編ともいえる物語。
題名どおり
今回はパパ→ママへ。ママ→小梅、小梅→パパに入れ替わり。
今回はどんな珍道中になるのか・・・



感想   前作の続編のお話ですが、単独でも充分楽しめるお話。
入れ替わりものです。

まさか、続編があるとは思いませんでしたよ。
前作では、本や映画等によく描かれる題材ですよね・・・と
前置きしながら感想述べたような気がします。
五十嵐さんの作品なので読みやすし、面白いし、
けっして悪くないのだけれど、
何もこの題材でまた物語を・・・と思わなくはないかな。
もう一度彼らの奮闘を見たいというリクエストが多かったのでしょうか。


今回も10日間と期限がバッシ!!と限られているので
戻るということは確か。3人だからか、10日間と長めです。
そういう意味では、先々不安がある・・・というものはないのです。
だって、戻れるじゃんっていう思いがこちらにもあるから。

パパと小梅は以前も経験しているし
状況になれるのに時間がかからないというのは納得。
困り者はママだよね。
でもママ、若い小梅になったのだから
それはそれで楽しんでしまうしかないのでは・・・と無責任に思います・・・笑

私も娘と期間限定で入れ替わりたいな・・・・。

それにしても小梅のボーイフレンドはいい人。
あ~~~小梅、幸せものだね。

入れ替わりの原因が
桃にある・・・・というのも最終的にはうやむやになってしまったけど。
本当に所どうなんでしょうね。

こういう例って、どこかであるのかも?な~~んて
パパが感じていたけど。
実際あったら、それはそれで、面白いかな・・
イヤ、大変だよね。
やっぱり、自分の体を大切にしていきたいな。


前作の似たようなお話を読んでいるものとしては
色々比べてしまいます。
どちらかというと
前作の方が、ワクワク感があったように思いますが
初めてこの本なら
そんなこと気にならないですよね。
気軽に楽しく読める本ではありますので
お子さんと一緒に
読書するなら最適でしょうね。
お互いに感想を言い合うのも、素敵でしょうから~~





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土井徹先生の診療事件簿    著  五十嵐  貴久

土井徹先生の診療事件簿   著   五十嵐貴久


 五十嵐さんの
ミステリー短編集です。
表題にもあるように獣医の土井先生が
東大卒のキャリア立花玲子の依頼の事件を次々と解決していくというお話です。

殉職して警視正となった優秀な父をもつ
東大卒のキャリア立花令子。
彼女は偉大な父親のおかげて、24歳という若さで
南武蔵野警察署副署長という立場となる。予期していなかった事態。
ところが仕事といったら何もなし、肩書きばかりの存在だった。
そんな彼女がある事件で土井先生という不思議な先生と出会う.


感想   ゆるい感じのミステリーです。
令子さんはキャリアという優秀な存在ですが
まったくといっても仕事をしません。
ないからしょうがないよね・・・というもののそれにしても
なんだか、日々ダラダラしている感じで、とてもキャリアには思えない・・・笑

これが、普段はダラダラしているけれど、事件となると
シャキンとして事件を解決していくという、裏表のあるキャラならいいものの
なぜか土井先生~~~と泣きつくのはちょっといただけないですね。
土井先生は、洞察力もあり、推理力も抜群で(でも、なんだかこじつけっぽい感じですけど)
魅力的ではありますが、令子はいらだつ存在ですね。

土井先生の推理はすべて
動物がらみ。
この動物の習性をたくみに事件に絡ませている
そのアイデアは素直に面白いと思いました。

ただ、パターンが同じなので段々と、新鮮味が薄れていくというのはありますね。



「老人と犬」・・・・最初に読んだのがこれ。
犬見ただけでそんな・・・と驚き。

「奇妙な痕跡」・・・・署長室とパーテーションで区切られただけの
副署長室というのも可哀想。
署長の秘密って、意外でした。
そんなものを・・・・あなた・・・・★

「かえるのうたが、きこえてくるよ」・・・休日も働きなさいよ・・・令子・・・笑
かえるといってもかえるは出てこないのが面白いよね。

「笑う猫」・・・・猫一杯飼っているってやっぱりイヤだな・・・

「おそるべき子供達」・・・・
意外な犯人だったね。でもあの子どもたちのお母さん。
他人に色々秘密を言ったりして、自分が子どもだったらいやだな。


「トゥルーカラー」・・・・これも犯人は言わないけど。
実はうちも困っています。
荒らされていますね

「警官殺し」・・・・このお話だけは腑に落ちない感じ。
続編ありという感じですね。じゃないと悶々としますよね~~~



今度は令子さん、頑張ってくださいよ。

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年下の男の子    著  五十嵐貴久

年下の男の子     著  五十嵐貴久



マンションを購入したばかりの37歳の独身OL川村晶子。
取引先の23歳の新米会社員、児島達郎。
年齢差14歳の2人。
2人の出会いから恋の始まり・・その行方は


感想   面白かった~~楽しかった!!
久々の五十嵐さんの作品。
テンポのよさと、後味の良さが抜群です。
映画で言えば、ラブコメ的なお話です。
パパ・ムスでも感じましたが、女性の心理がとてもリアルで
よくここまで・・・・と思うこともしばしば。
これ、ドラマにしたら、相当面白いかも。
ちょっと主役2人以外の、脇の人物の個性が乏しい気がしたけれど・・
主役2人に絡んで、ぐちゃぐちゃ、複雑になっても良かったかななどと
やっかみ半分で感じてしまいました。

それにしても、37歳の川村さんがそんなにもてるのは何故よ・・・・笑
あ~~~、正直うらやましい・・・・☆
川村さんの友人たちが突っ込む気もちもわかります。
あやかりたいよ・・・・。

お相手の児島君は体育会系の好男子。
ストレートで、突っ走りぎみなところはあるけれど、それは若さの証。
あんなにまっすぐに迫ってこられたら
絶対年上女は揺れると思いますね・・・。

同時に川村さんの不安な気持もよくわかります。
当然ですよね。傷つくのが怖いというのは、女性なら当然な思い。


若い子(職場のピチピチな女の子)に猛烈アタックされても
けっして、気持が揺れることなかった児島君。
私の中でさらに株をあげましたね。
川村さん一筋なんだよね。
新米社員だけど、結構仕事も出来る彼。
あげくに、まめに連絡もくれて・そのうえ、女性、いや
川村さんにだけ優しいわけなんですよ。
体力に自信があるから、引越しの手伝いにも大いに役立つし。
飲み食いのお店もとにかく知っていて、さらに食べっぷりもいい・・。

出来すぎじゃない?若造にしては。。。と思ってしまう。。。。。
でもいいかな。。。夢見たいし。

好きだ好きだと・・・、あれだけまっすぐに迫って来られると
受け止める女性も、嬉しい反面
迷いも大きくなりますよね。

人生色々見聞きしている川村さんだからこそ、
先のことを色々考えてしまうところがあったんじゃないかな・・・。
いつまでも、熱い思いは持続しないってこと・・
でもマイナス面ばかり追っていてもしょうがない・・。

今一番、必要なもの・大切なものはなにか。
幸せの意味って何?

川村さんは気付くのですよね。
幸せは・・・大切な人が傍にいてこそ、作れるものだって。


ラストの展開ってなかなかうまい感じですよね。
正直、このまま、違う方向にいってしまったらどうしようと
思っていました。
ページ数も残りわずかで、どうまとめるのよ・・・って。
これで児島君とさよならだったら、
不満タラタラでしたもの。


きっかけになった部長は気の毒な気がしましたけど。
(でも部長にもなんらかの落ち度があったから、奥さん、浮気しちゃったんじゃないの。
完璧な人じゃあなかったと思うよ。表面だけじゃあ人ってわからないもの)

この年齢差の2人の恋の障害って
物理的なよりも
川村さんの意識の問題の方が大きかったんですね。

だから、ああいうラストは納得できました。
これからは、女性側が物事の展開を握っていってもいい時代かも。



仕事→飲み会&食事会というパターンが結構多い作品で
自分のOL時代を思い出して懐かしかったです。
それにしてもクリスマスのデートは豪華だったな~~☆

年下の男の子

パパとムスメの七日間  著  五十嵐貴久

パパとムスメの七日間  著  五十嵐貴久


女子高生・小梅16歳と、
サラリーマンのパパ47歳がある日、突然
入れ替わってしまった!!


感想  楽しい作品でした。コメディタッチで肩の凝らない作品。
題名どおり、パパとムスメの人格が入れ替わってしまった
という内容。まあ・・他の作品でもよくみかけるので
珍しい設定ではないのですけれど、
今時の女子高生の姿などに
自分の子どもの将来の姿なんぞを思い浮かべて
面白く読めました。

中でも興味深かったのが小梅と
小梅の好きな先輩との初デート。もちろん、小梅は見かけは
女子高生だけれど、人格はパパなのだから、すったもんだが
あるわけ。
パパとしては複雑だろうな・・・笑。
2人がみた映画は、なんと、ルキノーヴィスコンティですよ。
ルードウィヒ 神々の黄昏
と地獄に堕ちた勇者ども・・
渋い・・・・笑
先輩・・・考えすぎ・・笑
でも精一杯考え抜いたのよね。微笑ましい。

お風呂での着替え場面や会社の様子
メール速さの違いなど、うんうん!!とうなずいてしまうこと
多かったです。
年頃のムスメをもつお父さんにも是非読んでもらいたいな。

最後は意外な人物が原因で
元に戻るのですが・・
これにはビックリ・・。
デビュー作を思い起こしてしまう展開でした。
かなり・・・強引な結末ですが
これくらい派手な方が楽しいです。

だからといって、ムスメとパパが急に仲良くなるとは
限らない。
そんな、綺麗な形にまとめないところも
好感もてました・・。

突っ込みはいれずに、気楽に読みましょう。


ちなみに映画ではフォーチュン・クッキーがお勧め。


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リカ    著  五十嵐貴久

リカ    著  五十嵐貴久


本間は印刷会社に勤めるサラリーマン。
娘と妻がいて家庭生活は順調だ。
しかし、偶然知ったインターネットの出会い系サイトに
嵌り、「リカ」という女性と知り合うことになる。
メールの雰囲気がとっても良かったリカ。
とうとう、携帯電話の番号を教えて、お互いをもっと知ろうとする。
すると、「リカ」は豹変する。
度重なる電話。いっぱいの留守番メッセージ・・
そして彼女は本間を待ち伏せしていてその正体を現す。
恐ろしくなった本間は探偵を雇うのだが・・。



感想  第二回ホラーサスペンス大賞受賞。
「黒髪の沼」というタイトルだったのを加筆して、
「リカ」という題名に変更。
この題名の方がいいですよね。
そそられます。
でも同じ名前ならば、この本を読んだ後複雑な気持ちがしますよね。


映画でいえば「危険な情事」。
ちょっとした浮気心が取り返しのつかないことに
なってしまうということ。
チャトの裏も理解できて
とっても面白かったです。日常に潜む闇というものが
伝わってきますね。
追いつめられていく本間の心境が手に取るようにわかり
先が知りたくてしょうがありませんでした。
リアルなのですよね。
自業自得と思ってはみても、
同情もしたくなってしまいます。

出会い系サイト・・・・気をつけましょう。
甘い誘いに危険な罠。

リカの容貌が凄かったですね。実際まともに見ることできないわ。
臭いってどんな感じなの・・・笑?
想像するのは嫌だけれど、非常に気になります。


声だけが可愛いっていのも不気味だよね。


後半は
非現実的。
でもバラバラという殺人形態も今ではありえないことでも
ない時代ですからね。
ターミネーターのように何度も這い上がってくるリカ。
わ~~~~気持ち悪い。

単行本では書かれていない追加エピローグが文庫には
収録されていると聞いたのですが
どんな感じなのでしょう。

知りたいようなもうかかわりたくないような・・・笑

ワクワクしながら、読める作品でした。
非常に面白かった!!



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