園芸少年   著  魚住 直子

園芸少年   著  魚住 直子


無難に高校生活を過ごそうとしている篠崎達也
ちょっと不良っぽい大和田 一平
相談室に登校している、段ボール箱をかぶって姿をみせない、庄司。
3人で始めた園芸部活動。
しだいに、はりきりだす3人だが・・・


感想   題名どおり、園芸活動に目覚める男の子三人の物語。
とくに、華々しいエピソードがあるわけでなく、
どうやってこの3人が知りあい、園芸部に入ることになったのか・・・
園芸部での活動風景・・・
そして三人の友情関係が成り立っていく過程が
淡々と描かれています。

中でもダンボールをかぶった男の子というのは奇妙な感じです。
個性的でいい子なんだけれど、
ちょっと繊細なのかな・・
どうやらドラえもんに出てくる顔が濃い、出木杉君に似ているんだそうです。
それが原因でいじめられ→クラスには不登校→相談室登校になってしまったそうです。
だからといって、
けっして暗い存在でもなく
不良っぽい大和田とのやりとりには、思わず笑ってしまいそうなところもあります。
クラスに馴染めない子という位置づけですが
けっして暗いお話にはなっていないのです。


育てていた植物が成長することの楽しさ・・
必死になって芽を出そうとする植物の強さ・・・


男の子が土いじりなんて・・・と思うなかれ・・・
誰にとっても、物を育て成長させることは、楽しみの一つになろうかと思います。
高校生3人たちも、それぞれが、植物のごとく
活動の中で成長していくのです。


実は主人公の篠崎には、小学校の時に苦い出来事があるんです。
ツンパカと呼ばれる少年にかかわること。
ツンパカという呼び名がその少年についたのは
主人公が原因だということ。

それ以来、ツンパカ少年に悪いことしたな~~~という気持ちが働いていたみたい。
それがその後どうなったか・・・
関係は修復できたのか。
ラストにさらりと描かれている出来事に心がほんわかします。


中学生&小学生に是非~~という物語です。



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ピンクの神様   著  魚住  直子

ピンクの神様   著  魚住  直子


様々な年代の女性たちを主人公にした
7つの短編集。
児童文学の著者のはじめての
大人向けの作品集。




感想   大人向けということですが、従来の児童文学の作品集と路線は同じ。
主人公の年代が幅があり、描かれる世界が大人社会になったという感じです。
相変わらず、主人公の心理描写は鮮明で、共感もてる部分は多かったです。
男性と違って女性同志の人間関係は
どうも、ねちっこい、感じがし、一種、独特でもあります。
大なり、小なり、そういう人間関係は
女性なら一度は経験しているはずです。
あとはそれにどう対処していくか・・。
それは性格的な問題につながっていきます。

この物語の主人公たちはどれも、
深く思い悩んでしまうタイプ。
男性がみれば、なんでそんなこと・・・と思うこともあろうかと
思いますが、それが女性なんです・・・としかいえませんね。

短いお話なので、読みやすいですし、
感情移入もしやすいです。
話の流れとして、最後は皆、解決策がみつかります。
希望がもているという感じです。
それも、意外と些細な出来事の末です。
要は、ものの考え方、見方なのでしょうが
そんな簡単なことも見失っていたのかというようなことはよくあることでも
ありますね。


現実的にはそんな簡単にはいかないよと思うところもありますが、
読むことで前向きになろうという気持ちは
湧いてきますので
元気にはなれるでしょう。

ではそれぞれの感想。


<卒業 >

高校卒業後、消防士になった後藤寿々。
高校時代の友人のえりと友香との楽しい思い出ばかり引きづる毎日。
彼女たちはいまだ学生。
卒業しても会おうねというものの、なかなか都合も合わず
話もあわず、すれ違う毎日。どんどん友だちが離れていく
不安になった寿々は、仕事でもミスをし・。

★自分だけが違うという疎外感。
友だちを独占したいという嫉妬心。
女の子って時折そういう感情、もってしまいますね。
自分は自分と思っていても、なかなか割り切れなかったり。
仲の良い友だちにこだわりすぎてしまうと余計、新しい世界に
馴染みにくくなるんですよね。
昔の友だちと仲たがいしたわけではないけれど、
生活パターンが違えば当然、距離間もちながらつきあうことになるはず。
それは悲しいことでなく、当然の流れなんです。
自分の居場所、世界をしっかりもつことによってまた付き合い方も変わってくるはず。
ベトベトしただけが友だちじゃあないんだから。

この本の中では一番面白かったです。
余談ですが、私も職場は男ばかりのちょっと特異な世界でした。
でも男ばかりの方が仕事はしやすいです・・・・


<首なしリカちゃん>

専業主婦の林可奈子。
娘の里奈が幼稚園に入園。自分もママ友探しに懸命になる。
洋服のセンスで自分との相性をはかるが・・。



★恥ずかしながら・・・経験あります。
初めての幼稚園で、友達欲しいというのは正直、ありましたね。
お洋服で自分との相性をはかるというのも、理解できますよ。
そこまで露骨ではないけれど、
私も、やっぱり、自分に合いそうな人というのは
雰囲気で感じとるタイプ。その一つに洋服はあるかもしれません。
でもやはり、話してみないと、わからないかな・・・・・・笑
たまに、見た目と違う場合もありますから。
また、きかっけを逃すと、グループができてしまうというのも
わかります。
女性は群れるんですよ。
そして、趣味、趣向が合わないと、はずすんですね。
悲しいかな・・・これ、あります。
最近は、あまり無理しないで付き合える
人としか付き合いませんけれど。
昔は、色んな意味で無理していたところあったかな・・・なんて
過去を思い出しました・・・笑


後味はいい話です。
先入観をもって人を判断しない方がいいということでしょうね。

<ピンクの神様>

両親の不仲に悩む小学生の葵。
彼女は神様を信じていた。
学校での彼女は、五人グループのリーダー。
時折、誰かを一週間程度無視するという
ゲームをしていた。
そんなある日、1人の子を無期限、無視しようとし・・・。


★ いじめの話です。
いじめる子が主人公。
これはどちら側にも経験がなしなのでわかりませんが
無視・・自体は傍でみていても、非常に嫌な手段と思います
女子のいじめでは一番多いんですよね。
仲間はずれ。
いじめっ子にもそれなりの理由があるのですが
でもね・・・・だからといって、容認はできないですよね。
これも、後味がいいので、一安心。




<みどりの部屋>

主人公は文子。
転職し仕事に慣れたこの頃。
しかし、社内の人間関係に悩まされるようになる。
ストレスを感じるたびに
観葉植物を買い部屋に持ち帰るようになるのだが。


★女性の人間関係・・これはちょっと経験アリかな。
女性ばかりの職場というのも経験していますので。
確かに、女性の場合、同僚の悪口って・・・出るのよね。
これも人は人・・・とマイペースでいるしかないですよね。



<囚われ人>

主人公は年配の女性、典子。
彼女は文房具屋を営んでいた。
彼女はいい人に思われていたのだが意外な過去が・・


★  彼女の過去にビックリ。
ちょっとした行為が大事になるんですね。
ただ、幼稚園関係の人間関係・・・これ先ほども言いましたけれど
わかる気がします。
若いとそういう些細なことが、人生最大の悩みになっちゃうんですよね。
このお話に登場する若いママさんの愚痴も理解できたもの。(この典子に愚痴を
言いに来る人は「首なしリカ」ちゃんに登場してくる人物と思われます。
また第一章の「卒業」の主人公らしき人も愚痴を言いにくるので
読みくらべると面白いかも)
今なら、気持の持ちようって思えるけれど
・・・若いときは気付かないことが多く
浅はかだったりするんですよね
(えらく、年寄り臭い感想・・・笑)



<魔法の時間>
中一の新山ひな。
合宿で友人たちが
自分の悪口を話しているのを聞いてしまい、眠れなくなってしまった。
深夜、起きていると、クラスで浮いている昌本さんが部屋を抜け出すのを
発見し・・


これは中学生の人間関係。
自分がどういうキャラで過ごせばいいのかというのを
真剣に考える主人公。
重松さんの作品にも出てくるタイプです。

自分を偽って過ごさなければいけないのって本当大変。
これは経験なし・・なんだけれど。
自分は自分と思えないのは若い証拠なんだろうね。
自分の子は大丈夫かと心配してみるが
うちは、マイペース・・・笑



<ベランダからキス>

二十二歳の田之上佐紀。
同棲相手・祐治とアパートに引っ越してきたが
彼との仲がうまくいかない・・
隣人のおばさんのおせっかいな態度にうんざりしていたのだが・・


★専業主婦を馬鹿にしてはいけませんよね・・・・。
年代が違っても話が合う人もいるはず。
相手を思いやる心は大切です。
病気のときはやっぱり誰かに世話してもらいたいものね・・・



<小さい世界で生きている人の悩みを軽蔑する人がいる。
もっと大きな世界で体を張っていきていると自負している者たちだ。
その者たちは、閉じ込められた小さな世界に住む者の悩みなんて
とるにたらないことだと信じている。
でも、と典子は思う。そういう人達だって永遠に大きな世界にいるわけ
じゃないだろう。自分が閉じられた小さな世界の住人になったときでも馬鹿馬鹿しいと
言い切れるか>

「囚われ人」の典子の心の声。

誰でも悩みはある・・それを吐き出すことが出来るかどうか・・・
聞いてくれる人がいるっていうことも大事なんですよね・・・。
だから私はこういうブログをやって間接的にだけど、ストレス発散
しています・・・笑


女性向けですけど、
読んで欲しいな~~~♪


ピンクの

Two Trains     著 魚住 直子

Two Trains (学研の新・創作シリーズ) 著 魚住 直子

「非・バランス」の魚住 直子さんの新作です。
短編集ですね。

小学生の女の子の日常が
描かれた作品です。
微妙な友人関係が的確に描かれていて
あるあるある~~~と思わず共感覚えます。
大人が読んでも充分楽しめますが、
わりと、平易な文体なので
中学年のお子さんから
高学年のお子さん向けにちょうど良いでしょう。

「変身」「ミジュク」「ばかじゃん!」「親友になりたい」「Two Trains~とぅーとれいんず~」の5作品です。

中でも
「ばかじゃん!」が良かったかな。
主人公の彼女は友達が自分だけに使う
「ばかじゃん!」という言葉が気になります。
本当は自分のことをバカにしているんじゃないか・・・
親友だと思っているのは自分だけかな・・・。
そんな不安を感じ、2人の中も微妙に。
実は主人公の彼女は以前、前の学校で友達と仲たがいした過去を持っています。あの時と同じなのかな。
でも、新たな事実がわかるのです。


些細な勘違いで友達を失うのはもったいないです。
素直になって、正直に本音をぶつけ合ったら
もっと良い仲が生まれるかもしれない。
勇気をもつことの大事さを教えてくれる物語です。

続いて
「親友になりたい」も良かったわ。

主人公の夏美のそばにはいつもかな子という
ちょっと幼そうな子がまとわり付いてくる。
でも夏美は、お洒落で大人っぽい梨紗子と仲がよくなりたい。
でも梨紗子は綾と仲がいい。
そんなある日、夏美、かな子、梨紗子、綾と4人で
山に出かけることになり・・・・。


人は見かけで判断できないのです。
自分のことを本当に思ってくれる人、わかってくれる人が
傍にいるのをうれしく思わなくては・・・・。
友達の欠点ばかりみてはいけないんだよね。

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テーマ : 読書
ジャンル : 小説・文学

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