横道世之介     著  吉田修一

横道世之介    著   吉田修一



地方から上京してきた世之介の大学生活。




感想



お友達のサイトでよかったわ~の感想を聞いていたので早速私も借りてきました。
この本が出たての頃、評判になっていたのは知っていたけど
タイミング逃してしまってこの時期になってしまってしまいました。

大学生活を東京で始める世之助君が主人公。
地方から出てきて一人暮らしをするわけですね。
時代設定が80年代だというのがやっぱりうれしいところ。
これはこの時期に学生していた人の方が入り込みやすいのではと思います。
ということで・・・・私はどんぴしゃ・・・なので
すぐに物語の世界に入り
どっぷりつ浸かりました。面白かったですね・・・
私は、一人暮らしはしたことはなく
自宅通学ではありましたが、
学生時代はうんうん・・・こんな感じだったよな・・・と楽しかったです。
ただ私は、女子の学校だったもので、
授業中は当然女性だけ。クラス内、友達に男性がいなかったので
この物語のようなユニークな人々に会えなかったのがちょっと違うかな。
でも、ありがちなんですけど・・・・笑
他大学サークルに潜り込み、一応あの時代の流行ったいろんなことは・・・経験できたので
まさに青春謳歌していました。
スキーとかテニスとか、ビリヤードなんかもあったな。
合コンもあったし・・
あ・・私の80年代じゃあないよね、語るのは。
この物語って、こんな風に楽しい学生時代がつづられていくのかな・・・と思っていたら
あるとき、急に現代の世界が入って来るのです。
あのとき、世之助君って子がいたよね…と、懐かしく思う面々が。
読み手としては
学生時代の彼らが今、こんな生活送っているのね・・・と妙にしんみりした気分になりますし、
じゃあ、当の世之助君って今どんな生活しているんだろう、
きっとこの先、世之助君の現代パートも出てくるのよねと期待すらしてしまうんですよね。
でもでも・・
ことはそんな単純なことではすまされず。
衝撃的な事実を知ることになるんです。




若いころの生き生きとした彼を知っているからこそ
彼のその後を知るときには
大きな衝撃を覚えます。
悲しいというより、
なぜなんだろう・・・どうして・・という疑問さえ。
いい人なのに、どうして神様はいじわるなんだろうというやるせなさを感じてしまいます。



いい人って言いますけど
決して絵にかいたような真面目な人って言うわけじゃあないんですよ。
素朴で純粋なの。
自分に正直。
もちろん、人には優しい・・・
ずるいこと考えてもばれちゃうような人よ。
断れないのよね・・無理しちゃう。
そんな若い頃の彼がいとおしかったです。


母親の気持ちがよくわかるわ・・・



映画化ということで
楽しみにしています。


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悪人   著  吉田修一

悪人     著  吉田修一


九州北部で起きたある殺人事件の加害者と被害者、彼らにかかわる
様々な人間たち・・・
車好きの土木作業員・祐一は
出会系サイトで
保険外交員・佳乃と出会う――。
そして・・



感想  最後の一文がとっても印象的だった小説でしたね。
ちょっと考え込んでしまいました。
「悪人」って一体
どういう人を言うのでしょうか・・・。

人を殺した人・・・

でも人を殺さなくても
悪人と呼ばれる人は世の中にたくさんいるはずです。


最後まで読み応え充分でした。

推理小説ではないので一つの事件が起きて
犯人は誰?というわけではありません。
早い段階で、ああ・・この人が罪を犯したのね・・・ということは
察しがついてしまいます。
でも・・その状況説明は後半。
彼が何故、このような行為を犯すに至ったのか・・・。

行きつ戻りつ・・の物語展開。
被害者と加害者・・それぞれにかかわりのある人間たちが登場し
ときには、証言をするようなカタチで・・・
双方の人間像を浮き彫りにしていきます。

被害者はどういう人間だったのか・・
加害者はどういうに人間だったのか・・・。


世の中に起こる全ての事件に
多くの物語が潜んでいるとあらためて感じます
実際の事件も、私たち第三者が知りえるのは、ほんの一部分だけでしょう。

その一部分ですべてを理解したかのように思ってはいけないのだと
感じました。


この物語と同じようなことは実際起こっているんだろうな・・・・・。
それほど、現代社会での若者の孤独感や、疎外感・・・
とってもリアルに感じました。


祐一の逃亡の日々は
とってもせつないものに感じます。
唯一愛情を得られたと実感できた日々だったのでしょう。

愛を欲していただけなのに・・・

でも祐一の肩を持つわけにはいかないのです。
だって、佳乃の両親の気持ちの方がそれ以上に
響いてくるのだから・・・
どんな家庭状況だろうが、愛情不足だろうが、
人は殺すことへの、言い訳にはなりませんもの・・・。

・・・・人を殺すという行為はいかなる理由があろうとも
いけない・・・


どう捉えるかは
読み手しだいということでしょうか。
人間ってとっても複雑で悲しい生き物だな・・・って思いました。

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