私の男    著   桜庭一樹

私の男    著   桜庭一樹




第138回 直木賞受賞作。
大震災で家族を失った孤児=花。
彼女は9歳の時に親戚だという男=16歳年上の淳悟に引き取られる。
 花が〈私の男〉と呼ぶ淳悟。
しばらく北の大地で生活していたがある事情から二人で東京へ・・。今では、花が派遣社員として細々と稼いで生活を支えているのだがその花も結婚を迎えることになる・・・。



感想    初桜庭作品です。
色々と話題になっている作品のようですが、あまり内容も知らずに
挑戦しました・・


そうですか・・・・・そういうことですか・・・・・。
ふっ・・・とため息・・・・。



物語は六章から成り立っています。
時間を遡っての構成。 視点も花から、彼女の結婚相手、
淳悟、彼の恋人と色々と変わります。

第一章は、二〇〇八年、梅雨時の六月。
会社の同僚との結婚を控えた花。
「けっこん、おめでとう」と祝福の言葉を述べる淳悟。
ただならぬ関係があると思わせる・・・・文章。
そして過去へ過去へと物語は進んでいくのです。

読み進めていくにしたがって、花と淳悟の関係が
明らかになっていくという構成なので、読み手としては、最後まで、引っ張られることに
なります。どうしてこういうことになったんだろう・・・という疑問が
好奇心ともなって、読まざる得ない状況になっていくんですよね。
最初の章で小出しにしか出さない事柄があるので、もっと知りたい、謎を解きたいという
欲求が湧いてくるのです。
そもそも、この淳悟自体ががミステリアスで、浮世離れしているので興味惹かれます。


 終章を読み終わると、最初から読み返したくなるのは当然でしょうね。
また違った意味合いを感じるからです。
読者を意識したつくりというか、そういうものをひしひしと感じました。

どんどん先を読みたくなる・・・という作品ではあったと
思います。引きつけられる要素は充分ありました。

ただそれを理解できるとか、共感できるとか・・そういう次元の話では
自分にとってなかったです。
それでも、読ませてしまうというのが、素晴らしいことなんだろうけれど。

嫌悪感は当然ありました。
でも、読みたくないとは思わなかったのです。
それ以上の何かがあったのだと思いますけど・・・・。


いや~~~この主人公花、と男の関係を考えれば考えるほど
息苦しかったですね。
求め合う強さが
恐ろしいくらいでした。
それが同じ血というのがまた何とも言えずに、気持ちを揺さぶりますね。

この手の話って、映画でも本でも、似たようなものはいくつかあるはずですよね。
だから読みながら、薄々感じてはいた部分はありました。
きっとそうなんだろうな・・・・・って。
自分としての衝撃度は大きくはなかったです。
この手の関係でも、
嫌悪感をあまり感じないときって正直あるんですよ。
メンタル的な部分が全面に出ていたりする場合はね。
でも
この小説では、しっかり感じてしまったかな・・・、嫌悪感。。。

嫌悪感というのはその関係そのもの・・・というよりも
ねっちこい描写の部分ですかね・・・。
2人の関係を表す、生々しい部分が無性に嫌でした。
これって作品の善し悪しというより、生理的に受け入れにくい表現だったと
いうことかな。


私も、色々な絡みの文章を読んでいるので
けっして綺麗にしてよ・・・なんて、リアリティー無視に考えているわけでは
ないのですけれど。
でも、なんていうか、2人で1人みたいな、肉体的にも精神的にも
離れられない濃密な関係というと
ここまで、ねっちっこくしなければならないのかな・・・・・って思ってしまうほど
の描写だったような気がします。
いやらしい・・・っていうんじゃなくって・・・・・
う~~ん、なんていうんだろう、
いいづらいんだけど、とにかく、嫌だよ・・・・・・・笑
正直にいって、気持ちが悪いです。


共感はもてない2人だったけれど、
その後の2人は気にしてしまっていた自分。
どうなるんだろうね・・・・・その後。

最初に仕掛けたのが淳悟であるならば、その罪は大きいとやっぱり
思ってしまいます。
だって、相手が9歳の時だっていうんだもの。
耐えられないです・・・そういう設定が・私は。

結婚を機に、離れようとしながらも離れられない花のジレンマ。
それほどまでに、大きな存在になってしまった男。
頭ではわかっていても
結局、踏ん切りがなかなかつかないところなど、
これが、かりに、普通の恋愛劇だとしたら
すんなり理解できたかもしれないけど、やっぱり、
特異な形だとわかっている分、理解できない=したくない自分も
そこにいました。

なにせ、結婚を決めてもその後も・・・・という流れが
どうしても許せないな~~
婚約者に悪いと思うしね~~~~真面目意見・・笑


私にはこの人しかいない・・・俺にはこの女しかいない・・・
共に家族に愛されていない2人だからこそ、寄り添うしかなく
肉体的に接することでも安心感を覚えたのかもしれないけれど・・・。
そうしなければ、ならなかった・・・という説得力は
あまり感じなかった。
気がついたら、そうなっていた・・・・みたいな・・・・。
ただ、自分の血が流れている女だから、自分のものだという
自分なりの解釈が嫌だった・・・。

好きという思いから・・・そういう抜き差しならぬ関係になったという流れではなく、
血が同じ、家族だから・・・・という理解から、なにしたっていいさ・・みたいな
自分なりの解釈にも嫌悪感を持ったかな・・。


あと、淳悟の「お・・」「お・・」って途中切れになる文章が
どうにも気になってそれが最後の方で明らかになる箇所があるのだけど。


「お・・」の続きがハッキリした時、
またまた言ってしまうけど、気持ち悪かった・・・・・・・・・。


自分としては近親相姦は好んでみたい題材ではないけれど、
興味があるかと聞かれたら、頭振る感じでもないわけです・・・・。
それって、どうしてそういう関係になるのかという根本的な部分を知りたいからだと
思うのよね・・・・・・
だから、その映画なり、小説なりで、容認できるものと
できないものがあったりします。
その表現の仕方や、物語に流れによってかな・・・・・。
やっぱり、あまりにも生々しかったらひくと思うし
プラトニックな部分が目立っていたら例え実際には肉体的にそうであっても
すんなり自分の中に入り込んでくるのだと思うのです。

今回、淳悟もそうだけど、花もあまり好きではないキャラでした。
淳悟によって人生変えられたとわかっていても可哀想だとそちら側に立つ
気分でもなかったです。


なぜだろう・・・・・。

花の婚約者が不憫だからかな・・・・・笑



その後の2人って結局離れられないような・・・
少なくとも心の中にはお互いが留まっているはず。
最終章に書かれている一文のように
強い絆を感じるから・・。


なかなか面白い小説だと思いましたけど
好きじゃあないかな・・・・。

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