水の柩 著 道尾秀介
水の柩 著 道尾秀介
老舗旅館の息子、中学2年の逸夫。
彼の祖母いくは、裕福な生まれと語っているがある日それが嘘だとわかる・・・
逸夫の同級生敦子。
彼女の両親は離婚しており、いじめを受けている。
「タイムカプセルの手紙をいっしょに取り替えない?」という敦子からの
提案で逸夫は行動を共にするが・・・
感想
道尾作品の・・・月と蟹。
どうも路線としては同じ感じかな。
初期の作風と少しずつ変わっていっているので、ここら辺は好み分かれるところかもしれないな・・・と
思いました。
最近は文学的な要素が多いですよね。
全体的に
静かでゆっくりとした話の流れで、
わりと淡々としていたかな。
先が読みたくてたまらない~~というような感じでもありませんでした。
退屈はしなかったけど、
だからといって、食い入るように読み入ったというわけでもないかも。
主人公の少年が
少女と祖母の過去の苦しみに触れることで
自分自身も変化していくというお話でしたが、
どちらかというと、私は少女より
おばあさんが側の過去の方が興味深かったかもしれません。
ラストでは
おばばさんの痴呆の症状が出てきているようで
よりせつなくも感じました。
いじめを受ける敦子。
彼女の悩みももちろん深刻ですが
いじめに関してはもっと、背後関係を知りたいような気もして・・・
どこか悶々とする感情をもってしまいました。
いじめを実行しているメインの女の子(主人公の同級生が憧れる人)
の気持ちもどうせなら深く知りたかったです。
裏表があるようで・・・興味深かったです。
温泉旅館で働いている
笑子さんでしたっけ。
いつも前向きな彼女が
実は・・・暗い過去があるということがわかる
そのシーンが一番印象的でした。
消し去りたいくらい辛い過去は
もっている人も多いはず。
それを乗り越える勇気をもつことの大切さ・・・
それって誰か人とかかわることで
乗り越えられることができるのかもしれません。
やはり人は一人ではいきられないのかな・・・と思いました
この小説でも少年が大きな、きっかけになったわけですし。
もちろん、少年自身も成長したはずだと思うけど。
世の中にはいろんな人生があるな・・・って勉強したのだから。
すべて、忘れてしまうこと・・・。
小説では人形をダムにおとしていました。
形式的ではあるけれど、
なんらかのけじめはあった方がいいのかもしれないよね。
こういう再生の仕方もまたありなのかもの・・・・と思いました。
ラストは
すがすがしいです。
前作とどうしてもかぶる部分があるので、
印象が薄くなってしまうところもありますが
ダムに沈む街という設定は
郷愁を誘う部分もあり
いろんな感情を呼び起こしますね。
沈みゆく街、ダム、
みのむし・・・
相変わらず印象的な世界観だったと思います。
でも月と蟹でも、やどかり・・があったし、似た感はどうしてもあるかな。
装丁と題名が美しい小説でもありました。

老舗旅館の息子、中学2年の逸夫。
彼の祖母いくは、裕福な生まれと語っているがある日それが嘘だとわかる・・・
逸夫の同級生敦子。
彼女の両親は離婚しており、いじめを受けている。
「タイムカプセルの手紙をいっしょに取り替えない?」という敦子からの
提案で逸夫は行動を共にするが・・・
感想
道尾作品の・・・月と蟹。
どうも路線としては同じ感じかな。
初期の作風と少しずつ変わっていっているので、ここら辺は好み分かれるところかもしれないな・・・と
思いました。
最近は文学的な要素が多いですよね。
全体的に
静かでゆっくりとした話の流れで、
わりと淡々としていたかな。
先が読みたくてたまらない~~というような感じでもありませんでした。
退屈はしなかったけど、
だからといって、食い入るように読み入ったというわけでもないかも。
主人公の少年が
少女と祖母の過去の苦しみに触れることで
自分自身も変化していくというお話でしたが、
どちらかというと、私は少女より
おばあさんが側の過去の方が興味深かったかもしれません。
ラストでは
おばばさんの痴呆の症状が出てきているようで
よりせつなくも感じました。
いじめを受ける敦子。
彼女の悩みももちろん深刻ですが
いじめに関してはもっと、背後関係を知りたいような気もして・・・
どこか悶々とする感情をもってしまいました。
いじめを実行しているメインの女の子(主人公の同級生が憧れる人)
の気持ちもどうせなら深く知りたかったです。
裏表があるようで・・・興味深かったです。
温泉旅館で働いている
笑子さんでしたっけ。
いつも前向きな彼女が
実は・・・暗い過去があるということがわかる
そのシーンが一番印象的でした。
消し去りたいくらい辛い過去は
もっている人も多いはず。
それを乗り越える勇気をもつことの大切さ・・・
それって誰か人とかかわることで
乗り越えられることができるのかもしれません。
やはり人は一人ではいきられないのかな・・・と思いました
この小説でも少年が大きな、きっかけになったわけですし。
もちろん、少年自身も成長したはずだと思うけど。
世の中にはいろんな人生があるな・・・って勉強したのだから。
すべて、忘れてしまうこと・・・。
小説では人形をダムにおとしていました。
形式的ではあるけれど、
なんらかのけじめはあった方がいいのかもしれないよね。
こういう再生の仕方もまたありなのかもの・・・・と思いました。
ラストは
すがすがしいです。
前作とどうしてもかぶる部分があるので、
印象が薄くなってしまうところもありますが
ダムに沈む街という設定は
郷愁を誘う部分もあり
いろんな感情を呼び起こしますね。
沈みゆく街、ダム、
みのむし・・・
相変わらず印象的な世界観だったと思います。
でも月と蟹でも、やどかり・・があったし、似た感はどうしてもあるかな。
装丁と題名が美しい小説でもありました。

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