サイドウェイ・・・観てきました。
HPでも感想UPしていますが、多少内容をピックアップして
こちらにも載せます。
2004年のアカデミー賞にノミネートされた本作品。
他の作品に比べて地味な印象がありますよね。それは
有名どころの俳優(たぶん、知名度は低いと思われる)
さんが、出演していないからかと思います。しかし、さすが脚色賞を受賞しただけのことはある作品。ストーリーの流れ的には
綺麗にまとまっていたかなと思います。でもまあ・・話の内容については色々思うことありでしたけどね。監督さんはアバウト・シュミットと同じ人。私は、こちらも観ているのですが、
かなりかぶる部分はありますね。 中年男がもつ哀愁さは
ここでも健在です。
さて・・映画は人生においては、負け組みと称されてもしかたがないマイルスと友人ジャックのワインとゴルフの旅が
メイン。ジャックの結婚一週間前をいかに悔いなく過ごすかが
目的になっています。要は、ナンパが主なんですがね。
ジャックのナンパ目的に付き合っていく中で、
マイルスは自分の人生を見つめなおしていくのです。
負の部分をもった中年男に、まだまだ人生捨てたもんじゃあないよということを、あらためて感じ取ってもらうための
映画だったように思います。つまり・・夢と希望の映画でもあるのですよね。ただし、男の人にかなり贔屓目につくられている
映画ですけどね。
ちょっと女性の立場からしてみると、なによ・・・これ・・・って、文句もいいたくもなる展開なんですよ。
マイルスはいいとして、友人ジャックの行動はどうかと。
結婚相手がいるにもかかわらず、独身最後だから、やりまくる・・(という下品ないいかただったな・・・笑)という発想がどうよ・・ねえ。失礼しちゃうわ・・
だってね、相手も遊びだと思っていればいいけれど、ジャックと最初に知り合うステファニーなどは、
かなり好き好き光線発していたからね。 家族も紹介していたから、期待感あったかと思うとちょっと可哀想な気もしましたよ。
大人の男女同士、そういった関係はどこの世界にもあるし、そんなに目くじらたてることでもないのかもしれないけれど、
どうも観ていて気分のいいものではないですね。結婚前の火遊びっていう形は。やっぱり・・・私、女だし。
女性の立場で物をみてしまうからね。
その当事者の友人ジャックですが、これがものすごく性欲が強いのよね。いいけどね・・・別に・笑
自分でも「俳優は本能で生きるものなんだ。
君とは(マイルス)とは正反対なんだよ」と告白するように、女とみると、すぐさま甘い言葉をかけようとするんですよね。
俳優という職業を積極的にアピールしたからといって、こうも簡単に女が釣れてしまうのはどうよ~と疑問も感じてしまいましたよ。
だってぜんぜんかっこよくないじゃない?笑
ジャックの行動が、この映画では笑いを誘う部分でもあるのですから、見所にもなっているとは思いますが、思った以上に
下品だったな・・・・。まあ・・人によって、この作品の好みがわかれるのは、そこの部分についてだろうなと思っています。
ワインと旅行というエレガントな
イメージを想像していたらちょっと驚くかもしれませんね。 私は、ジャックの歩く性欲みたいな設定に
ちょっと引いてしまうところはあったものの・・・・あそこまで描かれるとね、かえって怒るのを通り越して呆れた笑いになるってことをあらたに発見しましたね。ばっかじゃない・・・ジャック!!!、トホホじゃない~ジャックって一人で突っ込んでいましたよ。
ところで、ジャックばかりに話がいってしまいましたが、主人公はマイルスですよね。
彼を引き立たせるためのジャックのキャラなんですよね。
マイルスはこのジャックと正反対の人生思うとおりにならない男。別れた奥さんにも未練たっぷりだし、いじけるわ・・・女を誘う度胸もないやらで、見ていて「はっきりせんかい!!」とこれまた怒鳴りたくなるようなキャラなんですけど、ワインについてだけは
語らせると人より抜きん出ているんですよね。
これって・・・オタクの領域じゃあないのと恐いものも感じたのですが、ワイン好きのマヤは、そんな彼の
人柄に行為をもっている様子なんです。 やはり同じ趣味同士はうまく行きやすいものなんでしょうね。
マイルスとマヤの関係は、途中から、立ち消えてしまってえ・・え・・・どうなっちゃうのよと、やきもきさせるのですが、
ラストは、観ている人が納得いくものにしてくれるので、気分よく鑑賞できますね。ちょと簡単すぎるところはあるけどね。
本当はね、 マイルスとジャックの目的を知ってからの、マヤの心の中の動きが知りたかった気はするのです。
戸惑いの気持ちっていっぱいあったと思うのですよね。そういう女性の気持ちはちょっとおろそかになっているかな。
やはりこの映画は、中年男が主人公だからしょうがないですよね。かなり男に肩入れしている映画でしょう。
男性のほうが受けがいい映画のような気がします。
で・・ ワイン。これはマイルスとジャックの生き方を象徴させる小道具として、効果的な役割を担っています。 マイルスはピノを好んでいるのですが、これはピノというワインの特徴が、自分と重なる部分もあるからなんでしょうね。 可能性を信じて時間をかけて育てる品種で、忍耐強く心を込めて栽培しないといけないみたい。
人間も年をとって、熟された方がいい味ができるということですよね。映画ではワインの種類もたくさんでてくるので
知識があればより楽しめると思います。山梨のワイン工場なら知っているんだけどね・・・笑
ワインに合わせて、レストラン場面もよく描かれるのですが、出てくるお料理も美味しそうなのですよ。
お腹が空いてくる映画ですよね。 ジャズの音楽が心地良かったです。ギター音楽も使われていたのも、ちょっとうれしかったかな。 オープンカーで走り回るシーンも観ているだけで爽快。なぜかドライブをしてみたくなりますね・
映画的にはアバウト・シュミットのほうが癖がなくて好きなのですが、これはこれで、ワイン知識と旅の雰囲気を味わえるという
特典がついているということで、良いのではないでしょうか。
トスカーナの休日も何故か思いおこされる
映画だったわ。サンドラー・オーも出演しているしね。
ところで、男2人に女2人。ナンパが出会い。
ちょっと愛と青春の旅立ち~を思い出しましたわ。
ワインと人との出会いが主人公を成長させたのならば、
士官学校で特訓され、恋人を作ったザックと同じじゃないかって。まあ、ジャンルは全く違うので比較もなんですが、
図式的には(2対2)珍しくないですし、ロードムービーであることコメディセンスが豊富という点でも、特別抜きん出ていたようにも感じませんでしたが、評価は高い作品なんですよね。
総合的なバランスがいいということなのかな。