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赤いアモーレ

赤いアモーレ  (2005  イタリア)

 監督  セルジオ・カステリット
 出   ペネロペ・クルス、セルジオ・カステリット、
     クラウディア・ジェリーニ
脚本 マルガレート・マッツアンティーニ&セルジオ・カステリット
原作 マルガレート・マッツアンティーニ
「動かないで」

ある雨の日。病院に担ぎ込まれた1人の女性。
その病院に勤める外科医ティモーテオ(セルジオ・カステリット)
の1人娘だった。
生死を彷徨う娘。
そんな娘を思い、1人、窓辺に佇むティモーテオ。
頭に浮かんできたのは15年前の出来事…。
彼は裕福な家庭で、美しい妻と見た目幸せな生活を送っていた。
ある夏の日彼は偶然出会った女・イタリア(ペネロペ・クルス)と
強姦同然な関係を結んでしまう。その日から、彼女に惹きつけられて いくティモーテオ。しかし、やがて愛人と妻との間で、ある問題が
生じてくる・・。 


感想  始まりは衝動、つながりは欲望。
失って気づいた真実の愛。
キャッチコピーはうまくつけてありますね。
しかし・・・始まりは衝動というのは男側で、どうみても
強姦・・。これをクリアーしないと先に進めないのですけれど、
そこの部分はね・・・やっぱり、ひどいよ。。プンプン。
イタリア映画ということで、ちょっと変わったストーリーかと思っていたのですが、これがどうして・・・よくある話。
でも意外と感情移入できて、大人の恋愛のせつなさを堪能
できました。魅力的な演出方法と2人の迫真の演技(とくにペネロペちゃんに・・)によるところが大きいのかもしれませんね。
音楽は・・ちょっと感傷的すぎてのれなかったのですけどね。

身勝手な男と不幸の塊みたいな女の純愛・・・。
完璧な妻だけれど、どうも心がないような女。
一方はなに一つもっていないようだけれど、心だけは純粋な女。
彼にしてみれば、最初は体から・・だったけれど、そのうち
心にも惹かれてしまったというところかしらね・・。

愛だけを与えてくれれば、私はなにも求めない、欲しがらない・・
正直・・・なんて都合のいい女になりさがっているの・・・
って思わなくもなかったです。自分を強引に犯した男だよ・・
それも金まで払って何度もやってくるなんて。
どこか自分を見下しているんじゃあないの・・ってね。
でも、好きになるっていうのは理屈を越えた世界でしょ。
そう考えると、しょうがないのかなと思えます。
理性で片付けられる世界なら・・だれも不倫はしないだろうし・・
トラブルだって生じないですものね・・。
どうしようもない思い・・・・それは女だから余計わかりますね。
彼・・ずるい男なんですよね・・
でも、これがもし、自分の心を動かしている男だったら、
そんなずるさも私だって愛してしまうと思うんですよね・・・。

この身勝手な男は、だんだんとイタリアの気持ちに
答えていくようにもなるのです。
彼もイタリアに惹かれていくの。
でも奥さんとなかなか手は切れないの。
それが男の弱いところでもあり、
至らなさの表れなのかな・・・と思います。
子どもができたから、別れられないといってもね・・。
同時に2人の女を妊娠させる男って・・・どうよ・・て
思います。イタリア・・怒っていたけど、それでも
最終的に許すなんて・・・あんたいい人過ぎるよ・・・泣

映画は過去を振り返るというカタチで進んでいきます。
現実ではいままさに・・・奥さんとの間に出来た娘が生死を彷徨って
いるのです。彼は・・・昔愛した女の記憶を呼び覚ますと共に
彼女に祈っているのですよね。愛している娘を死なさないでくれ・・・ってね。
どこまでいっても自分勝手。
でもそれをすべて受け入れてしまったイタリアは
神々しくもありますよ・・。


ペネロペ凄いな・・・。別人。こういう濃厚な映画もいいですよね。
情熱のまま・・・突っ走ることができる2人に、
大人の愛を見せてもらいました。

主演のセルジオ・カステリットは、監督・脚本・出演ですね。
マーサの幸せレシピの彼ですよね。
マーサの時は、見るからにいい人だったのにね・・
今回は。。。色々言われそう男ですよね・・・・・・・・笑
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

ノベルバトン

be-inのREXさんからノベルバトンというものが回って
きました。
面白そうなので、参加したいと思います。


1.本棚にある小説の数

  文庫本が50~60ぐらい。
 
2.今読んでいる本

  僕の中の壊れていない部分    著 白石一文
  
3.最後に買った小説

  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
  映画が面白かったのですぐさま購入しました。
  活字でも読みたかったから。
  本は基本的には図書館で借ります。

4.よく読む、または思い入れのある小説5つ
  
  一度読んだ本は滅多なことでは読み返さないですね。
  わりと、色んなタイプの本をそのときに気分で読むので
  どれが一番というのはないのですが、やはり思春期に読んだ本が
  印象度が高いですね。

   二十歳の原点・・・高野悦子
   誘惑者・・・・・高橋たか子
   ノルウェイの森・・・村上春樹

    ↑3冊ともどれも死のにおいがします。
    暗くて申し訳ありません・・・笑

   銀河鉄道の夜・・・宮沢賢治

    賢治ははずせません。この映画版も良くできていて好き。
  
   サヨナライツカ・・・辻 仁成

    これだけは・・結婚してから読んだ本ですけれど。
    かなり泣けた本なので、あげておきます。
    

5.バトンを渡す5人
  
   ごめんなさい。もうすでにやっている方も
   いるみたいなので、回す人がいないのです。
   もし私も・・・という方がいらしたらお声かけてください。

バルスーズ

バルスーズ  (1973  フランス)

監督 ベルトラン・ブリエ
脚本 ベルトラン・ブリエ 、フィリップ・デュマルセル
出    ジェラール・ドパルデュー(ジャン=クロード)
ミュウ=ミュウ 、パトリック・ドヴェール (ビエロ)
ブリジット・フォッセー 、ジャンヌ・モロー

気の赴くままに放浪生活を続ける二人の男、ジャン=クロードとピエロ。ある日、美容院経営者のクルマを盗み、ドライブへと
出かける。クルマを返す時に、経営者の男にみつかり、
すったもんだの挙句、ビエロは股間を拳銃で撃たれてしまう。
その場にいた不感症のマリーという女とともに、
クルマで逃避行を企てる2人。
やがてマリーと別れ、別の女を探し出す2人。
そして刑務所帰りのジャンヌと出会う。



感想  エッチです。下品です。おばかです。
はちゃっめちゃ・・です。これが青春なんですかね。
かなり不快感をともないますね。観る人選ぶな・・・きっと。
フランス映画って凄いですよね。70年代にこういうのを作って
しまうんですから。当時衝撃作っていわれたのもわかります。
いやいや・・かなりのものです・・・笑

まあ・・この映画で笑える人は、大人だと思います。
どうしようもない2人でね・・。なんでも2人で行動というのが
おかしくもあるんですけどね。

ジェラール・ドパルデュー・・・がひどく痩せています。
役柄の年齢、25って言っていたな。若いな・・・しみじみ。
最近の映画しか知らないので、ビックリ。
で・・・あんなこともこんなことも・・するんですよね。

ミュウ=ミュウ ・・・かわいいですね。たとえ不感症でも・・笑
しかし、ほとんど裸じゃない・・・彼女・・

ブリジット・フォッセー・・・・懐かしいな。色っぽいな。
で・・あんなことこんなことも、されるんです・・嫌だ~~(こればっかり・・笑)

一番の収穫はイザベル・ユペールです。
16歳なのにあんなこともこんなことも・・・
(だから感想になっていないって・・・笑)

一番印象に残ったシーンは、ジャンヌ・モローとの
絡みですね。意外な展開になっていきます。
あれは、2人にとって、・・強烈な痛みになるだろうな・・。

内容知って怒りたくなる人もいるかも。
責任はとれません・・
公開時のコピーです。

<どのみち人生 男と女!くどくど言わずやるこたぁひとつ-- そこから生まれた真実だけが俺たち〈人呼んでキ○○マ野郎〉が求める青春だ!
既成のモラルを根底からくつがえしたこの鮮烈な生き方に大人たちは真っ青!本場フランスでは「エマニエル夫人」と人気を二分した衝撃の話題作!
バルスーズとはフランス語で“睾丸”すなわち男性のキ○○マを意味するスラング>

長いね・・・。それに絶対引くよ・・・笑

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

見えないドアと鶴の空

見えないドアと鶴の空    著  白石一文

 勤めていた出版社に失望して2年前に退職してから、なんとなく毎日をやり過ごすよ うにして生きている昂一。広告代理店に勤める妻の絹子の出張中、絹子の幼なじみで 身よりのない由香里の出産に立ち会ったことから、昂一と由香里の関係が変わる・・・アマゾンのあらすじより~


感想   まず、すぐさま、別の白石作品を読んでみようと
思いました・・・・   これはこの作品が良かったからというのでなく消化不良だったから。
それでもところどころの表現には、忘れられない物も多くて
やはりもう一本読んでみたくなりますね。

今回のこの小説は色んな意味で凄いですよ・・・笑
想像していた以上のものが、がんがんでてきますからね。

ついていけない部分はいっぱいあります。
ただ、この先どうなるのかな・・・という思いを最後まで引っ張らせて
いる作品という意味では、面白いと思います。
事実、先が知りたくてしかたがなかったですからね。

ただ、その方向性については好みは分かれると思いますね。
クッシー、ネッシーを見た気分です(なんのこちゃ・・・笑)

新しい総合小説を目指す記念すべき一作だそうです。
出始めはロマンス・・。官能小説っぽい描写も
あって、ちょっとたじろぎますが(この程度はよしか・・・笑)
この辺はよくあるパターン。職を辞して、家庭に入る主人公
が、その妻の友人と恋愛関係におちいるという三角関係が
描かれます。
そして中盤。この妻と友人の関係には秘密があるということが
わかります。それは過去にまで遡らなければ
わからない事実。そして妻には男もいるようだ・・・。
だんだんとミステリアスな色調をおびて来るのです。

そして、突き止めた事実は・・・。
オカルトです・・・    

いや~~~まいりました。手かざして、物を動かすとか、病を治すとか・・そういったものになんら興味をもたない私には
まさに未知との遭遇のような感覚だったのですが、
やはり、どう決着をつけるか・・その一点のために、
読み進めていきました。

ラスト・・・はね。
摩訶不思議でした。どうなんでしょう。これでいいんでしょうかね。
見た人の感想をお聞きしたいところです。

結局、ファザコンゆえの悲劇か・・・と、私は思いましたね。

ところで、私が一番印象に残ったところは
主人公が洞窟に閉じ込められたシーンです。
そのときに考える自分の死と生について・・。
死を意識しながら、自分で自問自答する場面です。
圧倒されますね。説得力があって。
そこは、じっくり読んでしまいましたね。
宗教観も漂う本なので、色んな考え方があろうかとも
思います。
ちょっと別口で再挑戦しよう・・・。

ちなみに・裏表紙にはこう記してあります。

 <洒落た会話や思わせぶりな設定で愛や苦しみ、やさしさやジョークをお手軽に書き散らしただけの小説はもう必要ありません。自分がいったい何のために生まれ、生きているのかそれを真剣に一緒に考えてくれるのが本当の小説だと僕は信じています。>

こうまで言い切っているとやはり次も読みたくなるのですよね。。
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

ヴィタール

ヴィタール  (2004年 日本)

監督 塚本晋也
出演 浅野忠信、柄本奈美、KIKI、岸部一徳、國村隼


事故で記憶をなくした博史。
しばらくは呆然しとていた彼だが、やがて医学書に興味を示すように
なる。
彼は事故に合う前は、医者を目指して勉強していたのだ・・。
試験に受かり、大学の医学部に入学する博史。
そして、彼は解剖実習にのめりこむ。
彼は失った記憶を取り戻しつつ、現実とは異なる、別次元の世界に
入り込む・・・・。


感想  今回はこれ・・。
塚本監督の作品です。
友達失いそうな・・・作品選びですが・・。
どうしても・・・もう一本塚本作品を観たいと思ったのと、主演が
浅野さんだからという理由で。
あらすじきくと・・・ちょっと引きますよね。
私も観る前・・怖かったです。
冒頭から・・・説明的な描写は一切なし・・。
意味あるようなカットが、いくつか並び・・
さらに主役の浅野さんは・・なかなかセリフを吐きません。
最初はあ・・あ・・ぐらい・・。
その雰囲気からして・・ただならぬものを感じて
怖いんですよね。
映像も・・相変わらずひんやり・・ブルーがかったシーンも多く
また雨のシーンも多いです。じめじめ・・・・しています。


煙突からたなびく・・・煙。
クルマの衝突音。
彼の過去に隠れているものは何か。ミステリータッチでストーリーは
進みます。

現実と幻想の世界の交差。
幻想の世界で繰り広げられる・・生命の輝き。

純愛映画だとは・・誰が想像できたでしょう・・

中盤までは方向性が見えないのでかなり不安ですし・・
グロイシーン(解剖・・・・これはかなきついと思います。
何せ・・リアル)もあるので、皆に気軽に
お薦めできる作品ではありません。

映画の中に、楽園と思われるシーン(沖縄でのシーンかな)があるのですが、そこがとっても素敵。海、砂浜、森・・青い空 。
美しいです。
解剖シーンが陰鬱な分、その対比としての
世界が美しいのですよ。

ネタバレするのはもったいないので・・・この辺で。
シーン、シーンで理解できない部分もあったのですが(首絞めシーン
がとくに・・)それは前作もそうでしたので、気にしないことに
しました。

後半が結構いいです。
前半苦しかった分、パッ~と霧が晴れたよう。
とってもせつないストーリーだと思いました。

エンディングテーマはCocco。
胸に染み入りました。
余韻たっぷりです。 泣けそう・・・。
あ・・ヒロインは2人いるのですが
どちらも雰囲気があって良いです。
浅野さんも相変わらず、上手だしね

興味がある人だけが観て欲しいな。
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

ヴェニスの商人・・・ジェレミー・アイアンズ

連休・・中日ですね。
皆さんいかがお過ごしですか・・・
今日はお友達ののTea Please(http://homepage3.nifty.com/TeaPlease/の瞳さんからいただいた
ジェレミー・アイアンズのお写真を公開します。
ありがとう瞳さん。

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ヴィニスの商人・・・主役はアルパチーノです。
私の好きな・・笑・レイフ・ファインズの・・・弟・・ジョセフも
出演していますよ・・。
シェイクスピア原作のあまりにも有名なお話ですよね。

シェイクスピア原作の映画はわりと好きなので
今回も楽しみにしています。
観にいけるかどうかは・・微妙なのですが・・

公式ページhttp://www.venice-shonin.net/

ちなみになぜ・・アイアンズかといいますと・・。
私ちょっと苦手な方と以前、公言していたんです。
でも振り返ってみれば・・・彼の作品よく観ている・・・笑
怪しい役でもどこか気品があるのですよね・・本当・・・?笑
女に翻弄される男、堕ちていく男を演技させたら
ピカイチではと思っております。
やはり好きなの・・私?・・笑
イギリス紳士は・・お洒落で、演技派な方が多いので
本当はどのかたも素敵なんですよね。
おじ様は渋くて・・・いいです。

シンデレラマン

シンデレラマン  (2005  アメリカ)

監督 ロン・ハワード
出演 ラッセル・クロウ、レネー・ゼルウィガー
   ポール・ジアマッティ 

ボクサーとして将来を期待されていたジム(ラッセル・クロウ)。
しかし故障続きで、未来は閉ざされる。
時代は不況。生活するのはギリギリの毎日だった。
妻メイ(レネー・ゼルウィガー)と3人の子供たちを養うためには
どうしてもお金が欲しい。
そんなある日、元マネージャーのジョー(ポール・ジアマッティ)が復帰試合の話を持ち込んでくる。相手は、新進ボクサー。家族のため
再起をかけてリングにあがるジム・・・。

感想  シンデレラマン・・・この題名から、あまり観る気を誘っていなかったのですが、予告編のラッセル・クロウの闘う姿にみせられて、
劇場に行ってしまいました。
まず・・・このシンデレラマンという題名ですが原題そのもの。
一度は落ち目になったボクサーの主人公が再びのし上がってきたことを称して、新聞がこう呼び名をつけたようです。
なるほど・・・・。
彼は、人生のなかでガラスの靴を手に入れたのですよね・・・。

映画は予告編で流れていた内容、そのとおりで、
奇をてらったストーリー展開はありませんでした。
ラストも含めて、だいたい想像できる範囲です。
ですから、ものすごく感動したという感想はもちませんでしたが、
実話という部分での重みと、こういった信頼関係を保てるこの夫婦
に少し憧れを感じてしまいました。
いいお話ですよ。手堅い一本という感じです。

しかしこの話・・私1人での鑑賞はもったいないです。
パパさんに見せるべきでは・・・笑。いやいや、他の方も夫婦鑑賞が
一番のお薦めであろうかと思いますよ。

アメリカ大恐慌時代の希望の星となりえた・・・ブラドック。
不況にあえぐ市民達に生きる喜びを与えてくれるボクサーだったんですね。不屈の精神、家族を思いやる心・・すべてが観客の心を
ひきつけて離さなかったのですね。

このボクサー演じるラッセル・クロウ。グラディエーターを思い起こさせるような肉体酷使の役なのですが、今回、貧困下での生活ということでお顔もほっそり・・・。しばらくみないうちにずいぶんとイメージが
変わりましたね。
闘うときは激しい闘争心で、男臭いのですが、家庭にいるときは
ものすごくやさしい眼差しを家族に向けるんですよね。
そのギャップに、ちょっと惚れます・・・笑
子どもが貧しさ上に盗みを働いても・・怒らず、黙ってその行為を
戒めるなんて、なかなかできません・・。電気代が払えなくなったり、
ミルク代が払えなくても・・自暴自棄にならず、俺さえ頑張れば・・・と自分の責務を果たそうとする姿は、男の中の男ですね。
ここには、古きよき父親・・男は家族を養うべき、守るべき、
そして、強く、勇ましく
ありたい・・・という姿であろうかと思います。
現代では稀有になりつつありますよね・・。
子どもはどんなに苦しくても手放さない、俺が守るんだという
彼の信念には、頭の下がる思いもします。
だからこそ・・・プライドをかなぐり捨てて、お金を恵んでもらえるよう人に頼み込む姿には、心を打たれましたね。

お金がない・・、食べる物がない・・・といったら、ともすれば、
夫婦喧嘩になるところでもあろうに・・・この2人は、頑張りましょうよ~~~~と手に手を取り合って、日々過ごしていこうとするんですよ。まさに、苦労もいとわないう夫婦の理想です。
見習いたいですわ。

子どもがね・・また愛らしいのですよ。
お父さんの試合が気になって、聞いてはいけないといわれているラジオをこっそり聴く場面なんか・・・・たまらなかったですね。

レネーは、クロウを支える妻。危険な場所に出向く夫を心配する
姿には、共感ひとしきり。私だったら・・・行かないでって泣いてすがっちゃうわね。最後の試合なんて、危険な賭けでもあるわけでしょ・・。
それでも男なら一か八かで・・勝負する・・・みたいな
強い精神をもっているところは、すごいところ。
もちろん、結局のところ、その決心を受け入れてしまう彼女もまたそれ以上に
強い精神の持つ主だとは思いますけれどね。

クロウを支えるセコンド役はジアマッティー。
サイドウェイの彼ですよ。まさか、今年2本も彼の映画を観るとは
思わなかったな・・・笑。今回はとってもいい人、いい役。
彼が意外と存在感あって見せ場をつくっていましたよ。
ボクサーはいいセコンドによって、勝敗が左右されるんだな・・って
あらためて実感。ボクサーをその気にさせる言葉の数々は
聞き所です。もともと大きな目をより大きくして
唾も飛ばし散らして・・(たぶん・)エネルギッシュにサポートしておりました。観ているこちらも、セコンド気分でした。
挙句の果てにはリングにもあがっていたしね・・。
また、時々、面白いセリフも発していてね・・・
クスリとできる部分もあるのですよ。で・・彼ね。
苦労していないように見えていましたけれど、本当は影で色々あるんですよ。単なる金儲けのためにクロウをサポートしていたわけではないのですよね。
そういう部分が発見できた時・・・目からうろこだったですね。
あ・・・いい人だってね。

この映画・・・ボクシングシーンの迫力は特筆ものです。
臨場感溢れていますよ。とくにラストの試合・・。
ボカ、ボカ、ガバ・ガバ・・・血が飛び散り・・、頭ふらふら・・・
いつの間にか自分も殴られている気分になってきます。
存分に、ボクシング映画の醍醐味を味わえます。

上記に書いてきたように、所々いい話が散らばっているのですが
最後が非常に盛り上がるぶん、今までの出来事がふっとんでしまったような印象があります。まあ・・最後がよければ全てよし・・という
感じでしょうかね。

対戦相手は典型的な嫌味なヤツでね。
確か・・なんとかベアってい名前だったかな。
クロウの役名がブラドックといっていたので、え・・なになに・・
ブルドック(犬)とベアー(熊)なの・・と可笑しなことが頭によぎってしまいましたよ・・馬鹿ですね・・笑。

クロウの肉体を見るも良し、夫婦愛に酔いしれるのもよし、
はたまた・・ダンディーなジアマッティーを見るのも良し・・・
色んな味方を探して楽しんでみてくださいね。

それにしてもこの夫婦・・・抱き合ってキスするシーンが
多かったです。お互い~~信頼しきっているのね・・・
いいですね・・・・。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

2046

2046  (2004  香港)

監督  王家衛(ウォン・カーウァイ)
出演  トニー・レオン(チャウ・モウワン)、
    フェイ・ウォン、木村拓哉
    マギー・チャン、チャン・ツイィー(バイ・リン)、
    コン・リー(スー・リー・チェン)、
    カリーナ・ラウ(ルル/ミミ) 
    ドン・ジェ、チャン・チェン


1967年の香港。
2046を舞台にした近未来小説を書いている男。
男の私生活を反映したようなその物語。
2046は亡くした記憶を見つける場所。
なぜなら、そこでは何も変わらないから。愛した人もそこには
いると信じられる・・。
しかしそれが本当のことなのか誰もわからない。
なぜなら、帰ってきたものは誰もいないから。ただ一人をのぞいては
それが2046の主人公・・そして男自身・・。

失われた愛は・・・みつけることができるのか。。

感想   公開時あまり評判がよくなかった作品ですよね。
確かに、題名から近未来のSF世界を期待しちゃうと、肩透かしを
食らうかなとは思います。
今回観るにあたって、「欲望の翼」で予習。
花様年華は、以前観ているのでOKということで。
この映画は、↑2本を観ている方が理解力も増すし、深みを感じで
そのよさを感じやすいと思いますね。
私は・・・評判ほどは悪い作品だとは思いませんでした。
むしろ好きな部類の作品。良かったですけどね。


これ、大人の恋の物語ですよね。小説家である主人公が
過ぎ去りし恋の日々に心をよせる・・・・ちょっとセンチメンタルな映画。女たらしのくせに・・・・何を今さら・・・と思うけれど
だからといって嫌なヤツには思えないの。

それは彼が、花様年華の主人公をほうふつさせるからなのよね。
そう認識すると、彼の女たらしも意味あるものに思えてくるの。

きっと、過去の恋が真実の恋、本気であったからこそ、それ以降・・・
遊び以上の関係に踏み切れないのかな・・・ってね。
彼は今でも愛することに怖さを感じているんじゃあないのかなって・・
色々想像するわけですよ。

彼に関係のある女性は・・
女賭博師のコン・リー演じるスーリー・チェン。チャウの昔の恋人と同じ名前です。
ホテルの経営者の娘で日本人の恋人がいるフェイ・ウォン演じる
女性。
主人公の部屋の住人チャン・ツイィー演じるバイ・リン。

チャン・ツイィー(バイ・リン)との関係が一番丁寧に描かれていましたね。女側から観ればものすごいひどい男。
今回のチャン・ツイィーの役は良かったですよ。見せ場も多かったし・・反発しながらもその男性に惹かれる女心は見ていてつらいものを感じました。お金を払って時間を貸し借りするなんて・・・むなしい
関係なのに、それでもプライド捨ててまでも続けていきたいと思う
女心がいじらしかったですわ。強気な態度の中にみせる、可愛らしさが
なんともいえなかったんだけどな~~~。

コーン・リーの女賭博師はカッコイイね・・・。でもどうしても過去が
知りたくなりますね。ものすごくもったいぶっていたから。
口紅が乱れたその姿が・・なんとも色っぽかったのが印象的です。
もちろん、その前の、がば~~というキスシーンも迫力あって
好きだったけれどね。なんともすばやいというか・・笑


フェイ・・・は、恋する惑星から・・・ちっとも変わっていなくて、それがビックリ。彼女はアンドロイド役もありましたが、そちらの方も
魅力的でしたね。アンドロイドの彼女の首がパッカと
曲がるシーンとか、無表情な顔が急に微笑むところなど、魅力的ショットがたくさんあったからね・・・。

マギーのシーンは少なかったですね。
これは残念。

キムタクですが・・・SF小説の彼は良かったけれど、サラリーマン役の彼は嫌だな・・・。あのしゃべり方が・・どうも気になってしょうがないのですよね。トレンディードラマではいいけれど、この手の映画では浮いてしまうように感じます。しゃべらないキムタクなら
いいけど・・・・笑


映画の初めのシーンに登場するカリーナ・ラウ(ルル/ミミ)。
主人公が過去に出会った女性として描かれます。その当時は踊り子だった・・彼女。
彼女のキャラは、欲望の翼の・・・ミミそのものですよね。
死んだ恋人を追い求めている・・・っていう設定を聞いて
思わず、涙ぐみそうになりました。
前日に欲望・・・をみていたこともあって、彼女の思いがこれまた
よく理解できます。
ミステリートレイン・・・過去への旅・・というのも、欲望の翼・・
もっといえば、恋人、レスリーへのオマージュだったともいえますよね


誰にも知られたくない秘密を穴に閉じ込める・・・。
これは「花様年華」でもラストで出てくるエピソードですよね。
その秘密は永遠に誰にも知られることがない・・。
知りたいために人は過去へ戻る・・2046に行こうとするのだろうけれど、失ったものはやはり戻ってこないことを再確認するだけの
つらい旅でもあるんですよね。

人の心のそこは計り知れないもの。恋愛をしている最中は、相手の
本心を知りたくて、知りたくて。本当は誰を愛しているのか。
本気なのか、どうか。
すれ違う思いも、恋愛にはつきもので
あるし、すべてを言わないからこそ、恋愛はいつも難しいし、
その駆け引きに、魅力を感じるものでもあろうかと思います。

恋愛はタイミング。違う場所、違う出会いなら・・・また違った展開になるかも・・・そう感じる主人公。
でもね・・・・それが運命ということだと思いますよ。
失った恋をもしかしたら・・・で考えるのはむなしくなるだけだものね。


現実と過去が入り組んでいてさらに、架空のSF小説場面も交差しているこの映画。かなりごちゃごちゃ感をもたらしています。
たぶん・・・途中でトイレ・・いっちゃたら・・・わからなくなるかも・・・。場面、場面にさりげなく意味のあるシーンが出てくるので見逃したらいけませんね。

同じショットが幾度も使われるのも相変わらず。
全部観終わってから、あらためて最初の場面を見ると、
また違った見方ができますよ。とくに、ガッカリ・・と思えた
人は・・。ってもう観ないか・・笑
私・・・2度観ましたけれど、冒頭の場面は、好きですね。
セリフに重さを感じましたからね。

すべての記憶は涙で濡れている・・・
僕と一緒に行かないか・・

とにかく・・セリフに惚れますわ。
映像も音楽もグッド、オペラ好きだわ・・・・。
やっぱり、嵌る人には嵌る映画だと
思いました。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

欲望の翼

欲望の翼 (1990  香港)

 監督 ウォン・カーウァイ
 撮影 クリストファー・ドイル
 出 レスリー・チャン(ヨディ)
   カリーナ・ラウ(ミミ)
   アンディ・ラウ
   マギー・チャン(リー)
   ジャッキー・チュン トニー・レオン

感想   いいね~。これも。またか~笑
ということで、ウォン・カーウァイの作品の中では唯一未見だったこの映画を2046の予習のために観ました。
今はなきレスリーのことを考えるとこの映画のラストはつらかったです。こういうプレーボーイで女を泣かせる役が彼には
似合うんですよね。
冒頭が・・まず、ええ~~って思うところ。
まず、場所はどこか・・2人の関係は・・・この唐突な会話は
何?と思うのですが、次第に納得がいくのです。
ああ・・・こういうことだったのかな・・・って。
それにしてもこの会話は凄い。ともすれば、キザで、恥ずかしくなるようなセリフだけれど、なぜか、2人が演技していると、
信じられるシチュエーションに思えてきます。
言われてみたいです・・・笑

4月16日の3時。そして3時1分。
その1分は短いけれど、貴重な時間。
2人の関係は1分から始まる・・・う~~ん、いいよ。
2人の関係を説明したいわ・・・という彼女に、
関係ってどんな?というセリフをはくヨディ。
ひどい男だと誰もが思います。女の気持を踏みにじるヤツと。
でも彼は、幸せになるのを恐れているだけだと、
感じます。
彼は・・・母に拘っているんですよね。生みの親。


ミミは、彼が行きずりで拾った女。でも彼女は彼を本気で
愛します。
苦しいな・・・切ないな。2人の女性の気持が。
けして自分を幸せにしてくれない男性だとわかっていても
愛してしまった以上・・簡単に気持は、戻せない・・・。
ダメだとわかれば、わかるほど、自分自身はどんどん苦しくなるだけ。

母に拘るヨディ。大人になりなよ・・・なにを子どもじみた
我侭をいっているの・・・。でも皆男は子供かも・・・笑

ヨディをあきらめる中で、スーは1人の警官と出会います。
彼はアンデイ・ラウなんですけれどね。
この2人の関係も、すれ違う思いを感じてよかったわ。
男と女・・・なかなかうまくいかないものね。


ミミを愛するヨディの友人。
一方通行の思い。でも、愛する人のためになんとかしたい。
彼女が幸せになってくれれば、ボクも幸せだという思いかな。
彼ができる唯一の愛し方。

脚のない鳥・・・
死ぬときだけ、地上に降り立つという・・・。
詩的なお話に心が揺れました。


4月16日の3時に何をしたか・・
肝心なことは忘れない・・・彼女を愛していたんでしょうね。

失った恋をへて、女たちは前に進んでいきます。
生きている以上・・・それは当然のこと。
そして彼女の中で、彼は永遠に行き続けるのです。

良かったです・・・
レスリー~~~泣。
トニーはラストに出てきますが。。。あの鏡に映ったお洒落している
姿をみると2046をまた思い出します。
スリッパを返す・・・というシーンは、
花様年華でも出てきました。
すべてにおいて、監督の作品は繋がっているんですよね。
もう嵌るよ・・・・笑
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情熱大陸~オダギリジョー

観てしまいましたね~。
やっぱり、先日観た映画の印象を引きずっているのでしょうか。
ドキュメンタリーで、本人の人となりがわかると思うと
番組に興味をもってしまいます。

情熱大陸はたま~~に、観ますけれど、時間をかけて丁寧につくっているような気がします。
短い番組ですけれど、見応えありますね。

カンヌ映画祭での様子や、趣味の写真に没頭している様子・・などなど
色々な顔を観ることができたのが良かったかな。
一言で言えば・・・真面目な人なんですね。
スターといわれることに、非常に反発をみせていたのが印象的
でした。

1人でいることが好き・・頭で考えることが好き・・
そして物を作り出すことが好き。

好きなことには一生懸命になれるけれど、そうでなければ、
まったく、やる気を示さない・・・

オダギリージョーという個性を作り出しているもう1人の
オダギリジョーがいる・・

くつろいでいる姿と、メジャーな場所に出てくる彼と
二面性を感じさせますね。

うそ臭くない自分を見せたい・・
・・・<自分の素の部分が目立ち、女たらしのようなイメージを持たれた状態であったのなら、メゾン・のようなゲイ役をやっても、真実味はないでしょ・・・。なるべく、素の部分は見せないようにしたい・・・><座頭一の勝新が、いくら盲目でも、普段見える姿を
観ていれば・・あれは目をつぶっているように感じるでしょ・・>
<刺された役なら・・・本当に痛がっている姿を見せたいんですよね。
自分が観客ならそれを期待しますね・・>
(表現は微妙に違うかも・・・)
そんな会話を記者さんと交わしていたけれど・・・

窮屈な生き方なんですね・・・・
そういわれていたけれど・・・

それでも、一生懸命に自分の好きなことに突き進んでいく姿は
観ている人にとってはとても美しいと思いますね・・。。

どんな方向性を見つけていくのか・・・どんな自分を
作り上げていくのか・・・、今まさに、発展途上の方だと
思うので頑張って欲しいですわ。

ところで、番組は途中で終ったような印象を感じました。
本人としてはもっとお話したかったんじゃあないのかな。
中途半端な自分は見せたくなかったように思いますね。


メゾン~が好きで、だから今回彼に注目したの。
昔からファンの方には申し訳ないですよね。

でも・・・・振り返ってみると・・
意外と彼の出演している作品って観ていますね。
たぶん、ブレイクのきっかけになったと思われる・・
カメンライダークウガも、観ているし・・・笑
まさか、こんなに活躍してくるとは思っていませんでしたわ。

今回、この記事を書いたのは・・
メゾン・ド・ヒミコがやっぱり。。良かったからだと思います・・・
ハイ・・!!・

お~~~とちなみにこの番組の前・・
いのちの響き・・にはジョニー・デップのインタビューもありましたね。観た方いますか・・・笑

ビハインド・ザ・サン

ビハインド・ザ・サン  (2001  ブラジル)

監督:ウォルター・サレス

出演:ロドリゴ・サントロ(トーニョ)
   ラヴィ=ラモス・タセル( パクー)
   ホセ・デュモント
   リタ・アッセマニー
   ルイス=カルロス・ヴァスコンセロス
   フィラヴィア=マルコ・アントニオ


ブラジルの荒涼とした砂地。
そこに住む2つの家族は、土地を巡って殺し合いをくりかえしていた。
ブレヴィス家のトーニョは
フェレイラ家に殺された兄の敵を殺したため、今度は彼が命を
狙われるハメになる。やがて死ぬ運命を理解するトーニョ。
それが彼の宿命なのだ。
そんな頃、トーニョと弟のパクーは、サーカス団の芸人クララに出会う。
彼女に惹かれるトーニョ。それは見知らぬ世界への憧れでも
あった。

感想   地味映画としてお薦めされた作品です。
確かに、存在自体地味ですよね。公開時も大きく扱っていなかったように思います。でも、監督さんは、モーターサイクル・・・、セントラルステーション(未見)のウォルター・サレス。
とてもいい作品に仕上がっていました。
短い時間の中に凝縮されたストーリー。
それは、寓話のような雰囲気を漂わせ、とても悲しい思いを感じるのに
後味は悪くありませんでした。


灼熱の太陽。乾いた土地。そこで繰り広げられる、血と血の争い。
そういった時代があったのですね。逃れられない宿命。
なんとも悲しいではないですか。血のついたシャツが乾いてきた頃に
次の殺し合いが始まるというのが暗黙の了解。
殺し合いの連鎖ですよ。
何故・・どうして・・・無駄だとも思える争いを続けるのか・・。

主人公の、トーニョは、常に悲しみを抱えています。
それは兄の復讐を成し遂げた頃から・・・。自分の運命を知り、
それを静かに受け入れようとするのです。
そんな頃に出会ったサーカス団の芸人、クララ。彼女の存在は彼の中では
いっときの清涼剤のようだったのかな。新しい世界、彼女は自分の知らない世界で・・・・自分の好きなような生き方をしている・・輝いている...
少なくとも彼の中ではそう感じえたのだと思います。
サーカス団の芸人の中の1人はクララに、トーニョたちが何世代にも渡って殺し合いを続けていると教え・・・呆れた連中だと
けなします。
クララはトーニョの背負う苦しみを初めて知るんですよね。
休戦中にトーニョの腕にまかれた、布がもの悲しかったです。

貧しい家庭のトーニョは、小奇麗な格好をしてはいません。
かなり・・薄汚い・・・笑。でも、彼は、どこか清潔感ある
においがするの。それは彼の純粋な心が・・そうさせているのだと思います。
クララの演技を、子どものように目を輝かせながら、食い入るように
見続けるトーニョ。そこには、今の自分を忘れさせる何かがあるのだと
・・・。ここの表情が素敵ね。顔が輝いていたもの。

ロドリゴ・・・て、ラブ・アクチュアリーでメジャーになったので
知る人も多いはず。イケメンですからファンは
増えますよね。あの映画ではめがねをかけて、ハンサムを強調したような役でしたが、あまりにも多い出演者に、存在は
それほど目立っていなかったように思います。けど・・・今回は
主役。それも、イケメンの容姿を汚してまでの演技。こちらの方が
断然と魅力的に映ったのは、観ている人誰もが思ったはずです。
セリフは、多くはなかったのですが、存在感はありましたし、その演技は観る人をとりこにさせたと思うのですよね。


そんな家と家の争いを、もう1人、小さな心を痛めて見続けている人がいました。それがトーニョの弟、パクー。
泣かせますね・・・。彼が語る物語。
人魚のお話も印象的です。

誰れもが幸せになりたかっただけなのにね・・。

ラストは余韻たっぷり。様々な想像ができますよね。
今までとは違う道を選択した彼。
そしてまた選択をするのかもしれませんね。
目の前に広がるあの素晴らしい光景を、見て、私も色々な思いを
感じました。ラストもいいね・・。


新たなお話を観た人それぞれが作り出してみてはいかがでしょうか。
あの人魚のお話のように・・・・。

妙な形の木に吊り下げられたブランコを懸命にこぐトーニョの姿が
忘れられませんわ。飛びたくてもまた元に戻ってしまう・・行ったりきたりのブランコ・・・って・・・泣。でも心は空を求めているんですよね。
あの牛がグルグル同じ場所を回転する光景も・・・
なんだか、暮らしている家族の愚かな姿を反映して印象的でした。

そういえば・・サーカスの少女も回っていたな・・笑

素敵な作品を、お薦めしてくれて、ありがとう~~♪
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

アジアンタムブルー

アジアンタムブルー   著 大崎善生

最愛の人葉子が亡くなってから・・
僕はいつもデパートの屋上で空を見つめる。
彼女を亡くした喪失感から抜け出せるのは
いつの日か・・・。思い出すのは自分自身の過去。
そこにはいくつもの死の影が隠されていた・・

感想   パイロット・フィッシュの文体に惹かれて
こちらの作品にも手を出しました。
結論から言うと・・私はこちらの作品の方が好きです。
最愛の人を看取る・・・主人公。
彼の中には、死というものが大きくのしかかっていきます。
世界中で愛を叫ぶ~を思い起こさせる内容ですが・・私はそちらの方を
まったく読んでいないので、この手の内容としては新鮮な気持で
読むことができました。

前半は主人公が送ってきた人生を振り返るお話。
その中で、どんな人物と出合って、どういった生き様、死に様を
目にしていたかが描かれます。もちろん、その中には最愛の人
葉子との出会いも、描かれていくわけです。
後半は葉子との最後の日々・・ニースでの生活がメイン。
つまり尊厳死ともいうべき、納得のいく死を迎えてあげる・・
という2人だけの世界が描かれます。

パイロット~を読むとわかりますが、ほとんど続編かと思える
キャラの設定です。アダルト雑誌の編集者、名前までもが
同じ、人間関係も一部重複しますが、まったくの別ストーリーと
なっています。
単純に、何故そこまで、SM雑誌とか、アダルト関係のお仕事に
拘るのか・・・それも2本続けて・・・ちょっとわからないところでもありますが。性的なお仕事といえども、そこに携わっている
女性達はただエロさだけを求めているというわけではないって
ことかしら。彼女らも、それにかかわる人間も特別視される
人々ではなく・・疑問や悩みをもつ、なんら変わりのない人間として
描きたかったのかしら。また死ということがテーマゆえ、
生きる実感として一番感じるのが・・・性だという意味での
対比かしら。そんなことを悶々と感じながら読み進めて
いきました。


彼が葉子を失ってから行き続けるデパートというのが
吉祥寺。そもそも中央線沿線には非常に馴染みがあるので、
すんなりその世界に入っていけました。懐かしいのよ。
彼が出会う女性・・・美術部の先輩にしろ、夫を失った女性にしろ・・
とても印象的ですよね。彼になんらかの影響を及ぼして
挙句の果て、風のように去っていく・・・・・。
まさに・・・人生色々って感じ。

お仕事柄、当然アダルト世界の描写が多いけれど、
そんなの気になりませんでした。

一番気に入っているのはね・・・彼の死生観。
死というものを・・・どのように考えていたのか・・・
また失ってしまった人の喪失感をどのように自分の中で
処理していったか・・・その描写に非常に惹かれました。

私は・・死がどんなものか幼少の頃から非常に興味があり、
いつも考えても理解できないものとして感じていました。
ここは主人子が中学生の頃悩んだ・・・と書いてある部分と
同じ心境だったんですよね。
そして主人公はあるコラムを読むことで、精神的な安定を
覚えます。
引用されるのは一編のコラム
<中国の古い言い伝え。千年に一度空から天女が降りてきて、
三千畳敷きの岩を羽衣で一掃きする。そしてその岩が摩擦してなくなるまでの時間を永遠という。
宇宙が無限である意味はただ一つ。膨張をつづけているというに
他ならない。>
今まで、漠然としか見えてこない永遠というものが、少しだけ正体を見せてくれた内容です。言葉にするとこういう意味合いなんだな。
そしてそこから発展して、直接的に死の意味はわからなくても、
永遠の意味を知ることで、死のイメージから、マイナス的なものを
排除できたような気がします。永遠がある限り、死は恐れるだけの
ものではないと・・・。それで終りではないような気がしたから。
う~~~ん、説明しづらいのですけれど、
目先だけでのことでなく、大きな時間間隔で物事を考えると
気持が楽になるっていうことかな。


痛みを感じたことがあり、生きることに不安を感じた時には
ちょっと手をとってみてほしい本だと思いました。

描かれる世界に入っていけない人には、
ダメかもしれませんけどね・・
私は好きでした。

後半の葉子の死については、かなり綺麗な感じの描かれ方です。
ほとんど理想的な死かな。周りの人々も皆温かいし。
ある意味、そういう境地に陥ることができる、状況が
うらやましかったです。もっと、現実は厳しいだろうしね。

優しい人であり続ければ、死ぬことは怖くないといった葉子。
希望に満ちたラストが心地良かったですね。

題名のアジアンタム・・・は本を読む中で確認してみてくださいね。
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ジャンル : 本・雑誌

メゾン・ド・ヒミコ

メゾン・ド・ヒミコ

(2005  日本)  監督  犬童一心

出演 : オダギリジョー(岸本春彦)
     柴咲コウ(沙織)
     田中泯(ヒミコ・父) 歌澤寅右衛門 ほか



母親の入院費のために借金をかかえてしまった沙織。
昼は、塗装会社の事務員、夜はコンビニのバイトをして働いていた。
そんな彼女の元に、幼い頃に出て行った父の恋人なる男性岸本春彦
が訪ねてくる。余命少ない父親に会ってやってくれ・・という誘いに
最初は反発をしていた沙織だが、バイト料を払うという申し出に
しぶしぶ引きうけてしまう。
海辺傍に立つ・・・メゾン・ド・ヒミコ。ゲイのための老人ホーム・
そこを沙織の父親は経営していたのだ。そう、父はゲイだったのである・・・。


感想   ジョゼの渡辺あや、犬童監督のコンビによる、オリジナル
ストーリーです。前作が良かったので、普段邦画は映画館には
行かないのですが、思い切って観にいってしまいました。
まあ~~~すごい混雑です。
オダギリジョー目当ての観客が多数いらしたのではないのかと
推測しますが、いかがでしょう。
私今まで、彼のことなんとも思っていませんでしたが、
この映画での彼・・・いいですね。
カッコイイと思いましたね・・・ハイ・・・笑
もしかしてゲイ役だからかな~~~。

映画は2時間11分。これといった大きな感動とかはありませんが
じわじわ心の染み込んでいくような不思議な魅力をもった
作品に仕上がっていたと思います。
エピソード一つ一つは淡々としていたと思います。
面白おかしくあったり、時にはシリアスであったりと、バランスよく
組み込まれていました。かなり丁寧に描いているので
もう少し簡潔にしてもよかったかな・・とも思いましたけどね。
感想はですね・・・どこに重点を置くかによって、
観る人、様々なような気がします。
ゲイを扱っていることから、ゲイのあり方についてまでも
感想が出てくるような気がするんですよね。

自分のあるがままに生きることって人間としては最大の喜びであると思います。だから、差別されようとも、あるがままの自分を愛し
ゲイとしての生き方を貫いた彼らは、幸せ者だと思うんです。
でも世間では認められないのはやはりつらいことですよね。
ゲイのホームをつくったというのも、同じ仲間でしか、居心地の良さ
を感じることができなかったからでしょうね。
また、自分の好きなように生きるということは、誰かを悲しませているところでもありますよね。家族とか・・・ね。
そういう背後関係まで考えると、あるがままに生きるっていうのは
難しいことでもあるんだな・・・って感じました。


沙織の気持はよくわかります。やはり簡単に父親を許せないでしょう。
映画は、安易な和解に走っていかなかったことに好感もてました。
これで、ハイ、理解しあいました・・・めでたしめでたし・・・に
なったら、つまらないもの。
許したくない父親。でもその父親は憎くまれていることを承知でも、沙織に「好きだ」という一言をかけてあげるのです。
それは、純粋な自分の気持だったんだろうな~~。

我侭で勝手な父親像に見えていても、きっとその一言で
沙織の気持は軽くなったのんじゃあないのかなって思いました。
許すという結論までは行き着かなくても、今まで感じていた
父への気持が変わってきたことは確かだと思うんです。
そして母親に関する事実。母は・・・父親のことを許していたんですよね。それもまた違った意味での愛なのかなと感じました。

春彦は沙織の父親の恋人です。
深い愛情を寄せているようです。彼と出会う前は孤独で一杯だったと
言う彼。その孤独から救ってくれたのが、ヒミコなんですよね。ホームにいる住人は、女装趣味の男性や、かなりどきつい衣装のゲイやらで
若い人は晴彦だけなんです。そして誰よりも彼は・・・見た目
カッコイイんですよね。そんな彼が惹かれる男性として描かれるヒミコはターバン巻いて、薔薇のお洋服など着て、ファッション的にも
インパクトある男性。でもさすが、皆の先頭に立っている男性ですよね。容姿は別としてカリスマ的な魅力が全身からビシバシ感じるのですよ。
ゲイの晴彦が惹かれるのも、しょうがないのかな・・・とも思えます。
演じている田中泯の存在感はすごいですね。

晴彦はヒミコを愛するゆえ、失うことに、とても恐れを感じているように思えました。頭では理解しているに、やがて迎える喪失感にどう
立ち向かっていいかわからない部分もあったんじゃあないかな。
だから、彼が「欲望にしがみつきたい」と訴える気持が痛いほど
わかりました。生きることはすなわち、欲望を追い求めることかも
しれませんよね。何かしたい、欲したいというエネルギーが
希望にも繋がるんだと思います。

晴彦は、その欲望の一つとして、沙織に向かおうとしたのかと
私は理解しました。ラブシーンは思った以上にリアルで
ちょっとドキドキしましたけど。(なんたって前2列目での鑑賞でしたから)
ただ、気持と体って、一体にならないこともあるようで。
お互いに、せつなかったのではないのかなと思いました。


ゲイだろうが、そうでなかろうが、誰でも
老後を迎えるし、死も迎えるんですよね。
そのとき、孤独感を感じず、誰かが傍にいてくれるそれが
一番の幸せでないのかなと思いました。

ちょっと盛り込まれるテーマがいっぱいあったかな。
観る度に、違った感想を持てそうな気がします。


オダギリジョーのフリルのシャツは王子様みたいで
良かったわ。あと他のゲイたちは奇抜な服装が多かったから、ナチュラルな服装の彼が余計目立ちましたね。

西島さんはしょうもないエロ経営者の役でした。
どんな女でも手を出すの。ああいうの観ていると、愛した人のために
つくす晴彦がひどく純に見えてきますね。

柴崎コウ・・・は素顔に見えるメイク?なのかな。
最初は生活に疲れた~~~という感じでしたね。
怖い目は健在で。今回父を憎むという役だから、合っていたんじゃあないかな。
彼女は住人たちと出会うことで、少しづつ変わっていくのですよね。
偏見を捨てて付き合うことで、自分もどこか変化していったようです。

なかなかどうして・・・現実的に向き合う問題としては
ゲイ、老後など、一筋縄ではいかないことだろうけれどね。
難しいだろうっていうこと。
でも、この映画を観て、どこかホッとできる部分も感じました。
やっぱり、どんな人間でも
接することで、理解しあえる部分もあるんだな・・って。




住人の中では、ルビイーが印象的でした。
泣けたわ~~~~~~。
ホテルを改装したということで、このメゾン・ド・ヒミコ内の
インテリアはとても素敵です。老人ホームなんて言葉は
相応しくないみたい。ある種、パラダイスみたいな場所ですよね。


色んな人の感想を聞きたい映画ですね。
私は3回くらいツツツ~~って泣いちゃいましたね。
人の死はつらくて・・・。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

チャーリーとチョコレート工場 (2005)

チャーリーとチョコレート工場 (2005)
アメリカ/イギリス
監督  ティム・バートン 
原作: ロアルド・ダール Roald Dahl  『チョコレート工場の秘密』
出演: ジョニー・デップ ( ウィリー・ウォンカ)
フレディ・ハイモア ( チャーリー・バケット)
デヴィッド・ケリー ( ジョーじいちゃん )
ヘレナ・ボナム=カーター( バケット夫人)
ノア・テイラー ( バケット氏)
ミッシー・パイル(ボーレカード夫人)
ジェームズ・フォックス(ソルト氏)
ディープ・ロイ ( ウンパ・ルンパ)
クリストファー・リー(ドクター・ウォンカ)

 ロアルド・ダールのチョコレート工場の秘密』
の映画化。
一風変わった経営者に案内されチョコレート工場を見学できることになった5人の子供たち。
ある日、工場の経営者ウィリー・ウォンカ氏は、全商品のうち5枚だけに入っている“ゴールデン・チケット”を引き当てた者にだけ、
工場の見学を許可するというおふれを全世界に流した。
貧しい家庭のチャーリーも、狙っていたが、チョコ自体をなかなか買えない状態なので半ばあきらめていた。しかし・・・奇跡が
起きたのだ。3回目のチャンスで幸運のチケットを手に・・・。
チャーリーを含め5人の子ども達は工場へ期待に胸膨らませて
向かうのだが・・・。

感想
 ティム・バートンとジョニーの組合せ。
楽しい映画になるだろうな~~~・・・とそんな予感が観る前から漂っておりました。
今回は子ども達と鑑賞です。ゴメンネ~~ジョニー、吹き替え選んだよ・・泣。  というわけで、ジョニーの声とはほど遠い・・
(インタビューで声は聞いていたんだよね)声質でしたが、
その奇妙な雰囲気は充分伝わって、楽しませてもらいました。
なにせ、彼の表情が豊かなんですよね。
あの歯並びの良い口元は、とっても印象的ですし、
あのおかっぱ髪もね・・・・かなり変・・・笑・・・でしたね。
でもやっぱり、字幕が気になります。
ウォンカ氏と子ども達のやりとりって
ブラック的な表現もあって見所の一つだと思うんですよ。
吹き替えだと・・・個々の子どもに対しても、すごく嫌味的なことを言っているんですよね
でも、その嫌味は・・・たぶん、小さな子ども達には理解できなかったと思うの。まあ・・4人の子供たちのキャラが強烈なので
そんな細かい部分は子どもは気にしなかったと思いますけどね。
つまり・・・子供向けといいながら、、充分大人の鑑賞に堪えられる
映画でもあったっていうことですよ。

字幕だとどんな感じだったんでしょうね。セリフも多少
違っていたんでしょうね。

この映画の一番の見所は、もちろん、ジョニーファンは彼を一番に
あげるのだと思いますけれど・・・彼を別格としてみたらね・・、
やっぱり、ウンパ・ルンパだと思います・・・笑

強烈でしたね・・・あの顔が・・・笑。
私はミュージカルが好きなので、映画の中で突然、歌い踊る・・・
シーンが出てくると、うれしくなってしまうところがあるのです。
違和感は感じないの。
今回も・・わ~~~~純粋に楽しい~~~♪と
小躍りしながら鑑賞しました。原作で、ウンパの歌のことは知っていたけれど、やはり映像で観る方が断然、迫力があっていいですね。
あの髪型・・腰の動き・・・いいわ~~~~。
色んなバージョンで踊ってくれるし、衣装も白、赤、黄色なんて
様々で視覚的にも飽きさせないので、何回観てもグッドです。
個人的には・・・ロックバージョンのウンパがツボだったけれど・・笑

チョコレート工場内はまさに、色彩のマジック。
チョコの川も健在でした。
どこもかしこも食べることができる場所って、子ども達にとっては
永遠の憧れ場所ですよね・・・。いいな~~~行って見たい。

お話は、意外とメッセージ性のあるもので、これは小さな子ども達が
観てもわかる範囲のもの。
一番大切なのは家族です・・・って感じでしょうか。
ウォンカ氏の過去もきちんと描いているから、流れ的にも
わかりやすいですよね。
で・・・ウォンカ氏のパパさんは、クリストファー・リーでした。
この間はスターウォーズで、ダークサイドに落ちていた
おじさんですよね。いっぱい出ているな・・この人。
そういえば、チャーリーのママはヘレナですよね。
バートン作品の常連になりましたよね。それもそのはずだけど・・・。

貧しいチャーリーの家は、大家族です。
でも皆仲が良いです。チャーリーと一緒に工場に行くおじいさん・・
顔が似ているんですよね。あのおじいちゃんも味があって良かったわ。
華麗なステップも、じいさんらしくなくて素敵よ・・。
あ・・チャーリーはフレディ・ハイモア君。
ネバーランドの子役ね。今回は、ウルウルシーンはなくって
ほとんど笑顔で演技していたけれど、観るからに、純粋な子どもでしたわ。他の子どもが性格悪すぎる分、よりいい子に見えたのかも
しれませんね。

 ユニークなファンタジーです。
今回、映画の名場面を出したり(キューブリック作品でしたね・・あの猿は)工夫もされているので、充分大人も楽しめます。
幅広い層での鑑賞ができる作品だと思いました。
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テーマ : チャーリーとチョコレート工場
ジャンル : 映画

プラスティック・ナイトメア  仮面の情事

プラスティック・ナイトメア  仮面の情事

(1991  アメリカ)
監督 ウォルフガング・ペーターゼン
製作総指揮 ラリー・シュガー 、マイケル・ロイ
原作 リチャード・ニーリー
出演 トム・ベレンジャー 、グレタ・スカッキ 、ボブ・ホスキンス 、コービン・バーンセン 、ジョアンヌ・ウォーリー=キルマー

交通事故で失った男。
記憶を呼び起こす過程で、妻の情事を知ってしまう。
男は探偵を雇い、妻の情事相手を突き止めようとするが。。


感想   「U・ボート」「ネバーエンディング・ストーリー」
などで有名なW・ペーターゼン監督の作品。
何故・・今頃これをと思うでしょう・・・。
1991年ですから、古い作品です。
何でも謎解き部分が面白いと聞きつけ、探しに探して
鑑賞にたどりつきました。
こういう昔の作品で掘り出し物って、好きなんですよね。
最近の作品は情報が流れすぎる部分があって、ショックなところも
あるのですよね。こういう情報少ない旧作を楽しむと新鮮な気持になります。
さて・・・題名かしてB級のにおいがしますが、
そこそこ楽しめる作品となっています。
見所はやはり最後のオチ。
説明してしまえば、な~~んだ、思いますし、
突っ込みどころもなくにはないのですが、
これ、公開当時、情報なしで観たら、やっぱり、驚くと思うんですよね。
今では、そう珍しいオチでもないし、容易に想像できる範囲でも
あるけれど、うまく、まとまっていて、厭きさせない展開と
なっていたのは、良かったと思います。

トム・ベレンジャーと聞いて何を思い出すかしら。
山猫は眠らない・・・といえば、かなりの通だろうし、
プラトーンといえば、大作をチェックしているあなた・・・という
ことになるでしょうね。
私はなぜか、ミスターグッドバーを思い出すという変わり者ですが
この作品は、このベレンジャーが主役です。
苦虫つぶしたような独特のお顔ですね。
探偵役のボブ・ホスキンスも面白いキャラでしたよ。

--その愛も、きっと誰かを殺している。--
キャッチコピーはこれ。
なかなかいいでしょう。
愛するがゆえの罪といったこところでしょが、
女の怖さを感じる映画でもありましたね。

楽しく鑑賞できました♪

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

僕はラジオ

僕はラジオ

(2003  アメリカ)
監督:マイク・トーリン
出 キューバ・グッディングJr.
  エド・ハリス
  デブラ・ウィンガー


サウスカロライナ州。 知的障害を持つ、ジェームズは
母親と2人暮らし。学校にも行かず仕事もない彼だが、
近くのハナ高校のアメフトチームの練習を見るのが
楽しみだった。そんな彼にアメフトのコーチ、
ハロルド・ジョーンズは、興味をもち、チームの世話係を頼むのだが…。 

感想   まず、これは実話だそうです。
ラストにアメフトの練習をサポートするジェームズ本人が出てきます。
題名のラジオとは、彼に手を差し伸べるコーチのハロルドが
彼がラジオ好きだったことからつけた呼び名です。

正直、出来すぎだよと思うほどの、いいお話でした。
実話なんですよね・・・。それを聞いてただただ驚くのみ。
人にやさしくするという・・・基本的な精神が
このお話には宿っているでしょう。
今・・・そんな単純なことが出来にくい世の中になっているでしょ。
だから、とっても新鮮に感じました。

不審な人物には接触をもたないっていう世の中になってしまっているのは荒れている証拠だものね。
出来がいいとか・・・悪いとか・・・というよりも、
こういうお話を見て、まだまだ世の中捨てたもんじゃあないな・・・と
感じられたのがとてもうれしかったかな。

現実的にどうだろう・・。知的障害といっても・・・その背後関係が
わからないと、彼を手助けすることに尻込みしてしまう人は多いかもしれないよね。そういう意味では、この先生は、
勇気のある決断をしていると思いますね。
それが家庭を顧みないことにも繋がっていると
気づき、悩んでいる姿に・・・ものすごく好感がもてました。
先生をそう決心させているのは、幼い頃の記憶だったいう
事実がわかるとき・・思わずほろりとしてしまいましたよ。
自分の信念に基づいて行うことが、教育の基本なんですよね。

たくさんの子ども達を預かる校長先生の戸惑いも
充分わかるわ・・。
痴漢の濡れ衣をかけられたラジオ。確かに騙す本人が一番悪いのだけれど、それに気づかない当人が問題なのよ・・・といった
校長先生。純粋で人を疑わないというのが、いけないことっていうのも悲しい現実だけれど、きれいごとだけでは
世の中を渡っていけないのも事実ですからね。

支援する人がいる一方で、反発を覚える大人や、生徒達もいます。
これはパターン化された展開ではあるけれど、
それでもそれぞれが間違いに気づいていく過程では
やはり気持がほっとしました。

アメフトコーチのエド様が、久々に
正統派のいい役で、個人的にはうれしかったです。
奥さんのデブラも久しぶりに拝見しましたが、
あまり変わっていませんでしたね。

気持ちのよいお話なので、あらを探さずに、
素直に見てほしいと思いました。
久々でした。こんないい話。だから私は好きですよ・・この作品。

テーマ : 映画感想
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ライフ・イズ・コメディ!~ピーター・セラーズの愛し方

ライフ・イズ・コメディ!~ピーター・セラーズの愛し方

(2004  米・英)
原題:“The Life and Death of Peter Sellers”
監督:スティーヴン・ホプキンス 
出 ジェフリー・ラッシュ、シャーリーズ・セロン、
エミリー・ワトソン、ジョン・リスゴー、
ミリアム・マーゴリーズ、
スティーヴン・フライ、スタンリー・トゥッチ、ピーター・ヴォーン、ソニア・アキーノ 

ピンクパンサー等で有名なイギリスの俳優
ピーター・セラーズ(ジェフリー・ラッシュ)ので伝記映画。


感想  
 ピンクパンサーのクルーゾー警部として有名なピーターセラーズ。
このシリーズの映画を観たことがない私でも、
ああ・・あの警部ねと想像はつきます。
でも素顔は、ほとんど知らないのですよね。
きちんと観たことがあるのは、
「博士の異常な愛情」ぐらいですね。でもあの役柄も、素顔が
まったくわからなかったからな・・・・。
自分自身をなくして、誰かに扮するのが、役者。
俳優さんって、誰でもが、自分の求めている理想と現実の
狭間で、悩んでいると思うんですよね。
成功していけばいくほどね。
だから彼だけが特別とは思わないけれど、
私生活の部分で波乱万丈な生き方を、している人はそう多くはないと思うんです。離婚・結婚の多さ、を言っているんじゃあなくて、精神的な部分でのことね。

彼は4度結婚しているのかな。
最初の妻は、アンで、これはエミリー・ワトソンが演じていました。
全編を通して、彼女の存在って大きかったのね・・って
感じましたね。別れてもどこかで、頼りにしている部分があったように
思います。
彼の精神的な弱さ、情緒不安定な部分、
幼児性の抜けない様を、すべて受け入れ、支えようと努力していったんですよね。それななに・・・彼ったら、全然理解しないで
甘えてばかりで、他の女にまで手を出してね。
家庭を顧みないのは一番いけないことだよね。

この映画の面白いところは、順序だてて人生を追いかけた映画にはなっていないのです。構成が面白いのですよね。
以前観た「五線譜のラブレター」のように、ピーターの人生を追った
映画を、ピーター自身が鑑賞しているというカタチになっています。
冒頭とラストで、そう演出されているのです。
そして、流れていく物語の中ででも、関係者の人がピーターについて
場面場面で、どのように感じていたかを・・・心情告白のカタチで
表現してくれるのです。
それは、両親だったり、キューブリック監督だったったり、
妻アンだったり・・・。よくよく観ていると、告白シーンに
なると本来の役者さんではなく顔が変わって・・・・全部、ジェフリー・ラッシュだったりするのです。
これには驚きました。つまり、ジェフリー・ラッシュが、女装をして
おしゃべりしているんです。
なかなかどおして凝ったつくりです。

前述の妻アンについても・・・やがて別れを迎えてしまうのですが、そのときの心境を、年取ったアン自身が語るという
シーンが出てきます。ここが好きでした。
本当はアンも別れたくはなかったのかな・・・と思わせるシーンでしたから。

2番目の妻は、シャーリーズ・セロン。
これはただ可愛いだけで・・・笑、とくにどうってことないのですが、
モンスターの印象が今だ頭にある私にとっては、セロンの
美貌を再確認できた部分でもありました。
この破局もね・・・、彼の身勝手さが引き起こしたとしか思えないので同情の余地はないのですが。子どもをおろせと言う彼には
不信感感じましたしね。

パンサーシリーズでのブレイク監督との関係では、
いろいろあったんだな・・・という感想を持ちましたが、
監督は、彼の性格を理解していたんじゃあないのかな。
長い間のお付き合いですしね。
奥さんでも手を焼いていたのだから他人が彼を知り尽くすというのは困難であったのかもしれませんけどね。
扱いにくい部分もあるのは当然でしょう。

チャンスは未見ですが、ピーターの転機にもなった映画でしょう。
この映画は彼の思い入れが一番あったように感じましたもの。
彼の人となりが少しでもわかったので、いつか挑戦したい作品でも
ありますね。

あと・・・いくつか作品が出てくるのですが、やはりチェックしておきたいのは、キューブリックの「博士の異常な愛情」でしょう。
映画でも言っていますが、最初は四役を演じる予定だったんですよね。
無理だという・・・彼がとった行動は、興味深かったです。
結果・・・三役におちついたのですが、見せ場の博士のシーンは
きちんと描かれておりましたね。
これは映画を観ている人はわかりますが・・・そっくり。
あの手の動きも健在でした。

ピーターセラーズの映画でしたが、
ジェフリー・ラッシュの演技満載という意味ではジェフリーの
映画でもありました。色んな顔が観れます。それだけで
お腹一杯。
オープニングは楽しいアニメ。
本編でも、感傷的な場面と、ユニークなファンタジー場面を織り込ませて
一風変わった伝記映画に仕上げてあったように思います。
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ヒトラー  最後の12日間

ヒトラー  最後の12日間
(2004  ドイツ)
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演:ブルーノ・ガンツ、アレクサンドラ・マリア・ララ、コリンナ・ハルフォーフ、ウルリッヒ・マテス、ユリアーネ・ケーラー、ハイノ・フェルヒ、クリスチャン・ベルケル他



1945年4月のベルリン。彼の女性秘書トラウドゥル・ユンゲの
目を通して描かれるヒトラー最後の12日間。
ソ連軍の攻撃が迫ってくる中、身内や側近と共に
首相官邸の地下要塞に退却するヒトラー。
戦況は明らかに不利。その中で、ヒトラーだけは、
希望を捨てず、様々な戦略を指示するのだが、もはや
実現不可能な状況であった・・。

感想
 公開終了間近か、すべり込みセーフで間に合いました。
重厚な作品でしたが、劇場で観ることができて良かったです。
初老の男性がちらほら見受けられたのが、印象的でした。
ヒトラーですから、女性以上に男性の方々にも関心が
あるのかもしれませんね。

映画は、側近秘書ユンゲの目から見たヒトラー
最後の姿・・・あわせて、側近たちの行動を描いています。
まさに、リアルな状況を、観客たちが除き見ているような状況です。
漂ってくる緊張感。だれもが・・これで終りだと感じる中でも
ギリギリまで負けを認めようとしないヒトラー。
無理な戦略を強いて、周りを困らせるだけのヒトラー。

彼に見えているものは、国や市民を守るということでなく、
ただただ、屈辱的な最後を味わいたくないという自分本位な考え方
だけのようです。やはり独裁者といわれるだけのこと・・。
最後も醜いように感じました。悪あがきにしか思えません。
何のための戦争なのか・・・、観ているうちに
そんな疑問が頭をよぎりました。

ベルリンの市民達の悲惨な死・・・。
それでもヒトラーを信じて、闘おうとする人々もいる現実。
素朴な疑問ですが、何故にそこまで、1人の男に心酔し
いとも簡単に命をなげうってしまうのだろう・・・、
神様を崇めるようにあそこまで、個人を尊敬する理由がどうしても
理解できません。誰もが・・・気づきもしなかったのでしょうか。
彼も1人の人間だと・・・。善悪の意味は冷静に考えれば
わかることなのに、洗脳されてしまっている集団の恐ろしさを
感じずにはいられません。

もはや、ヒトラーの言動全てが正しいものとして化していたんですよね。
側近達の中には、逃げ出すもの・・・・酒に溺れて開きなおるもの・・最後までヒトラーについていくもの・・・と様々でしたが、
何といっても、ゲッペルス夫妻の存在が目立ちました。

ああいう状況下でも、子ども達は無邪気。なんの罪もないのですよね。
歌声さえも聞かせてくれる彼らに唯一、安らぎさえも感じたのに、
彼らまでもが悲惨な状況に巻き込まれていく過程には
胸が傷みました。
ゲッペルス夫人の心理はどうしても理解できません。
子より夫よりヒトラーという、心情ってどうなんでしょう。
狂っているとしか思えなかったのです。
地下要塞にいる子ども達からは「ヒトラーおじさん」といわれ、
秘書達には優しい顔を見せるヒトラー。
犬にえさをやる姿は一瞬、ヒトラーという名前を忘れさせるほどです。

でも、その裏の姿も知っている観客にとっては、
まやかしのようにさえ感じます。少なくとも私には、そういう一瞬の
優しさが見え隠れしても、それは彼の真の姿ではないと
否定的に思えてしまうのです。それほど、彼の行いは
許されるべきものではないのだから。

ただ、人間って、誰もが二面性をもった生き物だから、
絶対そんな人物にはならないとは断言できないですよね。
だって、現実にそういう人物がいったっていうことだもの。

今まで、ナチの非情な行動を描いた作品ばかりを見てきたように
思います。ですから、こういった反対の立場・・当事者の
立場から描いた作品は興味深かったです。
目を覆いたくなるシーンもかなりありましたけれど、
でもそれ以上に事実としてしっかり見ていかなくてはいけないんだなという思いのほうが強かったです。

ヒトラー側の状況を理解できても、やはり、同情とか共感までには
到底行き着けません。
秘書のユンゲにしろ・・・少なくても秘書当時は
ヒトラーを尊敬、信頼していたのは確かですよね。
若い時は・・・見えなくなっていた部分もあったと
後悔は示していますが、善悪を判断する力は、年齢でごまかしては
いけないと思います。
二度とこういった過ちを犯してはいけないと
思いますね。
戦争だけでなく、独裁者の怖さも考えてみたいと
思えた一本でした。

ヒトラー役のブルーノ・ガンツは凄まじかったです。
左手の振るえとか、怒鳴り散らすさまとか・・・
噂に聞いていたヒトラー像と重なる点が多くて感心しました。
長い映画ですが、
一気に観ることができます。  一見の価値はある
映画だと思いました。

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デストラップ  死の罠

デストラップ  死の罠

(1982  アメリカ)
監督  シドニー・ルメット
出   マイケル・ケイン
    クリストファー・リーブ

スランプにはまった舞台劇作家シドニーのもとに、
以前の教え子クリフォードから「デストラップ  死の罠」
というタイトルの原稿が届く。
出来具合を確認してもらうための目的で送った原稿だが
その素晴らしさに、シドニーは嫉妬する。
やがて、殺意まで芽生えたシドニーは、クリフォードを
自宅に招待するのだが。


感想   アイラ・レヴィンの同名戯曲で、
ブロードウェイで大ヒットした舞台劇の映画化。
舞台はほとんど、シドニーという劇作家の自宅のみ。
出演者も、多い時で3人、ほとんど2人の会話のみという
場面が多いこと多いこと。
セリフ中心の映画ではありますが、
ミステリーとしては、本当に良くできた脚本で
最後まで、楽しませてもらいました。

いわゆる、どんでん返しにつぐとんでん返しの連続。
それが、予想だにしないものばかりなのが、満足できたのだと
思います。

ネタバレすると面白みが半減するので、辞めますが
核心に触れない程度に少しだけ、書こうかな。

このお話、中盤から路線がガラリと変わります。
うん・・・これには驚きとともに、やられた・・・の一言。
面白いです。
それからあとの展開は、ややしつこい感じがするのですが、
それでも、行方は気になるところ。


誰が最後に笑うのか。
誰が一番の悪党か。
誰が何を考えているのか。欲望に取り付かれた人々の
運命はいかに・・・。

それは物語をみて、それぞれの出演者の目や仕草を堪能しながら
是非、是非、確認していって欲しいと思います。

マイケル・ケインがさすがだね~~~。
ちょこちょこ、小細工しまくる姿が、ちと愛らしくも
感じます。
リーブがこういう映画に出ていたとは知りませんでした。
いい役者さんでもあったんですよね。
今さらながら・・・再認識。

ベット・カバーや、ソファーカバー、クッションなどの
パッチも目をひきます。
お部屋が舞台だけに、インテリアの部分が魅力的なのも
いいですね。シンプルで厭きのこない内装。
音楽も、控えめでいいですね。

久々の佳作のミステリー。
ご存知のかたは多いのかしら。

多くの人に鑑賞して欲しい作品の一つだと思いました。
ただし・・・舞台劇そのものがお嫌いな人にはつらいかもね。
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パッション・ダモーレ

パッション・ダモーレ
(1980  フランス・イタリア)
監督:エットレ・スコーラ
脚本:ルッジェロ・マッカリ/エットレ・スコーラ
撮影:クラウディオ・ラゴナ
出演:ベルナール・ジロドー(ジョルジュ)
   /ヴァレリア・ドビチ(フォスカ)
   /ラウラ・アントネッリ
   ジャン・ルイ・トランティニャン

若き騎兵隊長ジョルジュに恋をしたフォスカ。
彼女は決して人前に容貌を見せなかった。
評判の醜い女だったからだ。ジョルジュを執拗までに追い回すフォスカ。
彼には故郷に愛するクララがいることから、
彼女の行為は迷惑そのものだった。しかし、彼女は愛を受け入れてくれなければ死んでしまうと言い出し・・・。

感想・・・醜い女と美男子の物語です。
ビデオパッケージにもその顔は描かれていません。どんな容貌なんだろう・・・と思ってみていった部分がありました。
お世辞にも美人とはいえまないそのお顔。
目がぎょろぎょろしていて、お口も
大きくて、なんといっても見た目が怖いんですよね。
お相手のジョルジュ・・・ジロドーさんも初対面時は一瞬言葉に詰まっていましたし。きっと、わ~~~~不美人とでも
思ったのでしょう。そりゃ・・彼の恋人は、人妻といえども、美しい
クララさんですから、

男はブスでもなんとかなるけれど(他の魅力で補えるような気がする)所詮女は顔が一番・・みたいに思われる状況というのも
まんざら嘘じゃあないような気がしますが、だからといって
そんな単純なものだけではないでしょう。
彼女、結婚にも敗れて悲惨な人生を送ってきたようなんです。
彼女に、肩入れしてあげなちゃと思うんですが、やっぱりダメ。だって、あまりにも、自分が悲劇の主人公面をしていて、
どうせブスだし、と卑屈に満ちたことばかり言うんですもの。
挙句の果てが、どうにもこうにもしつこい。
美男子ジョルジュが好きなのはわかるけれど、
何もあんなにも執拗にまとわらなくてもいいんじゃあないのかな
と思いました。
あれじゃあ・・・ジョルジュが可哀想。
しかし、裏を返せば、あんなにも情熱をささげられるというのも
愛がなせる技というのでしょうかね。
ちょっと恐ろしい気もします。相手の気持を考えずに
突き進めるのは、彼女には失う物など何もないという
開き直りからくるものなのかもしれませんね。
ブス、ブスというけれど、性格だって
重要視する部分だと思うんですよ。だから彼女がもっと
卑屈な精神を持たずに、明るく
前向きな女性なら、見ている私達だって、いい印象をもてたと
思うんですよね。
彼女・・精神も病んでいるの。
都合が悪くなると、時折
発狂しだすんですよ。ギャ~、ギャ~言って倒れちゃうの。
つきまとわれる彼に同情しちゃいますね。 ものすごいパワーで、彼に迫るフォスカなんです。好きだ~~好きだ~~~ってね。

最後はええ~~~という展開で、正直驚きました。
クララが身を引くっていうのもちょっと理解できません。
私は美人だから大丈夫だけれど、フォスカはブスだから、あなたの
愛情がなければ、かわいそうだわ・・・っていう言い分も
なんだかおかしいな~~~って思ってしまいました。
また、ジュルジュ・・・いいのかな・・・あれが本心なのかな。
真の愛に気づいたというより、フォスカの情熱に負けてしまった
としか思えませんでしたが、フォスカにしてみれば、念願の
結末だったのではないでしょか。
ジュルジュは、愛のパワーに飲み込まれたといっていいのではないかな
と思いました。
なんとも・・・不思議なお話でした・・・。

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アサシン・・暗殺者とニキータ

先日放映されていた
「アサシン  暗殺者」を観ました。
続けて、フランス映画の「ニキータ」も観ました。
ご存知のとおり、
アサシンは、ニキータのリメイク版ですよね。
2本続けてみても、ほとんど同じ内容でした。(あたりまえ)
細かい設定や、セリフの数々まで、
ほとんど同じなのにはビックリでした。
違っていた部分は終盤の襲撃事件の内容と
恋人との関係についてかな。フランス版では恋人は彼女の裏の仕事
を知ったというカタチでしたが、アメリカ版ではうやむやだったように感じました。
で・・この2本。
フランス版とハリウッド版では、雰囲気が違うというのは
よくわかります。
これはもう観る人の好みによると思いますし、
最初にどちらを見たかということで、印象度も変わってくると思うんですよね。
それほど・・・インパクトのある話ですからね。

ニキータは、さわりだけ以前観たような気がするのですが、
きちんと観たのは初めて。
そういう意味では、アサシンのほうが先に観たといえるかもしれません。
内容です。
 <死刑囚マギー/(フランス版はニキータ)は、選択の余地無しの政府の暗殺者に。卓越した才能で1人前の殺し屋となるが、ある日、ある男を愛してしまう>
ツタヤさんより・・。

アサシン・・・主演はブリジット・フォンダ。
       ガブリエル・バーン
       ダーモット・マロニー
       アン・バンクロフト

ニキータ・・・アンヌ・パリロー
       ジャン・ユーグ・アングラード
       チェッキー・カリョ
       ジャンヌ・モロー
       ジャン・レノ

フランス版は暗め、
ハードボイルド色が強く、
ハリウッド版は、ドラマチックな演出で、心理描写を丁寧に
描いている分、納得できるところが多かったように思います。
フランス版はその分、物足りなさを感じますが、
俳優の表情で、状況、心理を想像する
楽しみがあったように思います。

私はフランス版の方が良かったかな。
ハリウッド版は音楽がうるさかったようにも感じたから。
恋人役は断然、アングラードのほうがいいね。
ダーモットはちょっと汚かったもの・・・笑
ボブ役・・・彼女を訓練する組織の人ね。
チェッキー・カリョとガブリエル・バーン。
これは両方とも捨てがたいんだけれど、
彼女にキスされて戸惑う姿が、可愛らしかったチェッキーさんに
少し軍配を上げます・・・笑
バーンはね、渋みのあるおじ様って感じ。
全てをお見通しで、包容力の大きさを感じたのね。
カリョさんのほうは、もうちょっと彼女との年齢差が
縮まっているような感じで、器的には小さいかなと思った
けれど、それゆえ、恋人を絡めた三角関係の対象になりえる存在かなと
感じたので、彼の方を押してみたいんだけどね。
まあ・・色んな味方ができて
面白い経験でした。

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積み木くずし・真相

金曜、土曜とスペシャル番組でやっていた「積み木くずし・真相」。
当時のベストセラ-作品の「積み木くずし」を知っているものと
しては、やはり気になる作品ということで、
結局、2夜連続で観てしまいました。
その後のことは、
噂で聞いていましたが、こんな・・そんなの事実が隠されていたのですすね。原作があるものの、やはり、ドラマ・・多少脚色が
されていることと思いますので、どれが真実かは
わからないことかもしれません。
でも、一冊の本が、1人の女性の人生を変えてしまったということは
事実であっただろうし、親のエゴが先立って子どもの真の
姿が見えなくなっていたということも、本当であったと
思うのです。当事者でない人たちは、周りが与えてくれた情報で
人を見がちですが、人の真の姿っていうのは、
実際、自分が見聞きして判断することが大事じゃあないかなって
思いました。
当時の積み木くずしブーム時は、主人公と同じ世代でした。
ぐれる過程を見て、子供心に複雑なものを感じました。
あんなにも反発する心はわからなかったけれど、
親に口答えする程度の反抗なら、あのくらいの年齢には
誰でもあるはずですからね。
そして今・・・親の立場になって鑑賞する積み木くずしは
また違う見方ができたように思います。

時代を超えて同じ素材を見るというのは、色々と感じることが
あるな・・・。あの頃世間を騒がせた当人は、もう亡くなって
しまっているという・・・。波乱の人生を経験していったようですね。
同じような年月が私にも降りかかってきたわけだけれど、
今・・・自分はこうして生きているんだなと思うと
やはり、年月の不思議、運命の不思議を感じます。
人に歴史アリ・・・っていうけれど、実感としてひしひし感じたドラマでした。
舘ひろしさんも、杉田さんも上手でしたね。
安達祐美も不良時はええ~~~っていう姿だったけれど、
やっぱりうまい。泣きの演技には見入ってしまいました。
セリフも頷くこと多しで、見応えのあるドラマに仕上がって
いたと思いますよ。そうそう平井さんの歌がまた泣かせるのよね。

ちなみに、当時のドラマは高部知子、前田吟でしたよね。
映画版は渡辺典子だと思いますが・・。
全部クリアーしている私って、昔からテレビ好きだったのですね。
プロフィール

みみこ

  • Author:みみこ
  • レイフ・ファインズ好き
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