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存在の耐えられない軽さ

↓の小説をうけて。
「存在の耐えられない軽さ」を紹介。
ナラタージュの泉さんはあまり面白く感じなかった
ようですが、私は好きです。


存在の耐えられない軽さ  (1988  アメリカ)
  監督 フィリップ・カウフマン 
 出  ダニエル・デイ・ルイス(トマシュ)
    ジュリエット・ビノッシュ(テレーザ)
    レナ・オリン(サビーナ)
1968年、チェコスロバキア。優秀な外科医トマシュは女遊びが絶えない。田舎娘のテレーザと結婚したものの、特別な恋人であるサビーナとの関係は続いている。そして別の女性とも。
「愛とセックスは別物。遊びだ・・・」という夫の人生を軽く見ているところが、どうしても理解できない妻。
時代は「プラハの春」と呼ばれる不安定な時。反共産自由化の波が起こり、ソ連軍の侵略で重苦しい転換期を迎えていた。
その中、3人、それぞれの愛は生き方までも変えていくことになる。

感想  チェコの作家、ミラン・クンデラのベストセラー小説をフィリップ・カウフマン(ライト・スタッフが有名)が監督しました。
この映画は、当時、とても観たかった一本なんですが、どうも大人の映画っていう気がしていて、手が出せないでいました。
今、この年齢で観てみてちょうど良かったかなっていう気がします。若いとそれだけで主人公に嫌悪感持ってしまったと思うので。
3人の愛の行方を描いている映画ですけれど、時代背景「プラハの春」も大きく物語りにかかわってきています。
それだけに、見応えのある1本になっています。映画自体も173分と長めです。
主人公のトマシュは、プレイボーイ。女を見ると、関係を持たないと気がすまない。これは妻に悪いとか、妻に厭きたとか、愛が
ないとかいう問題ではなくて、彼の中では、遊びでしかないんです。パチンコや競馬など趣味を持つ人と同じ感覚。どうってことはない。
 軽い、軽い事柄なんです。でも、奥さんのテレーザにしてみれば、
理解できない。
説明されても、嫉妬心、独占欲が出てきて、どうしても
受け入れることができないんですよね。これはわかります。彼女が「私もあなたの女のところに連れて行って・・・。服を脱がせ、
ベットに誘い入れるから。傍で見ていたいわ・・・」って訴えるところでは、涙がでました。浮気ものの夫を持つっていうのはこういう
せつなさが伴うのかもしれません。このトマシュにみられる「存在の軽さ」は、男性なら多少なりとも理解できる事柄なんでしょうか。
渡辺淳一の世界に出てくる男性みたいですね。男の本質はこういうものかも知れないと思ってしまえば、いいんでしょうが、
 大抵の女性はそう簡単に割りきれないと思いますね。それが男性と女性の違う所。
絶対愛を求めている女性がいる以上、彼女のために努力しなくてはいけないんじゃあないでしょうか。そういう女を妻に
してしまったんですからね。 
彼にもっとも近い女性は、奔放な性を持ったサビーナであったと思います。束縛することも、されることも嫌いで、彼と同じような感覚で
男性に接することができる。でもトマシュは、サビーナの軽さに同士のようなものを感じていたにもかかわらず、結婚相手には選ば
ないんです。これが男の不思議なところで、傍に置いておきたい女性は貞淑な女性ということなんでしょうかね。
やがてソ連の侵入でプラハから脱出して、スイスに逃れた3人。
さらにサビーナはそのまま、自由の国アメリカへと旅立って行きますが、トマシュはこの時の彼女の誘いも断って
テレーザの傍を離れようとしません。テレーザは夫の浮気に疲れて、
プラハに再び戻ってしまうのですが、トマシュは
彼女の後を追っていきます。この時点で、彼、トマシュは、彼女の重い人生に巻き込まれているんですね。生き方の難しい国を選択
したことで、彼の人生も大きく変わっていきます。遊びの面を除けば、彼は彼なりに、テレーザを愛していたんじゃあないかな。
「軽い・軽い」といわれても、結局は彼女の人生に入り込んでくるのだから。男女間の重いも軽いもこの現実に対してみれば
大したことないのかも。現実の方がかなり重く二人を押しつぶしているのですからね。
印象的なシーンは多いんですよ。テーマがテーマなだけに、性愛描写も多多あるんですけど、そんなに嫌らしくないかな。
 むしろ、女二人が交互にヌード写真を撮るシーンなどに、ぞくぞくしたものを感じました。サビーナの裸体を撮りながら、テレーザは
涙を流すんですよ。なんだかわかるな~。お互い、一人の男性を共有しているっていう思いが心に走っているわけ。
心境は複雑ですよね。
レナ・オリン(サビーナ)が自宅の鏡の前で下着になるシーン。下着は黒。帽子をかぶった彼女はセクシーでね、
とっても魅力的なんですよ。
裸になっても、とってもきれいで、不愉快さを全然感じさせないんですよ。
ビノッシュ(テレーザ)は、この頃は本当に初初しくって、可愛いらしいんですよ。最近の作品での貫禄ある存在しかみていないので
新鮮。
そしてダニエル。医者って立場から、「服を脱いで・・・・」ってさらりと言えるところが、憎いくらいにかっこいいです。
手足が長くて、スマートな行動・・・。女の裸を見るときの見つきが、すごいんですよね。輝いている。ジ~トみていて、何も
言わないんだけど、強烈な何かを感じさせるんですよ。いや~嫌らしいけど、素敵っていう矛盾が沸いてきます。
ラストはとってもせつなく心に響いてきます。
「今、何を考えているの・・・」テレーザ。
「とっても幸せだ・・」トマシュ。やはり愛があったんですよね。ウ~ン、号泣き・・・・・。sonzaino.jpg

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ナラタージュ    著  島本理生

ナラタージュ    著  島本理生

大学二年の春、片思いし続けていた高校時代の世界史の
教師、葉山先生から電話がかかってくる。
演劇部の手伝いをして欲しい・・・
泉は、先生への思いを甦らせる・・
卒業前に打ち明けられた先生の過去の秘密までも。

感想  
工藤泉・・大学2年
小野玲二・・上に同じく
山田志緒・・上に同じく
黒川博文・・上に同じく
塚本柚子・・泉の母校の高校3年
新堂慶・・・上に同じく
そして葉山先生・・・。

なぜか・・書き出してみたくなりました。
ストレートな恋愛小説。
久しぶりです。気持ちがはるか彼方に
タイムスリップしたようでした。甘い思いも、ドキドキ感も
切ない思いもあったな・・・・って。
帯についている文章は・・
「一生に一度しかめぐり会えない究極の恋」
魂を焼く尽くすほどの恋。封印したはずのあの痛みをよみがえらせてしまう小説ー小川洋子ー
激しい恋なのでしょうか・・・。ちょっぴり期待しながら
手にとりました。


綺麗な透明な文章でした。主人公の心理描写は
とても丁寧で、読みながらその映像が脳裏に浮かんでくるようでした。
先生と生徒の恋愛ということで、
禁断の恋・・激しい恋・・波乱の恋・・・?と
かなり起伏のある展開を想像していたのですが思ったより
淡々と静かなうちに秘めた思い・・・なのね・・という印象でした。

映像が浮かんでくると書いたように、
私の中では、害虫・・という映画が思い起こされ(あちらは中学生
でしたが)主人公と先生の絡みにおいては宮崎あおいちゃんと田辺さん(映画の中ではあまり詳しく描かれてはいないし、・・本とは年齢もだいぶ違いますけど・・・)のイメージが出来上がっておりました。
あおいちゃんのような透明な人物像を想像していたという
ことです。

主人公の泉が葉山先生に惹かれた理由はね・・
なんとなくわかります。やっぱり、家庭環境、父親の
存在薄の状況じゃあなかったのかな。
一見うまくいっているような
親子関係にみえますが、どこか踏み込んで付き合っていない気がしま
した。人を好きになるのには理由なんかない・・・ていうのは
もっともだけれど、やや特異な形であれば。。。思春期の場合
自分に必要であるものを求めたくなる傾向にあるのではないかな・・。

自分が一番困難なときに救い出してくれた人を好きになる・・っていうのは当然だし、だからこそ、自分のために尽くしてくれた人に
何かをしてあげたいという気持ちにもなるはずです。
泉は葉山先生の自分を包み込んでくれる温かさに、居心地の良さを
感じたし、同時に、自分こそが彼を一番に包み込んであげたいという
思いが生じたんですよね。


女性が持つ母性的な気持ちの現れでもあるんじゃあないかなって。
もちろん、それが愛だといってもいいのかもしれないけれど。
相手を思い思いやるのが出発なのだから。

実は私・・泉の今の婚約者こそ、本来の愛を知っている方だと
思います。だってあの包容力は凄いでしょう。
全てを理解して彼女を受け止めているんですよ。

一方の葉山先生。実は私は・・・教師としての資質の点では評価しているけれど、男性としてみた場合、優しいだけで人を傷つけている
やや偽善者ぶったところがある人だと思います。
優柔不断ではないでしょうか。
自分の恋に酔っている部分がないでしょうか。

妻を母を傷つけ、年下の教え子にも心の痛みを与えるほどの
残酷さを与えてしまう彼。
泉は彼は悪くはないんだから・・・・って擁護していますが
それは愛しているからこそ・・いえることで、客観的に見えれば、ずるい人でしょう・・。
自分だけが彼をわかってあげられるという思いもまた
恋を燃え上がらせる要因になること。だから葉山先生のような
キャラは必要なのかもしれません。が・・私はダメ。
自分はいい人ではないよ・・・と
自分から告白しておいて、
あまりそのことを意識していないように感じます。
そんな俺でもいいのか・・・といって、逆に
相手を惹きつける手段として使っているような気が
してならないのです。

私から見れば・・・30代の大人の男性の一番ずるいところをだしている人だと思いますね。それは私が、もう若くないからそう思うのだと
思います。純粋な目で男を見ていないのかも・・・笑

逆に泉が、小野君と付き合うことにずるさを感じている人も
いるだろうけれど、私はそうは思いませんでした。
好きな人を忘れようとするにしろ、なににしろ、
小野君と付き合うことで新たな道を見つけようとしたのだから
その選択には間違いはなかったと思います。
すぐさま・・長野の実家について行くと言う行動には
驚きもしましたけどね。意外と後先考えない泉なのね。
熱い思いから出発した付き合いもあるけれど、徐徐に親密になっていこうという思いからの付き合いも当然ありでしょう。
そして小野君の嫉妬、束縛、・・・
当然でしょう。
小野君は真面目でしたからね・・・笑  泉を奪われたくないという
思いがかえって彼女を遠ざけさせてしまったのでしょう。
若いとき・・・あるある・・・て感じでしょう?
どうでしょう・・・男性の読者の感想は。
やや小野君にあまいね ・・・笑

葉山先生は結婚もして、一家の主まで経験した方にしては
子供じみたところがありますね。
分別があってもよろしいかと思うのですが。
既婚男性には厳しいですか・・・・笑

<君にあげるものはこれしかない・・・>という葉山先生。
う~~~ん、私からみたら、男の心の声が聞こえてきそうです。
私なら、だまされるのかしら・・・って引きますが
やっぱり愛は勝つのですよね・・。


<きっと子供だったから愛とは違うとかじゃあなくって、
子供だったから、愛しているってことに
気づかなかったんだよ>

映画「 愛人・・ラマン」主人公と同じような心境ですね。

本当に大事なものは失ってからも
その人の人生にずっと染みつくんですよね。


<きっと君は、この先、誰と一緒にいてもその人のことを思い出すだろう。だったら、君といるのが自分でもいいと思ったんだ>

私はこの小説中で↑のセリフを発することができる
そんな彼氏と出会うことができる泉が、やっぱり幸せだと
思います。婚約者の彼が一番素敵な男性に思えるな・・・。


で・・・ラストのところで明らかになる葉山先生の
こと。

私は、葉山先生・・・いやだ・・・ってさらにさらに思いました。
男の方がやっぱり、ロマに酔いすぎのような気がします。
ただそれを受けての泉の反応には好感もてました。

失った恋を受けてそれでも前に進もうとする強さ。
切ない恋をそのままの形で保存しておこうという
気持ちの整理の仕方に・・・共感がもてましたね。

ちなみに
ナラタージュ・・・とは。
映画などで主人公が回想の形で
過去の出来事を物語ること・・。
私も過去の恋は思い出しますが、けっしてそれを
現実の時間枠に引っ張ってこないように、心がけますね。
若いうちはバランスが取りにくいのですが
年を重ねるごとに、上手に穏やかな気持ちで回想できますね。

それにしてもこの作品、
映画のお話がよく出てきましたね。


葉山先生はエリセが好きで「エル・スール」を好んでいるのです。
泉に「存在の耐えられない軽さ」を薦めることから
きっとその作品も好きなのでしょう。
ちなみに妻は「ダンサー・イン・ザ・ダーク」が好きだそうです。


映画もあわせてみるといいかとも思います。
エリセが好きなんだ・・・葉山先生・・・どうしよう趣味が合う・・笑

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バタフライ・キス

今日はなぜか、これ・・笑・・を紹介。
たぶん、近いうちに9songsを見る予定だし・・前フリ
という意味でいいでしょうか。

この映画みたとき、正直驚きましたね。
あちゃーーーーって思いました。
私の中での衝撃度映画は、キスト・・ファニーゲーム・・・なんですが、匹敵するぐらい・・・強烈な印象でした。


バタフライ・キス  (1995  イギリス) 
 監督  マイケル・ウィンターボトム 
 出  アマンダ・プラマー  サスキア・リーブス
    リッキー・トムリンソン

”ジュディス”と言う女性とピアノ曲のレコードを捜し歩いてガソリンスタンドに現れる女性ユーニス(プラマー)。
行き当たりばったりで人を殺してしまう彼女。そんな彼女を救いたいと一緒に旅をする女性ミリアム(リーブス)
 彼女たちの行動は誰にも理解できない、二人だけのもの・・・。彼女らの行きつく先に救いはあるのか。

感想  マイケル・ウィンターボトム監督の長編第一作。
まったく理解できないストーリーでしたし、
非常に不快感も生じてしまう映画でした。
でもやっぱり、彼の音楽の使い方とカメラワークの
独自性が好きだったりします。 
冒頭の音楽と画面からは想像できないストーリー展開。
ミリアムの告白から回想の形で話は始まります。
ユーニスという女性は殺人鬼。
人を殺すことをなんとも思っていないのです。
この時点でちょっと引いてしまう・・自分・・笑。
さらに彼女の体には
チェーンが巻きつけられ、刺青も何箇所かあるのです。
(ヒヤ~~、凄いよ・・笑)
何度も体を見せるシーンがあるのでちょっと気持ちが悪くもなりますね。
ユーニスとミリアムという2人の女性。
同性の恋愛は愛の形として理解できても(そういう形もありかと
思っているから)罪を犯しながら生きていく
この二人の人間性は理解できない部分がありました。

愛してくれる誰かを求めているユーニス。
誰にも愛されない人間は誰かを殺すようになると言う彼女の言葉も
うなずけるものではありません。
それは理由になるわけもなく、自分の行動を責任転換しているだけだから。
ユーニスは宗教的な意味合いの言葉を口にするんだけど、よくわからないのですよね。
自分の体痛めつけているのも
神の自分へのバツだという理解。
自分は悪い人間だと自覚しているところもあります。
悪の塊みたいな彼女が救われるのは愛する人に
殺されることだという理解は自分の想像をはるかに超えたもの
でした。
ミリアムも愛する人を殺さなければ愛の証拠には
なり得ないという考え。
やっぱり、理解できない点が多いです。
でも、なぜか、この2人のラストシーンには
思いっきりせつなさを感じてしまいました。
こういう運命をたどってしまう二人への憐れみがそうさせているのかもしれませんね。
旧約聖書の外典「ユディト書」に記された”ジュディス”という名が関係しているこの作品。
ユーニスは救いを求めって
”ジュディス”を探し歩きまわっていたということなの?罪深き人間は死をもってしか救われないっていうこと? 
ヘビーな内容の割には明るめの曲を流すところが特徴的な作品でした。
もうちょっと聖書的な理解を自分の中で深めることができていたら
感想もまた変わってきたのかもしれません。

ユーリスを演じているアマンダ・プラマーは「パルプフィクション」でレストランで強盗を試みてテーブルの上で銃をかまえた
女性を演じていた人。声に特徴ありますものね。 




ここまで、以前の感想を手直ししていて、
女性2人の殺人ロードムービーということで、
セロンの、モンスターをも思い出すな・・・なんて
考えました。でも切り口は全然違いますね。
あちらは実話で、殺人に行き着くまでの経緯がありますが
このバタフライ~は、まったくその辺のところが
描かれていない・・やや現実離れした話でもありますからね。
どうやって、この変を解釈するかで
見方が大きく変わる作品かと思いました。


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テーマ : 映画感想
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太陽の雫

ハンガリー・ドイツ映画ということで、「暗い日曜日」をUPしましたが、ハンガリー映画というのもちょっと珍しいですよね。
そこで、ハンガリーってどんな国?というのを知ってもらうためにも
ここでもう一本紹介します。

私はどこでも・・・レイフファンと称していますが・・・笑、
レイフファンなら、是非この作品を・・・と
思うのがこれ!!!!↓。

レイフ作品に関してはカテゴリーをきちんとつくらないと
ダメ・・ですよね・笑。

長~~~い感想ですすみません・・・・。


太陽の雫  (1999  オーストラリア・カナダ・ハンガリー・ドイツ)   
監督  イシュトヴァーン・サボー  
出  レイフ・ファインズ(イグナツ・アダム・イヴァン)
   ローズマリー・ハリス(晩年のヴァレリー)
   ジェニファー・エール(若き日のヴァレリー)
   レイル・ワイズ(グレタ)  
   デボラ・カーラ・アンガー(キャロル)
   ウィリアム・ハート(クノール) モリー・パーカー(ハンナ)
   ジェームズ・フレーン(若き日のグスタフ) 
   ジョン・ネビル(晩年のグスタフ)

ユダヤ人ゾネンシャイン一族、三代にわたる栄華と苦難をハンガリーの歴史と併せて描く、一大叙事詩。


感想  レイフファンなら、必ず観ておきたい作品です。三時間あまりに及ぶ長さ、描かれているのも第1次世界大戦以前から
100年にわたるハンガリーの激動の歴史、というわけで、かなり見応えのある一本になっていると思います。
ハンガリーの歴史についてはよく知らない私にとっては、とても勉強になった作品といっていいでしょうね。
この映画を整理しながら、感想を書いて見ます。
                         
物語の人物                                         
1 エマヌエル・・・・この物語の語り部、イヴァンの曽祖父。薬草酒「サンシャイン」の味で成功。いとこと恋に落ちたが、身を引き、ローズと結婚。
 イグナツとグスタフの2人の子を持つ。弟の娘、ヴァレリーを
 引きとって育てる。

2 イグナツ・・・エマヌエルの長男。法律家として成功。判事。弟のグスタフは医学の道.
いとこのヴァレリーと恋に落ちる。やがて、結婚。子供、イシュトヴァン、アダムを持つ。ユダヤ風に性を変える。ショルシュ(運命・仕事)と。

<世の中は・・・>・・・・第1次世界大戦までのオーストリア=ハンガリー二重帝国の時代。やがて第1次世界大戦勃発。
二重帝国の降伏。

3 アダム・・・・イグナツの次男。フェンシングで1936年、オリンピックに出て金メダル。一躍、英雄に。ハンナと結婚。
兄嫁グレタとの恋。カトリックへの改宗。ナチスによるユダヤ人迫害で、収容所にて、死亡。

<世の中は・・・>・・・・第1次世界大戦後からハンガリー革命による共産政権時代。それに続く王政復古時代。そして第2次
世界大戦まで・・・。ナチスによるユダヤ人迫害。

4 イヴァン・・・アダムの息子。ファシスト狩りに奔走。仕事は警察官。共産党の幹部。後に民主運動へ。
上司の妻、キャロルと不倫。
                 
<世の中は・・・>・・・・ハンガリー動乱をはさむ社会主義政権期、停滞期、の時代。ファシスト狩り。スターリンの影響下の政治。                  

2~4までの人物はすべてレイフが演じています。性格も生き方も違う人物を熱演しているので、ファンにとっては色んな顔を見ることができて嬉しい限りです。
この人物達はそれぞれの時代で、禁断の愛に身を焦がすのですが(↑のあらすじより)、そういう恋愛趣向は家系なのでしょうか。
もてることには違いありませんね。
どれもかなり、ハードな感じがします。恋愛部分では2の物語のいとこヴァレリーとのからみが一番良かったです。ラブ・シーンもとてもきれいに描かれていたように思います。
特に上空から見下ろした草原?の裸の2人は、印象的でしたね。(アダムとイヴのようです)
ヴァレリー扮するジェニファー・エールの
情熱的な様と、美しさにかなり圧倒されました。
3の恋愛は兄嫁との恋が中心でしょうか。それゆえ、妻ハンナ(モリー・パーカ)の場面が少なかったのは残念でした。
しかし、彼女を口説き落とそうと
するアダム(レイフ)の強引さには、憧れるものありましたね。婚約者のいる彼女に近づくなんて、余程自信のある証拠。夜、彼女の部屋の窓
の下で楽団引きつれて
愛の告白をするシーンには、ドキドキです。キザですね。でもレイフだから絵になるんですよ。(三人のレイフの中ではアダムが一番好みかな。ちょっと浮気グセがたまに傷だけど、あれは兄嫁グレタが全て悪いよ)。そしてアダム場面で注目は、フェンシング。華麗な様を存分に堪能できます。
「アベンジャーズ」では物足りなかったフェンシングもここまで充分に見せてもらえれば、言うことなしですね。

4の上司の妻キャロルは、何も知らないレイフに迫って行った感じがして、どうもいただけませんでしたね。
彼が可愛そうでした。(この不倫場面は「ことの終わり」を彷彿させますが、前者の方がずっと好きですね)

このイヴァンは最終的に自分の生き方をこれから見つけていこうとする人物になっています。
三世代全ての歴史を受け止めて、未来に向かって
歩き出す様は感動すら覚えます。彼が、名前を元のゾネンシャインに戻すことに、この一族に対する敬意と尊敬の念が含まれています。
曽祖父から伝わってきた懐中時計、薬草酒のレシピ・・・・形として彼の元に残っていなくとも、彼の心の中には、別のもの(一族が伝えてくれた
生き方のすべ・・・かな)が存在しているんですよね。ヴァレリーに言わせれば、この一族でしか味わうことのできない安堵感ですよね。
レイフ、レイフ三昧の中で、もう一人全編にわたって出てきた女性。それはヴァレリーでした。

彼女の生き方こそが、女性としては一番理想的な
ものかもしれません。それは、どんな状況下に置かれても、自分を見失わず、信念の元、生きてきたというものを感じるからでしょう。
彼女は若い頃、流行始めた写真に興味を示し、真っ先にそれを使って、彼女の家族の写真を撮り始めています。
そういう時代の流れにいち早く
乗って、自分のものにしていく先見の目。夫(イグナツ)との恋に躊躇することなく突き進む、周りの意見に動じない強さ。夫が窮地に
立たされた時、1度出た家に舞い戻って最後を看取る彼女の思いきった行動。
(この戻ってきた過程については、もう少し詳しく知りたかったところ。
どうやら、夫以外に好きな人ができたようだが、振りきって戻ってきたよう・・・。後の思い出話として語られるには惜しい気がします)
 彼女の全ての選択は、自信に満ち溢れているのです。
「それでも人生は美しい」と言える彼女が、この物語の中では、一番光っていたと
思います。 

3時間で、描ききるにはあまりにも壮大なテーマだと思います。細かい部分、もう少し知りたいなと思える部分も確かにありました。(↑にも
書いていますが)レイフ以外の人物のその後を、語りだけで済ませてしまうには、もったいないような気がしました。しかし、足早なストーリー展開ですが得るものがあったのですから、欲を言ってはいけませんよね。
そして、死んでも、死んでも生きかえってくるレイフなんて、そうそう観る事できません。

ファンでなければ、え~、またかよ・・・って思ってしまいます?
平和な時代に生まれた自分たちが本当に幸せなんだなと思ってしまいました。

最後の一言・・・ あ~、レイフとハンカチもって踊りたい・・・!あ~ナチの拷問による死に様は今でも忘れられないよ。
レイフがあんな姿になって(泣)。レイフはいつも女性と逢引する場所がカフェなんです。似合っているのよね~。あ~、軍服すがたは凛々しいね。
「シンドラーのリスト」以来だわ。
 いくらでも語れますので、観た方は是非、お話しましょうね(笑)


一番右がレイフですが・・おひげはやしています。
いかがでしょうか・・・笑

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暗い日曜日

先日UPした「鳩の翼」
最後のショットは、男1人に女2人でしたね・・・笑
うらやましい・・・と書きましたが
本当は、違う図式の方がもっと・・・・ですよね・・笑

女1人に男2人・・・とか。
古くは、「突然炎のごとく」など・・色々ありますよね。
今回は「暗い日曜日」を紹介。
あ・・「ドリーマーズ」もそうか・・・笑。でもあれは
近親相姦なので、ちょっと路線が違いますね・・・笑

この作品・・・・・とってもいいですよん。
見終わった後は、音楽からしばらく離れられませんでしたからねぇ~~~

以前の感想に加筆しています。

暗い日曜日 (1999  ハンガリー・ドイツ)  
 監督 ロルフ・シュベール 
 出 エリカ・マロジャーン(イロナ)
   ステファノ・ディオニジ(アンドラーシュ・アラディ)
   ヨアヒム・クロール (ラズロ・サボー)   ベン・ベッカー

ハンガリで生まれたセレッシュの「暗い日曜日」と言う曲は
聴く人を死に追いこむといういわくつきの曲で有名。この曲にまつわる誕生秘話を架空の話も入れこめてニック・バルコウが書いた小説が原作・
1930年代のブタペスト。レストランサボーのユダヤ人経営者ラズロと「暗い日曜日」の作曲者、ピアニスト・アンドラーシュ。
共に一人の女性イロナを愛していた。三角関係をうまく維持して行く彼らだったが第二次大戦勃発にともなって
ドイツのナチス迫害という時代の流れの中で、運命を大きく狂わして行く。

感想  一人の女に二人の男。決して一人の人には絞ることができず、両方とも自分の傍においてしまうイロナという女性は
何とも欲張りな女性です。
普通ならなんて女だと思われがちなのに画面でみる彼女はとても美しく、自分の感情のおもむくまま
自然体でいるだけで、責められる筋合いなどなにもないと思わせてしまうだけの魅力があるんですよね。
そう女神のような・・・映画の中の言葉では天使のような存在です。
そんな彼女だから最初の恋人ラズロは彼女のアンドラーシュへの思いを黙ってみていたのかもしれません。
「僕のことは気にするな。君は自由だ。」
「全部失うより半分で我慢する。」
そういわせてしまう彼女の魅力はそのまま曲への魅力へと繋がっています。
寛容な男たちを到底理解できない私ですが、
彼らはそれを良しとして幸せを感じているのです。
嫉妬心、独占欲。本来あるものを無理
やり押し込めてしまうと、どこかでひずみが生じるのかもしれません。アンドラーシュの自殺は曲に対する悩みとともに、自分の彼女への思いに耐えきれなくなったからではないのでしょうか。
汚物を我慢できなかったということ。(映画の中の言葉によると)

ラズロとドイツ軍将校ハンスは親友同士。
でも、時代の流れはハンスの心を大きく変えてしまったのですよね。
悲しいな・・・人間って。
金と欲望に目がくらんだハンスという人物もまた
戦争が生んだ悲しい悪魔ですよね。
知り合った当初は彼も純粋な青年だったはずなのに・・・。

彼の行った非道な行為への憤りは戦争への怒りの気持ちにもなっていくようです。

冒頭では、60年前に撮られたイロナの美しい写真が映し出されます。
なぜ、ハンスの撮ったこの写真をピアノの上に飾って
いたんだろう。
それはイロナにとって三人で過ごした幸せだった時の自分だというだけでなく、ハンスに対する憎しみの思い出で
もあったからじゃあないかな。絶対忘れないでいつか復讐しようと誓うことのできる唯一の品。

イロナは全裸のシーンで出てきても美しさに見とれてエロチックな感じが全然しません。
水遊びシーンでのスカートをめくったときの足、
自転車をスレンダーな体で懸命にこぐ姿までもが女性の美しさが
にじみでています。色っぽいだけじゃあなく、美しいの。

服装も素敵でレストランで着ていた黒の背中の大きく開いたドレスや普段着のブルーのワンピースなどは彼女をよりひき立てていました。
女優さんの魅力あっての映画にも思えます。

彼女が若かりし時二人の男性から誕生日に送られたものは・・
・・アンドラージュの「暗い日曜日」の曲とラズロのブールーの髪飾り。
両方ともラストでまた出てくるのを観た時、彼女の二人への愛の深さに胸が痛みました。

細かいところまで気を配った演出とストーリー展開の巧みさ。非常にお薦めの作品です。ミステリアスな曲にラブストーリーを
からませ、戦争の傷跡も描き、ひねりのあるラストにまとめあげて誰もが満足感を感じるはずですよ。

洪水の後に君が残る」って言うせりふも意味深くて印象に残っています。

エンドロールでの曲は最後の最後まで聴いてもらいたいですね。
曲が終わってからのレコード針の音が余韻を感じさせてとっても
よいですから。
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

野ブタ。をプロデュース   著者  白岩玄

野ブタ。をプロデュース   著者  白岩 玄

舞台は教室。イジメられっ子転校生
を人気者にすべく、修二はプロデューサーを買って出る。

第41回文藝賞受賞


感想
 子どものリクエストで、私もつられて読んでみました。
わりと、サクサク読める作品。
文体も今風ですしね・・・・・笑
今まで私が読んでいるとは、また違っているので、
戸惑うことも多かったです。自分の高校生時のノリとは
全然違うんですもの。時代を感じてしまいますよ。
こういった話し言葉・・、今風の高校生像なんですかね・・。
作者は83年生まれ。綿矢りささんと同年齢なんですね。
そういえば、「蹴りたい背中」も自宅にあるのですが、どうも
手が伸びません。若い作者の作品は、
後回しになってしまいますね。
この内面告白系の文体は
以前読んだ  赤坂真理さんの「ヴァイブレータ」と同じようでした。
主人公像は年代も性別も違いますけどね。


子どもがリクエストした理由は、もちろんドラマの
影響。亀梨君がお気に入りのようで・・・・笑
小学生にこの小説がわかるのかと思っていましたが、
結構面白そうに読んでいましたね。
ところどころ??と思ったところがあるようだったけれど。
高校生の心理ですからね・・・それも男だし。
理解できなくて当然・・・・笑

ドラマは私は初回しか観ていないのですが、
原作とだいぶ違うのですね。
一番の大きな違いは、野ブタ。こと小谷信太が・・男になっていること。
それもかなり・・・気持ち悪い。。ヤツってことに・・・。
どんくさそうだしね。
ドラマは女性になっているし・・・役柄の子が可愛かったですよね。
雰囲気も違ってくるのはあたりまえでしょう。


で・・・・内容について。
自分を装って生きている人間って、高校生じゃなくても
どこでもいますよね。大人になればなるほど、そうじゃない?
例えば、平凡な主婦でさえ、うわべだけの姿で
ご近所さんとお付き合いしている方多いと思いますし。
本当は、高校生、中学生の頃こそ、
本音を吐き出して付き合っていくべき年代だと思います。
学生時代の友人って、一番気持ちをわかりあえる存在だったり
するものですからね。
こういう話を読んで、自分はこんな薄っぺらな生きかたは
いやだと思う・・・こんなヤツとは付き合いたくないと本気で思ったりしました。
これに共感した同年代の人は
少なからず、同じ経験しているのかな。。。と思うと
ちょっと悲しくなりますね。
結局、自分の心の中にまで誰も入って欲しくなくという
孤独な人間が集団の中で生きていくために編み出した
手段っていうことでしょう・・・気ぐるみ着ている自分って。
着ぐるみきて、生きていくのに慣れれば、世渡りも上手に
なると思います。でもそれをやるのには、早いような
気がするな・・・。子どもが早々と大人の世界に入り込んでいるような気がして、とっても悲しくなります。

信太といういじめられる人間と、
それをプロデュースする偽善者ぶった修二。
信太の変化を描いているけれど、本当は修二の物語でも
あるんですよね。
いじめられる・・・信太の心の中ももっとのぞいてみたいと
思いました。結局、野ブタも、修二も自分を偽り続けることでしか
いき続けることはできないんですよね。
面白いって笑うまえに、すごくせつなく感じました。


ところで・・・文章内で、
一休さんのアニメ話とか、にしきのあきらなんて表現も
出てきてビックリ。修二っていう高校生・・・古い話題も
よくご存知で・・・・笑



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テーマ : 読書
ジャンル : 小説・文学

愛しのローズマリー

愛しのローズマリー  (2001 アメリカ)

監督・脚本・製作:ボビー&ピーター・ファレリー兄弟
出   ローズマリー…グウィネス・パルトロウ
    ハル…ジャック・ブラック


ハルは見かけ重視の男。
連日連夜ナンパ攻勢をかけるがフラれっ放しである。
ある日、エレベーターの中で偶然であった
セラピストに催眠術をかけられる。内面の美しさが
見えるようになると・・。
それからハルの人生に大変化が・・。
街で美人のローズマリーに声をかけると成功。
2人は付き合うようになる。
そんな2人をみて、男友達は不思議に思う。
ローズマリーは絶世の美人でないのに・・・何故?と。

感想  あらすじを聞いただけで、
展開が読めるな・・・と思う映画でしたので、今まで
手を付けていませんでした。
たまたまお昼のロードショーで放映していたので鑑賞。

以外に思ったのは、とっても極端な表現の作品なのね・・・笑
見かけにとらわれないっていう主張はわかるけれど、
例えが・・・本当ストレート。
これ・・コメディなんですよね。
なんだか・・・こういった展開を笑っていいのか
どうか・・・しばし疑問。
単純に見れば、いいお話よね・・・で終りそうだけれど。
人間そんなに簡単に性格変化できるのかなという疑いを
もってしまうと、真実を知ってからの展開がどうも
お行儀よすぎて、鼻につく部分あり。
だいたい、美人と思って付き合っているときから・・・
不自然なことが続くのだから、こりゃ・・おかしいぞ
と思うのが当然じゃないと冷静に考えてしまう自分が
いるのが・・・いけなかったのかも。
ものすごく太っていた彼女を登場させるのだけならまだしも、他にも
色々と登場してきましたよね。
尻尾のある友達とか・・。
そっか・・・コメディーなのか。
私はやっぱり、コメディーは合うものと合わないものが
あるな・・・・って思いましたよ。
「メリーに首ったけ」も同じ監督なのね。
私・・・メリーもあんまり好きじゃあないんですよね。


そもそも・・・アメリカ的な笑いと日本笑いって
どこか違うような気がするんですよね。


この手の話・・・日本では、「電車男」みたいな
ノリなのかな。見かけじゃなくって心だ・・・っていうお話。
外国映画で、似たような感じなら
(容姿に自信がないって話)
「好きと言えなくて」っていう恋愛映画の方が好き。↓詳細
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002ZEW66/qid=1138260328/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-6446696-5911558

でも、ピンクの服を着たグウィネス・パルトロー
は可愛かったかも。あんまり好きなタイプじゃあなかったけれど、
今回は可愛らしくみえたわ。
いつもシックな服装のイメージがあったので、
こんな華やかな彼女もいいわ・・と思えたのかもね。


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追記   お友達のサイトで
聞いた話だけど・・やっぱり、ジャック・ブラックと
エミール・ハーシュは似ている・・・笑


↓  エミール・・ね
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↓ジャック・・ね
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

鳩の翼

ライナスつながりで、文芸ものがあったんだっけ。
思い出したら紹介したくなりました。
プライドと偏見ではなけれでど、これも
結婚にこだわった女性の話。
でもこちらは爽やかではないです・・・笑
ヘレナの大胆な演技も見ものな・・・作品。
舞台になるベニスも最高にいいいです・・・・。

以前の感想に加筆しました。
最近リアルで映画を観ることができないので、HP上から
引っ張ってくるばかりです。

あ・・・かなり突っ込んで書いております。ネタバレ~~


鳩の翼   (1997  イギリス)
   監督 イアン・ソフトリー  
   出  ヘレナ・ボナム・カーター(ケイト)
      ライナス・ローチー(マートン)
      アリソン・エリオット(ミリー)
      シャーロット・ランプリング
1910年、ロンドン。没落した貴族の娘ケイトは叔母と暮らしている。 恋人マートンがいるが、貧乏な新聞記者なため結婚は反対されている。ケイトの母が愛だけで結婚したため不幸な結婚に終わったことを持ち出して、お金のある人と結婚しなければ
自分の財産は残さないというのだ。そんなとき、ミリーという女性と出会う。純粋で明るいミリーだが、余命少ない女性。
資産家ではあるが孤児であるミリー。ミリーがマートンに気があるのを知ったケイトは自分から、恋人マートンを近づけ
させて、財産を得ようと考える。

感想   原作はヘンリージェイムス。
ロンドン、イタリア、ベニスを舞台にした女2人と男1人の三角関係が描かれています。
愛だけでは結婚には踏み切れないケイト。確かにそうかもしれないが、かならずもお金がすべてでもないはずですよね。
自分の恋人を親友に近づけさせたのは財産を狙うためなんです。
彼女の死をのぞんでいるということなんですよ!!
あさましい考えですね。
でもケイト、平気な素振りをみせてはいるけれど、内心、2人が親しくなっていくにつれ、嫉妬心が芽生えてどうしようもなくなって
くるのです。
ケイト(ヘレナ)は無表情な感じで最初いるんだけど、3人で出かけたベニスの夜のカーニバルでの感情の爆発には
驚きましたね。非常に大胆な行動をとるケイト。
ミリーを残し、マートンを物陰に連れ込んで抱きつくなんて。
わ~~~。女は怖いなーと思います。
心の中が表情にでない、自分に苦しむなら、
へんな考えは捨てればいいのにと思う私
正直になればいいだけでしょ?
マートンは優柔不断な男ですね。何故,2人の女に好意をもたれるのかわかりません。恋人のすることを知っていながら
止めようとせずに、協力してしまうマートン。
ミリーと接していくうち、気持ちが傾いているみたいな気もします。
ミリーは2人とも好きだから、事実を知ったあとでも、天使のような心のままで2人の行いを許してしまうんですよね。
私なら、絶対許しはしないな・・・笑
うらんでうらんで・・もう!!!笑
3人の心理がこの物語の核です。
ロンドンという伝統のある街、活気あふれる水の都ベニス。2つの街での3人の心模様が丁寧に描かれていると思います。
夕日の沈むベニスで3人で楽しそうにのるゴンドラ。サン・マルコ大聖堂などの映像は
観ている人の心を癒しますね。
コスチュームもすばらしい!!
そんな美しい映像のなかで、醜い心が動いているなんて。人間って
残酷。
マートンがもっとはっきりした態度をとれば、ミリーはもっと幸せな気分を味わえたのではないのかな。彼の罪でもあるよね。
鳩の翼。
マートンが死んだミリーの棺にむかってつぶやく言葉。「羽があったら、あなたの元に飛びたい。」
彼女の死を受け止めて、マートンとケイトは幸せになれるのだろうか。疑問の残るところではあるよね・・。Dove-01.jpg



↑のショット・・うらやましいですね・・・笑

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

司祭

エド様の神父さまを、前記事でUPしましたので、
神父といえば・・・この人・・・という
作品を紹介します。これもだいぶ前に観た一本なのですが、
とっても好きな作品リストに入っております。
ライナス・ローチ・・・
彼の名前をきいて、フォーガットンやバット・マンのパパさん
のイメージしか浮かばないのならそれは・・・悲しいこと・・・なん
ですよん。
彼のイチオシ・・・作品はこれ↓なんですから・・。
ということで、未見のかたは是非・・ご覧になってください。
ただし、モーリスとか・・その系列の作品なので、
OKのかたのみということで・・。




司祭/PRIEST(プリースト)  
(1994  イギリス)  
 監督 アントニア・バード  
 出  ライナス・ローチ(グレッグ)  
ロバート・カーライル(グラハム)
トム・ウィルキンソン(マシュー)

理想の燃える若き司祭グレッグ(ライナス・ローチ)が新しく教会に赴任してきた。共にミサを行う年上のマシューの教えには
反発を感じていた。メイドと称して女性と暮す態度にも納得がいかなかった。そんな彼の元、懺悔にきた少女リサの告白は
驚くべくものだった。近親相姦・・・・。彼女を罪から救い出すことを悩む彼自身も実は、誰にも言えない大きな罪を抱えていた。
彼はゲイだったのである。

感想   とっても観たかった映画です。別にカトリックの信者じゃあないんですけど、テーマ性に興味を感じていたんですよね。
内容を聞くと、ひいてしまう所あるかもしれないけど、せつなくて苦しくて、問題は深くて語る所多い作品で、好きですね。 ライナスとカーライルのラブシーンがとかく、注目されるんだけど、
いやらしくないと思いますよ。
大胆に描いているけど、1つの恋愛の形としてみるとすんなり入っていけると思うけど(ダメな人はダメか~)
キスシーンなんかぐるぐる回って、いいじゃない?ライナス辺り気にしてしちゃうのかわいいし。カーライルの愛しそうな目が
「愛しているんだよん」って、訴えていていいよ~。
この映画はね、ゲイの映画っていうより、司祭という神に仕える職業のものが、罪を犯してしまったことへの、苦悩と魂の救済
がテーマなんですよね。冒頭でエレイトン神父が教会に十字架をもって突っ込むでしょ。あれが主張の1つだと思うんですよ。
神あなたは、悩めるものを救ってくれるはずなのに、逆に苦悩を与えているんじゃあないかってね。
グッレグ神父って若くて美しくって熱意あふれる神父なんですよね。司祭って職業は彼の宿命だと信じている。
でも、理性と体は別物なんですよね。一人で部屋にいると、欲望が渦巻いてくる。裸の男性が彼を魅了するんですよね。
これって、相手が女性なら一般的なんですけど、男性ですから、問題ですよね。
 カトリックの司祭は独身を通さないといけないみたいですね。それと同性愛は聖書に罪として書いてあるみたいです。
初めてカーライル扮するグラハムに会ったとき、すぐしちゃって、終わると逃げちゃうでしょ。愛情よりなんか欲望処理みたいな
感じだったんですよね。グラハムの方が先にラブになっているみたい。だから、当初グレッグは避けている。
きっとね、どこかで罪の意識
を感じているから、継続したくないって思っていたんだよね。時々心の片隅で浮かび上がってくる司祭という立場。
でもね、近親相姦のリサの告白を聞いてから、救ってあげることのできない自分にいらいらし出す。懺悔の内容は他言しては
いけないというきまりが彼を苦しめるんですよね。グッレグが泣きながらイエスに対して、「なんとかしろよ、」て訴える様に、
まず、感動。この辺りから苦悩の極致に入り込んでいくので、観る方も真剣。
彼女の苦しみがわかるのは自分も同じ許されない
罪を背負っているから。しだいに自分の罪とも向かいあっていくようになる。苦しみを逃れるため、肉体的だけじゃあなく、
精神的にもグレハムに寄りかかろうとしてくる。つまり、好きになってきちゃうの。苦しみが苦しみを産むって感じでどんどん
深いところに落ちていくの。
「イエスは人間というより神の子で、迷いがなかった。自分には信仰があるだけだから、苦しみがあるとどうしようもない」
みたいなこといって悩むライナス・ローチの苦悶の表情が、すごくいいんですよね。きれいで。う~ん、泣いちゃう。
グッレグはミサに来たグレハムに聖体拝領が、できなかった。迷いですよね。神の前で自分の罪を認めることができなかったん
ですよね。そんな2人が、一旦別れ、再び結ばれた矢先につかまってしまうでしょ。有罪を受けた彼が一人砂浜を歩く時流れる
曲と過去のシーン。「You’LL NEVER WALK ALON」の歌詞が「君は一人じゃあないよ」って語りかけるんですよ。
号泣き。すごく好きなシーンなんですよね、ここ。
そしてラストに用意されているまたまた感動のシーン。彼の罪は神によって救われたって理解していいと思うんですよね。
ここでも泣いてしまうと思いますよ。ライナス・ローチのラストの顔が、いいから、一緒になって感動してしまったの。
この映画、悩める司祭がライナスだったから、すんなり入っていけたと思うんですよね。いかにも誠実そうな人柄が表れていたし。
カーライルも良かったですよ。は~、全て良かった。絶対変な映画じゃないので、観て欲しいな。是非観た人の、
感想聞きたいですね。
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穴   

これはキーラちゃんが出ているので紹介します。
この手の映画にも出ていたんですよね・・・笑

(2003  12月鑑賞)

穴  (2001 イギリス)  
監 ニック・ハム
    出  ソーラ・バーチ(リズ) エンベス・ダビッツ
       デスモンド・ハリントン   キーラ・ナイトレイ
イギリスの名門パブリック・スクールから、4人の生徒が姿を消した。18日後、少女リズがたった一人で戻って来た。犯罪精神科の女医フィリッパは、この疑問を解くため、彼女を精神的ダメージから救うためにカウンセリングを始める。ガイ・バートの処女作が原作。
 冒頭のシーンがとにかく非常にインパクトあります。予告編で何回もみましたが、音が一切ないんですよね。いや~、ソーラ・バーチの憔悴しきった顔は恐ろしかったです。そのインパクトある雰囲気からすると、ホラー映画かなっていう感じがするのですが、これが途中から学園青春ものに早変わり
多少思っていたものと違っていました。それはそれで、面白かったんですけどね。穴は何故鍵がかかってしまったのか、穴で何が起こっていたのか。
この2つがポイントかな。前半の謎は割りと早くからわかりますね。
後半の何が起こったかについては・・・ラストにかけてかなり丁寧な説明が
あるので、非常にわかりやすいと思います。もっと、最後まであやふやにしても良かったかなとは思いますが。この映画はソーラちゃんの演技が全てでしょう。屈折した役とか、性格悪・・・の女の子が似合っているんですよね キーラちゃんも可愛い顔して、あんなこともこんなこともしてビックリです。怖いのは人間・・・いう感じの映画です。精神的な怖さ。そしてやっぱり女はね・・・・男よりも怖いってことしみじみ感じます。あんまり女性
を軽く考えないほうがいいよね。なぜか汚いトイレのシーンが印象的でした。私は閉鎖的な場所はダメ~。好きな人とは、もっとロマンチックなこと考えるな・・・。


奇蹟の詩~サード・ミラクル

映画の感想をちょっと整理したいと思います。
以前観た作品で、ブログにUPしていない作品
を気ままに載せてみようと思います。
検索に引っかかる可能性も高いし・・・ね。

(2003  11月鑑賞)


奇蹟の詩~サード・ミラクル
(1999 アメリカ)監督 アニエスカ・ホラッド
         出  エド・ハリス  アン・ヘッシュ

死ぬまで修道院で暮らし、多くの人々に尊敬、慕われていた一人の女性・ヘレン。彼女の死をきっかけに、聖母像は血の涙を流し始めた。・・・やがて奇跡は訪れ始める。末期の皮膚結核の少女が回復し、瀕死の青年の白血球の上昇・・・。一連の奇跡を目の当たりにした人々は「奇跡をもたらす力がある」と血の涙を流す聖母像を崇め始めた。後にヘレンを”聖人”として認めるか否かの調査に送り出され、真実を突き止めてゆくフランク(エド・ハリス)と、ヘレンの娘ロクサンヌ(アン・ヘッシュ)は出会う。
 フランシス・フォード・コッポラが製作。
この映画は劇場未公開。エドが出ているのと、テーマ性にひかれて見ました。
宗教色が非常に強い映画で、それ以外のものは極力排除されています。
まさにあなたは神を信じることができますか、奇蹟の存在についてはどう
考えていますかと問いかけをされているみたいな映画です。普段、宗教に縁の無い生活をしているものには
興味がわかない世界だと思いますし、この感覚はなじんでないと理解できない
ものだと思います。
血を流す聖母像が中心になっているからといって、面白い展開は何もありません。
そこに描かれているのは、神父フランクの信仰上の迷いなのです。ヘレンの娘
ロクサンヌとの関係・・・・甘い展開はほんの少しです。あまり期待はしない方がいいでしょう。信仰と恋に迷うという設定にはほど遠いし、やはり奇蹟という
出来事に話の中心をもってきているのか・・・と思えますが、どうもそれだけでは観た後なんとなく物足りなさを感じてしまいます。フランクの悩みが今1つ、私には理解できなかったのも、残念でした。私が未熟者なのかな。
サード・ミラクルということで、いくつかの奇蹟が描かれますが、信じがたい
ことばかりです。聖人、聖人とこだわっていますが、そんな認定なんて
いらないのでは・・・。そもそもそんな認定を行う行為無意味ではなんて
思ってしまいました。難しいテーマを直球勝負でぶつけてきた・・・て感じの
映画なので、観る人を選ぶんだろうな・・・・。
 エドの神父はなかなか素敵ですよ。

一瞬の光   著者・・・・白石一文

一瞬の光    著   白石一文


三十八歳で一流企業の人事課長に抜擢された橋田浩介。
ある夜、同僚と飲みに行ったバーで、その日の昼に会社面接を受けていた女性と出会う。その店のバーテンダーだった彼女。
彼女が店の経営者に暴力をふるわれているところを助けたことから急速に親しくなる。彼女・・は短大生・中平香折。
橋田には会社がらみの関係で瑠衣という女性と
付き合っていた。2人の女性で揺れる橋田。
一方会社内では派閥抗争が起こりはじめ、橋田の立場も危うくなっていた・・。

感想   白石さんのデビュー作品です。
まさか・・・香折に隠されていた過去があんなに悲惨な
ものだなんて・・・驚きました。やるせませんね・・・。
主人公はエリートサラリーマン。
エリートが主人公というのは彼の作品本当に多いですね。
社会的に成功していた人は、今までの生き方に疑問を感じないで
生きてきた人が多いですからね。なにより、ゆるぎない自信を持って
仕事に人生にと励んでいるはずでしょう。そうでなければ
第一線で働けないはずですよね。
そんな彼が、飲みに入ったバーで1人の女性に出会います。
ただただ気になる・・・のですよね。

普通、気になる、興味があるというのは、
恋愛の始まりに近いものがあるような気がしますが。
でも、この橋田と香折の場合は、なかなか進展するような気配が感じられず、なんとも不思議な関係だわと思っておりました。
そこには異性と思える感情などないのではないのかとさえ・・
思われました。可哀想という感情や、正義感だけで、
見も知らず人にかかわることなんて、できやしないだろうと
思うところがあったのですよね。
結局、彼が・・・何か一番大切なことに気づいていない
だけだったのですよね。彼女によって、生き方を変えられ、
本当に大切なものを教えられたということ。
でもそれに至るまでには、切ない思いを感じた人もいたはずです。
瑠衣は、彼のこと真剣に思っていましたよね。
確かに瑠衣のほうが、橋田さんに与えてあげられるものが
目に見えてはっきいりしていたと思います。
でも、それだけで、傍にいて欲しい女性とはいえないのが、
また難しいことなんでしょうね。
瑠衣にとっては、他の誰かでもよいが、香折にとっては、自分でなけらばいけないということなんでしょうか。
それでも、瑠衣にしてみれば、納得できない理由でもあろうかと
思います。

主人公・・橋田氏はもてます。結婚願望があまりないだけで、
女性に不自由しているわけではありませんね。
確かに過去に女性には、振ってしまわれ、気持ちが落ち込んでいたかも
しれませんが、それで、新しい恋に出会うのが臆病になっていたわけではありませんよね。
仕事に夢中で恋・・・どころではないという状態みたい。
つまり・・本当に大事なものを見失っているような・・
それを教えてくれたのが・・・。・・・香折ということでしょう。
瑠衣については・・・
あまりにも完璧な女性だと思うばかり。
暗い過去もなく、裕福な家庭・・。
教養もそこそこあり、なにせ、料理がうまい・・・
いつもながら彼の作品には、料理の描写が細かく、さもおいしそうな
表現が沢山並びます。またセックス描写も、ストレートですね。

その人にとって、一番必要な人が傍にいるべきだと
思いますが、それに気づかないことは、
悲劇的なことなんですよね。


ラスト・・・は
悲しい結末でした。
もっとはやく・・・彼が事態に気づいていれば・・。
そもそも出会いのときから、自分に気持ちに気づいていれば
遠回りなどすることもなかったろうに・・。
一瞬でも別の女性に安らぎを感じた彼が・・・やはり罪深いのだと
思います。手を差し伸べた段階で
なんらかの感情が相手に湧き上がっていたのだと
思うのに・・・。


男性よりの物語なので、気持ちが理解できないところもありますが
なぜ、瑠衣をいつまでもひっぱっているのか・・・とかね。

やはり、文章に引かれて悲しい最後まで、見届けてしまいました。


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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

草にすわる   著・・白石一文

草にすわる     著   白石一文

覚醒の物語2編を収めた中編小説集。

感想
  2編は「草にすわる」と「砂の城」。

今回も生きる意味について考えさせられる内容。
今まで、平々凡々と過ごしてきた自分にとっては
この物語で展開させられる内容に、理解できない部分が
多いのは確か・・・。主人公が男性ということもあるでしょう。
社会の仕組みの中で、あくせくしながら働いている人間では
ないゆえ、彼らの複雑な心境が手に取るようにわかるとは
いいがたかったです。なにゆえ、死にまで至るほど
自分を追い詰めなければ、ならないのか。
死にたいというわけではなく、生きる意味がわからないから・・・
そうせざる得ないところに、自分をもっていってしまうのかな・・。

草にすわる・・・の主人公のように
人生につまずきがなかったのかといえば、そんなことはありませんが。
自分なりに、苦しみもあり、生きる意味を考えてしまったことは
当然ありますけどね。この物語の彼とはまた別の視点からかな~~。

こうやって、苦しみ考え、立ち上がろうとして
懸命な姿は、読んでいて、興味深いです。
なぜか、心に刻み付けられるんですよね。

しかし・・・やっぱり暗い・・・・笑

草にすわる・・とは、八木重吉さんの詩です。

「わたしのまちがいだった
 わたしのまちがいだった
 こうして 草にすわれば それがわかる」

切羽詰ったことがあったとき・・・ゆっくり草にすわってみるのも
いいかもしれませんね。見えなかった自分が見えてきそうです。

もう一編。
「砂の城」。社会的に成功している初老の作家が、現在の自分の
姿を過去を思い起こしながら見つめなおす・・・というお話。
こちらは、今までにない主人公ね・・・と思いながら
読んでおりました。どんな人生を送ってきたにしろ、
ここまで生き続けてこれたことには、意味があったはず。
与えられた時間を大切に生きてもらいたいと思いましたね。

私は前者の草にすわる・・・の方が面白く読めました。

テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

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5年ぶりの積雪だとか・・・
↑は下の子の作品。

上の子はインフルエンザになってしまったんですよ・・・泣
おお~~~~みんな罹るのでしょうか・・泣

皆さんも気をつけて・・ね。

抱擁

関東地方は雪です。そこで自宅鑑賞にピッタシなしっとりした作品を
取り上げて見ました・
以前観た映画のレビューです。
またまた再見しましたので・・・・笑

ここ数日・・正確には「プライドと偏見」鑑賞以降・・・笑
マイ・クラシカル恋愛映画・・・・になっておりまして、
自宅にある恋愛映画を片っ端からみております。

「眺めのいい部屋」「ある日どこかで」ときて、
この「抱擁」・・・前2作はなんども紹介していましたが
抱擁はまだでしたので、是非皆さんにも味わっていただこうと
思いまして・・・・ね!!!。
イギリス映画ではなく・・・・アメリカ映画ですけれど、
コスチュームものが楽しめますよん。

久々に見直しましたが、グウィネスは貧弱だな・・・笑






抱擁  (2001  アメリカ)
   監督 ニール・ラビュート  
   出  グウィネス・パルトロウ(モード・ベイリー)
      アーロン・エックハート(ローランド・ミッチェル)
      ジェレミー・ノーザム
      (ランドルフ・ヘンリー・アッシュ)
      ジェニファー・エール(クリスタベル・ラモット)
       
19世紀、ビクトリア朝時代を代表する詩人
ランドルフ・ヘンリー・アッシュの研究者であるローランドは
図書館で偶然にも彼の恋文を見つける。
それは誰に宛てたものなのか。様々な資料を探るうち、
その相手が英国一スキャンダラスな女性
と言われた女流詩人クリスタベル・ラモットだと確信する。
ラモットの研究者でもあり、彼女の血を受け継いでいるモード
という女性と100年前の彼らの秘密を探リ始める。
次第に明らかになる詩人達の情熱的な恋。
現代に生きる彼らもその情熱に導かれるように次第に恋におちていく。


感想  原作は1990年の発表された
AS.Byattのブッカー賞受賞作「抱擁(Possession)」。
原作ではローランドはイギリス人の設定に
なっているようですが、ここではアメリカ人。
しっとりとした大人の文芸恋愛映画という感じでした。
とにかく、映像がとてもきれいで、音楽も格調高いスコアーばかりで、
よくできた作品です。しかし、多少の物足りなさが残ったいうのが正直な感想。
この映画は、2つの恋愛をクロスして描がき、さらに過去の恋愛にミステリアスな謎があるという複雑な構成になっています。
そこが魅力的なところなんですけど、現代の恋と過去の恋の比重はほとんど同じなのです。
現代の恋は前に進むことをためらう2人という設定なので、深く踏み込む部分が少なくてもいいと思いましたが、
過去の恋愛は映画の中では焦点になること。もうちょっと、奥深く観て見たかったかなというのが、物足りないと思えた部分でした。
過去の2人の愛を育む過程は全て、手紙・・恋文なんですけど、洗練された(さすが詩人同士)言葉の数々は、うっとりする
ものばかり。相手を思いやりながら、徐々に徐々に気持ちを高めていく展開には、普段アップ・テンポの恋愛に慣れ親しんでいる
現代人にとっては、憧れの世界でもあります。2人が、気持ちを固めて雑踏のなかで再会する場面は、私としてはお気に入り
シ-ン。美しいです。このときの、ジェニファー・エールはメリル・ストリープを彷彿させますね。(メリルの「フランス軍中尉の女」という中にでてくる主人公に感じが似ています。
あの服装が連想させるのかしら)。ちょっとためらいながらも、断固たる意志をみせる彼女の
強さには、尊敬さえも感じます。
出会いから、燃え上がるまでがとて官能的であったので、どっぷりと見入ってしまったのですが
そのあとの展開がちょっと・・・・。色んな事件が彼らの周りで起こってくるようですが、どうも展開が早いです。え~、どうして
そういう結論にいきついたの・・?と私としては知りたかったな。それでも、様々な思いがすれ違っていたからこそ、
お互いの残した詩が
光り輝いているのですね。
インテリアも服装も当時を再現してとても素晴らしいかったです。
過去の恋愛はラブ・シーンはそれほど多くないのに、とても官能的に見えるんです。
ラモットは、アッシュに出会う前から、一緒に生活を共にしている女性
がいます。この当時としては、先進的な考え方、生き方といえるでしょうね。一方のアッシュにも大切な妻がいるのです。
つまりこの2人は人目を隠さなければいけない不倫の恋・・・・・。そういう設定も、一気に燃えあがる恋の要因にもなっているでしょうね。
アッシュの「妻への愛とラモットへの愛は別物・・・・」と語るセリフを聞いても、何も違和感なく受けいれてしまうのは
不思議なところです。(普通ならば、勝手な人と思えてしまうのに・・・)。それだけ、アッシュの人柄が゙魅力的に映るのか、
ジェレミー・ノザム自身が素敵な男性に映るのかはわかりませんが。
ヨークシャ地方、トマソンの滝、フランス・・・・。2人の秘密を探るべく訪れるそれぞれの地域・・・・観ている私たちも現代の2人と
同じような気持ちで、旅をすることができます。それは本当に贅沢なこと。
↑冒頭で、物足りないと書きましたが、それでも、ストーリーのラストは余韻を残していて、いつまでも心に残る名場面だと
思いました。ラストを観るとやはりもう1度観直してみたくなりますよね。そしてこの物語の過去の恋が、大きく大きく自分の中で
広がってくるのがわかるんですよね。大人の映画かな・・・って気がしました。
それにしてもジェニファー・エールはきれいね。今後が楽しみ。グウィネスはどうもあの線の細さが気になってしょうがなかったです。
ノザムは、色んなタイプの演技ができる人でさすがです。アーロン・エックハートは、あんまり他の作品知らないので、これから
チェックしていかないと・・・と思いました。T0001266.jpg

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プライドと偏見

プライドと偏見

2005年イギリス映画 

監督:ジョー・ライト
原作:ジェーン・オースティン
出演:
エリザベス……キーラ・ナイトレイ
Mr. ダーシー……マシュー・マクファディン
Mr. ベネット……ドナルド・サザーランド
キャサリン夫人……ジュディ・デンチ、ほか



18世紀末、エリザベス・ベネットは、両親、4人の姉妹とともに
メリトンの町に暮らしていた。
最近、資産家ビングリーが近くに越してきたとあって
家族は浮き足立つ。素敵な男性と出会えるチャンスと思っているのだ。
舞踏会の夜、早々と姉のジェーンとビングリーは親しい仲に・・。
しかし、エリザベスはビングリーの友人として紹介されたダーシーに、
よい印象を持たないでいた。気難しげで
人を見下すような態度に彼の高慢さを感じたのだ。
ビングリーとジェーンの仲は、そのままゴールまで行くかに見えたが
結局、何の言葉もなしに、ビングリーはロンドンへ。
彼を忘れられないジェーンはロンドンへと追いかける。
一方のエリザベスは、遠縁の牧師コリンズから求婚される。
家族、特に母親はこれで財産が手に入り立場も安泰と
喜ぶが、エリザベスはきっぱりと拒否する。
心を交わせる人と結婚したいと望んでいたからだ。
そんな娘の行動に、戸惑う母・・。
やがて牧師コリンズは、エリザベスの友人シャーロットと結婚。

結婚したシャーロットを訪れるエリザベス。
滞在中、牧師夫妻とともに、キャサリン夫人が暮らすロージングスに招待される。
そこにはなんと・・・ダーシーが。キャサリン夫人は彼のおばだったのだ。
久しぶりの再会に複雑な心境の・・・エリザベス。しかし、彼にまつわる・・様々な噂話に耳を傾けていた彼女は彼の本当の姿をみつけることができないでいた・・・そして・・・・ダーシ-
は本心を告げるのだが・・。

感想

 ジェーン・オースティン原作「高慢と偏見」の映画化です。
オースティン作品は、以前「いつか晴れた日に」を
鑑賞したことがあります。(原作は「分別と多感」です)
こちらも素敵な作品でしたので、このプライド~の
映画化もとても期待しておりました。

この「高慢と偏見」。BBCのテレビ版が
有名ですよね。主演はコリン・ファースとジェニファー・エール(抱擁・太陽の雫にでていますね)。
こちらは300分ちょっとのドラマで、原作にイメ-ジが近いことも
あって、(未読なので巷の評価・・・だが・・笑)かなりのファンもいる作品。(残念ながら未見。)
予習の意味でも観たかったのに・・・レンタルがありませんでした。
ということで・・・映画は、先入観なしの感想となります。
まあ・・かえってそのほうが良かったかも。
ダーシー=コリンのイメージはかなり強烈みたいですからね。


ところで、「ブリジット・ジョーンズの日記」は、この高慢と偏見に
影響されて書き上げた、現代版「高慢と偏見」であることは
有名ですよね・・。
設定はまったくといって同じのようです。ブリジットのお相手は
ダーシーですし、演じているのもコリン・ファースですものね。

さらに、他の映画でもこの原作が引き合いに出されています。
ノーラ・エフロン監督の「ユー・ガット・メール」ですね。
最近観なおしました・・笑
主人公キャスリーンの愛読書が
「高慢と偏見」なのです。

「高慢と偏見」って
現代でも引用されやすいお話ということをお伝えしたかったので
前フリ・・長くなってしまいました。


さて、
この映画、私は良かったです!!!!。
久々に乙女心が・・くすぐられました・・・笑
キスシーンのない恋愛映画というのも、久しぶりではなかった
でしょうか・・。恋に気づくまでの心情が、
細やかに描かれ、ちょっと懐かしい気持ちに陥りました。
若い頃って・・・そうよね・・・って・・笑

前半、結婚に執着する母親&末娘達の存在に圧倒され、
やや、引き気味に観ていたものの、
舞踏会での2人の会話あたりから、徐々にエリザベスに気持ちが
入り込み、さらに、中盤の盛り上がり・・・ダーシーからの
告白で・・完全に私は・・・エリザベス化してしまいました・・笑
エリザベスという女性自体に
女性観客は、感情移入しやすいのだと思います。(そうでない人も
いるけど・・・笑)
女性に財産相続がない時代、結婚こそが、女性の未来を
変える出来事でもありました。
田舎町に住む、ベネット家にとってもそれは同じこと。
我先にと素敵な殿方を探すことに躍起になっている娘達・・。
その中で1人、エリザベスだけは、マイペース。
素敵な男性を見つけたいという気持ちはあるものの・・・
自分の価値観にあった男性をという一本筋の通った姿勢が
観ていて心地よいのでしょう。
これは現代にも通じること・・。ただ、なんとなく結婚でなく、
相手の本質を見極めてから、結ばれたいですよね。
(そうはいっても生活になると大変だけど・・・笑)

自分自身の思うままに行動し、主張する姿に、
応援のエールを送らずにはいられませんでした。

彼女の機知にとんだ言葉は、観るものを安心させ、また感心させられるものでありました。決して裕福な家庭でなく、充分な教育を受けたではないだろうけれど、卑屈に思わずに、堂々とした態度には
ひきつけられるものをかんじておりました。
私は潔い女性が好き。


色んな誤解が生じてお相手の真実の姿が見えてこないといった
現象は、いつの時代にもありゆること・・・。
だから恋愛は簡単ではないのですよね。
複雑だからこそ、人は悩み、苦しみ、結論を出すまでに
時間がかかる・・・。


すべての恋愛の原点が、ここには、描かれているのですから、
共感しないでいられませんわ・・(そこまでいうの・・笑)・


次々と場面がかわり、
月日の流れも感じられるのに、昨日あった出来事のように
感じられてしまう部分もあります。
凝縮された内容なので致し方ないことでしょう。
駆け足で内容を追っていってしまったと思える
ところもあるでしょう・・・。
でも、原作もテレビも観ていない私にとっては
これはこれで、ベストに感じました。
映画だからこれでいいのです。

ポイント、ポイント押さえていればそれで・・充分。

2人の気持ちの変化・・・私は充分理解できました。

オール・イングランドロケ。
舞台になるそれぞれのお屋敷、庭園、絵画などの調度品。
そして雄大な自然。

天候の雨。

すべて欠かせない要素でした。

脇の俳優さんも良かったです。
ドナルドパパも、ブレンダママも(笑わせてもらった・・)
存在感抜群のジュディ・デンチ扮するキャサリン夫人(髪が
ライオンみたいで怖かったよ・・・笑)
若手2人をガッチシガードしていたみたいで、作品を引き締めて
いました。
エリザベスの・・キーラちゃん・・まず首の長さに・・・ビックリ。
そして華奢なお体・・。クラシカルな感じではないけれど、
意志の強さと気の強さは見応えあってよろしかったのでは・・。
ダーシの・・マシュー・マクファディンって俳優さん、知らなかったです。舞台で活躍しているのですね。
ショットによって、雰囲気が変わりますよね。
物語中でも、色んなお顔が見えてきます。
アラン・リックマンにも見えるし、オーウェンにも見えるときが
ありますね・・。笑ったのは、あの妹を抱き上げるときだけ?
とにかく、これから、どんな作品にでてくるのか楽しみですね。
たぶん、作品によってイメージが変わりそうな気がするな・・。
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欲望    著者・・小池真理子

欲望   著者  小池真理子

中学時代、類子、正巳、阿佐緒は不思議な関係で
結ばれていた。類子と阿佐緒は親友、正巳は阿佐緒に憧れる
美少年だった。彼はまた文学を愛し、特に三島由紀夫に傾倒していた。
しばらく音信不通だった3人は、年上の精神科医と結婚した阿佐緒と
偶然再会したことから、交流が始まる。
現在、学校図書館司書として穏やかな生活を送っている類子。
しかし正巳には類子しか知らない誰にも言えない秘密があった。高校時代に巻き込まれた事故で、正巳は性的不能に陥っていたのだ。そうと知りながら類子は正巳への愛を止められず、また正巳も類子を愛し始めていた…。



感想  小池真理子はもともと好きな作家さんなのですが
このお話は映画化された(昨年公開済み)ということで、読んでみました。
本当は映画もとっても観たかったのですが時間的都合で
断念。読書後思ったのですが、これはかなり難しい映像化だったかな・・・。映画を観た人の感想も聞きたいところです。

言われていることですが、この作品は三島由紀夫への
オマージュが含まれています。主人公類子も正巳も、さらに
精神科医の袴田も皆、三島作品を愛しております。袴田氏においては
美的思考が似通っているのか、三島邸を模倣した屋敷まで
作ってしまうのです。
ところどころで、引用される、三島作品の数々。
「仮面の告白」からはじまり豊饒の海シリーズ「春の雪」、「五人五衰」。ちょっと勉強不足だったのが残念です。
三島作品を知らなくてもこの作品は読めますが、やはり味わうには
知っておいたほうがベターかなって思います。
仮面の告白しか知らないのですよね。
ただ三島の自殺となった、市ヶ谷は・・・昨年の夏に見学を
しておりまして・・・、自分の中では身近には感じていた部分は
ありました。


さて・・・本題。
精神と肉体の欲望が一致しないことへの悲劇です。
欲望・・・という題名そのももの・・ストレートなお話で、
性にまつわる具体的な用語もまた出てきますが、それほどいやらしさは
感じません。赤裸々な話まで
異性とできてしまう、類子と正巳、2人の関係は、また不思議でもありました。
逆に、すべてをあからさまに打ち明けるなかで、精神的な
愛情を、互いに募らせていったのか思うと、憧れ以上に悲しさが募ります、なぜなら・・やはりそれは、不自然でさえも感じられるからです。言葉以上に簡単に体だけの欲望というのは、深みがないかと
思われますが、でも・・・・率直な、愛情表現では
ないでしょうか。それを、望みたくでも、望めないものとしての
心の葛藤は想像しがたいです。個人的に感じるのですが、男として
認めてもらえないような悲しみを感じるのではないのかな。
女なら・子が産めないということと同じか。いや・・・男性の方が
ナーバスな生き物だから、精神的なショックも著しいのかと
思います。

物語は、回想シーンとして進んでいくので、現在の正巳らが
どうなってしまっているのかはうすうす感じ取れると思います。
若かりし日が美しすぎるほど、その想い出は悲しみ色で
彩られるものではないでしょうか。

どんなに愛していても・・・・結局本人そのものと同化することはできないというのは、悲しいことだな・・・って感じました。
彼の心の中には結局入れなかったってことでしょ。
愛されていても・・・彼は心の空洞を埋めることはできなかったのかな・・・。悲しすぎる結末でした。

正巳は水色のフォルクスワーゲンを、愛用しています。
絵になります。語られる肉体も、容貌も美しいようです。
それゆえ・・・すべてにおいて悲しいです。

後半・・・小浜島(石垣港からさらに船で30分の南の島)
でのバカンスが、一番せつなかったかな。

それにしても・・・阿佐緒の描写は、濃厚でした。
こんな女性が中学生から存在したら、世の男性はまいってしまうでしょうね。類子もそんな阿佐緒を真正面から受け止め、
よいも悪いもすべて理解してしまうなんて
懐の大きい女性ですよね。自分の好きな男性がこの女性を好きだって
知っているわけでしょう。なかなか気持ちよく付き合えないよね。

こういった人間関係は、現実的には無理があるかもしれないけれど
物語上ではとっても理想的であるんではないかな。
シンプルな恋愛が出来ることの幸せをほんの少し感じましたね。

ウィスキー

ウィスキー
原題:WHISKY
(2004年/ウルグアイ=アルゼンチン=ドイツ=スペイン)


2004年東京国際映画祭 グランプリ・主演女優賞
2004年カンヌ国際映画祭
      オリジナル視点賞・国際批評家連盟賞
監督:フアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール
脚本:フアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール
   ゴンサロ・デルガド・ガリアーナ
撮影監督:バルバラ・アルバレス
編集:フェルナンド・エプステイン
録音:カトリル・ビドソラ、ダニエル・ヤファリアン
美術:ゴンサロ・デルガド・ガリアーナ
音楽:ペケーニャ・オルケスタ・レインシデンテス
製作:フェルナンド・エプステイン

出演:アンドレス・パソス、ミレージャ・パスクアル
   ホルヘ・ボラーニ


ウルグアイの町。
ハコボは、父親から譲り受けた小さな靴下工場の経営者。
毎朝決まった時間に工場に行き、シャッターを開ける平凡な
毎日を送っていた。その工場には、中年女性マルタが
働いていた。2人は必要最低限の会話しか話しておらず、
よって、特別な関係におちいることは長らく無かった。
そんなある日。
1年前に亡くなった母親の墓石の建立式に、ハコボの弟エルマンが
やってくることになった。ブラジルで同じく靴下工場を経営している
弟。しかし母親の件もあって疎遠となっていた。ハコボは弟が滞在する間、マルタに妻のフリをして欲しいと頼み込む。
申し出を受け入れるマルタ。
証拠写真をとる2人。ぎこちなく「ウィスキー」といいながら
微笑む。


感想   地味映画として紹介されてから随分と時間が
たってしまいました。この作品は地味映画紹介メンバーが
ほとんど観ているんですよね。私もやっと・・・・。
キネマ旬報でも堂々のベストテン入りですから、
期待度ましての鑑賞でした。
そうそう・・・感想を語る前にこのDVDパッケージ・・・
面白いですよね。お顔のわりには、カラダが小さくて・・。
成長してないの・・・君達?という感じが妙に面白いです。
可愛いいようなそうでないような・・・笑。不思議な雰囲気の
パッケージですね。
本題・・・内容の感想に。

いやはや・・・地味でした・・・笑
登場人物は3人。会話も少なく、特別な出来事といえば、
疎遠になっていた弟と再会した・・・ということぐらいでしょうか。
でも、毎日、平凡極まりない生活を送っていたマルタとハコボにとっては充分刺激的な出来事になったのですよね・・・。
とくにこのお話の場合、男性のハコボより女性のマルタのほうが
見えなかったものが見えてしまったといっていいと
思います。
この2人の職場での関係・・まるで夫婦のようですよね。
すでに出来上がっている・・そしてその関係に不平不満が
感じられない。いや・・マルタは休憩時にタバコを一服するときは
色々考えていたのかもしれませんよね・・・これでいいのかって・・・
マルタは、ハコボの用事に、きちんと答えるし、そこに
ヘマ・・の一つも見当たらない・・・。
2人とも無表情で淡々と業務をこなしているから、そこに恋愛感情があるのか、ただの職場の仲間だけの関係かが、一向にわからないのですよね。ただ、いつわりの妻のなってくれ・・・という申し出に
「ハイ」と答えたマルタの反応をみると、
彼女はハコボに気がある?といわざる得ませんよね。
私だったらそう考えるな。だって、嫌いな人と・・嘘でも夫婦でいようとするのは、女性としては耐え難いことなんじゃあないかなと
一般的には思いませんか?
いや・・単純に日々退屈だし、なんだか面白そうだぞ・・みたいな
動機も考えられるけれど、あの頑固でとっつきにくそうなハコボ
の妻でしょ?笑   気がないなら・・・嘘でもいやだよ~~笑
多少なりと、ほのかな思いありで
引き受けたに違いありません。職場だけの姿しかみていないけれど
2人の関係は長いことから、マルタなりにハコボのよいところを
見つけ出していたんだと思ったんですよ。
だからここで、新たな展開に進めるかもと期待もあったかも。

でも、ハコボの態度があれ・・・だからね・・・笑
全然変わらないんだもの。こりゃ・・・愛想尽きちゃいますよね。
一方のマルタは、ブラジルから来た弟エルマンにかなり影響されたようです。カラオケも上手いし話も面白い・・・。
エルマンといることで、男ってこんな人もいるのね・・・って
思ったのかもしれませんよね。でも気のあるのは・・・ハコボだと
思うんですよ。
たしかにエルマンは面白いけれど、ハコボだって、きっとそのうち・・・って思っていたに違いないんじゃあないかな・
でも当てがはずれた・・・笑

彼がもっと嫉妬とか、自分の方に思いを告げてくれたら
彼女もね・・・あんなラストの行動をしなかったと思います。

一方のハコボ。弟と話が合うマルタが内心気に食わないと思いながからも(たぶん、嫉妬?)何も行動できない・・・どうしようもないヤツ。
結局、彼の思い切りのなさゆえに、彼女から強烈なパンチを
与えられてしまったんじゃあないかな・・・って思います。
ハコボだって、マルタのことをただ都合よく、利用しようなんて
思っていないはずですよ。きっと過去に女で、苦労した経験が
あるんじゃあないかな・・。だから、臆病になっていいるとか。
お母さんの看病で、女性との接触がなかなかできなかったとか・・。
ああいう偏屈になってしまったのも、絶対過去に原因が
あるはず・・・本当かよ・・・・・・笑

で・・・この物語の最大の
山場がラストの解釈ですよね。

考え方で色んな物語が展開できるというこれまた面白い結末。

ややネタバレ。

ハコボは、マルタにひどい仕打ちをしたとは思っていないんでしょうね。今までと同じ関係が一番だと思っていた彼は
ベストな行動をした(黙って彼女を帰してしまったこと)と思って疑わなかったに違いありません。
過去に結婚でひどい思いをしているのか(また過去か・・笑)
彼女をどうかしよう(結婚しようとか。付き合うとか)とか思いたくないんじゃないの?
今の生活・・従業員と経営者の関係が一番って思っているんじゃあ
ないの?

マルタはね・・・彼女はただ真面目なだけで、
恋愛経験も少ない人だったと思うのよね。
そして、男に頼られたり、甘えられたりすると、それが恋だと
思って尽くしてしまうタイプ。だから、ハコボに対しても
私がいなくては=それは恋だわ?みたいに感じて
ずるずるとこういう関係を続けてしまったんだと思うのよね。
でも、エルマンのようなタイプの男も知って
ちょっと迷いが出てきたかもしねないよね。
私が思っている男って、そんなイイヤツではないのかもしれないって。
でも、でもね・・・そうは思っても、長い年月一緒にいた
ハコボを簡単には切り捨てられない・・。彼のいいとこも知っているし
だから最後の行動は・・・こういった心情で
があったのではと・・思うんですよ。

以下妄想・・・



なにいってるの・・・ただの善意で偽装結婚してやったんじゃない
のよ。あなたに気があったのよ。
そりゃあ・・エルマンにちょっと心が揺れたのは確かだわ。
だってエルマンといるのは楽しいもの。
でもあなたの弟でしょ?同じ血が流れているんだったら
あたなだって面白い人になれるんじゃないの?
もっともっとあなただって変われるんじゃあないの?
ほら・・私・・かなり変わってきたでしょ?
エルマンとあなたと一緒に過ごして
世の中もっともっと楽しいことがあるのね・・・・・・って
気づいたわ。あなたはどうよ・・
私に対するアノ態度。全然変わらなかったのね。
いいわ・・・。
私だって少しは甘い夢みたいのよ。その気持ちわかりなさいよ。
あなただって弟さんのように明るい性格になりなさいよ・・
そんな女の気持ちをわからない人なんて、
私以外の従業員なんて誰も寄り付かないし、職場の人に
愛想疲れるには時間の問題よ。
結婚相手だってみつからないわよ。一生独身よ!!!。
あんたのいうように、なんでも言うこと聞いてくれる女性なんて
私以外にいないんだから。それを何?この態度?
ええ・・エルマンに手紙を渡したわ。
あなたの悪口を沢山書いて。夫婦が嘘だとは、言っていないけれど、
それでもあなたの悪口ばかりよ・・・。
いいわ・・・当分職場には戻らないわ。
私の行き先?ふん・・・そんなの自分で探したらいいわ。
しばらく・・・頭を冷やすのよ。

私はそのあいだにもっともっと綺麗なってやるわ・・。

土下座でもして迎えにきたらいいのよ・・・


とまあ・・・奥様のストライキといったところでしょうか。

思い当たるふしも多い夫婦も沢山いるでしょう。

この感想書きながら。私って
こんな男にも、甘いな・・・って思いました・・笑
だって、厳しい意見なら愛想つかして、マルタは逃げてしまう
という結末を想像するものね・・
男に苦労しそうな・・・自分・・・笑

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歓びを歌にのせて

歓びを歌にのせて
 (2004年/スウェーデン映画)

監督:ケイ・ポラック
脚本:ケイ・ポラック 
脚本協力:アンダース・ニューベア、ウーラ・オルソン
     カリン・ポラック、マーガレータ・ポラック
製作:アンダース・ビルケラン&ヨーラン・リンストロム
撮影監督:ハラル・ゴナ・パールガー
美術監督:モナ・テレシア・フォーセイン
衣装:ヘルヴィ・アンデア
編集:トマス・テン
録音:ボセ・ペアソン&ヨナス・ルーデルス
音楽:ステファン・ニルソン


キャスト
ダニエル・ダレウス:ミカエル・ニュクビスト
レナ:フリーダ・ハルグレン
ガブリエラ:ヘレン・ヒョホルム
アーネ:レナート・ヤーケル
スティッグ:ニコラス・ファルク
インゲ:インゲラ・オールソン
コニー:ペア・モアベア
フローレンス:アクセル・アクセル
エーレック:ラッセ・ペタソン
オルガ:バーブロ・コルベア
シヴ:ウルヴァ・ルーフ
アマンダ:ウラ=ブリット・ノアマン
ホルムフリード:ミカエル・ラーム
トーレ:アンドレ・シューベア
ゴードン:ニルスーアンダース・ヴァルゴーダ
ジェニファー:ロッテン・ヴァルゴーダ
エージェント:ミアセア・クリシャン
マンマ:クリスティーナ・トーンクヴィスト
ダニエル(7歳):ヨハネス・シャンツ
ダニエル(14歳):アナ・ルンストロム

2005年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品
(受賞作品は『海を飛ぶ夢』)

ダニエル・ダレウス(ミカエル・ニュクビスト)は、天才指揮者。
音楽家として輝かしい日々を送っていたが、ハードな仕事からくるストレスで、彼の心臓はボロボロになっていた。疲れきった彼は、肉体と精神を癒すため、すべてを捨てて、幼少時代を過ごした
スウェーデン北部ノルランド地方の村に一旦戻る。
そしてダニエルは、故郷の廃校になった母校の小学校を買い取り、
そこに住むことにした。
音楽とはかかわらないと思っていた彼だが、
小さな教会の聖歌隊の歌声をきき、
興味を覚え、指導することを希望する。
聖歌隊の人々とかかわる中でダニエルは再び音楽の素晴しさを感じ始める・・・。


感想  

心身ともに疲れ癒しを求めて故郷に帰ってきた天才指揮者。
音楽から遠ざかりたいと思って田舎町に戻った
彼でしたが、心の中から完全に音楽を切り離すことはできなかったということなんでしょう。結局、教会の
聖歌隊のメンバーの指導者となります。歌声に魅了されたのかな。
聖歌隊のメンバーはそれぞれに悩みを抱えています。
その悩みはかなり深刻。
暴力夫から服従を強いられて、自分の意見さえも述べられない
意思の弱い女性あり、幼少の頃からデブだとののしられて
深い悲しみを背負ってきた青年あり、
聖職者の夫を持つことで、自分らしく生きることができず、
自分の人生に疑問を感じている女性あり・・・。また、不倫の末、男を信じることが出来ないでいる女性あり・・・と、出てくる、出てくる、
沢山の問題・・・・。
ダニエルは具体的に彼らの抱えている問題を解決して
あげているわけではないのですよね。
当人たちが自ら進んで解決の糸口を探し出すように
仕向けているといった感じですかね。
そのきっかけともなるのが、コーラス=すなわち音楽なのです。
直接的ではなくても音楽のもつ素晴らしさを教えてあげたということで
ダニエルが彼らにもたらした影響力はやはり大きかったのだと
思います。
歌を歌う・・・もっといえば
音楽がもたらす力の大きさをまざまざと感じてしまったという
ところでしょうか・・・。あらためて人生の中に
音楽があるというのはなんて素敵なことなんだろうと思ってしまいましたよ。
音楽にかかわることで、彼らは、様々なエネルギーを
与えられたのです。
悲しいときもうれしい時も楽しい時も
すべては歌声が心を癒してくれる・・・。

よくある話といえば、そうかもしれませんが、ハリウッドのこのような
映画とは雰囲気が違っているかなと思います。
ラストをみるかぎりでもそう感じます。
単なるハッピーエンドの物語としては
まとめていませんでした。
(ある意味本人にとってはハッピーだったと思うのですが)
余韻を残す終り方は、印象に残ります。

ややネタバレ。

私は主人公のこの指揮者。
幼少の出来事にだいぶこだわりがあったと思うんですよ。
いじめられてばかりいた故郷で日々。
長い間彼の心にわだかまりとして残っていた出来事なんじゃあ
ないかな。ラストを見て、ああ・・・これで彼は
完全に心が解放されたんだな・・・・・って実感しましたもの。
他人のとっては、なんでもないことでも、当人にとっては
重大な出来事になっていることもあるんですよね。
ただ気づかないだけ。だからあのラストは、たぶん、彼は
命が尽きてしまったと思うのだけれど、
一番の至福を感じられた瞬間でもあったのではないかなとさえ
理解しました。今まで音楽家として活動してきただけでは
得られなかったものを最後の最後に得られたんじゃあないかな
って。でもそれにしては悲しい結末だったけどね。

音楽の才能には溢れていたけれど、人間関係を築くのは苦手な
ダニエル。そもそも天才肌の人って個性が強い分、
自分の世界に入り込んでしまい、なかなか他人とコミュニケーションをとることができないでいますよね。
彼は音楽以外の世界を知らなかったから、もちろん、
他人の気持ちなんて考えたことなどなかったのでしょう。
初めての恋・・にたいしても、終始臆病で。
レナの方が、積極的に思いを訴えているのに
どこか逃げ腰でいたのが、イライラさえしました。
もしかしたら、自分の生命が長くないと悟っていて
恋に落ちるなんてもっての外と考えていたのかと
かんぐりたくもなりました。
村に戻るあたりから心臓がボロボロだっていっていたし、指揮の最中に血だらけにもなっていたから相当病が進んでいるのかと
思っていたのですよ。
でも、村での生活ではそんなこと(病弱であること)は微塵も
感じませんでしたね。そこはやや不自然には感じますが。
恋にうぶなダニエルという設定は、かえって
人間らしくていいというところもありますよね。
天才も恋をする・・・という感じで。
指揮するときは、あんなにカリスマイメージが漂っているのに
私生活では、自転車も乗れないなんて、可愛いなんて
ありゃしない・・ですよね・・笑。でもあのやや危ない髪は・・・ちょっと・・笑
けっして、容姿的にはイケメンではないのに、何故か
女性にはモテモテでしたね・・・ダニエルさんは。


色々な問題を抱えていく聖歌隊のメンバーだったけれど、
一番印象に残ったのは牧師の夫とその妻だったかな。
聖職者ゆえ、自分自身を偽っている
彼に嫌気がさし、欲望をだしてもいいから人間らしく生活することをのぞむ妻・・・この主張・・充分わかるわ・・・って思いました。
教会のありかたまで、考えるような夫婦の会話でもありましたよね。
そういえば、このお話、天使とか、罪とか、教会とか、
宗教的な事柄が多く出てきたように思います。
ちょっと日本では考えられない世界ですよね。

歌を歌う場面は思ったより少なかったのは残念でした。
もちろん、暴力夫を持つ妻の歌声は
素晴らしいものでしたが。もっともっと、色んな歌声を聞いてみたい
気持ちになりましたよ。

冒頭の場面・・・綺麗でした。
スウェーデンの雪深い冬と爽やかな夏の日差しの風景には
こちらも充分癒されました。自然豊かな場所は、心も体も
リフレッシュできそうでいいですよね。
ややエピソードが多く、長めの印象ですが
新春にふさわしい気持ちのよい作品に仕上がっていたと思います。
日々疲れを感じている方は是非鑑賞してみてくださいね。



余談
「好きな人ってどうしてわかる?」
「会うとうれしくなる・・・。その人のことをいつも想っている」
そんなことを映画の中でダニエルさんとレナさんが語っておりました。
もう記憶が定かでなく、曖昧な言葉だけど・・。
そんな初々しい会話・・・してみたいですね・・・笑
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

2005年ベスト映画・・・他

2005年を振り返って


 昨年も色々な作品に出会うことができました。

映画館鑑賞は30本
ビデオ鑑賞は100本程度でしょうか。マイペースで鑑賞できました。

 2005年・・前半は、実話、伝記、音楽系作品が多かったように思います。

 オペラ座、Ray、五線譜のラブレターどれも良かったのですが、音楽を存分に堪能できたという意味ではオペラ座の怪人が
一番だったように思います。
まずは恒例パンフレット紹介。
 予算の都合で購入しなかったものが多多ありますので、作品の好み具合とはまた別です
 実物と大きさを変えて、UPしていますので、デザインをポイントにして見てくださいね。

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横長パンフ。
人物紹介もされているので
映画であれ・・??・と
思った人には便利な
解説書でもあります。
DVDいつか買いたいな。。
<ロング・エンゲージメント>

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<バッド・エデュケーション>(中を開いて1ページ目)

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<親切なクムジャさん>清楚な雰囲気漂う白で統一しているパンフ。
ちなみに前作オールドは表紙が赤一色でした

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<コープス・ブライド>小さいサイズのパンフですが、
紙質が高級感あって好み。
チャーリーも買っておけばよかった。。


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<オペラ座の怪人>大きめパンフ・
マスカレードのシーンページが
好きなんだ・・・・


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<ハリー・ポッター  炎のゴブレット>
大きめパンフ。
あ・・・レイフが・・・いないよ・・泣

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<バタフライ・エフェクト>

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<バットマン  ビギンズ>大きめ
パンフです。
こうもりが
沢山・・笑

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<海を飛ぶ夢>よく見ると
海の上にはラモンさんの顔が・・。
最初のページにあるのは
詩。
読むとせつなくなりますよ・・。

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<モディリアーニ   真実の愛 >気取ったガルシア
さんです。
実際のモディリアーニの
写真もパンフには
載っておりました。
雰囲気が似ていますよ。

2005年ベスト (順不同)
 海を飛ぶ夢・・・・・・・この手のテーマは暗くなりがちですが、
             ほどよいユーモアをまじえながら、
             入りやすい世界になっていました。
             自分らしく生きることについて
             学んだという感じですね。 
 ロング・エンゲージメント・・・・アメリより好きです。
             セピア色の世界とミステリーがらみの
             世界がマッチして独特の雰囲気を
             かもし出していました。
             登場人物が多く複雑ではありましたが
             それゆえに、楽しめる要素も多いのではと
             思います・・・笑
 Dear フランキー・・・・・下半期に観た映画では、一番でした。
              派手さのない作品ですが、
              安心してお薦めできる素敵な作品。
              地味映画としても紹介させて
              いだだきました。
 猟人日記・・・全編に漂う・灰色の空気がまたいいですね。
        なんといってもユアンにつきます。
        欲望にとりつかれた男なんてぞくぞくしますね・・・  
 エターナル・サンシャイン・・・アンデアの勝利。色彩のマジック。
                小物やファッションなど細部に
                わたってお洒落でしたね。
                色んな意味で、
                斬新さを感じました。
                恋愛のせつなさは、いつの時代
                も変わらないのよね。
                      
 次点も沢山・・・・笑
オペラ座の怪人・・映像と、音楽に酔いしれました。
ビフォア・サンセット・・大人の恋愛劇というところではイチオシ。
            お互いを探り合うような会話がリアルでし
            た。
ヒトラー   最後の12日間・・・・見方が違えば描かれる様も
                  違うのですね。 勉強に
                  なりました。
ミリオンダラー・ベイビー・・・・悔いのない人生を送りたいな。
                主演3人のバランスが良かったで
                す。

        
各分野ごとに賞をつけてみます。
(2005年公開分&旧作ビ分を含む)


<ブレイクしたでしょう>
 ジュラルド・バトラー・・・(怪人の存在感は大きかったです)

<邦画でやられたでしょう>
 メゾン・ド・ヒミコ・・・・海辺の老人ホーム。素敵でした。
              あ・・ついでに言うとオダギリ君に
              このときはクラクラ・・・♪

<サントラに嵌ったでしょう>
 2046・・・私はオープニング曲が好き。
        クリスマスに聞くのも良いですね・・・。

<見せまくったでしょう・・・>
 「バルスーズ」の皆様
 「リリィ」・「スイミングプール」のリュディヴィーヌ・サニエ
 「猟人日記」のユアン♪
         
<見直したでしょう・・・今までのイメージが変わったお方・・・・>
 「エターナル・サンシャイン」「トゥルーマン・ショー」の
  ジム・キャリー
 「マイ・ファースト・ミスター」「アイドル 欲望の饗宴
 (バンケット)」のリーリー・ソビエスキー
 「赤いアモーレ」のペネロペ・クルス
 「バタフライ・エフェクト」のアシュトン

<とうとう終わりね・・・・淋しいでしょう>
 「スターウォーズ  エピソードⅢ  シスの復讐」の皆様

<今後の活躍に期待の若者・・・発掘したでしょう>
 「卒業の朝」エミール・ハーシュ

<濃厚な視線にクラクラしたでしょう>
 「バッド・エデュケーション」のフェレ・マルチネス
      
< ごめん~~~付き合いたくないよあなたとは・・と、感じちゃったでしょう>
 「シン・シティ」のイライジャ・ウッド・ニック・スタール
 「クローサー」のクライヴ・オーウェン

<子どもと盛り上がったでしょう>
 「チャーリーとチョコレート工場」のウンパ・ルンパとウォンカ氏

      
そして・・・
<旧作ビデオ鑑賞でのベスト作品>
            
 霧の中の風景
 ベティー・ブルー  インテグラル
 父帰る
 アマデウスデレクターズカット版
 2046
               


以上です。まだまだ挙げたい作品もいくつかありますが、この辺で。
2006年はどんな作品を鑑賞できるのか楽しみであります。
皆さんのベストは、どの作品でしたか・・・。











ポワゾン

ポワゾン

監督 マイケル・クリストファー
出演 アントニオ・バンデラス (ルイス)
   アンジェリーナ・ジョリー (ジュリア/ボニー・キャスル)
   ジョーン・プリングル (サラ)
   トーマス・ジェーン (ダウンズ)
原作 ウィリアム・アイリッシュ 「暗闇のワルツ」

19世紀後半、キューバ。
コーヒーの輸出業で成功したルイスは、新聞に広告を載せ
結婚相手を決める。写真でしか本人を知らないルイス。
出迎えた船から降りてきた女性は
写真とは全くの別人の美しい女性だった。
2人は結婚し、幸せに暮らしはじめた矢先。
ジュリアに会いたいという探偵がやってくる。
ジュリアの姉に依頼されたのだという。
 
感想  キューバ、モロッコ、と異国情緒あふれる映画ですね。
主演は、アンジェリーナ・ジョリーとバンデラスで、
濃い、濃い・・・笑。舞台と主演で、観る前から
熱もってしまいそうな映画でした。寒い冬にはピッタシだよ。

写真と違った彼女。「顔だけで選ばれたくないからと嘘の写真を送ったと・・・」
美人だと思って選んで欲しくないからですって・・・。
一方の男「コーヒーの会社で働いていると書いているけど
それは嘘。実は経営者なんだ」なぜかって・・・。お金だけが目当てだと思われたくないからだって・・・。
2人、スタートから似たもの同士だ・・・笑
なんだか嫌味になるくらいの言い草だよな・・・。
結局、バンデラスはこの女に騙されるわけで・・。
それでも、本気で愛してしまった女に対しては、
簡単にはあきらめきれず、探し出した挙句、ずるずると深みに嵌ってしまう・・・というお話。悪女役のアンジェリーナだけれど
それには隠された真実があって・・・という流れ。

これは官能サスペンスということで、2人の絡みがやっぱり
一番の見所になるの?地上波で観たけれど。たぶんカット多かった
のかな・・・またお風呂一緒に入っていた・・・この手のシ-ンは
色んな映画で観ますね・・・最近。
アンジェリーナの唇UPが印象的でした。
まあまあ・・・面白く観れましたよ、私は。
後半、コーヒー飲みながらのバンデラスの
愛の告白には思わずクラクラしました。
どんな困難でも最後に愛は勝つ・・・のですよね。
ラスト・・・ふに落ちないところもあるのですが・・。
都合よすぎ・・・・。
でも、幸せならば、それでいいんでは。

バンデラス・・・・、やっぱり情熱的な愛には
あなたはピッタシだよ~~~~笑
馬に飛び乗るシーンを見るたびに・ゾロとかぶっている
私がいました・・
ピッシと張り付けた髪もまたよいです・・・笑

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

感染

感染 

出演  佐藤浩市、高嶋政伸、南果歩ほか・・。
 

経営危機に陥った病院。
そこに搬送された患者から、未知のウィルスが発見される。
やがて、医師、看護師らに感染が・・・。


感想   う~~ん、最後のオチはわかったけれど・・・・
それだけじゃあないんでしょ・・・?このお話。
最後にあれ出てくるし・・。
なんだかよくわからないお話でした。
そもそも舞台が病院だからそれだけで、すでに怖いものを
感じますけど・・・。
そこにいる医者や看護婦が、皆いっちゃっているよね・・・笑
普通いないでしょ・・こんな人たち。

怖いというより、気持ち悪かったです。
佐藤浩市が出演しているとは思いたくなかった・・・・・・泣
この手の映画に出ているなんて・・・オオ~~。
南果歩・・・怖かったですね・・・。謙さんの前ではあんな声ださないんだろうな・・・。「おかえり・・・・」って自宅で
出迎えたら怖いよね・・・・・。




テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

ホワット・ライズ・ビニース

ホワット・ライズ・ビニース (2000)


監督: ロバート・ゼメキス 
製作: スティーヴ・スターキー 
ロバート・ゼメキス 
ジャック・ラプケ 
製作総指揮: ジョーン・ブラッドショウ  マーク・ジョンソン  原案: サラ・ケルノチャン 
クラーク・グレッグ 
脚本: クラーク・グレッグ 
撮影: ドン・バージェス 
衣装デザイナー: スージー・デサント 
編集: アーサー・シュミット 
音楽: アラン・シルヴェストリ 
プロダクションデザイナー: リック・カーター 
ジム・ティーガーデン
 
出演: ハリソン・フォード (ノーマン・スペンサー)
ミシェル・ファイファー( クレア・スペンサー)
ダイアナ・スカーウィッド 
ジョー・モートン 
ミランダ・オットー 
アンバー・ヴァレッタ 
キャサリン・タウン 


 遺伝学の教授ノーマン・スペンサー博士と妻クレア。
娘が大学の寮に入り、2人の静かな生活が始まった。
そんなとき、家の中で奇妙な出来事が起こり始める。
隣家の夫婦が妖しいと思い始めるクレア。
隣家の奥さんの幽霊ではないかと・・・・・・・。


感想   公開時コピーが
<彼は 完璧な夫だった たった一度の過ちを 犯すまでは>
おおお~~~~、すべてを物語っているようなこの言葉・・笑

時間がやけに長く感じた映画でした。
早く電話かけなさいよ・・・・!!早く逃げなきゃ・・・!!
まったりしすぎ・・・な展開。
隣家の夫婦の揉め事・・まったくの無関係だったんですね・・
つまらないの・・・。
私は、この隣家の夫婦には、ひみつがあって
そこからもっと複雑に入り組んだサスペンスになると
思っていたのですが・・
がっかり。
結局、危険な情事・・と同じ男女関係のもつれだったんですね。
つまらない・・・・
霊は本物だったみたいだけど・・・怖くなかったし・・。
サスペンス?ホラー?と中途半端な状態がいけなかったんじゃあ
ないかな・・。
ハリソン・・・上半身裸でした・・。
彼じゃあなくてもいい役だったな・・・・笑

スウィート・ノベンバー

スウィート・ノベンバー
2001年アメリカ

監督:パット・オコナー
出演者:キアヌ・リーブス 、シャーリズ・セロン 、ジェイソン・アイザックス 、グレッグ・ジャーマン

一流広告代理店に勤めるネルソンはエリート社員。一応恋人はいるが、仕事で成功することが何よりも大切と考えていた。ある日、ネルソンは不思議な女性 サラに出会う。「あなたを私の11月だけの恋人にしてあげる」。問題を抱えた男を救う能力があるという彼女の恋の条件。それは、1ヶ月間だけ、彼女の家で暮らすこと。
次第に心を通わしていく2人・・・

感想  そうでした・・・流れる歌は・・エンヤの歌でした。
観はじめて気づく愚かさ・・・笑。

歌はいいよね・・・せつなくて。
1ヶ月間という期間限定で付き合う2人。
仕事人間なキアヌは彼女と付き合うことで、自分自身が変わっていくのですよね。
彼女には秘密があるって・・・もしかして、想像できる秘密かな・・
って思ったら案の定。。。涙系
のお話でした。
やっぱりか・・・・。

彼女の態度があまりにもな・・・・と思うところあり。
理由があるといってもやはり唐突。
突然現れて、同居してくれだの
彼を癒してあげるだの・・・というのはね・・・・
え・・・もう?と思ううちに恋に落ちるのも、なんだか・・・・。
一ヶ月ごとに、出会う人が変わるって言うのも・・・う~~~ん。
彼女の気持ちもわかるが・・・う~~~~~ん。
もっと違う方向に向かったら・・。完全にファンタジーになるとか・・
でも、後半から、現実的なお話だったので、ちょっと興ざめ。

で・・・最後・・・。
いいのか・・・彼女。
いいのか・・・・彼。
あんな別れ方で・・。気持ちを途中でスパット切ってしまうようで
私なら(男の立場なら)納得できないな・・。
美しい思い出だけ・・・といっても、あれじゃあ、モヤモヤ感が
残って、生き続けるにはつらいと思いますね・・。

キアヌとセロンの入浴シーン・・いちゃいちゃしていたな・・とか
キアヌが上半身裸で、筋肉美を披露していたな・・とか
セロンが連れているワンコが可愛かったとか・・
内容とは関係なく、そんなこと細かいことが印象に残った映画でした。
泣ける映画と言われても、ちょっと泣けなかたかな。
2人のファンにはうれしい映画ということかな・・・。
ちょっと辛口?笑

新年

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
4日から通常どおりの生活に戻りました。
2日は雨だったので3日に初詣。
混みました・・・・泣
ロープ規制というものを初めて経験しましたよ。

ちょっと日にちをおいてからお参りした方がよかったかな。


お正月・・・撮りためた映画を観ました。
いくつかUPしますね。
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