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クラッシュ

クラッシュ (2004  アメリカ)

監督: ポール・ハギス 
製作: ポール・ハギス 
ボビー・モレスコ 
キャシー・シュルマン 
ドン・チードル 
ボブ・ヤーリ 

主題歌: キャスリーン・ヨーク Kathleen York
 
出演: サンドラ・ブロック ( ジーン)
ドン・チードル ( グラハム)
マット・ディロン ( ライアン巡査 )
ジェニファー・エスポジート ( リア)
ウィリアム・フィクトナー ( フラナガン)
ブレンダン・フレイザー ( リック)
テレンス・ハワード ( キャメロン)
クリス・“ルダクリス”・ブリッジス 
タンディ・ニュートン (クリスティン )
ライアン・フィリップ (ハンセン巡査 )
ラレンズ・テイト ( ピーター)
ノーナ・ゲイ ( カレン)
マイケル・ペーニャ ( ダニエル )
ロレッタ・ディヴァイン (シャニクア)
ショーン・トーブ ( ファハド)
ビヴァリー・トッド ( グラハムの母 )


ポール・ハギスが脚本、製作と監督も務めた
ヒューマン群像サスペンス。
クリスマスを間近に控えたロサンゼルス。
黒人刑事グラハムとその同僚でヒスパニックの恋人リア。
銃のお店で不当に差別させられるペルシャ人の雑貨店経営者ファハド。
白人に敵意を抱く黒人青年アンソニーとピーター。
地方検事のリックとその妻ジーン。
白人警官ライアンと同僚のハンセン。
黒人夫婦キャメロンとクリスティン。
彼らの人生はある出来事を境に
大きく狂い始める・・。

アカデミー賞主要6部門ノミネート、作品賞、脚本賞受賞。



感想  群像劇は大好きです。
見事に終結したラストを見るたびに、
いつも爽快感を味わえるからです。
といっても、今回は人種差別というかなり重いテーマを扱った
作品。気分よく見ることはできないんじゃあないのかな・・という
恐れもありましたが、ただ重いだけでなく、ラストには
温かいものを感じる、好感持てる作品に仕上がっていたと思います。
この作品で、マット・ディロン、助演男優に
ノミネートされましたよね。それを知ったころから、
非常に興味を持ち始めていました。
とうとう、マットもアカデミー賞の大舞台に
名前があがるようになったのか・・。
80年代を青春として送ってきた自分としては感慨深いものが
あるんですよね。ああ・・頑張っているのね・・ってね・・笑
今回の役は、人種差別主義のベテラン巡査。
裕福な黒人夫婦のクルマを止め、
なんだかんだ・・・因縁をつけて絡む様は
非常に不愉快さを感じました。本当・・イヤなヤツだっな・・・マット~~。
不当な尋問であるのに、権力には逆らえない市民の姿というのは
見ていて哀しかったです。従わなければならない状況がたまらなかったですよ。歪んでいるよ・・・・警察社会。いや・・人間よ。
この根底にあるのは、警察官が白人で、クルマ乗車していたのが黒人だったいう事実。
明らかにライアン巡査個人の偏見(差別ね)からの行為でもあったんですよね。この姿を冒頭で
見ているのだから本来ならば、最後までライアン巡査に批判的な目を持つはずなのに、そうはならないの。このお話はそんな彼の違う一面も
見せてくれるから。実は彼は父親思い・・・(まあ、自分の父親なら当然だが・・・)さらには、突発的な事件が起こったら、実に勇敢に
任務を成し遂げようとする、優秀な巡査でもあるんです。
嫌なヤツだったと思いますけれど、だからといって最低のヤツとは
いえないところでしょう?
逆に、このライアン巡査の差別的な態度に、憤りを感じていた
誠実そうな青年、ライアン・フィリップ扮するハンセン巡査。(ライアン・フィリップもますます年取ったな・・・笑。でも彼も頑張っているようでうれしい・・・)。いやいや、いい青年じゃない、まっすぐな気持ちをもっていてさ・・・と思いきや、このハンセン巡査は
その後、強烈な過ちを犯してしまうんですよね。
それはあまりにも残酷な出来事だったわね。
そう・・・要は、誰でもが善も悪も両方兼ねそえているということ。
またその善という意味も悪という意味も、
とらえかたによっては変わってくるということなんですよね。
この人間がもつ複雑な部分が、
色んな職業、人種たちのなかで、少しづつ見えてくるところが
非常に面白かったです。

みんな一生懸命、自分が正しいと思ったことを行っているんだけれど、
それが相手に理解されるとは限らないですよね。
相手によってはそれは不快なことかもしれないんだよね・・。
確かにアメリカは描かれているように
多種の人種が暮らしているところ。
色んな問題が生じるのは当然かもしれませんわ。
でも日本だって、同じような感覚はあじわっているはずです。
こんな露骨な表現ではなくても、
過激な事件が起こらなくても、
どこかで、自分とは違うという意識をもって
相手をみていたり、決め付けていたりすること・・・ないとは
いえないよね。
バリアを張り巡らせて、
自分と違う価値観を受け入れなくなっているところも
あるかもしれませんよね。

ぶつかりあわなければ、分かり合えないこともあるということ・・。
人間と人間・・・建前だけでなく
本音でぶつかりあうことこそで、相手が見え始めるのかも
しれないのかな・・・って思いました。

印象的な場面は、やはり透明マントと
サンデーニューストンの中盤の車事故。
あとはラストの雪のなかでの、あの一言かな・・・。

綺麗な夜景に対比して、描かれる
それぞれの孤独感。でもそれを拭い去ることができるのは
やっぱり人の心だけしかないんだよな・・・・・。

<触れ合いだよ  どんな街でも、歩けば人と体が触れたり、ぶつかったりする  でもロスじゃあ、触れ合いは皆無。
人々は金属やガラスの後ろに隠れている
みんな触れ合いたいのさ
衝突し合い、何かを実感したいんだ>


ネットやっている自分もやっぱり誰かと
触れ合いたかったりするんでしょうね。分かり合える人が
いるのって、うれしかったりするものね。
あ・・でも現実では自動車事故だけは勘弁だけどね。

ちなみに、この映画のエンディング曲・・素敵でした。
サントラ欲しいな・・。
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ニュー・ワールド 

ニュー・ワールド (2005) (アメリカ)
  
監督  テレンス・マリック 

音楽: ジェームズ・ホーナー
 
出演: コリン・ファレル ( ジョン・スミス)
クオリアンカ・キルヒャー ( ポカホンタス )
クリストファー・プラマー ( ニュー・ポート船長)
クリスチャン・ベイル ( ジョン・ロルフ)
オーガスト・シェレンバーグ ( ポウハタン )
ウェス・ステューディ ( オペチャンカノフ)
デヴィッド・シューリス ( ウィングフィールド)
ノア・テイラー 
ベン・チャップリン
ジョナサン・プライス 


アニメ「ポカホンタス」などでお馴染みの有名なアメリカの建国神話の実写版。
17世紀初頭。イギリスの冒険家ジョン・スミスを乗せた
船が長い航海の末に北アメリカのヴァージニア近辺に辿り着く。
そこにはすでに先住民たちが、一つの社会を形成していた。
ニューポート船長は、反乱罪に問われていたジョン・スミスを解放する。船長は彼の能力を見込んで、先住民との交渉役を任せる。
しかし、スミスは先住民に捕えられてしまう。
あとすこしで処刑という彼を救ったのは
王の末娘ポカホンタスだった。やがて2人は、
言葉を立場を超え愛し合うようになるのだが・・。


感想  テレンス・マリック作品ということで
是非とも映画館で・・・と思っていた一本です。
私は、彼の作品では「天国の日々」をいう作品を観ております。
リチャード・ギア主演ということで(その頃好きでした・・笑)
観たわけですが、彼の演技以上にその映像の美しさに
魅力させられました。でもビデオだったんですよね・・・泣。
ですから今度観る時は大画面でと誓った記憶が・・・。
それから数十年・・・笑  シン・レッド・ラインは
見逃しているので結局これが劇場初体験となりました。

いやいや・・・期待通りの映像美。心が洗われるような気持ちでした。素晴らしかったですね。雲の動きや風の囁き、草木のざわめき
水の流れ・・・。まるで自分が描かれている自然の中にトリップしてしまった気分でした。
でも、やっぱり、これは好みが分かれる作品だわね・・・と
感じました。テレンス・マリックの世界そのもの・・・って感じなので浸れるか否かで好みは真っ二つでしょうね。
ラブロマンスといっても派手な展開が用意されているわけでもなく
実に淡々。いや、内容を語れば、非常にドラマチックな
ストーリーなのだけれど、見せ方が地味というか何というか・・。
恋人同士の甘い会話があるわけでもなく、恋愛映画につきものの・・小道具が上手にいかされているわけでもなく
普通の恋愛映画とは一線をはずしておりますね。
お話が風景に溶け込んでしまっっているという感じ・・。

前半は、コリン・ファレル扮する ジョン・スミスが
新大陸に上陸し、先住民の娘と出会って交流をもつまでの
話。
スミスの心情告白的なナレーションで、物語が進行していきますが
実にまったり・・・です。
説明的な描写もあまりないので、お話のつながりがややわかりづらかったりもします。
随所で出てくるポカホンタスの姿。仲間達とのたわむれる様、
体全体で表現される独特の会話、指の、手の動きに表れる
躍動感と生命力の輝き・・・。
彼女がとても魅力的です。王の娘は100人いるとか・・。
(すごい・・笑)その中でも一番のお気に入りがこのポカホンタスということで彼女が常にカメラの中心を占めているのは当然のことかも
しれません。でも彼女以外の娘はよくわからなかったな・・笑

捕らわれのスミスの命を助けたのがポカホンタス。
それが2人を近づけるきかっけにもなるんですね。
言葉も通じず、文化も違う2人。
お互いに、自分にとっては未知の存在でもあるわけで、そういうところから、興味を持ち始めていったところがあるといえるでしょうね。
スミスにとってはポカホンタスの、あの天真爛漫で純粋、無垢な
部分が、一番の魅力になったのではないかな。
小さなコミュニティーで、嫉妬も疑いも策略も、陰謀も
汚れたもの何もない世界で、自然のままで生活してきた
女性でしょ。航海で苦労している彼にしてみれば、
癒しの存在だったんじゃあないかな。彼に言葉を習う時・・の彼女の瞳は実にキラキラしていて素敵でしたわ。
太陽・・・風・・・唇・・・。一言、一言を、確認しながら
繰り返す彼女・・・。スミスによって、彼女は新しい自分を
見出していったんですよね。
と解釈しましたけれど、文学的なセリフと詩的な映像なので
この解釈は当然私だけでもの・・・笑
2人の恋の始まりはどう解釈してもいいってことだと考えています。
だからこそ、人によっては退屈する前半でしょう・・。

後半はスミスが立ち去ったあと・・ポカホンタス中心の物語。
ナレーションも彼女に変わります。
何故、スミスが立ち去ってしまったのか。
どれほどの葛藤があったのか・・・彼女への思いは
そんな簡単に消えてしまうものか・・・こういった
部分の詳しい説明はほとんどなく(イギリスの国王の命令だと
いっても・・、意外と簡単に決めてしまったように感じる・・)・・・・スミス・・・立ち去ってしまうのですよ・確かに物足りないのですが、
もともと2人の関係が夢物語的な世界での出来事で現実性に
乏しかったので、スミスとの別れも具体的でドロドロしたものでなく
こういったさりげなく・・・気づいたらいなくなっていた・・みたいな
方が雰囲気が壊れなくていいのかもしれませんね。

失意の中のポカホンタス。そんな彼女に興味をもつ
クリスチャン・ベイル ( ジョン・ロルフ)。
彼女の、悲しい瞳に惹かれたということなんですよね。
自分も妻子を亡くしているというので、同じ痛みを感じたんじゃあないかな。コリンとベイルのキャラの違いは彼らが惹かれた彼女の
状況にも関係しますよね。一方は明るい素直な彼女の姿で
一方は悲しみ満ちた沈んだ彼女の姿でしたからね。
しかし、このベイルの役どころはおいしいね・・笑
彼女が自分を愛していなくとも俺は一緒になりたい・・・というんですよ。つまり、大きな愛で包み込んでやるよ・・・って
いうことでしょ。ちょっとクラクラしちゃいそうだったよ・
この包容力の大きさに・・・笑。
ここで、ベイルのナレーションも入ります。
つまに、セリフが少ない分、
登場人物3人の心情告白的なナレーションが補足していくという
構成です。
それが詩的な文章なんだな・・・。


ラブロマンスというよりは、1人の女性の成長記、もしくは生き様って感じもしました。身を焦がすような愛から、穏やかな
愛までを一気に知りえて立ち去っていった人生なんですよね。
愛した記憶と、愛された記憶を持つことができたなんて実に
幸せな人生ですよね。
そしてニュー・ワールドは、
スミスにもポカホンタスにもあったということですよね。
それぞれがお互いの世界を新しいものとして感じたのだから。

ラストでのスミスとの再会。
一本の大きな木がでてきますよね。そこは非常にインパクト
ありました。お庭なのか・・・な。そのシーンだけは強烈でしたわ。

ポカホンタスの物語は全然知らなかったので、
私は結構楽しみながら、鑑賞できましたよ。
彼女が終盤
お母様・・って語りかける部分があるのですが
それもウルウルきちゃいましたもの。
自分が母になって初めて
自分の親の気持ちが手に取るようにわかるようになったというんでしょ。いい話じゃないですか・・・笑

なんだか、あんまり評判がよくないけれど、
私はこの癒された映像と、
素敵なロマンスを堪能できて幸せでしたよ。よくある話って聞けば
そうかもしれませんけれど、私はこの手の話に弱い・・です。
そうそう、こんなところで、泣くのか・・・という
ただの風景の描写のところでも私泣いていたものね・・。

コリン・・・今回、ひげも生えていたので、マユとひげで
タブル~~~濃さ!!。でも、彼の悲しそうな
顔はあのマユあっての効果だと思うんですよね。
そういう意味ではただ暑苦しかったというだけでも
ないかも・・・・笑 良かったですよ。
彼は結局、彼女を選ばなかったわけだけれど、(捨てたともいう?)
あまり憎たらしく感じなかったかな・。あ・・彼の肉体・・
鍛えていて素敵でしたね。でもファンじゃないし、どちらかというと
↓ベイルの方がいいかな・。

ベイル・・・やっぱり。ガリガリ痩せない方が断然いいと思います・・笑

ジェームズ・ホーナー ・・・いいね・・。
2人の絡みに使われた曲が好きでした。


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ボイス

ボイス  (2002  韓国)
監督:アン・ビョンギ
出:ハ・ジウォン 、キム・ユミン


ジャーナリストのジウォンは、援助交際の記事を手がけたことから
脅迫電話に悩まされていた。
そんな彼女のために親友のホジュンと、
彼女の夫チャンフンは、自分たちの別宅に移り住んで
みたら・・・と勧める。
ジウォンは承諾し、携帯電話の番号を変えてみた。
数日後、絵の展覧会に来ている最中に替えたばかりの携帯が鳴る。
偶然、ホジュンの幼い娘ヨンジュが電話に出ると、
彼女は狂ったように絶叫しはじめる。
それ以降、異常な行動をとるホジュン。
異変を感じたジウォンは、携帯電話の前の持ち主を調べ始めた…。

感想
  深夜放送で観ました。
公開時、予告を何度も劇場で観ましたよ、これ。怖かったな・・。
サングラスを取ろうとするおねえちゃんが出てくるとき
いつもハッとしました。予告ではとっていたのかな・・
忘れちゃった・・・笑
ちらしもそのときもらって・・・、面白そうだぞ・・これ
な~~んて思っていたりしたんだけれど。
テレビで見ると、全然怖くなかったりするんですよね。
お話も・・・う~~~ん、よくあるというか、平凡。
男女のもつれ・・ということですよね。
まあ、実は・・・本当の犯人は・・(あれ~、サスペンスになっている・・笑)というオチはあるものの、
それに関しては別に衝撃的な出来事ではないと思うので、
別に驚きせず。
それにしても、あのダンナに関する秘密は
そういうことか・・と誰でもが納得できるほどの
丁寧すぎるほどの説明。
そんなにイチイチ説明してくれなくても・・・。
途中でわかります・・・あの展開では。

結局悪いのはダンナ。
娘をあんなふうにしちゃあいかんですよね。
子には罪はないのに。
しかし、あの子どもは・・可愛くないね。
普通の時からして、すでに怖い感じよね。

月光がテーマ曲みたいだったけれど、
クラッシック愛する男ってこの手の男の印象なのかな。
好きな人のために曲を練習するって、よく他の韓国映画でも
観たことあるな・・。マーラも使われていなかったっけ。
これは恨みの連鎖ということで日本のリングの
イメージなのかな。
でもリングのドラマ版のほうがよほど怖いですよ。
貞子の秘密はもっと凄いから。
あ・・・サングラスを取ったお姉ちゃん・
目も耳も大変なことになっていましたけれど、
彼女にはまったく罪がないんだから
とんだ迷惑なことだとと思います。何も彼女を呪わなくても。
やっぱりあの男が一番悪いのでは・笑
しかし、女の戦いって、年じゃあないのね。
幽霊よりも現実のバトルそのもののほうがよほど怖いわ。






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ダンシング・ハバナ

ダンシング・ハバナ (2004)
(アメリカ)

監督: ガイ・ファーランド 

 
出演: ディエゴ・ルナ (ハビエル・スワレイス )
ロモーラ・ガライ ( ケイティ・ミラー )
セーラ・ウォード ( ジェニー・ミラー)
ミカ・ブーレム ( スージー・ミラー)
ジョン・スラッテリー 
ジョナサン・ジャクソン
ジャニュアリー・ジョーンズ 
パトリック・スウェイジ 

 
舞台は革命前夜のキューバ。
1958年、18歳の真面目な女子高生ケイティは父親の転勤により、
キューバのハバナにやって来た。ある日、彼女はキューバ音楽に合わせて踊る町の人々の中に一度であったことのある青年
ハビエルの姿をみつける。
ハビエルは高級ホテルのウェイターとして働く、貧しいキューバ人の青年で、なにか、気になる存在でもあったのだ。
ダンス好きな2人は急速に仲良くなる。
彼の夢が家族と共にアメリカへ移住することだと知ったケイティは、
資金集めのためにダンス大会へ出場しようと提案する。


感想  「ダーティ・ダンシング」のリメイクだと思っていましたが
舞台は全然違うのね。こちらはラテン系だしね。
まあ・・ストーリー展開は
同じなので、元作品をベースにしているという考えでいいのかしら。
ダンス映画って、練習・・大会・・・その過程での
恋の芽生え・・・っていうのがやっぱり定番なのね。
ということで・・これも王道をいく、青春ダンスムービ
でした。その路線がお好きな人は充分楽しめるでしょう。
もちろん、私も、楽しんだくちですよ。
全体的にはまあまあかな・・・・。ストーリーよりも
キャスティング。やはり、主役の彼の魅力に、やられたね・・・って!感じでしょう。
ダーティダンシングは昔観たことありますが、あれでスウェイジの
魅力に酔いしれた!!という風にはならなかったものね。確かにスウェイジのダンスは素晴らしかったけれど、自分が惹きつけられるかというと・・う~~んだったな。。ダンスのときはいいけど、その他の時はどうよ・・・っていう印象だったよ。ごめん。
ということで、主役の
ディエゴ・ルナ。いいね・・・・笑
若いっていいね・・・熱いね・・瞳がキラキラしていたね。
ところで、もう1人の美形さん。(と・・私は思っているけど)
ジョナサン・ジャクソンの扱いってどうよ。途中で・・いなくなったよね。役柄も、いいとこの坊ちゃんで、嫌な役なんだけれど、
もうすこし、恋のほうで絡んでくれても良かったんじゃあないのって
個人的には思いましたね。ジョナサン・ジャクソンも嫌いじゃあないのよ・・(誰でもいいんかいな・・・)

お金持ちのお嬢様と、貧しいキューバ人青年。
境遇が違う2人。ロミオとジュリエットみたいな設定は
いいですよね。先々に困難さがあるっていうのが、モロわかりだから
目が離せなくなりますもの。
アメリカ人の彼女はね・・きっとあの道に迷ったときに
偶然であった、ディエゴ・ルナの踊る姿&笑顔に
まいってしまったんだと思いますよ。
だって、可愛いじゃん・・・笑
私・・ディエゴ・ルナって意識して観たのは今回が初めてかも。
フリーダーにも出ていたんですって?
気がつかなかったですよ・・・笑
この映画は彼が魅力的で・・・それだけで
おなかいっぱいになりそう・・
だって、可愛いじゃん・・・笑(そればっかかいな・・・)
対するアメリカ人の女の子。
でかい・・・・いや。。。大きい・・・・。
これって、彼の方が小さすぎるのか・・と思いましたけれど、
やっぱり女性の方が大きいといっていいんですよね。
豊満だし・・・・。迫力ありましたね。でもお母さんもスリムで
大きかったから、娘というなら当然か。ダンスをやっていた両親なんてなんだかお洒落よね・・。
あ・・対するディエゴ・ルナって、華奢・・・笑
恋人というより、姉と弟みたいでした。
でも可愛いな・・・(こればっか・・)

海辺でのダンス特訓シーンが良かったです。
もっともっと踊っているシーンみたかったな。
でも最後、大会優勝・・っていう安易な方向に
向かわなくて、政治的な要素を取り入れたりしたところは
新鮮だったかも。終りも、気持ちいい感じで
好感もてました。
あ・・・・パトリック・スウェイジ出ていましたね。
前作のファンへのサービスかしら。
相変わらずうまいわ。あのスタイルを維持していたというのが
驚きですよね。ちなみにドニー・ダーコでも観ていたので
久しぶりという感じはしませんでしたけれど、
ダンスには懐かしさを感じましたね。
あの頃の自分を思い出だしましたよ。(あ・・ダンスはしていないけれど・・笑、スウェイジのダンス映画には心躍らせたわ・・・)
そうそう・・私、このアメリカ娘の母親の気持ちに
一瞬入りましたよ・・笑。
「あんた利用されているのよ・・」って。
いや・・・娘を持つと色々心配しますものね。
ともかく、音楽もいいので
ノリノリで楽しめると思います。

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セクレタリー・・・マギー・ギレンホール、婚約、妊娠だしね・・・

芸能ネタから・・

<マギー・ギレンホール、婚約、妊娠・・・・>
『モナリザ・スマイル』のマギー・ギレンホールが、恋人のピーター・サースガードと婚約をしたことが発表され、同時に妊娠していることも明らかになった。二人は、2003年にスティーヴン・ソダーバーグ監督の低予算映画『イン・ゴッズ・ハンズ』(原題)で知り合い、交際を始めた。同作品は公開されていないがその後、ギレンホールは『セクレタリー』、『アダプテーション』などに出演。サースガードは『フライトプラン』、『愛についてのキンゼイレポート』などに出演している。マギーは、ジェイク・ギレンホールの姉。

ええ・・・・・・知らなかった・・。N0008198.jpg


いつの間にお姉さま・・・・笑

ということで、お祝いしなくちゃ・・・ね

これもブロークバック~のつながりになるのか・・・・・・笑


セクレタリー     (2002 アメリカ)   
監督   スティーブン・シャインバーグ 
  出  マギー・ギレンホール(リー)
     ジェームズ・スペイダー(グレイ)
     ジェレミー・デイヴィス(ピーター)
リーは、精神的追い詰められると、自分を傷つけてしまう(自傷癖)という女性。
精神病院にしばらく入院していたが、やっと退院。社会復帰のために、秘書の仕事に応募する。
見つかった就職先は、エドワード・グレイという弁護士の事務所。
そこでは、上司グレイの過激とも言える命令が、彼女を待っていた。
しかし、彼女にはそれがいつしか快感に変わってくるのに、気づき始める・・
彼女の隠されていた部分が、次第に明らかになってきて・・・。

感想  かなり癖のある映画だったけど、面白かったです。
ちょっと風変わりな(かなりか~笑)性癖をもった2人だけど、とっても可愛らしかったですよ。
自分の気持ちに正直になっていくところなんて、見ていてある意味、感動すら覚えました。
うるうる~きてしまったよ。
お互いの求めているものが、同じだなんて、これこそ、運命的な出会いといえるんじゃあないでしょうか。
よ~し、はっきりいいましょう、笑。
サド的趣味のあるジェームス・スペイダーが、、自傷癖があるマギーを、自分の世界に引きずり込んでいくんですよ。
まあ・・・細かいことにイチイチうるさい上司なんですけどね(この時点で、私なら、ダメなんですけけどね)
マギーはね、「私は秘書だから、グレイさんの言うとおり
懸命に尽くすわ~」と健気に振舞っていくわけです。
でもでも、次第にエスカレートしていって、途中からは、お尻をペシ~と、叩かれる・・・・・・そういう仲へと
変わっていくわけ。
たぶんね、最初は、あらま~と、びっくりしたように、思っていた彼女だったけど、(たぶん、そうだろうな~)
自分を傷つけるよりも、なんだか、気持ちがすっきりするじゃない?いい感じ・・、もっとしてよ~(たぶん、そういう気持ちだろうな)
と、どんどんその手の世界に(マゾね)嵌っていくわけ。彼によって、開眼していくのよ。女性としてはうれしいことなんじゃあ
ないの。そういう自分が許せないって言うなら別だけど、この彼女は喜んでいるわけでしょ。
感謝、感激じゃあないですか。
普通だったら(私みたいな人の感覚ではね)、こんな上司、気持ち悪い~ってことになるんだけれど、マギーにとってみれば、
自分を開放させてくれる貴重な存在なんですもの、離れたくないですよね。
いいと思いますよ、お互いがそれで幸せを感じられればね・・・・。
こういう内容だと、エロチックぽい、一部マニアック趣向の方向けの映画と、みられがちだけど、
私は、ある意味純粋な恋愛の形だと思って(捻じ曲がっていようとも、純粋さはあると思うよ)、
気持ちよく受け入れられましたけどね。  そんなにエロクなかったし・・・。怪しい場面は
一部分で、むしろ、アハハ~、やってる、やってる・・・って、楽しく鑑賞しましたよ。あ・・・笑い事じゃあないんだよね。
品位落とさないで、一般人にも充分通用する映画(やっぱり、私だけか)になっているのは、凄いと思いました。
     
あとね、この神経質で完璧主義の上司のグレイ役の、ジェームス・スペイダーは、はまり役すぎて、怖いくらいだったわ。
壁の隅で見つめる、あの欲望丸出しの目つき・・・いや~、イヤダ~と思いながら、でも、憎めないよ・・・私、笑。
妙に息荒くする場面では、思わず、笑ってしまいましたよ。マジでそうなのかな・・・て。
そんな怪しい彼だったけどね、結構、悩んだり、いざというときには、臆病になったりするところがあったのが、
とっても印象的。結局、この映画の中では女性の方が押せ押せになっていったわけですから、女性は強いってことを
しみじみ感じましたわ。
マギーは、体当たりの演技でビックリ。ここまで・・・よくやったな・・・とほめて上げたい気分です。
ジェームス・スペイダーの弁護士事務所・・・壁が赤なんですよ。仕事しているのかしら・・・と思えるお部屋でしたけど、
妙に脳裏に焼きつきましたわ。
長い廊下も、お部屋の雰囲気も怪しさプンプンさせていて・笑、良かったです。


↑これ・・DVD持っています。お話以上にビジュアルな面で
気にいっているから・・笑。
お姉さまも弟君も大胆な演技で頑張っていますよね。
今後も楽しみよね。
ジェイク君の今年公開作品もDVDになった折には
是非チェックしなくては・・・ねgag0027_01.jpg

バブル・ボーイ

ブロークバックマウンテンで、過去のジェイク・ヒースの作品に
手をのばす方も多いでしょう。
出演作ごとに成長がわかるので、
遡ってみるのは面白いですよね。
今日は意外性のある作品を紹介。
ヒースは「恋のからさわぎ」でしょう・・・笑
これは前回も紹介したのでこちら→http://mimidorihitorigoto.blog3.fc2.com/index.php?q=%CE%F8%A4%CE%A4%AB%A4%E9%A4%B5%A4%EF%A4%AE
DVDでていないということで、貴重かもね。
ちなみに録画ビデオ持っています・・・・笑  だって可愛いもん。

ジェイクも初期作品を一本。
こんな作品出ていたの・・・?って感じですか・・・笑
こちらも以前の感想です。
バブル・ボーイ    (2001  アメリカ) 
 監督  ブレア・ヘイズ  
 出  ジェイク・ギレンホール(ジミー)   
    スウージー・カーツ(母)
    マーリー・シェルトン(クロエ)
生まれたときから、免疫をもっていないため、無菌環境でしか生きられないジミー。
自宅からは一歩も出ず、バブル(風船)のなかで、生活する毎日だった。
そんな彼は隣人クロエと友達になる。しかし、愛を告白する間もなく、彼女は結婚を決意し、旅立ってしまう。
愛する人の結婚を阻止し彼女を取り戻そう・・・無菌のバブル・スーツに身を包み遥かなる冒険の旅に出るジミー。
 無事彼女の元にたどり着けるのか。

感想  ジェイク君主演の、ラブ・コメディー。未公開作品です。お友達のHPで紹介されていたのを、チェックしてみました。
 かなり、奇想天外なストーリーなんですが、気軽に見るには最適な映画だと思います。
細かいところは一切気にせず、ただただ、一途なジェイク君の思いを、受け止めてやって欲しいと思います。
彼の、ちょっとお間抜けな、行動、セリフの数々を見て、聞いていると、心が和んでくるから不思議です。
このバブルスーツ。とても変です。大玉送りの玉に足が生えて、歩いているみたいです。ジェイク君は、内股で、
ヨロヨロ歩いて、危なっかしいです。すぐに、あっち、こっちに転がされるんですよ。
中に入っている彼はたまらないですよね。
そうそう、このバブルスーツには、手を入れる部分が、ニョキ~ンと突き出ているんですよ。普段はブラブラくっついているから、
妙ですよ。是非、確認。
物語は、ロード・ムービー。愛する人の結婚を阻止するっていうのは、卒業と同じパタ-ンです。
旅先で出会う、人々が、かなり個性的な面々。カルト宗教団だったり、インド人だったり、見世物小屋で働くような人もいたかな。
色んな人が入り乱れて、はちゃめちゃな展開になるんだけれど、最後に、意外な事実が判明したりして、
単純な様でいて、工夫がされているなと思いました。
バブルスーツを脱ぐと、死んでしまうといわれているジェイク君だけど、愛するクロエを抱きしめるために、
彼は思い切った行動をするんですよ。「後悔はしたくないから・・・て」意外にジ~ンとさせる部分も描かれていたのは意外でしたよ。
ラストはハッピーエンド。
バブル・スーツ内のジェイク君は、サリーちゃんのパパみたいな髪の毛をしていて、かなりダサダサなんだけれど、
最後には、シャキ~ンと、清清しい好青年のジェイク君に変身するので、お楽しみに・・・。
あと、パンツ姿も拝めます・笑。
もう一つ気が付いたのですが、「ビッグ・フィッシュ」に出てきた大男が出ていました。たぶん・・同じ人だと思いますが。
これには、ビックリしました。     それにしても、「ドニー・ダーコ」と同じ時期とは思えない作品ですね。185.jpg

めぐりあう時間たち

ブロークバックマウンテンつながりで、
いくつか映画紹介したいと思います。
え・・・どうして・・・この作品?って思うかもしれませんが
勘弁してくださいな・・笑
この作品も語ること多し・・・の作品だったもので。
ちなみに、DVD持っています。感想は当時のもの・・・。

めぐりあう時間たち  (2002  アメリカ) 
 監督  スティーヴン・ダルドリー 
 出  ニコール・キッドマン(ヴァージニア・ウルフ)
                                    ジュリアン・ムーアー(ローラ・ブラウン)
    メリル・ストリープ(クラリッサ・ヴォーン)
    エド・ハリス(リチャード)
1941年、イギリスのサセックス。ヴァージニア・ウルフは自ら命を絶とうとしていた。
3つの時代の3人の女達のそれぞれの一日。
1923年、イギリスのリッチモンドで、ウルフは「ダロウェイ夫人」を生み出そうとしていた。
1951年、ロサンジェルス。誰もが幸せと思える生活を送っている、妊娠中の主婦ローラー・ブラウンは「ダロウェイ夫人」を読んでいた。
今日は夫ダンの誕生日。愛する息子とケーキを作ろうと計画をたてる。
2001年、ニューヨーク。編集者クラリッサは、エイズに冒された友人リチャードの受賞パーティーを計画している。
互いに交わることのない人生が、1日の終わりに1つの線となってあらわれる。時間の流れはいつも同じことの繰り返しで、
どこかで繋がっているのだろうか。

感想  泣きました。映画の中では、ポロリとするだけだったのですが、観終わった後に、ウルフが入水自殺をしたあの湖の水の流れのごとくこみ上げてくるんですよね、感動とそれに伴う涙が・・・。言いようのない悲しみ、喪失感、それでも日々前に向かって
生きていくことの意味。自分はなんのために生き、何を求めているのか。他人のために生きるのではなく、
自分自身があるがままで生きることの難しさ・・・色々考えました。
原作はマイケル・カニンガムの同名ベストセラーで、「ダロウェイ夫人」をモティーフにした作品です。原作は読んだことないのですが、
これだけの感動をもたらしたのは、原作の魅力をそこなわない、脚本の良さと演出、俳優人全ての卓越した演技、音楽的効果、
それらが上手に調和されていたからでしょうね。
モティーフとなる「ダロウェイ夫人」。これは、この作品を観る前に知識として知っておいた方が、より良いと思います。
ダロウェイ夫人は6月のある晴れた日にパーティーの花を買いに出かけます。いつもと変らない1日が始まろうとしている中、ふと
今の人生の意味、過去に下した決断の是非など、あらゆることを考えるのです。
主婦ローラ、編集者クラリッサは、時代を超えた、それぞれがもう一人のダロウェイ夫人です。
特に、現代に生きるクラリッサ、友人サリー(同居している女友達)、リチャード(エイズにかかった詩人であり、元恋人)の名前は
ダロウェイ夫人に出てくる登場人物の名、そのものであり、人間関係も似通っています。リチャードに関しては、ダロウェイ夫人の中に
出てくる、彼女に影響力を及ぼす、戦争帰りの青年セプティマスにもダブらせて、みることができます。
つまり、ダロウェイ夫人の心の動きは、時がたっても同じように繰り返されっていること=普遍的なテーマーであるということです。
ダロウェイ夫人一人描かれていても、かなり考えさせられるのに、3人の女性の人生での悩み、苦しみを立て続けに見せられるのですから、
かなり重い感じの印象をうけます。
3人の人生すべてに、誰もが多かれ少なかれ、共感を持つと思います。それは誰もがダロウェイ夫人に成り得る要素を
持っているからでしょうね。3人の女性たちは、皆が皆人生における自分の居場所を探しています。
一番色濃く出ていたのはローラ。愛してくれる夫、かわいい子供、平穏な家庭・・・そのなかに自分が自分らしく生きる場所を見出すことが
出来なかった女性です。生きていても死んでいるのと同じこと・・・そう思って死に導かれますが、ここで別の決断をしますよね。
ウルフは自分が精神を病んでいることを、理解しています。夫が自分のためにどれほど努力してくれているかもわかっていた
ことでしょう。自分のためを思っての田舎(リッチモンド)生活。でも、ここでの生活には自分の居場所がないと考えているのです。
ロンドンの生活が恋しい。彼女のその思いは、駅構内の場面で爆発しますよね。自分の生きたいように生きると主張する姿には
共感をもつことができます。しかし、最終的に彼女は死に導かれ、生を放棄する決断をしてしまいます      
クラリッサは自分自身の居場所を確保しているかに見えます。自分が自分らしくあるために、好きな人と同居して(同性の恋人)
欲しいから子供を産み(人工受精)、自分の満足感のために、元恋人を看病しています。
それでも、エド・ハリスの「誰のために人生を送っているのか。パーティーは誰のためにするのか・・」という、
問いかけに人生の迷いを感じ始めます。
心のどこかではまだ、元恋人を思っている部分があり、それも自分を苦しめる一因となっているのではないでしょうか。
クラリッサが元恋人との恋愛を思い出して、「これから幸せな日々が始まると思っていた。でもそれは違って、その時が一番幸せな時だった。」
という意味合いのセリフをいいますよね。青春の日々を懐かしんでいる言葉・・・・、あれがズド~ンと響きましたね。
人生では何度も決断しなければならない場面に遭遇します。時にはそれが、自分自身の居場所を決定する場面になることもありますよね。
後悔していないと思っていても、その時のことを思い出すと今なお苦しく、せつなく感じるのはなぜでしょうね。自分らしく生きることは
誰かの人生を傷つけることでもあるからじゃあ、ないでしょうかね。
中でも、リチャード(エド・ハリス)の人生を考えると胸が痛みます。彼のクラリッサへの数々の愛情満ちた言葉を思い出すと
泣きたくなるんですよ。
ケーキを作ろうという母親の前でなぜ、あの子はあんなにも、不安そうな目をしているんだろうと、ずーと感じていました。
それが最後にああ言う形で繋がって行きますよね。その時、初めてリチャードの苦しみが手に取るようにわかって、苦しかったですね。
犠牲にされた人生=まさに彼の人生、そのものですよね。彼は、難解だといわれる小説を書きますよね。
彼の人生そのものだったようですね。ダロウェイ夫人と同じようにこの物語でも、一人の女性(実は母)を死なせます。
死を意識することで、生の意味を理解し、前向きに生きようとする人もいるでしょうが、そうでありえない人もまたいるのが現実
でしょうかね。
女性同士のキスシーンが各時代、それぞれ出てきますよね。
ダロウェイ夫人自体も友人サリーとのキスシーンがあります。ウルフは同性に友情以上の物を感じていたという事実から、
ウルフ自身を象徴しているんでしょうね。ウルフが小鳥の死を見取る場面は、
生と死はいつでも隣り合わせだっていうことを示唆していて興味深いですよね。すべての場面に深い意味が隠されているから、
重たい映画なんですよね。
個人的にはエド・ハリスとニコールが良かったです。共に、人物を研究しつくしたって感じです。
エド・・・あんなにやせちゃって、観ているだけでつらかったです。トム・ハンクスのエイズ演技以上にすごかったです。
ふ~、良い映画ですが非常に疲れました。 冒頭はウルフの水中シーンです。アイリスを思い出しました。一方は死への思い、
一方は生への思いが漂ってくるシーンです。人生はミステリー・・本当にそうですよね。
1日と言えども、人生が変るような出来事がいついかなるときに、襲ってくるかわかりません。
毎日を大切に生きたいものですよね。 


興味のある人だけ、読んでね・・・。↓
            (H.15.6.2 リピータしました。2度観るほど暇な人、いないかもしれませんよね。かなりダ~クですしね。)
↑の感想、あらすじ書きみたいですよね。ラストを知ってから、観ると又別の観方できますね。前回のような観終わった後の何とも
いえない心の揺れが少なくなりました。きっと、ストーリーの中に、程よく分散されてきたからですよね。
今回は特に最初からリチャードへの思い入れを強く感じました。
彼の報われない母への愛情が、その後の彼の恋愛を方向づけてしまいましたね。お互い愛していると誓い合っても、
母は彼を捨てました。、彼は愛に対してどこか臆病なものを感じてしまいましたよね。いつか捨てられるという思いが、彼を苦しめ、大事なものを自ら捨てていってしまったんですよね。クラリッサを一番愛していたのに、別れを迎えてしまったこと。
しかし、ああいう形で、関係は続いているという現実。それだけでも、映画ができるくらい、せつない愛のお話ですよね。
彼は、ローラの生き方の選択によって、犠牲にされた人物の代表ですね。
この話の、3人の女性そのものに共感できない人がいるのもまた、事実ですが、やはり
私はどの女性にも気持ちが入りこんでしまいますね。だからといって、生き方を肯定しているわけではないんですよ。
理解できる感情もあるということです。
 リチャード、ヴァージニアは共に死を選びます。彼らは、相手を自分から開放させてあげるため、愛する余りの結果、
死を選択しますね。表現的には美化されていますが、結局のところ自分の居場所は死であると認識したゆえ決断を下したのだと思います。
誰のためでもない、自分の人生だと思ったからこそ、自分で選んだのです。
死ぬことがいいことだったといっているのではないんですよ。生きていくって事が一番大切だと思っています。
自分で選んだっていうことを、いいたいんです。決断を下したのは、誰でもない、自分なんです。
ローラには自殺願望がありましたが、最終的に選んだのは、生きるということでしたね。今ある幸せな家庭を捨てて生きることで
死を免れていますね。
彼女もまた自分の人生を自分で決めましたね。
クラリッサはどうでしょう。彼女もまたあらゆる選択、決断をして人生を歩んできたと言う感じですね。
皆、自分の居場所を求めることをしてきました。中には究極の選択もあったはずです。死も選択肢の1つとして取り上げ、
否定的には描かれていませんね。人生では死も又あるべきものなんです。人生の中で起こりゆること
全てを淡々と見せていますね。どの出来事にもメッセージ、こめることなく、事実のみつきつけていますね。だからこそ、観ている人の取り方は
様様になっていくのだろうと思います。
 ローラは歳をとってから、自分のとった行動(家庭を捨てたこと)について、「後悔してどうなるというの。私は
一生、重荷を背負って生きていくのよ」と、述べていますよね。
他に方法がなかったというように、自己の行動を正当化しようとしていますが、心の傷となっているのは確かですよね。
クラリッサは自分の生き方に迷いを感じて、リチャードの元恋人や娘に感情をぶつけます。同じ、ダロウェイ夫人の幻影としてとらえられている2人ですが、多少違ってきています。ただ、2人とも過去に対して、こだわりをもっているのではないでしょうか。
 人生を振り返る瞬間は誰でもあるんじゃあないかな。正しい選択したと信じていても、苦しむこともあるんですね。
3人の女性達の行動で、傷ついた人は沢山いることと思います。それは、表面的には描かれていませんが、
それぞれが彼らのために波瀾の人生を送ったことでしょうし、数多くの心の傷を負ったことでしょう。
 人一人が思うままに生きようとすることは、沢山の人の犠牲の上に成り立っているってことですよね。ここまで、究極な選択をして、周りの人間を傷つけることはないとしても、私達はやはり、誰かを傷つけて生きていっているのかも
しれません。気付かないだけかもしれない。生きていく上で死が免れないものであるのと同時に、何らかの犠牲の上に自分自身の
今があるのかも知れません。
 たった、1日・・・でもそれは人生を左右する出来事も秘めているんですよね。
 
  ここまで、読んでくださった方、ありがとうね。お茶でも飲んで、一服して下さいませ・・・。
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疾走

疾走  著・・重松清



14歳の孤独な少年が背負った現実の厳しさ。
一家離散、いじめ、暴力、セックス、・・・そして
殺人……。
彼が救われる日がくるのだろうか・・。


感想  実は全然予備知識なく手を出しました。
ですからその衝撃は相当なもの。重松作品もこれが
初めてなんです。いい作品が多いということをきいていたので
なにか読もうと思ったら、たまたまこの本が見つかった
という軽いきっかけ。でも今思えば
この表紙からして、意味ありげだものね。
強烈だものね・・・。


おまえという・・・呼びかけが印象的な文体。
どこか客観的な立場から語られるその物語は
最初からなにか哀しい結末をも想像するようなにおいがしました。
読んでいくうちにこれでもか・・・これでもか・・・という
場面が多くなって、正直、胸が痛むことの連続でした。
なぜどうして・・・という言葉ばかりしか思いつかなくってね。
それでもどこか明るい結末を期待していた自分がいました。
子はね・・親を選ぶことはできないんですよ。
だからこそ、親の身勝手で子どもを苦しめてはいけないんだなって
感じます。
自分は一生懸命生きようとしても、そうさせない現実が
目の前に居座っているのって、どんなにかつらいことでしょう。
拭い去っても拭い去っても、追いかぶさってくる
醜い現実。ああ・・自分は生きていたってなんのとくがあるんだろうと
迷い悩むことがあるのは当然のなりゆきだったと
思います。
世間一般的には評価されていない人物でも
自分にとっては、生きる力になりゆる人であるかも
しれませんよね。誰もがその存在に価値があるのですよね。
アカネにしてもエリにしてもシュウジにとっては
かけがいのない人物であったのでしょう。
そして牧師もまたそうであったのでしょう。
それぞれが心に傷をもっているからこそ、相手の痛みが
理解できたのかもしれません。

仲間が欲しいのに誰もいない「ひとり」は孤立。
「ひとり」でいるのが寂しい「ひとり」が「孤独」
誇りのある「ひとり」が「孤高」

ああ・・なんて鋭い言葉なんだろう。
孤高になれる勇気を自分は持つことができるのだろうか。
でも人は時にはそうならなくてはいけない生き方を余儀なく
されるものなのかもしれないよね。

人とつながっていられる幸せを噛締めよう。
1人じゃないっていうことは、生きていく上で
もっとも幸せなことかもしれないよね。


「どうして、にんげんは死ぬの?」
まだ生きる意味もわからない幼少の頃、尋ねるシュウジ。
いとおしい・・・。

人は苦しむために生まれてきたわけではないのに
みな平等に与えられた人生なのにね。

なぜ、幸せと不幸せをかんじてしまうのか。

シュウジとエリの会話。

「ねえ、シュウジ、昔さあ、神父さんが言っていたこと
覚えている?「にんげん」は平等じゃないんだ、ってこと」
「でも公平なんだよね」
「そう、みんな最後は死んじゃうってことは公平だよね。
でも神父さんは間違っていると思う。」
「そっか?」
「だって・・・殺されるってことは、公平じゃないよ、
公平とかそんなのじゃあなくて、おかしいよね、やっぱり・・」

シュウイチ・・徹夫・・・トクさん・・・そして新田。
シュウジを追い詰めるものはみんな嫌いだった・・・
神父さえ、なぜもっと救いの手を差し伸べてあげなかったのかと
恨めしくも思います。・・なぜ、宮原雄二と再会させるのか・・・

青春をあまりにも疾走しすぎてしまったシュウジ。
少年犯罪というと「青の炎」を思い出しますが、それ以上に
重く、哀しい作品でしたね。

映画化されたんですよね。機会があれば観て見たいです。
それにしても、新田が殺されるまでの過程・・・
凄まじかった・・・・・。新田って変態だね・・・。
生々しくて、いや・・もうそれだけで、へこみそうでした。

いい作品ですが、ある程度、覚悟して読んだ方がいいかもしれないかな。

ラスト・・・涙流してしまいました。
ブロークバック・マウンテンでは流さなかった涙を
この本では流してしまいました。
それが今の自分なのかな・・・笑
やはり恋愛より重みある人生の方に心が動くのかな・・笑




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いつかパラソルの下で

いつかパラソルの下で   著  森絵都

柏原野々は雑貨店で働く28歳の独身女性。厳格な父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出した。
父の法要を迎えようとしていたある日
生前父と関係があったという女性から連絡が入る……。
児童文学作家・森絵都(1968年生まれ)が書き下ろした大人のためのハートウォミングストーリー。第133回直木賞候補作品


感想  シリアスなお話かと思いっていましたが
ちょっぴりユーモラスな表現も
あって結構、楽しみながら読みました。
父親の過去に隠された秘密という、ミステリアスな部分が
ありますが、そこはあまり大したことがなかったですね。
現実は結局、この程度のものかっていう印象ですが
逆に普通っぽいところが良かったです。

主人公の野々よりは、私は末っ子のタイプかなと思われます。
でも野々の生き方も理解できるかな。
私にはできないけれど、そういう生き方もありかなと思えます。
厳格だった父が、絶倫だっていうことを
知らされたら・・・私だったら
戸惑って怖くて前に進めないわね。
知りたくないって思かもね。
でも、真実を見つけることは、自分自身の生き方を
考えるきっかけにもなったのだから
迷っていたら前に進むことだということかも
しれないわね。
あらためて感じたわね。
後半の父の故郷・佐渡へ渡ってからの
お話は楽しかったわ。
自分も親の昔話を聞きたくなりましたよ。

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ブロークバック・マウンテン

ブロークバック・マウンテン (2005)

(アメリカ )
監督 アン・リー 
製作: ダイアナ・オサナ 
ジェームズ・シェイマス 
製作総指揮: ラリー・マクマートリー 
ウィリアム・ポーラッド 
マイケル・コスティガン
マイケル・ハウスマン 
原作: アニー・プルー 
脚本: ラリー・マクマートリー 
ダイアナ・オサナ 
 
出演: ヒース・レジャー( イニス・デル・マー )
ジェイク・ギレンホール ( ジャク・ツイスト )
ミシェル・ウィリアムズ ( アルマ )
アン・ハサウェイ ( ラリーン・ニューサム)
ランディ・クエイド ( ジョー・アギーレ)
リンダ・カーデリーニ ( キャシー)
アンナ・ファリス ( ラショーン・マローン)
スコット・マイケル・キャンベル ( モンロー)
ケイト・マーラ ( アルマ・Jr.)

2人のカウボーイの20年にわたる
愛の物語。
1963年、ワイオミング。ブロークバック・マウンテンの
農牧場に季節労働者として雇われた2人の青年。
イニスとジャック。彼らは山でキャンプをしながら
羊の管理を任される。対照的な性格の2人であったが
仕事をする中で次第に友情が芽生え始める。
やがて、それは友情を超えたものへと変わっていく・・

感想  アカデミー賞監督賞・脚色賞・作曲賞、ヴェネチア映画祭グランプリ金獅子賞、ゴールデングローブ賞作品賞受賞作品。
公開もそろそろ終る頃、ぎりぎりで鑑賞できました。間に合って良かった~~♪
舞台になるブロークバックマウンテンの雄大な景色はやはり
大画面で観ておきたかったですからね。
さて、作品ですが、せつない愛の世界でした。
結ばれないとわかっている愛の形は、どんなシチュエーションでも
胸が締め付けられる思いがします。
今回、男同士の恋愛です。それゆえ、人によっては
観る前から、共感できないのでは・・・という思いにとらわれる人も
いるでしょう。でも、この作品は同性間の恋愛の是非を問うという
次元のお話にとどまらず、誰でもが経験する、またはするであろう
人が人を愛するゆえの悩み、戸惑い、喜びが、
色んな立場、角度から描かれているのです。だからこそ、
観た人によって様々な感じ方ができると思います。
私も、同性愛映画はいくつか観ておりますが、当事者だけでなく、
彼らにかかわる家族・・妻、子、両親と多方面にわたって
描かれていた作品は初めてでした。
同性愛映画としては、幅広い視点から描かれていたと思います。
これはもう、同性愛映画というよりもシンプルな恋愛劇として
観た方がいいとは思いますが、やはり私の中では
男、女という性のありかたについて考えてしまうところがありました。
この作品、観る人の状況、男性、女性、既婚者、独身者
自分自身の恋愛観によっても感想は、変わってくるでしょうね。
様々な感想が出てきているということは、語りがいのある作品ということでもあるはずですよね。

私、中一日おいて2度目鑑賞もしてきました。

鑑賞中のおいて、涙が出たとか、心が震えたというものまでは、行き着かなかったのですよ、私。もちろん、せつなさも、苦悩も
理解できましたし、場面、場面で各々の登場人物に
感情移入もしておりましたが、割と淡々とした感じで鑑賞しましたね。
設定がどうのという以前に、これは私という人間性の問題でしょうね・・・・笑
ただ、2度鑑賞するのは滅多にないのですよ。過去作品においては
「めぐりあう時間たち」だけですし。あれは、実際、どか~~ん!!ときて、すぐに足を運んだのですがね。でも、この作品の場合、
鑑賞理由がまた違うんですよね。ドカ~~~ン!!ときたから
もう一度観にいきたくなったというわけではないの。
なぜか、ひっかかる部分があるのでそれを確かめにいきたくなった
ということですかね。一度目の感想で家に帰って、
ぼ~~~としながら、感想でも書こうと思って、
何故か考えてしまったんですよ。色々とね・・・・笑
観終わってすぐにパ~~と忘れて現実世界に戻ることのできる
作品もありますが、この作品の場合、あとを引くんですよね・・
感動したからもう一度観にいったというよりも、なぜ、気になるのか
ということを確かめにいくために、もう一度出かけたということかな・・・。結果、2回目においても実に淡々として鑑賞しました。
おいおい・・・・・笑
この映画は、あまり説明だてた描写がないんですよね。
それゆえ、観ている私たちがどれほど、
察することができるかで、ストーリーの理解度も変わってくると
思うんです。相手のことをどれだけ、理解できるかで、
一つ一つの行動の意味の深さを知ることになるのです。
だから足を運びたくなったのかもしれませんね。


自分の覚書にもしたいので、かなりネタバレです・・。

イニスとジャック。
彼らは仕事仲間として出会います。
周りから遮断された孤独な仕事場。2人だけで語り合うことで
お互いを理解し始め、苦労を共にすることで
連帯感が生まれる・・・。ジャックは・・・・
どうも、自分の性癖に気づいている部分がありそうです。
これはなんとなく・・・・ですが・・
視線が物語っていたように感じます。ジェイク君ってもともと
ウルウル系の目なので、余計、情がわきますよね。
性格的にも、自分の感情を押し出すタイプなので、自分の
欲望の対象がどこにあるのかは、素直に意識できたんじゃあ
ないのかな。
一方のイニスは、ジャックに出会う前から結婚相手が
いることからも、自分が同性愛者だとは、まったく意識していなかったと思われます。いや、本当は潜在的な要素として、それはあったのかもしれないけれど、過去のトラウマ(父親がゲイのカップルの片割れを殺した・・)ゆえ、自分自身も気づかないうちに、自分の本来の姿を
封印してしまっていたように感じます。

唐突に思えるテント内での肉体関係ですが、
↑のように考えれば、すんなり納得はできます。
一気に感情が爆発したと解釈できるでしょう。
もちろん、同じようなシチュエーションでも、行為に及ばない人は
いっぱいいるわけですよね。淋しいだけとか、友情があるから
だけで、行為まではいきつかないでしょう。やはり
その気があるもの同士と思わずにはいられませんよね。
そう考えると、これはまさしく、どんぴしゃ!!、
貴重な出会いでもありますよね。

2人は、初めての行為のあと、自己嫌悪に落ち(イニスの方か・・)
あれは一度きりだ・・と
確認しあいます。
社会的に認められていない行為と考えていた分
自分達が許せなかったところがあるのでしょう。
とくに、イニスにとってはゲイであるという事実を認めるということは
非常につらいことだったに違いありません。(それは過去のトラウマから・)しかし・・・言葉とは裏腹に
体は相手を求めてしまう。
ああ・・・これは理屈では止めることのできない、
人間の性なんだと観る者は気づくのです。誰が彼らを責めることが
できましょう。人が人に惹かれるというのは、もはや理屈では
解せないのだとも気づくのです。
戸惑いながらもジャックに寄り添うイニスを、そっと受け入れるジャック。 「いいんだよ・・・自分に正直になって・・」
とでもいいたげでしたね。迷いが吹っ切れたぶん、2人はただ、相手だけを見つめる
至福の時間を過ごします。それは・・・ブッロクバックマウンテン
だけが知っている秘密。でもかけがいのない大切な日々。

ここらへんの経緯は個人的には好きです。
もちろん、そこに行き着くまでのお山での生活も当然
見所だったわ・・・と感じております。
羊さんとの交流・・?・・笑
いや、お仕事風景や、お食事の支度など(豆ばかりだったけれど、一度食したいわ)
自然に恵まれた中での生活ぶりは、清清しいものでしたし、
なぜか癒されるものがありました。大自然の中であったことも
2人の関係を、素直に受け入れ、至福の時間を温かく見守る
ことができたのかもしれませんね。


でも、逆に山から降りてからは状況は一変します。
麓の世界はすべて現実。社会の歯車の中に組み込まれていくしかない
2人にとって、独自の世界を確立することは非常に
困難だたのですよね。
そこで私の感情も少しずつ変わってくることに
なるのです。

20年にわたっての愛の継続ということが
実は実感としてよくわからない部分があります。
1人の人を同じ気持ちのままで思っていられるということは
非常に困難なことであると思っているからでしょうね。
愛は形を変えていくものだと感じるから。
皮肉な言い方だけど、彼らが生活を供にしなかった、あのような
関係だからこそ、20年という長い月日まで関係が持続できたのでは
ないのかな・・・とさえ感じるのです。
彼らの愛したものってある意味、あの頃の
美しい日々だったのかもしれませんよね。
あのままの心で永遠にいられるなんて
それは綺麗ごとでしかないんじゃあないかな・・って思っている
私がいたのも事実ですね。それがどこか冷静に
観てしまった部分でもあるのかもしれませんね。


彼らが別れてから4年。
それぞれは、家庭を持ちます。子どもも生まれます。
時代も、社会の仕組みも当然、そうだったのだから、
当たり前の行動だったのでしょう。
でも、帰るところがあるという基盤を作ってからの
行動がどうしても気になっていたかな。
結婚にたいして、家庭に対しての責任の部分で
どうも解せないところがあったかな。
それはやっぱり私の結婚観や、男にたいする理想像を
どこかで照らし合わせていたところがあるからだと思うんですよね。
ここで私が女だという意識をとっても感じたわね。
もちろん、妻ということや母ということもね。
だからこそ、再会後の彼らが、あまりにも家庭、うん・・妻よね
の存在を意識しなくなっていくという過程が
許せないでいたのかもしれないです。
数ある中から選んだ女性ということは、なにかしら惹かれるものがあったのでしょう。ジャック、イニス双方間で
交わす感情とはまた違ったものを妻達には持っていたには
違いないと思いますが、それが相手に説明たてることもなく
壊されていくのはやはり観ていては耐えられなかったですね。
浮気相手に嫉妬されることもない妻の存在って
そりゃ・・・・残酷なことですよ。妻と寝ても、嫉妬されないんですからね。あら・・完全に妻の気持ちだね・・・・笑
イニスの結婚生活ぶりが
描かれますよね。一見、幸せそうにみえるのに、心の中では
はジャックを思っていたということですよね。
1人の人を思い続けるということは純粋な愛情であるといい、それが他人の思いを無視した上で成り立つ
感情だとしても人はそれは正当化してしまう。
もちろん、それが不倫だって同じだろうけれど今回の場合、なぜか私
厳しい見方をしてしまいました。それは妻が事実を知っていながらも
それを責めることもせず、黙って見守っていたという健気さに
あるのかな・・・とも感じます。
それは相手が男だったから?どうかな・・・そうなのかな。
周りを傷つけない愛など存在しない・・
そう・・存在しないのですよ・・・でも・・・・でも・・
あの奥さんは可哀想だったのよ。・・。それだけ、リアル感があったのかもしれないわね。

イニスは、奥さんを抱く時・・
「避妊して・・・」という奥さんの言葉に「俺の子どもを産む気が
ないのなら抱かない」といいましたよね。
これがね。。。決定打だったね・・・笑
私は解せないのですよ。これはすでに2人の関係が冷めた証拠だと思ってはみても、そんなひどい言葉を投げかけてしまう人間性が
どうも解せないのですよ。
みんながそれぞれ苦しんでいる・・・もちろん、イニスが
苦しんでいたのはよくわかりますよね・・
でもいつまでも自分本位なところが、ちょっとね・・・・って思いましたね。
愛・・愛・・・そうだよね・・・・。愛する人だけを見つめていたいから周りなんてみえない?よね。
恋愛が全てか・・・・。人生において全てになっているのか・・。
そういう思いって自分には今ないような気がするので
ある意味うらやましくも感じているのかもしれません。


家族にすまないと、こちらのほうに罪悪感も
感じながらの逢引だったら、もうちょっと感じ方も変わってきたと
思うのにそれがなかった・・・・。イニスの苦悩は、ジャックと一緒に
なれないこと・・・・。その純な思いが、
周りを見えなくする思いが、怖かったりもしました。
愛って残酷だよね・・本当に。
ジャックに対してだってイニス、もうちょっと労わってあげてよ・・って思いましたね。
いくらトラウマがあったとしても、もう少しなんとかしてあげたら
良かったんじゃないの。会いに行くのはいつもジャックだったし。
可哀想よ・・ってね。
彼は彼なりにどうしようもなかったということだろうけれど。
イニスの不甲斐なさがどうしようもなく私はいやだったのかもしれないよね。

自分に輝かしい素敵な想い出があるとしてそれを
永遠に自分のものにしたいのならば、そこで時を止めることだと
思います。前に進まず、そのままの形で
しまいこむべきでしょう。純愛はそれでこそ、形になるのかも
しれないな・・・なんてそんなことをちょっと感じたりも
しました。


色々言っていますが、
これほど、自分の思いをぶつけることができる作品は
やっはりクオリティーが高いのかもしれないわ・・・と
今になってしみじみ感じているこの頃です。

ヒース・・・もジェイクも以前から好き♪
良かったわ。素晴らしい演技だったわ。
今回、ヒースの変わりように驚いたわね。すっかり雰囲気が変わって
いました。



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年下のひと

先日観た
東京タワーが、年下との恋愛なので、
関連付けて一本紹介~~
その名もずばり
年下のひと


年下のひと  (1999  フランス)  
監督   ディアーヌ・キュリス  
出  ジュリエット・ビノシュ(ジョルジュ・サンド)
   ブノワ・マジメル(アルフレッド・ミュッセ)

女流作家ジョルジュ・サンドと詩人ミュッセの愛と葛藤を描いた作品。
1932年、夫との生活に疲れていたサンドは2人の子供を連れてパリに生活の場を移す。
朗読会の会場で6歳年下の天才詩人ミュッセに出会ったのが、激しい愛の始まり。
社交界にスキャンダラスな話題を巻き起こした彼らは逃げるように、イタリア、ヴェネチアへ旅立っていく。ミュッセの家族は相手が
年上の人妻だと知って賛成はしていなかったので押し切るような形のスタートだった。旅の途中サンドは病に倒れてしまう。そんな
彼女を放ったまま毎晩女遊びをするミュッセ。愛しているのに一緒にいるとうまく行かない2人の出した結論・・。

感想  主人公のサンド、、ミュッセは実在した人なので知識として色々知っていれば、より楽しめる作品でしょうね。
サンドってかなり恋多き女性として有名らしい。後にショパンとも関係があったようだし、手紙のやりとりの中には有名人が沢山
いるそう。2人の愛の物語がこの映画で描かれているんだけど、もう離れたりくっついたり、忙しいこと。どっちなんだか、はっきり
してほしいと思うほどのストーリー展開なんですよ。
ミュッセの方が年下ですからね。母親みたいにやさしく包み込んでくれるサンドの愛に甘えちゃって、好き放題しちゃうんですよね。もともと気ままに生きてきた青年のようだから、落ち着いて生活
していける人じゃあないみたいですね。サンドが病気になった時も「病人の世話は苦手だ・・」って医者任せにして、ふらふらしちゃう
どうしようもないやつ。
でも、機嫌が良かったりするとすりすり寄ってきて「愛しているよう~」なんてつぶやく。いいかげんにして
って、突き放しても、また寄り戻してしまうのが惚れた女の弱みなんですかね。男女の仲って理屈じゃあないっていうことをすごく感じ 
るかな。両方とも才能ある人でしょう。愛し方も情熱的であれじゃあお互いにぼろぼろになること目にみえているんですよ。
同じような激しい愛でぶつかってくるんだから、疲れる、疲れる・・。観ている方はもっと疲れる。ミュッセは詩人ですからね、セリフが
キザ。出会った最初の頃は、サンドに対して「愛することはできない」「僕の心には親友のための場所がある」な~んていっているの。.
そんなこと言っていたってベタベタになるのは時間の問題なのにね。イタリアについたからは、ミュッセが阿片の中毒になって
精神に異常をきたしたり、医者のパジェッロ医師の存在にサンドが心の安らぎを求めたりと色々な出来事が起こってくるんですよ。
結局、2人での暮しは無理だってこと。傷つきあった2人でも、何年かして思い出だすのは若かりし日の激しい愛の日々・・。
まあ、誰でも失った恋って忘れられないものですけどね。ラストの渡されなかった手紙のエピソードには
ほろりとしますよ。この時代って、手紙が重要な意味を持っているし、言葉の使い方が素敵なんですよね。
とにかく濃厚な愛の映画でした。
マジメル君がね、観たくて借りた映画だったけど、良かったですね。芸術家の激しさと、若者の情熱とわがままさが
全身から満ち溢れているの。いいよ~、しょうがないな~って思ちゃあいけないんですよね。苦労してしまう。
この映画でビノッシュとラブラブになって子供できたんですって。実際、35と23だったなんて。年上OKだったんですね。
長いけど歴史的なものに興味ある人はどうぞ。官能的ですよ。
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東京タワー  

東京タワー  (2004)

監督: 源孝志
製作: 奥田誠治
原作: 江國香織  『東京タワー』(マガジンハウス刊)
脚本: 中園ミホ
源孝志
テーマソング: 山下達郎  『FOREVER MINE』
ノラ・ジョーンズ Norah Jones  『スリープレスナイト』
出演: 黒木瞳・・ 浅野詩史(しふみ)
岡田准一・・・ 小島透
松本潤 ・・・大原耕二
寺島しのぶ ・・川野喜美子
宮迫博之・・ 川野
平山あや ・・吉田
加藤ローサ ・・由利
半田健人・・ 橋本
余貴美子・・ 小島陽子
岸谷五朗 ・・浅野

直木賞作家・江國香織の同名小説を映画化したラブ・ストーリー。
2組の青年と人妻の恋愛模様を描いております。
売れっ子CMプランナーを夫に持つ41歳の詩史。
彼女は3年前から友人の息子で当時高校生だった透と
付き合っている。
一方、透の高校時代からの友人・耕二も、同年代の恋人がいながら最近、35歳の人妻・喜美子と関係を持ち始める・・
2組のカップルの行方は・・。

感想
地上波で放映されていた東京タワーを観ました。
もちろん、録画して・・・笑。さすがに家族で観るにはちょっと厳しいでしょう。
原作は江國香織さん。私は未読です。
公開時はなにかと話題になっていましたよね。
美男、美女カップルでしたからね。

年齢的には寺島さんと、黒木さんに
ほぼ近いし、どこか共感できる部分があるかな・・と
少しだけ期待はしたのですが、これが一向にそうならない・・・笑
岡田君が捨て犬みたいに、うるるるした目で、訴える場面だけが
印象的でした。あと、遠くからのシャワーシーンとかね・・。
(あきらかにサービスシーンとしか考えられませんが。唐突なんだよね・・・笑)セクシーに撮られていたので、結構なことではないでしょか・・。
作品は、いわゆる不倫もの。
かなり現実離れした設定で、ロマンチックで、お洒落な映画。
音楽は、ノラー・ジョーンズと、山下達郎ですものね。
雰囲気で酔って下さい・・・ということかな。
岡田君扮する透は、黒木さん扮する詩史の電話を
1人、豪華なお部屋で、待っているのよね。
相手は主人もちだから自分からは電話ができないのよね。
バイトもせず、1人いじらしく待っているの。偉いわ~~~笑
って、今時そんな男・・いるんだ・・・って、えらく驚き・・。
ラフマニノフを聞きながら、グレアム・グリーンを読みながら・・。
愛する詩史さんが教えてくれたものたちに
囲まれながら、電話がくるまでの時間を楽しんでいるんですよ。
素晴らしい・・・・・我慢の、忍耐の男。
そこまで待つ価値がこの詩史さんにはあるらしいんですよね。
私には到底理解できないけど・・。

ここまで徹底される内容ですと、逆にはアッパレとほめてあげてしまいたいです。

黒木さん、優雅な暮らしぶりでしたね。対する岡田君も、意外と
お金持ちの坊ちゃんで・・・・。
真剣だとお互いが言えばいうほど、うそ臭く感じてしまいました。
出合って一瞬で恋に落ちたっていう設定だけど、
それってどうよ・・・。見た目から入っているわけ?
これってただ、欲望で、結びついたっていう感じよね。
もっと、心の機微を見せてもらいたかったですよ。
って、そういう映画ではないんだろうね・・・・。

恋愛ってもっとドロドロなのにね。いい部分だけ切り取って
つなげた感じの物語ですよね・・・。
まあ・・綺麗なものだけをみたい・・・いう思いに
答えてくれる映画でもあるでしょうか。

年齢差の不倫カップルといえば、
叔父様と若い女性が定番だったわけですから、
時代は変わりましたね。
これは、男性に対する女性の反撃ともとれますよね。
女性だって年取っていたって、まだまだ恋だって
できるんだ・・・・魅力的なんだ・・・ってね。
でも女性の場合は、やや不利な面がありますよね。
肌のつやとか、体型とか、いわゆる外見的なものは
どうしても若い頃より落ちますし・・。男性の外見変化とは
違うような気がしますからね。
もう私には恋なんて・・・と思う
年齢層に勇気を与えてもくれるような設定?
いやいや・・それは違うのよね。
黒木さんが演じているから上品に
見えるだけで・・。純粋な恋愛にみえるだけで・・・。
現実はぜんぜん違うんですよね・・・。

世の女性たちはたいてい黒木さんにはなれないし、
黒木さんのような行動はしませんよ。
これじゃあ、まったく、入っていけない作品だわ。

詩史さんと、岡田君扮する透は18歳の時に出会ったんですよね。
岡田君のお母さんがその事実を聞いて「あんた、それじゃあ・・犯罪だよ・・」ってと発した言葉に思わず、笑っちゃいましたよ。
そうよね・・・犯罪よね・・・。一番いい年齢をそのまま、そっくりですからね。

どちらかというと、寺島さん扮する主婦の方がやや現実的でしたけれど。それでも、ああいう行動はしないよね・・・もっと
納得できる心の動き見せてよね・・・・と思えるふしが
いくつかありましたね。クルマぶつけちゃうとか・・・エプロン姿のまま乗り込むとか・・・、平凡な主婦には考え及ばない行動
ですものね。あ・・・恋に狂うとああいう風なわけ?
でも、寺島さんの相手の耕二君には、狂うほどの魅力は感じられなかった
けれどな・・。

「恋はするものじゃなくて、
落ちるものなんだ。」
書いてみたかったね・・・・このセリフ。
現実でこんなセリフ言う人に会ってみたいな・・・笑

私は、出演者の誰のファンでもないので
お金は払ってまで見なくてもいいかな・・・っていう映画に
感じました・・・。
大きいぞ・・画像!!!笑
TokyoTowerTop.gif

ジュリアン・サンズ

昨日、メダリオン・・やっていましたね。
ジャッキー・のアクションもの。
これにサンズが出ているというのをきいていたので、
ラスト10分だけ観ました。

そんな見方して、映画に対して失礼ですが、
録画してまでも見ようという根性がなく、
そこまで自分をかりたたせる作品には感じられず、
ごめんなさいね・・・ジャッキーといいながら
最後だけ観ました。

いや・・・サンズ戦っていました。
アクションしていました。
竜なんかがお腹から出ちゃって、凄かった・・。
どういった映画か、よくわからなかったのですが、
こういったジャンルの作品に、サンズが出ているということに
あらためてショックを感じました。

最後はお決まりのNG集もありましたね。
ジャッキー映画は、プロジェクトAが最後かな・・いつの話・・よ・笑

今、手元に
キングのローズ・レッドがあります。
これにもサンズが出ているとか。

つまらなそうだけど・・・笑。長いな・・。
観ることができるかな。

ともかく・・・作品選び何とかして欲しいよ・・・サンズ・・・泣。

輝きの海 

輝きの海  (1997)  (イギリス)
監督 ビーバン・キドロン 
製作: ポリー・タップソン
   チャールズ・スティール
原作: ジョセフ・コンラッド 
脚本: ティム・ウィルコックス
撮影: ディック・ポープ 
音楽: ジョン・バリー 
 
出演: レイチェル・ワイズ 
ヴァンサン・ペレーズ 
イアン・マッケラン 
キャシー・ベイツ 
ジョス・アックランド 
トム・ベル 
ゾー・ワナメイカー 

 
英文学の巨匠ジョセフ ・コンラッドの短編『エイミー・フォスター』
の映画化。

イギリス南西部、コーンウォール。
無口で人から変わり者とみなされている
エイミーは海だけが心の友だった。
ある日、嵐で難破した船の唯一の生き残り
ヤンコが村に現れる。村人たちと言葉の壁からコミュニケーション
がとれない彼もまた、孤独に悩まされる人間だった。
そんな彼にエイミーは優しく接する。
いつのまにか、お互い恋心が芽生えて・・。


感想   期待しないで観たらこれがとっても良かったですね。
ちょっとうれしくなって皆に報告したくなる作品でした。
お話はとっても暗く、けっしていい気分になる映画では
ないのですが、主人公2人の逆境をものともせず、突き進む姿に
かなり、胸熱くさせられます。
なんといってもレイチェル・ワイズが素敵です。
芯の強さを感じさせるきりりとした表情、神秘的なたたずまい
もの哀しい目線ではあるものの・・・惹きつけられてしまう・・・そんな魅力ある女性像をつくりだしておりました。
彼女の作品は、初期の物をいくつか見ているのですが、
こういった陰りのある女性像がとても似合いますね。


閉鎖的な小さな村。
よそ者や、変わり者に対してはひどく偏見をもって
接してしまう人々ばかり。これは現代でも重なる部分がありますよね。
人って、噂話や見かけの姿に惑わされやすいものですからね。
でもでも、当然、中には、彼らを理解しようとつとめる人々もいるわけです。人間って、すべてが悪い人ばかりではないんだよね・・
どこかに自分達を理解し、認めてくれる人がいるっていうのは
うれしいことでもあります。
ヤンコ(ヴァンサン・ペレーズ)は、見知らぬ土地からきた人物。よそ者です。
そういったものにひどく敏感な人々にとっては当然、敵対視する
人物としてみてしまいます。
目を覆いたくなるほど、扱いはひどかったですね。
アメリカに夢と希望を求めて、向かったのに、
その夢は志半ばで、敗れ去り、やっとたどり着いた土地での
仕打ちですよ。うらんでしまうの当然なのに、与えられた運命を
受け入れる姿には涙・・・です。
ヤンコの昔の姿を知っている分、つらさが増すのです。
そんなヤンコをケネディ医師(イアン・マッケラン)だけは
擁護します。彼の才能を認めていたからかな。難破船からの
タダ1人の生き残りということで同情感があったのかな・・。
常識的な人間としての当たり前の行動からかな。
と色々な考えが浮かびます。ですが、ここで疑問が。
ケネディ医師は住民のエイミーには、村人達と同じように
冷たい目線をおくるんですよ。ここで思うことは
、この医師が、ヤンコにこだわるのは、もしかしたら
ヤンコへ愛を抱いているのかもしれないという推測。
ここはあくまでも私が感じたことですが、単なる人助けとは
思えないふしも作品自体に感じられるからです。

エイミーは、不幸な出生の秘密を持っています。
親の愛に恵まれず心を閉ざしがちで、海だけを理解者としてきました。
そんな境遇の彼女だから、ヤンコと結びついていくことになる
話の展開には、喜ばしいものを感じました。
幸せになってほしい・・・・なって欲しい・・・
そう思いながらの鑑賞でしたが、
些細な行き違いから結局、哀しい結末を迎えてしまいましたね。
それでも・・・2人が歩んできた日々は、いつわりのないものだったのだから、悲しむべきことばかりではないと思います。

ミステリアスな雰囲気を漂わせた
ラブストーリーでした。車椅子生活をしているミス・スォファー(キャシー・ベイツ)もいい味だしております。けしてホラー的な人物ではないです・・笑
レイチェルの新作
「ナイロビの蜂」もまもなく公開ですね。
今度はどんな女性像をみせてくれるのか・・

楽しみです・。







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ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ! ('99)

ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ! ('99)


監督: アレクサンダー・ペイン 
製作: アルバート・バーガー 
デヴィッド・ゲイル[製作] 
キース・サンプルズ 
ロン・イェルザ 製作総指揮: ヴァン・トフラー 
原作: トム・ペロッタ 
脚本: アレクサンダー・ペイン 
ジム・テイラー 
撮影: ジェームズ・グレノン 
音楽: ロルフ・ケント 
 
出演: マシュー・ブロデリック (ジム・マキャリスター )
リース・ウィザースプーン ( トレイシー・フリック )
クリス・クライン(ポール・メッツラー )
ジェシカ・キャンベル(タミー・メッツラー)
マーク・ハレリック ( デイヴ)
モリー・ヘイガン ( ダイアン・マキャリスター)
デラニー・ドリスコル ( リンダ)
ローレン・ネルソン ( 用務員)
フィル・リーヴス ( 校長)
コリーン・キャンプ (トレイシーの母)



アレクサンダー・ペイン監督/脚本作品。
ハイスクールの生徒会長選挙を題材にしたブラック・コメディで、原題は『Election(選挙)』。
人気教師のジム(マシュー・ブロデリック)は、
優等生トレイシーのことを快く思っていない。
自分のキャリアのためだけに生徒会長の座を狙っている事に
疑問を感じているし、自分の同僚と不倫をしていたということも
ひっかかている。
そんなわけで、彼女の対抗馬として
人気者のスポーツマン、ポール(クリス・クライン)をかつぎあげる。
結局、彼の妹まで加わり、3人での争いになってしまう。


感想  お友達のつるばらさんに教えていただいた作品ですが
これがとっても面白かったです。
まさに、掘り出しものですよ。
題名が、お色気、オバカな学園もの・・のイメージなので
相当損をしている作品であろうかと思います。
逆にいうと、そういったお色気部分の映像を期待していると
肩透かしになります。
シャワーシーンやベットシーンはないしね・・。
あ・・・・・失礼、冒頭で、マシュー・ブロデリックは
シャワー浴びるんだっけ・・笑。
それにしてもマシュー・・親父臭い体つきになったな・・・笑
80年代の彼を知るものとしては、かなりのギャップを覚えたり
しますよ。あの頃は彼が学園ものの生徒でしたからね。
映画は、
このマシュー扮する先生の、受難のお話。
トホホな男の人生でもあります。。
アレクサンダー・ペインといえば、アバウト・シュミット・・・サイドウェイとともに、男性主人公の、ダメダメぶりをみせてくれた
作品が思い出されますが、この作品こそが、その路線の出発点とも
いえましょう。
ダメダメ男といいながら、どこかで同情もおぼえてしまうのが
みそ。
しかし、それだけではないのよね。
結構奥が深い映画なの。
この教師は、上昇志向の女生徒にに振り回されたあげくの
トホホ人生になるんですけど、この上昇志向という価値観自体を
どうよ~~~~と問題提起もしているわけ。
かといって、否定的な感じではないのよ。
いや、むしろ、そういった人生志向について肯定的にみているように
感じるわね。そうやって、優等生で生きる生き方はまんざら悪くはないよねともいっているみたい。
でも、別に、トホホな人生を送るはめになった先生を、ダメダメで
終らせているわけでもはないのよ。
チャンスの国、アメリカだからね。
救いもきちんと用意しているの。敗者復活戦もありなのよ。
つまりお国柄の考え方がよく表れている面白い作品でもあるわけ。
そんな難しいことを考えなくても充分楽しいので
だまされたと思って是非みてみてくださいな。

最初、各人物紹介を、ストップ画像&ナレーション付きで紹介しているのがなかなかユニークよ。
なぜか、こんなところで、止めるの?と感じるような映像ばかりなのが笑っちゃうけど。
特に、リースの停止画像は、彼女が一番ブスっぽい表情の時じゃあ
ないの・・・って感じるのは私だけではないはず。
だけど、それでも可愛いな・・。ブスといっても彼女のいつもの顔からしてというだけで、普通からしてみれば充分可愛いもの。

生意気な感じだけれど憎めないよね。
先生の方は、生徒相手になによ・・・ってちょっとムッとしたりも
するんだけれど、小細工する姿や、頑張る姿が
かえっていじらしくもあるわね。
哀れにも感じたりするのよね。
特に授業中に浮気相手の女との情事場所をセッティングする様は
いじらしすぎて涙でそうだったよ・・・笑

ゴミ・・・っていうのが、キーポイントでしたわ。
小道具の使い方、伏線のはりかたうまいわ。

気楽な感じで見てもらえればいいかな・・って思います。

ちなみに
1999年アカデミー脚色賞ノミネート、NY批評家協会脚本賞を受賞しているんですよ、この作品。

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  • Author:みみこ
  • レイフ・ファインズ好き
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