海と毒薬

海と毒薬 (1986)

監督: 熊井啓
原作: 遠藤周作  『海と毒薬』
脚本: 熊井啓

出演: 奥田瑛二 勝呂研究生
渡辺謙  戸田研究生
岡田真澄 ハットリ調査官
成田三樹夫 柴田助教授
西田健 浅井助手
神山繁 権藤教授
岸田今日子 大場看護婦長
根岸季衣 上田看護婦
草野裕
辻萬長
津嘉山正種
千石規子
黒木優美
戸川暁子
田村高廣  橋本教授

 太平洋戦争末期に実際に起こった米軍捕虜に対する
生体解剖事件を描いた遠藤周作の同名小説を映画化。
医学部の研究生、勝呂と戸田の二人は
ある日、教授たちの許に呼び出され、
B29の捕虜8名を使った生体解剖実験を手伝え・・・・と。
戸田は即決したが勝呂はなかなか返事ができずにいた。


感想  あまりにも有名な遠藤周作の「海と毒薬」
原作は未読です。でも内容は知っておりました。
今回図書館ビデオで、鑑賞。

モノクロなんですよね、これ。
当時の雰囲気がよくでておりました。
また手術シーンも、モノクロによって、より
リアルに見えたという感じがします。カラーだとかえって
うそ臭く感じるんですよね。

前半は、病院の体制について。どんな人間関係が渦巻いているかが
簡潔に描かれています。そこでメインになるのが、
橋本教授による一件の手術。
これは、彼がトップに這い上がるための、成績をあげるための
一例として実行された手術でした。
実は簡単なはずだったんです・・それが・・。
この手術の例をみても、どんなに病院内部が
腐りかけているかがよくわかるんですよ。
医師の頭にあるのは
出世、出世なんですよ。
患者は、自分達のエゴを貫き通すための道具としか
みなされておりません。
病院ものでは以前ドラマで観た
白い巨塔を思い起こさせる展開でした。

手術ですが、本物の人間の血を使ったとか。
もう本当にリアルですよ・・泣。
どんどんのめりこんでみてしまいますよ。
でも気持ちは悪いです・・・。

後半は人体解剖について。
これもリアル。
捕虜をどうやって不審がらせないで
診察を受けさせるか。何気ない会話から入る手法が見事ですよ。
事の始まる前の静けさ・一見穏やかに見える会話・・。

怖い・・怖いです。
腹の中では醜い、とんでもないことをたくらんでいるのに
それを微塵も感じさせず、
にこやかに、捕虜に話しかける医師。

捕虜を使った人体解剖も
実にリアル。
その様子を興味本位だけで見学にくる日本の将校達・・。

事の善悪とは・・。
倫理観とは・・
色んなことを考えさせられます。

戦争という背景も、この事件に大いに影響を
及ぼしていると思いますね。
捕虜なら、どう扱ってもいいのか・・。
医学のための、殺人と、戦争での殺人の
意味に違いはあるのか・・。
医師はこの場合どう対処したらよかったのか。
そして自分達が当事者だったら
どう行動したのだろうか。

勝呂研究生と戸田研究生は
正反対な人物として描かれます。
罪悪感におびえる勝呂研究生と、心に痛みを感じないことに
かえって疑問を感じる戸田研究生。

色んな考えが渦巻いて当然と思います。
これが実話ということが
何より、恐ろしいことだと思いました。

原作も是非読んでみたいな・・

出演者・・
主役の、謙さんと奥田さんの若い頃を観ることが
できたのはラッキー。
田村さん、岡田さん、最近、お亡くなりになられましたよね。
ご冥福をお祈りします。
そして成田さんはすでに故人ですよね。
残念で寂しい気もしました。

名作ですよね。
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故郷の香り

故郷の香り (2003) (中国)
NUAN


監  フォ・ジェンチイ
原作 モー・イェン 「白い犬とブランコ」
脚本: チウ・シー 
撮影: スン・ミン 
音楽: サン・バオ 
 
出演: グオ・シャオドン 井河(ジンハー)
リー・ジア 暖(ヌアン)
香川照之 ヤーバ

第16回東京国際映画祭で東京グランプリと優秀男優賞(香川照之)を受賞。
 
 

 北京の役所に勤め、妻と息子と暮らすジンハーは
高校時代の恩師が抱えたトラブルを解決するため、
10年ぶりに帰郷した。
恩師と会い、目的を果たしたジンハー。明日は帰るというときに
偶然、初恋の女性、ヌアンと再会する。
当時の面影はなく、やつれた感じが漂う彼女。
ショックを覚えつつも、彼女の家へと招待されるジンハー。
彼女は、ヤーバという粗野な男と結婚しており、すでに6歳になる
女の子がいた。
10年前の想い出が甦ってくるジンハー。


感想

地味映画としてお友達から紹介されていた一本です。
つるばらさん、ありがとう・・。
実は、私、この監督さんの作品を観るのは初めて。
「山の郵便配達」「ションヤンの酒家(みせ)」・・。
名前は知っているけれど、観るチャンスがなく、今まで来てしまいました。前作飛び越しての、この作品ですが、
なんて瑞々しい映像を撮るのでしょう・・・と感激。
確かに、地味・・という言葉にふさわしい・・笑
作風でしたが、しっかりと心に響いてくるものがありました。
それとともに、ちょっと複雑な思いも感じたので
あわせて感想を書きますね。

10年ぶりに故郷に帰ってきたジンハー。
長らく帰らなかったのは、
怖かったからだといいます。
初恋の相手ヌアンに会うこと、会えないことが・・・。
約束を果たせず、そのままにしてしまったことが罪の意識となって
いたからでしょう。
でも、それだけではなく、
北京での生活が楽しくもあり、忙しくもあり、
過去を振り返ってみるような心境にならなかったのもしれませんよね。
都会において、前に進むことだけを考えてきた
彼にとっては、やはり過去を振り返るには年月が必要だったのかもしれません。
これは誰でもが味わう感覚かもしれませんよね。
10年という年月は、そんな風に、昔を懐かしむには
いい節目の年月かもと思います。


初恋の人に会うのが目的ではなかったにしろ、
その故郷の土を踏んだ時に心を過ぎったのは、昔心を寄せていた
女性だったに違いありません。
忘れていたのではなく、あえて思い出そうとしていなかった
彼女の存在。それはやはり自分に非があると考えていたから
でしょうね。


彼女に詰問されたらどうしよう・・・、そんな思いがあったからかもしれません。
「何言ってんのよ。そんな約束、若い頃のことでしょ?
気になんかしていないわ」っていう、安心できる言葉を期待していたのでしょうね。
そう、明るく言ってもらえれば少しは
気も楽になったかも。

でも実際に出会った彼女・・・気にしていない・・・という意味合いの言葉を言うものの、彼にとっては心が晴れる感じがしない・・

なぜなら、
今ある姿があまりにも
以前の彼女とかけ離れている=苦労しているという
のがありありわかるから。
仮に自分が迎えに行っていたら、彼女は違った人生を送っていたんじゃないかという思いが彼の中に少しは横切ったんじゃあないのかな・・。

故郷で再会した2人。
すれ違った時、彼女はすでに彼だと・・・理解していたのに
声さえ、かけなかったヌアン。

彼女は振り返っている余裕などないのでしょうね。
甘い想い出に浸ってみようという気持ちも自分からは
なかったのでしょうね。
現実の生活でいっぱいで・・・。


この物語は、男性側のノスタルジー。
多少、センチメンタルになっている部分が
あると思います。私は女性なので
どうよ・・と思うところがありました。
自己中心的に感じられなくもないかなって。
誰でもが自分が捨てた(とまではいいいませんが・・)
期待を裏切った相手は、幸せになっていてほしいという
願望がありますよね。自分だけが幸せでは申し訳ないと・・。
それが、今目の前にいる、ヌアンは
どうみても、苦労しているようにしか見えない・・。
あわせて、彼女にふさわしくない
相手・・・・・。(とジンハーは彼女本人向かっても
つぶやいていましたが、よくよく考えればそんなこと
いえた義理でもないのではと・・・。余計なお世話よね・・って・・笑)
若いときの恋って実る方が珍しいのであって、
たとえ、成就しても、
すれ違いとか、行き違いとか、ほんの些細なことが
原因でうまくいかなかったりしますよね。
だから、2人の関係がうまくいかなかったのは
なにも彼1人の責任ではないのかもしれません。
自然と、時の流れの中で、気持ちがずれていったのかも
しれないのだから、誰も責めることなど、
できないのかもしれません。でも彼が自分の気持ちに正直に
告白すればするほど、話の流れを追っていけば
追っておくほど、どこか彼の行動を責めてしまう
自分がいました。たぶん、男性に厳しい私・・だからでしょう・・・。笑


結婚したヌアン。
夫は、粗野な男ヤーバです。
若い頃からの知り合いだけれども、どちらかというと
彼女は恐れていたはずの男だったのに・・・。
自分の知っているはずの彼女は、美しく、踊りが好きで
いつも輝いていたはずなのに・・・・。
どうしてなんだろう・・・。


 ヌアンの家に訪問して食事をいただくジンハー。
娘を見ながら、ヌアン夫婦と会話しながら
その中で過去のヌアンとの想い出が次々と
思い起こされます。

彼の目から見た、素敵な女性ヌアンの若い頃。
あんなことも、こんなこともあったね・・・・という
具合。
必ずしも、若い2人が相思相愛で順調に愛を育んで言ったとは
いえません。

ジンハーにとっては初恋の相手ヌアンでしたが、
ヌアンにとっての、初恋の相手は、京劇を演じている役者。
最初から思いが同じわけではなかったのです。
彼女が恋に破れたとき、同時に彼も恋に破れたのですよね。
ヌアンにとっては、ジンハーは2番手という存在でしかなかったのかもしれません。むしろ、大好きの人という相手でもなかったのかも・・。

それでも、自分をどこかに連れ去ってくれる人ということで
期待はしたに違いありません。
私を思ってくれる相手なら、信じてみてもいいのかと・・・


裏切られた彼女はやっぱり可哀想。
でも、それも運命なのかな・・。


ブランコ。
まるで、人の気持ちのようにユラユラと・・・。
幻想的な場面でもあります。


太田裕美の
「木綿のハンカチーフ」をなぞったような物語展開。


それにしても、ヤーバの行動には
うるうるきました。
基本的に、片思いの人間の気持ちというものには
すんなり感情移入できる私。
一途な彼の思いは、大いに理解できるところで
ありました。
普通・・・できる?あの最後の行動

そんな行動見ていたら、
ますます、北京に行った彼・・・ジンハーに
むかむか。。。した気持ちが湧いてきましたよ・・・笑

彼の新たな約束は
今度こそ、守って欲しいと思いましたね。
北京に戻ったらそれまでよ・・・とはならないことを
願いたいですね。


この映画に出てきたお蚕・・。
先日・・子どもが持って帰ってきました。
意外と可愛いのね♪
村の生活風景・・・。
素朴な人々をみていると、心を洗われるような感じが
しました。
幸せの尺度ってそれぞれ・・・
私は、ヌアン・・・は、今、
愛する人に守られて
とっても幸せであると解釈しております。


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プルートで朝食を

プルートで朝食を (2005)
BREAKFAST ON PLUTO

( アイルランド/イギリス)

監督 ニール・ジョーダン
製作 ニール・ジョーダン
アラン・モロニー 
スティーヴン・ウーリー
原作 パトリック・マッケーブ 
脚本 ニール・ジョーダン 
パトリック・マッケーブ

 
出演  キリアン・マーフィ 
リーアム・ニーソン 
ルース・ネッガ 
ローレンス・キンラン
スティーヴン・レイ
ブレンダン・グリーソン 
ギャヴィン・フライデー 
イアン・ハート 
エヴァ・バーシッスル 
ルース・マッケイブ 
スティーヴン・ウォディントン 
ブライアン・フェリー 


教区司祭であるリーアム神父の家の前に
赤ちゃんが捨てられてる。
神父は、近所のブレイドン家にその子を
養子として出す。子どもはパトリックと名付けられ、すくすく成長。
しかし、ちょっと風変わり。
幼少の頃から女性の衣服や化粧に興味を持ち、
高校生となった今は、完全に女性的な振る舞いでみんなから
奇異の目で見られていた。
それでも彼を理解してくれる仲間もいて楽しい学生時代。
愛称で、キトゥンと呼ばれる。
しかし、ブレイドン家に居づらくなった彼は
実の母親がロンドンにいるらしいことをきき、
ロンドンへと旅立つ。


感想

行きましたよ。銀座まで・・・・笑
前回、ギャンブル・プレイも銀座・・・泣。
なぜに、都会で、それも一館でしか公開されないんですか。
もっと近場でもやって欲しいわ。ということで、はるばる出向いたわけですが
観て来て良かった!!あなたについてきて良かったよ・・・笑
という満足感でいっぱいになった作品でした。
ハイ・・・パンフはもちろん、サントラも
買ってしまいました。
聞きまくりながら、クライング・ゲームまで再見しております。


さて、作品ですが、
コメディタッチの青春ストーリーです。
コメディっていうのは知っていましたがこんなキュートな出来になっているとは想像もしておりませんでした。
音楽も思った以上に、効果的に使われていて、
楽しく、そしてほんのちょっぴり涙も流れる
素敵な作品でしたよ。
作りがお洒落。遊び心沢山ありました。
まず、こまどりの語りをいれて、ファンタジックでお茶目な感じを漂わせ、ストーリーを章ごとに区切って副題をつけておりました。
DVDのチャプター機能みたいよ。
毎回、つぎにどんな展開が待ち受けているか
少しばかりの期待感を味わうことができました。
段落わけのようでもあり、
非常にわかりやすいかったです。
それもかなり細かい仕分け。36章まであったかな。
ユニークでしたね。


アイルランドからロンドンへ。
もちろん、IRAの紛争も背景として描かれますが
小難しいことは一向にありません。
キトゥンはどんな時も前向き。
困難、試練があっても、想像の世界を作り出しながら
プラスの方向に導きます。
それは彼がもって生まれた
才能なのかも。
彼の、天性の魅力が、多くの男性をひきつけるのです。
いつでも、誰かが寄り添ってくれるんですよね。
もちろん、利用され、だまされることも多多
ありますが、
それでも、それを明日へのバネにしているよう・・
なるようになるさ・・の具合で。
悲劇さえも、人生の一部と受け入れる
度量の広さが観ている人を勇気づけさせるのかも
しれません。

恋に破れ、友を失い、傷つき・・・・
それでも進んでいけたのは、幻の生みの母親に会うという
最大の目的があったから。
彼にとって、母親との再会は、
自分自身の存在を再確認にし、新たな出発への契機に
なるものだったのですよね。

求めていたのは母の愛。
でもそれに勝るとも劣らない
素敵な愛があることも
知りえたんじゃあないのかな。


人それぞれ。
みんな違ってみんないい・・。
あれ・・こんな言葉どこかで・・・みすずさんの
「わたしと小鳥と鈴」ですね。

たとえ、異端児のイメージを植え付けられても、
自分がありのままで生きることこそが
幸せな生き方であるとあらためて教えてもらえたような
映画でした。


けっしてネガティブにならない姿勢がいいのよね。
内に込めないで常に外に打ち出すという
エネルギーが観ていて心地よいです。

彼を取り巻く脇の人たちも
どれも個性的で良かったですね。

チャーリー・アーウィン・ローレンス。
彼を認め、支持してくれる大切な仲間。
性別なんて関係ないんだよね。お互いの心が通じ合っていれば
友情を深めることはできるはず。
観ていて微笑ましかったわ。


リーアム神父。聖職者なんだけれど、特別には
扱っていないの。彼も、1人の男性、人間として
充分、人生悩みながら生きてきたんだよね。
私、キトゥンの妄想の中に出てきた
リーアム神父の姿が好き・・・笑える以前に
実に可愛らしくって、愛おしくなるのよ。
そんなコミカルな様をリーアム・ニーソンが演じていることが
うれしく感じたわ。そこにいるのは
クワイ=ガン・ジンの彼ではないのよ・・・笑
どちらかというと、ラブ・アク~のような人間味溢れる
彼。リーアム・ニーソンがそんな役、やっているんだよ。
必見だよね。



マジシャンのスティーヴン・レイ 。
彼のエピソード面白かったわ。マジックする姿は
実に楽しげ・・・。ちょっと困った顔を見せるところは
相変わらず。ずるいかなと思えても、憎めない
ところを持っているので許せちゃうの。(あ・・私だけか)
彼とキトゥンとの絡みは
『クライング・ゲーム』を思い出さずにはいられないよね。
ああ、たまらないよね、この意識したかもしれない作りがね。

主人公のキトゥンに扮したキリアン・マーフィー。
私、あんまり好きじゃあないタイプなんだけれど、
今回は男を捨てていたからね、今までのイメージとは
違って見えたわ。あの素の顔が苦手なんだけれど・・・笑
女性に変身すると、あの顔が・・・かえって魅力的に
思えるわね。
段々と変貌していくわけだけれど、
とくに後半以降は、本当に美しくなっていくのよね。
声もね、ああいう声だせるのね。
色んなコスチュームみせてくれましたけれど、
私は、ショウで活躍しているときに毎度毎度目を見張ったわ。

バンドとしてインディアン姿で歌う彼女の、美しいこと。
あれポカポンタス?なの。わからなかったですよ。
マジシャンとして舞台に立つ時の姿も、いいわね。
スター性を秘めたキャラなのよね。表舞台で光るタイプ。

もちろん、取調べで妄想する世界での彼の活躍も
忘れてはいないわよ。
香水シュ・シュ・・・。なんて粋な
攻撃手段なの!!!


最後も粋な終り方。お涙頂戴、感動秘話になっていたら
どうしようかと思いましたけれど、本当、粋な終り方でしたわ。
最後まで、手抜きのない作品。

満足・・。


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サントラは以下の曲。
1. シュガー・ベイビー・ラヴ
2. ユー・アー・サッチ・ア・グッドルッキング・ウーマン
3. 傷ついた心
4. プルートで朝食を
5. アローはともだち
6. ハニー
7. ワン・ワン・ワルツ
8. キャラバン
9. 愛のフィーリング
10. 風のささやき
11. サンド
12. チルドレン・オブ・ザ・レボリューション
13. ウィッグ・ワム・バム

エンディングに流れるのが
10、「風のささやき」・これ聞いて、
あ・・・私、購入しなきゃ・・・と思いましたよ。
マックイーンの「華麗なる賭け」でも使われたこの曲。
雰囲気あっていいよね。
12、「チルドレン・オブ・ザ・レボリューション」
T・レックスの曲。
これ、「ムーランルージュ」でも流れていましたね。

当時の音楽は詳しくないのですが、
楽しい楽曲ばがりなので、聞いていても飽きませんわ・・。

音楽好きならこちらも是非。

ブッチャー・ボーイ

「プルートで朝食を」を観たら
この作品も思い出しました。
原作者同じなのね。
似ているところありましたもの。
もちろん、こんなに毒気はなかったけどね。


これも一見の価値あり。
未公開というのも不思議です。

感想は前のものね。





ブッチャー・ボーイ  (1998  アメリカ) 

 監督 ニール・ジョーダン 
 出  イーモン・オーウェンズ
   スティーブン・レイ
   フィオナー・ショー


60年代初頭のアイルランド。酒浸りの父。精神を病んでいる母。
そんな家庭に育っているフランシーだが、明るさを失わない、腕白な子供。少々口は悪い。友達ジョ-と血の兄弟を
交わした間柄で、友情も順調だったのだが。鼻につくニュージェント婦人の存在にかき回され、フランシーの
妄想は段段とエスカレートしてくる。いたずらがひどくなり、精神病院や更正施設に隔離されたりする。
次第に自分を守ってくれるものが失われて行く中、彼の行動は異常なものとなってしまう。


感想  
 ベルリン映画祭1998年第48回監督賞受賞。ニール・ジョーダン監督の未公開作品です。
少年が引き起こした衝撃的な事件が描かれています。ホラー映画の部類に置かれていますが、目を覆うほどグロイ場面は
でてきません。ブラック・コメディーの要素もあります。しかし、少年の起した事件が事件なもので(猟奇殺人)、
観る人にとっては不愉快さを感じてしまうかもしれません。さらに深刻ぶって描かれるのでなく、笑ってすませよう・・みたいな
感覚が受け入れにくいかもしれません。ファニー・ゲームも理不尽な犯罪がテーマでしたが、全く救いようが
ないものでしたよね。観ていて腹立たしいくらい。しかしこれは犯罪を描いた作品ではなく、少年の中で屈折した思いが膨らんで行く
過程を興味ぶかく描いたものとして考えると
とっても面白い作品です。

この少年フランシーが非常に強烈な個性をもった子供。口調が小生意気で、鼻につくような態度を示します。お山の大将的存在。
でも母親思いだったり、父親思いだったりするのが随所に見られるんです。根はいい子なんだな~って。スティーブン・レイがだめ
オヤジを演じているのですが、憎めないんですよね。父親の死体の傍で何日も暮す彼の気持ちは、計り知れないものを
感じさせます。その死んだ父親と引き離される時、死体の上のパラパラと落ちる白い花?がとってもきれいで美しかったです。
なんともこの父子に哀れさを感じました。つらくても一生懸命に生きていくフランシー。誰か早い段階で気付き、
愛情をしめしてあげれば、苦しむことはなかったかも
しれません。唯一の親友ジョーとの別れが彼をさらに追い詰めて行ってしまったのだと思います。親友の裏切りは彼の心を
とても傷つけてしまったのですよね。
強がりばかりいっているけど、本当は弱く
泣き出しそうだったに違いありません。宗教的なもの、階級的なものに対する批判も込められています。
子供の人格は環境によっていかようにも
変化してしまうものだと思うと恐ろしい気もします。
映画のうわべだけを観て判断すると厳しい答えがでてきそうですが、
違った観点から観てみると、学ぶべきことが多い映画であると思います。ラストはマリアさまを登場させて救いの形をとっています。
難しいテーマをよく映画にしたな・・・と思えるような作品です。時折映るエイリアン(カメンライダーみたい)と、
ちょっと意味不明な彼の世界観も不思議な雰囲気をかもしだしています。
観る人を選ぶ作品かもしれませんが、
興味がある人は是非。

いかがでしょう。

ぼくのバラ色の人生

今日は過去作品からいくつか紹介。

昨日「プルートで朝食を」を観てきました。
とっても良かった!!

ジョーダン監督、やったね・・って感じですね。

シュガー・ベイビー・ラブ聞きまくっています。
感想は後ほど・・。


まずは、関連映画を紹介しなくちゃ・・・・笑




女性になりたかった男性のお話です。
子どもだからこそ、健気な姿が胸を打ちますよ。

感想は前のもの・・。



ぼくのバラ色の人生  (1997 ベルギー・フランス・イギリス)   
監督 アラン・ベルリネール  
出  ジョルジュ・デュ・フレネ 
   ジャン=フィリップ・エコフェ
   ミシェール・ラロック 
   エレーヌ・ヴァンサン


7歳のリュドヴィックは口紅を塗ったり、きれいなドレスを着るのが大好き。
彼の夢は女の子になって好きな男の子と結婚すること。しかし、周りの人々は彼に対して偏見をもち
次第に彼を差別的な目でみるようになる。彼の家族は戸惑い悩み、精神科医に診てもらおうとするのだが・・・。



感想  

この映画、女の子になりたい男の子の夢と現実をファンタジックに描いた映画で、この延長線には「モーリス」みたいな映画が
待っているのかなと思わせます。
そして「乙女の祈り」のダークな部分を排除した映画のようでもあると感じました。
映画全体は子供の視線で描かれているので、どろどろとした感じは全然ありませんね。
むしろ、純粋さの方が際立っていて、主人公の少年の気持ちが
切なく感じます。
大人たちの方の偏見の目がすごくいけないことのように
感じてしまうのですよ。
現実的に自分がこの子の親だと、ちょっと戸惑って
しまいますがね。
男の子なのに女になりたいっていわれたら
あたふたしちゃって、最初はすんなり理解できないかも
しれませんね。
最近は「性同一性障害」として認識されて
周囲の見方も変わってきていると思うけれど、自分の身近に
起きてしまうと容認するのは時間がかかるはずです。

リュドヴィック少年は自分では自然の行動だと思っています。
大好きな「パムとベン」
の世界(ファンタジックな男女の愛の世界で、テレビで放映されているお話。少年のお気に入りのストーリーのよう)自分を置き換えて
もう1つのバラ色の人生を想像してみたりするのです。
時折、この不思議な世界が映画の中に登場してくることで、重苦しい映画にならないでユーモラスさえ感じるようになっています。
大人たちのあたふたぶりが滑稽に思えてきますね。

少年は実に無邪気で屈託がありません。
神様が染色体のXの方を間違って落としちゃったから、ぼくは女の子なんだと一生懸命自分なりに自分を理解しようとする姿がけなげで、胸に迫るものを感じさせます。
「人は皆違う」・・・
わかっていても周りの人が受け入れるまでには時間がかかるでしょうね。映画のラストも別に答えは出していません。
現状は何一つ変わっていない中で、これから少年はどういう風に成長していくのか興味あるところではありますね。
自分らしく生きてくれれば、性別なんて関係ないのかも
しれませんよね。

この少年役のジョルジュ・デュ・フレネが中性的でとってもかわいらしいです。映画の主題歌(音楽ドミニク・ダルカン・主題歌「Rose」ザジ)が雰囲気をとても良くしています。
ピンク色の映像が印象的なかわいらしい映画になっていて、観た後も自分の周りがバラ色の見えてしまうようなそんな気にさせる映画です。
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これ、ビデオ持っています。好きなのよね・・・。

レオポルド・ブルームへの手紙

レオポルド・ブルームへの手紙 (2002)
LEO

(イギリス/アメリカ)

監督: メヒディ・ノロウジアン 
製作: マッシー・タジェディン 
エリカ・オーガスト 
サラ・ギルズ 
ジョナサン・カールセン 
製作総指揮: ニック・パウエル 
デレク・ロイ 
脚本: アミール・タジェディン 
マッシー・タジェディン 

 
出: ジョセフ・ファインズ ( スティーヴン)
エリザベス・シュー( メアリー)
ジャスティン・チャンバース(ライアン)
デボラ・カーラ・アンガー( キャロライン)
メアリー・スチュアート・マスターソン( ブリン)
ジェイク・ウェバー( ベン)
デイヴィス・スウェット(レオポルド)
デニス・ホッパー ( ホラス )
サム・シェパード ( ヴィック)

アメリカ、ミシシッピ州。
15年の刑期を終えて出所したスティーヴン。彼は
服役中に手紙をくれた少年に会うことを目的にしていた。
彼を支えていたのはその少年の手紙だったからだ。
少年の名はレオポルド・ブルーム・・。
少年の母メアリーは、
レオポルドを産んだ日に夫と娘を事故で失った。
彼女の過ちから出来た子どもがレオポルドということで、彼は罪の子という烙印をおされ、愛されずに育てられた。
孤独な少年の心の叫びのような手紙に
彼はいつも温かく答えていたのだが・・。


感想

地味映画として紹介された一本です。
瞳さん、ありがとう。
自己の再生の物語です。
親としては考えさせられるもの、沢山ありましたね。
いいお話でした。

囚人の今と、愛を知らないで育った少年の過去。
囚人が少年から生きる希望を与えられるのかしら・・・
そんな予感のする出だしでした。
オーソドックスなヒューマンストーリーと思われますが、
実はひねりがはいっていまして。
薄々この構成には、気づく部分もありました。
実は、○○○○なんだろうな・・・って。
(いや、これじゃあ何のことか
わかりませんよね・・・笑。でもココは予備知識なく観てもらいたいのですよ)

でも、中盤あたりには、自分の考えに自信がもてないときも
ありました。結果、あたり・・・でしたが。

少年の過去。
愛されなくて育ったのには、理由があるのです。
身勝手な母ね・・と思わずにはいられませんでした。
事故はともかくとして、浮気をしたのは、自分の弱さから。
それを、あれもこれもと、子どもに責任転換
させる姿に腹立たしさを覚えましたね。
自分のキャリアを捨てて結婚したことにこだわりが
あったように思えたけれど、それは自分が選んだ道なのだから
いまさら、くよくよ、いじいじ言ってもしょうがないじゃないですか。それを噂話を信じて、夫を疑ったり、軽はずみに
男に頼ったりと、弱すぎで情けないです。
学はある母のようだけれど、
人としては成長していないよ。
愛されない子どもの身になって考えてみたことは
あるのかな。
浮気相手のペンキ塗りの若者も、逆に可哀想な気がしましたよ。
だって、奥さんのこと好き・・っていう気持ちは純だったかも
しれないでしょ。でも奥さんが心を開いてくれないから
結果、あんな粗暴な男に成り下がっていったのかもしれないよね。

酒びたりで、タバコをすいまくる母。
そんな投げやりな態度をみながら、
それでも、母親の愛を求めようとする子どもの姿が
いじらしくて。
夜、ベッドにもぐりこむシーンでは、泣けてしょうがなかったです。

一方の囚人役のジョセフ・ファインズ。
いつもの彼とは別人のようです。
顔が長い・・・笑。
これは新境地とでもいうのでしょうか。
熱い、濃いの印象があったのですが、ここでは
そんなイメージは感じられなかったな。
無口で、終始悲しみに満ちた目。
彼の抱えている心の闇は何なのか・・・、観ている人は
知りたくてたまらなくなるはずです。

ミステリアスな展開でもあります。
是非、自分の目で確かめて、観て欲しいと思います。

一つ・・、この物語は
名前がキーワードです。
レオポルド・ブルーム。
ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』の物語に
出てくる主人公のようです。
どうも2人出て来るそうで、その中の1人。

母親が、ユリシーズを意識してつけたというもので、
重要な意味をなしている名前だと思うのですが、
私は、内容を知りません。
そこは残念だったな。
本の内容を理解していたら
映画も奥深く理解できたように思います。

出演者、豪華ですよ。
渋めのところで、デニス・ホッパー、 サム・シェパード。
デニス・ポッパーが実にイヤらしい役で印象的。

メアリー・スチュアート・マスターソン・・懐かしい、
「恋しくて」の彼女です。そのまんま、年取っているという感じで
変わっていなかったな。

そして、母親役のエリザベス・シュー。
どん底に落ちていく役が似合う・・笑。
リービング・ラスベガスを思い起こさせる演技でもありました。


自己を客観的に
見つめなおすことは大切なのことかも。

希望に満ちたラストは心地よかったです。
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愛についてのキンゼイ・レポート 

愛についてのキンゼイ・レポート (2004)
KINSEY

(アメリカ/ドイツ)

監督: ビル・コンドン 
製作: ゲイル・マトラックス 
製作総指揮: フランシス・フォード・コッポラ 
カーク・ダミコ 
マイケル・クーン
ボビー・ロック 

 
出演: リーアム・ニーソン ( アルフレッド・キンゼイ)
ローラ・リニー ( クララ・マクミレン)
クリス・オドネル ( ワーデル・ポメロイ)
ピーター・サースガード ( クライド・マーティン )
ティモシー・ハットン ( ポール・ゲブハルト)
ジョン・リスゴー ( アルフレッド・シークイン・キンゼイ)
ティム・カリー ( サーマン・ライス)
オリヴァー・プラット ( ハーマン・ウェルズ)
ディラン・ベイカー ( アラン・グレッグ)
リン・レッドグレーヴ( 最後にインタヴューを受けた女性)


1940~50年代に、アメリカ人のセックスに関する赤裸々な調査結果を発表した実在の動物学者アルフレッド・キンゼイ博士の生涯を
描いたヒューマン・ストーリー。


感想  毎度毎度、思うことですが、
偉大な功績を残した人物というのはやはり一般人には
考え付かない私生活を送っていますね。
夫婦の愛の物語ということで、お互いがお互いを必要とするような
固い絆が見受けられるようなお話かなと思っていましたが
ちょっと違っていました。
ものすごく感動するエピソードというものはなく、
そういう業績を残した人なのね・・という程度の感想。
夫婦の物語としてはインパクトの残るようなお話ではなかったのですが、キンゼイさんの功績というか、お仕事ぶりは
相当インパクトありました・・・笑


愛についてのレポートというより、そのまんま○ックスについての
科学的なレポートでしたね。どういう過程で、その道に進んだのか、
成功のあとにどんな困難が待ち受けていたのか・・・そういう
流れを知ることができたのは、興味深かったと思います。
今までそんな映画を観たことがなかったからね。
でも、思ったより、スイレートな言葉や、表現が
出てきて少々驚き。
科学的という意味合いで理解しなきゃ・・と思うものの
なんだか複雑な思いも同時に湧いてきましたわ。
映画館だと恥ずかしいかな・・・・笑

最初は、まあ、こんな会話をして、面白いわね・・・という
軽い感じで受け取っていたのですが、終盤になっていくと
どんどん過激な行動のように思えて(統計のための
行動だとは思うものの・・)オイオイ、マッテクレヨ・・状態に
なってしまいました。
でも、この時代だから、余計そう思えるのかしらね。
なにせ、最初の一歩を踏み出す時は
だれでも突飛な行動だと思われがちですものね。


現代は、なんでもありありの時代でしょ。
情報が溢れるばかりの社会なので、どんな○ックスしているっていうのも
意外とわかりやすいですよね。
でもこの時代は、知りたいけれど、知る方法がないという
ことでしょう。
興味はあるけれど、そんなはしたない話をおおっぴらにはできないよね・・・という保守的な時代。
それに目をつけた科学者キンゼイさん
やっぱり、一般人とは
かけ離れていて、それだけでも偉大だとは思いますよ。

これが動物相手だったら、問題も起こらないのだろうけれど
人間だから色々な問題も起こるんでしょうね
感情を排除しての科学的な分野での
○ックスの調査というのは難しいのではないのかなと
客観的に思ってしまいました。
科学者って大変。
その奥さんでいることも大変。
単純にそう思ってしまいました。愛しているからって、その夫の
行動をすべて理解できます?研究のためだからといって、
異性と関係を持つ夫を、理解できるかな。
無理無理・・・。
研究にかこつけて、やましい思いがあるのではないかと
疑ってしまうのが多くの人だと思いますからね。
でもこの奥さん
じゃあ・・私は別の男性と関係してみるわ・・っていって
実際に行動できるでしょ。
倦怠期を乗り越えるいいきっかけに
なったっていえるほど、割り切ってしまえるでしょ。
そこがすごいな・・・笑

ちょっと理解に苦しむ行動でしたね。

キンゼイさんの息子が
「うちら家族は変わっている・・・」って怒るのも無理ないかなって
同情してしまいます。
キンゼイさんは父親の考えに反発をしていたけれど、
結局、自分の子にも同じように反発されていましたね。
親子関係って似るのかな。

とかく、日本人は性に対して、
タブー的なものと捉える傾向にあると思います。それって一昔前か・・笑
私も古い人間で、あまり画期的な考えにはついていけない
タイプなので、質問されたら、正直いやだな・・・て
思いましたわ。
リラックスできるようにさせてくれるみたいだけれど、
いや・・・答えにくいわね、あんなストレートな質問には・・笑

キンゼイさんを演じたのは
リーアム・ニーソン。
性を扱っていてもこの人ならば、いやらしくないわ・・と
勝手に思えてしまうオーラあり・・笑
思い込んだら一筋。研究に没頭してしまうという熱血漢が
ありますよね。
奥さんは、ローラ・リニー。
私この人大好き。笑顔が素敵なのよね。
どんな時でも彼を支えていましたね。時には嫉妬や、口論もあったけれど、根底には彼への愛がいつもあったのよね。

調査員は意外とメジャーな人々。
クリス・オドネル・ ピーター・サースガード 
ティモシー・ハットン・
(ティモシー・ハットン・・・懐かしい・・笑・渋くなっていたよ)

中でもピーター・サスガード・・・ヌードもあってセクシーだったわ。
彼って誰かに似ていないかな・・っていつも思うのだけど
答えがでないのが悲しいわ。


出演者が豪華だったので、楽しく観ることができました。
でも、ビデオでこっそり観たい作品かな・・・笑
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

いまを生きる 

いまを生きる (1989)
DEAD POETS SOCIETY

( アメリカ )

監督: ピーター・ウィアー 

 
出: ロビン・ウィリアムズ
イーサン・ホーク 
ロバート・ショーン・レナード 
ジョシュ・チャールズ 
ゲイル・ハンセン
ディラン・カスマン 
アレロン・ルッジェロ
ジェームズ・ウォーターストン
ノーマン・ロイド 
カートウッド・スミス 
ララ・フリン・ボイル 

1959年、バーモントにある全寮制の名門進学校
に1人の新任の英語教師がやってきた。
破天荒な授業を通して、詩の美しさや人生の素晴らしさを説く
キューティング。
生徒達は彼が学生だった頃に作っていた“死せる詩人の会”という同好会を自分たちの手で復活させる。
しかし、悲劇的な事件が起こる。

感想
 
あまりにも有名な「いまを生きる」。
図書館ビデオで今頃観ました。

思春期に観ればどんなにか、感動できる作品かと
思いましたね。
実は、「卒業の朝」という作品を以前観て、そのときに
この作品を引き合いにだされている感想をみたことが
ありました。学園ものなら「いまを生きる」が良かったという感想。
そのころから、ず~~~と気になっていた作品でした。

ちょっとね・・感動を意識したつくりになっているのかな
とは思いました。
とくに後半の展開は、意識しすぎな感じもします。
生徒の○を持ってくるという形は
どうかな・・・と思えなくもないです。
○という展開は衝撃的な出来事といったらこれしかないみたいな
例でしょう。そういう風なものがイヤなのかもしれません。
だって、これ以上、悲しいことって
ないでしょう。


私ぐらいな年齢になると、色んな角度からものをみること、考えることができるようになるため、純粋な心で
作品を観ることができなくなっているかもしれませんよね。
両親の立場とか、学校側の姿勢とか
先生の責任とか・・・まあ、多方面わたって考えてみたく
なるところが出てくるのかもしれません。

親が、子どもを自分の思う通りに進ませようというのは
間違いだと思います。
でも、素晴らしい教育を与えてあげたいという
親の気持ちもよくわかる・・。
親として、先生に影響されなかったら
こんなことにはという思いが、出てきてしまうのは
わからなくはないです。

まあ、最終的には家庭の責任ではありますがね。



教訓めいているからこそ、
自分の子どもには見せてあげたいなと思える
作品ではあります。


青春時代は一度だけ、だからこそ、
今しか出来ないこと、日々を精一杯、悔いなく生きること
行動すること・・・、なのですよね。
恋をして夢に向かって・・・。

自分がもし、青春時代にこの作品に出会っていたら
真っ白な心でみていたら、もっと深い印象を受けた
ような気がします。でもね・・すでに親になってしまって
学校教育に物申したいわ・・の立場の人間になっているのよね・・。


とはいうものの、きちんとうるうるさせられました。

イーサン・ホークにね・・泣かされちゃいましたよ。
だって、あんなに素直に悲しみの表情や
つらさをストレートに打ち出されてしまうと
思わず、もらい泣きしてしまうじゃないですか。
気弱な少年役がよく似合う・・・わ。

彼の、いや、彼らのラストの行動は、
(たぶん、そうするだろうな・・・という予感が
漂っていましたが)、若さを象徴する
素敵な行動に私の目には映りました。

若いっていいな・・・。

ロビン・ウィリアムズ・・抑えた演技でいい感じ。
私。。テンションの高いときの彼はあんまり・・なんだけれど、
こういった学のある、医者とか教師のような
人物の時はなぜか魅力的に映るんですよね。

この作品、実は字幕と吹き替えで2度観ました。
詩の授業の場面は
耳で聞いた方が理解しやすかったように思えましたね。
単に、理解力がないだけかも・・笑

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僕の美しい人だから

今日、地上波でやっておりますね。
これを観るのは3度目かな。
もう内容はよく知っているので
作業しながらの鑑賞になります・・・・。
前の感想をUPしてみますね。
好きなんだよね・・・私・・・・笑


僕の美しい人だから  (1990  アメリカ) 

 監督  ルイス・マンドーキ  
 出   スーザン・サランドン(ノーラ)   
     ジェームズ・スペイダー(マックス)
     キャシー・ベイツ

妻を交通事故で亡くしたエリート青年マックス(ジェームズ・スペイダー)はバーガ店に勤める年上の女性ノーラ
(スーザン・サランドン)と知り合い、酒に酔った勢いから一夜を共にする。
それ以来、彼女の虜になるマックス。しかし、まったく境遇の異なるふたり・
気持ちのすれ違いが続くばかりだった。やがて、ノーラはマックスに別れを告げる。「あなたは私を恥じているのよ」っと
言って。


感想     グレン・サヴァンの全米ベストセラー小説を原作に、ルイス・マンドーキ監督が描く大人のラブストーリー。
再見です。前に観たときはマックス27の年齢に近かったのですが、今は、ノーラの年齢を身近に感じる状況になって
しまいました。そういう状態なので、笑、年下なんて~と思っていた自分が、こんなに思ってくれる年下の男っていいじゃない?
という感想に変化してしまったから不思議です。笑
これ・・かなりベタベタなラブストーリーです。ベットシーンもキスシーンかなり多くあります。でも愛情の深さを表現するためには
必要不可欠だったのだと思います。観ていて、素直に愛し合っているのね~素敵だわ~って思わずにはいられません。
いいいのよ・・・・とっても・笑
この2人には、大きな障害があります。
年の差と、生活環境の違いです。年は、女性の方がかなり年上。こういうのって、女性としたら、かなり
不安材料になりますよね。信じていてもね、いつか去られるんじゃあないかなっていう思いが沸いて来るんだと思うんですよ。
そういう、微妙な女心をサランドンがせつなく見せてくれるので、胸がキュンとなるんですよ。
ジェームズ・スペイダーは、お坊ちゃまで、神経質そうな役にピッタシ・・・。顔が整っていて、この頃は素敵なんだよね。
ノーラに攻め立てられるといつも、「ごめんよ・・・」ってやさしく謝ってくれるのよ。こんな男いるかな・・という考えよりも
いて欲しいという願望に発展してしまいます。靴の紐は結んでくれるしね、料理は作ってくれるしね・・年下はいいじゃないの・、
デレデレ・・という感じです。
現実には相当難しいかもしれません。よく価値観の違いって言うのが離婚理由になるからね。
でも、愛し合っている人を全て受け入れようという姿勢はやぱっりいいですね。
感動を呼ぶんですよね。マックスのね・・・情熱的な思いに、打ちのめされましたよ。あんなに愛されたら・・いいよね・笑
この映画・・ラストが大好き。何度でも観たいわ~
ところで・・スペンダー。この映画では最初、サランドンに犯されちゃうって感じなのよね。体の関係から入っていって
それから愛が芽生えたって言う恋愛。それでも幸せならいいよね・・・て思えますよ。愛している・・・じゃなくって
君が欲しいっていう表現も、ストレートで、いいいんじゃない?そんなオクテ役だったスペイダーも、「セクレタリー」では
ね・・・ああなっちゃってね・・・笑。続けてみると感慨深いわ。img_1429782_31786072_0.jpg


実は↓より↑の画像が好きです。

優しいのね・・マックス・・ということで、UPを・・

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ダブル・ビジョン

ダブル・ビジョン(雙瞳)  (2002)
 ( 香港/台湾/アメリカ)
監督: チェン・クォフー 
製作: チェン・クォフー 
ハン・チンミン

 
出演: レオン・カーフェイ ( ホアン・ホートー刑事)
デヴィッド・モース ( ケビン・リクター捜査官 )
レネ・リュウ
ブレット・クリモ 

台湾の台北市内。
不可解な殺人事件が続けて発生する。
真夏の凍死体、火の気のない場所で発見された焼死体。
そしてアメリカ人神父の変死体が見つかる。
腸を抜き取られ、一旦洗浄した後に再び腹に戻され縫合されるという
奇怪なものだった。
外交問題になることを怖れた地元警察は
アメリカからFBI捜査官ケビン・リクターをまねく。
彼の通訳としてつけられたのが英語が堪能な国際課のホートー刑事。
ホートー刑事は過去のトラウマから家族関係がうまくいかず、
職場仲間からも孤立していた。
そんな2人だが、互いの違いを認めつつ、捜査を協力して
行っていく。やがて事件と道教の古い言い伝えとの関係を
みつけるのだが・・・


感想  

深夜放送枠で観ました。
 冒頭のシーン。
病院の分娩室での出産シーンがあるのですよね。
深夜には観たくはないわ。生まれた子は死産で
やがてホルマリン漬けにされるし・・・。
観ていて気持ちがいいものではないです。
全体的に、気持ち悪いシーンが多いんですよね。
おなかが切り開かれたりとか・・・大量殺人が起こったりとかね。
サスペンスと思っていたのですが、ホラー色が強い感じでしたね。

題名にもあるダブル・ビジョンということで
一つの目の中に瞳が2つある少女が出てきます。

これも相当不気味。気持ち悪いんですよね。
実際いるのでしょうか。いないよね・・・笑


猟奇事件をどう解決していくかが見所だと思っていました。
確かに犯人に行き着くことは行き着くんですけれど、
どうも消化不良。
前半、科学的な解明で、カビが原因?・・・とわかり
そのことで、幻覚をみて、人が死んでいったという
結論に行くつくのですが、幻覚で実際にやけどのあとや
溺死のあとが体に残るのかという素朴な疑問があります。
非科学的ですよね・・う~~~ん。

永遠の命をもつためという動機もよくわからなかったな・・。
永遠の命をもってどうしようというのか・・。
あのダブル・ビジョンの子の動機がよくわからないのよね。

だんだん色々なことが明らかになっていくにつれ
わからないことが多くなっていくのはつらかったです。

犯人といっても、すでに人間ではないものに感じますよね。

また、犯人探し&事件解明と平行して
主人公の刑事の家庭問題も描かれるでしょ。
後半は特に比重が大きくて最終的には
家族愛で締めくくってしまったというのが納得が
いかなかったです。
サスペンスなら終始それで終って欲しかったのです。

ラスト、愛は死をも乗り越える・・という
感動的な終結になるなんて・・・。
まさか・・そうなの・・・と思っていたとおりの筋書きにガッカリ。
普通生き返る?


アメリカ人のデビッド・モースとレオンの心の交流は良かったと
思いますわ。ほのぼのとしたシーンもあって
気持ちが和んだところもありましたよ。

ところで、これ「セブン」に似ていません?
意識して作っていたのかな。
デビット・モースが突然○○○しまったあたりからは
「リング」のような雰囲気も感じましたけどね。

中盤、猟奇事件解決のためにアメリカからやってくる刑事の
デビッド・モースが、相棒の刑事、レオン・カーフェイの家族を
お食事して親交を深めるシーンなどをみると、
当然、セブンを思い浮かべるんですよね。

道教に伝わる<5つの地獄>になぞらえて殺していくという
過程もセブンを思い起こさせるわ・・。


だから・・奥さんがどうにかなるのかと思っていましたよ・・笑
その点では後半の展開は意外性がありましたね。

最後はイマイチよくわかりません。
なにがどうなったのよ・・・・・・。

久々に愛人ラマンのレオン・カーフェイ を
観ました。といっても2002年の作品だから
ずいぶん前の顔だと思いますが・・。
雰囲気が変わったのか・・私が忘れていたのか
ラマンのメージはまったくなかったかな・・・。
ともかく、刑事さんが皆同じ顔に見えるのが
困ったものでした。 
覚えていないだけ・・・笑

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やさしくキスをして

やさしくキスをして
(2004年 / イギリス/ベルギー/ドイツ/イタリア/スペイン )

監督: ケン・ローチ
製作: レベッカ・オブライエン
製作総指揮: ウルリッヒ・フェルスベルク
脚本: ポール・ラヴァティ
撮影: バリー・アクロイド バリー・エイクロイド
音楽: ジョージ・フェントン

出演: エヴァ・バーシッスル アッタ・ヤクブ アーマッド・リアス シャムシャド・アクタール シャバナ・バクーシ

スコットランド・グラスゴー。
カトリックの高校で音楽教師をする女性ロシーンは
ある日、パキスタン移民二世の女子生徒タハラの
兄カシムと出会う。
別居中の夫がいるロシーンだったが、カシムの誠実さに好感を抱き、
やがて2人は恋に落ちる。
しかし、彼らはあまりにも違いすぎた。
敬虔なイスラム教徒であるカシム。彼には許婚がすでにいた。
家族はもちろん、2人の関係を反対。
2人の恋はどうなるのか・・。


感想   ケン・ローチ監督の初の恋愛ものといいますが、恋愛が絡んだ作品はいくつかありましたよね。でも完全に恋愛がテーマというと
これが初めてなのかな。
厳しい現実を描き出す作品が
多い中でこれは異質なものか・・と思いましたが
やはりここでも同じ雰囲気。甘い映画では終っていませんでした。ただ、今回は、わずかに希望を感じる結末で
心地よかったです。相当困難さは待ち受けてはいるだろうけれどね。

恋愛における宗教の問題。
日本人だとなかなか理解できないことかもしれませんよね。
好きだったら、迷わず、全てを捨てて、
相手のもとに飛び込んでいったらいい・・・なんて
簡単に考えがちだけれど、
すべての人間が、そんなに楽に生きていけるわけでもありませんよね。
しがらみが多くて大変、困難な人のほうが多いでしょう。
特に宗教問題は、想像以上に
難しいこと・・。

ロシーンになかなか真実を打ち明けることができなかった
カシムでしたよね。
楽しい旅行先スペイン旅行で、告白したわけですが、
あれは、言葉を聞かされたものは相当のショックであろうかと
思います。
私のことは遊びなのか・・・・って、怒って当然よね。

家族を愛しているからこそ、簡単には捨てられない・・・。
でも、愛する人も失いたくない・・・。
天秤にかけるにはつらすぎる選択ですよね。
でも・・・答えを出す、選択しなくてはいけないことって
人生の中ではあるのかもしれません。

後悔しない選択をするべきとしか、
いいようがありませんよね。
人生で迷う時、それが良かったのだ・・・と
思える生き方をしていきたいな・・・って思いました。


甘い題名に反して厳しい内容でしたね。
キスは沢山しているんだけれどね~~~~
こういう現実今もなおあるんじゃないのかな・・。

カシムの妹タハラのエピソードも2人の恋愛と同時進行で
描かれていましたが、タハラの方は、迷いに迷う兄に反して
終始一貫して自分の生き方を貫いていましたね。
これこそが、これからの世、大事なんじゃあないのかな・・・って
思いました。迷うことなく自分の道を突き進む・・・
そんな若いエネルギーが沢山出てきて、古い殻を押し破って
欲しいな・・・って思いましたね。



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SWEET SIXTEEN  

ケン・ローチ作品では実はこれが一番好き。


SWEET SIXTEEN  (2002  イギリス・ドイツ・スペイン) 
 監督 ケン・ローチ 
 出 マーティン・コムストン(リアム)
   ウィリアム・ルアン(ピンポール)  
   アンマリー・フルトン(シャンテル)  
   ミッシェル・アバークロンビー(スーザン)
   ミッシェル・クルター(ジーン)

スコットランドの田舎町。15歳の少年リアムは学校にも通わず、親友、ピンボールとちょっとした悪をして過ごしている。
彼の夢は服役中で、もう間もなく出所する予定の母親ジーンと、幼い息子カルムをひとりで育てている姉のシャンテルとともに
平和で温かい家庭生活を送ること。母親のために家を購入しようと考えているリアムは、資金集めのためにヤクの売人となっていく。
ヤクの元締めビッグ・ジェイに気に入られ、順調にことが運んでいるかにみえた。やがて、母親が出所。ビッグ・ジェイから
紹介された家で、念願の家族水入らずの生活を送ろうとしたが・・・・母親ジーンはリアムの予期せぬ行動をするのである。

感想  2002年、カンヌで脚本賞をとった作品です。
ケン・ローチの作品ですから、甘いわけはありません。題名では素敵な16歳の青春映画を想像しそうですよね。
初期の作品「ケス」と同じ、15歳の少年が主人公。この少年は、悪いことばかりしているけれど、根は純粋でやさしい心根を
もった少年なんです。彼がお金を作るのは、家族で幸せに暮したいという・・・ただそれだけの夢のためです。
貧しい労働階級の少年にとって、手っ取り早くお金を手に入れるには、危ない橋を渡るしかありません。
好き好んでしているわけではないんですよ。そうしなくてはならない・・どうしようもない状況だから。厳しい現実の中で懸命に
生きようとしているリアムを、責めることなんてできません。
ただただ、彼の一途な思いに胸が締付けられます。こんなに母親のことを思ってくれる少年なんてそうそういないですよね。
お姉さんのシャンテルは、母親の生き方に批判的なので、許そうとはしませんが、リアムの方は、どんな人間でも親は親って
思っているのかな・・・。恨み言1つも言わないで、愛情だけを求めているのです。この映画を観ていると、なんで母親ジーンは
もっと子供のこと考えてあげないのかな・・・と怒りさえ感じてしまいます。彼女の過去は描かれていませんが、
彼女なりの苦悩もあるのかしら。でもね、リアムは15歳。まだまだ愛してあげてもいいんじゃあないの。
お姉さんのシャンテルが自分の息子(シングルマザーで、一人息子がいる)をとっても大切にしているのは、自分が母親ジーンとは
違うということを、自覚したいからなんだよね。あんな母親になりたくない・・・・って。シャンテルもリアムと違った意味で、苦しんで
いるのかもね。     
16歳の誕生日を迎えてリアムは大人への階段を一歩上ります。でもその先に待ちうけているものは、さらに厳しい現実なのです。
ラストの携帯電話を通して聞えるシャンテルの言葉がなんとも言えません。頑張るんだよ。。リアム。君は悪くないよ。
どうしようもないせつなさが込み上げてきて、思わずギュ~と抱きしめてあげたくなってしまいます。本当は、母親に抱きしめて
もらいたいんだろうな。「ケス」ではあまり感じられなかったんですけれど、この映画では音楽も、効果的に使われていると思いました。
特に母親が好きだったという歌・・・・・これが非常にいいんですよね。ジ~ンときます。リアム自身も聞きいっていました。
「なぜ、泣いているの?私はあなたの味方よ・・・♪」あ・・・泣けてきます。痛い映画ですが、とてもいい映画です。
思春期のお子さんと観るといいかもしれませんね。

マイ・ネーム・イズ・ジョー

マイ・ネーム・イズ・ジョー  (1998  イギリス) 
 監督 ケン・ローチ 
 出  ピーター・ミュラン  ルイーズ・グッドール 
    デヴィッド・マッケイ アン・マリー・ケネディ

スコットランドのグラスゴー。失業者保険で生活しているジョーは明るくて人気者。同じような仲間を集めたサーカーチームの
監督をしている。彼らの生活ぶりは余りよろしくない。中でも、甥のリ-アムのところは妻が薬づけの毎日を送り、揉め事がたえない。
ジョーも以前はアル中でどうしようもない生活だったが、今は更正の道を歩んでいる。禁酒会に参加して
10ヵ月ほど禁酒できているという事実を話せるほどになっている。
ある日、リ-アムの家庭相談にのっている保健センターの保健婦セーラーと出会う。
彼女は初めあまり彼に興味を示していなかったのだが、彼が過去を正直に話してくれたことから、人柄の良さを感じ始める。
2人の仲は順調だった。しかし、リ-アムの妻がこの地域を治めている悪の組織から
借金をしていることが発端になって、ジョーがあるトラブルに巻き込まれてしまう。それから2人の関係が怪しくなってくるのだが。


感想 
人並みに幸せになりたいとただただ、願っているだけなのに現実は思うようにいかない。
観ていてやるせない気持ちでいっぱいになる映画でした。
セーラは安定した職業も素敵なマンションも持っている女性。一方のジョーは37歳にもなるのに仕事もなく、たいした家にも
住んでいない。そういった負い目があるから、デートに誘うのも躊躇したりするんですよね。
こういう、失業者がこの街にわんさかいるわけです。
だから、盗みしたり、薬に溺れたり、酒に逃げたりとどん底の生活を余儀なくされます。
でも、明るさだけは忘れないのです。
そして彼らの希望や夢はやはりサッカー。サッカーしている時は至福の時間が過ごせるのです。
前半はサッカーのユニホームをめぐるエピソードやセーラの家に壁紙を貼りにいくエピソードなど、割りとクスリとさせる要素が
あって、楽しめます。
セーラとの関係も安心してみていられるのですが、後半の展開はかなり重苦しくなってきます。
友情と愛する人を天秤にかけてしまうジョーの苦しさ。ああいう立場でのジョーの選択は仕方がないと思いますね。
自分のことだけしか考えていない人だったら苦しまなくてすむのに、面倒みのいいジョーの人柄がかえって取り返しのつかない
結末をむかえてしまったのかもしれません。
セーラはジョーの過ちを責めるけど彼にどうすることができたんだろう。どうしようもなかったんだよね。
彼らをとりまく社会がいけないんだよね。
ジョーに救いがあるのかな。喪失感であふれているジョーには愛が必要だと思います。
現実の厳しさを思い知る映画。恋愛は甘さだけじゃあなくって、困難さの方が多いと再確認すると思いますね。
リ-アム・・・彼の妻、子供に対するやさしさ、ジョーへの思いには、誰もが涙するんじゃあないかな。
あまりにもかわいそう。
この映画には日本のヤクザ映画みたいなところがあるんです。組織から足を洗おうとするとまた昔の仲間がやってくる・・・って
いう展開。どこの国でも、同じような世界があるんだと感じました。      
           
  

リフ・ラフ

リフ・ラフ  (1990  イギリス)  
 監督  ケン・ローチ 
 出  ロバート・カーライル   エマー・マッコート
    リッキー・トムリンソン

ロンドンのビル改築現場で日雇い労働者の一人として働くパトリック。ある日、ダブリン出身の貧しい歌手スーザンと出会う。


感想  サッチャー政権の時代の中、イギリス社会の最下層の人間(リフ・ラフ)を描いた映画。これ、恋愛映画の部類の中に
置かれていたんですけど、どちらかというと貧しい労働者の様子を淡々と描いていて、その中に
ちょこっと恋愛要素を組みいれたっていう感じでした。ケン・ローチ監督なので、路線は同じです。時折見せるユーモラスと
悲惨な現実。何がどうなるってわけでもなく、ただただ、現実の中でもがき苦しむ人々がそこにはいるだけ。建築現場の様子と
休憩時間での会話が映画の大半を示していました。偽名を使って働く人、(税金が払えないから)、口答えしただけで解雇される人
住むところもなく、空き屋を改造してこっそり住み込んでみたり。ああ、こういうことして生きていく人もいるんだな~っていうのが
一番感じたこと。そしてその中で育まれて行く恋があるんですけど、これが思うようにいかなくてね。共に貧しい境遇でしょ。
彼女は夢を追い求めるんだけど、現実の厳しさに追い込まれて行って、どうしていいかわからなくなってしまうんです。
カーライル扮する主人公は、彼女のために色々している方だと思うけど、彼女には自分を理解していないって思えてしまうのかな。
でも葬式にでなくてはいけない彼を「行かないで~」と引きとめてしまうあたり、やや身勝手な彼女でもありますね。
ラストの彼女の行動には許せない気持ちでいっぱいでした。彼を失望させるようなことは、どんな状況があってもしてはいけなかった
ですよね。唐突に終わる展開に物足りなさも感じます。が、現実にはそう簡単に物事がひっくり返るような出来事が、
都合良く起こるわけでもないですよね。これからどうなっていくのか・・・明るい未来や幸せな光景がその後に持ち受けて
いるのか・・・答えを出さない結末は、やはりちょっとした痛さも感じさせます。彼女・・・石原真理恵(字が違うか?)みたいで
可愛かったです。カーライル・・・労働者も似合っていますね。

ケス

今年のカンヌの【パルム・ドール】は
英国映画「大麦の揺らす風」(THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY)『ザ・ウインド・ザット・シェークス・ザ・バーレー』(原題)ケン・ローチ監督でしたね
公開楽しみですね。
今日は初期の作品を紹介します。

ケス (1969  イギリス)  

 監督 ケン・ローチ  
 出  デビット・ブラッドレー コリン・ウエランド 
    リン・ベリー    フレディ・フレッチャー

1960年代後半、ヨークシャー地方の炭坑町。少年ビリーの家は働きづめの母親と暴力的で自分勝手な兄との三人暮らし。
父親は蒸発していていない。炭坑町ということで兄も炭坑夫。ビリーも同じような運命が待ちうけている気配がある。
ちびで勉強も出来ず、何のとりえもないビリーは学校でバカにされ先生からも目のかたきにされている。
そんな彼がある日、農場でハヤブサの巣をみつける。雛を餌付けして飼いならすことに興味を覚えた彼は、夢実現の
ために懸命に努力する。「ケス」という彼の鳥は、大空めがけて飛びたてるまでに成長するのだが、夢は長くは続かなかった。

感想   ケン・ローチ監督の出世作とも言われる作品。炭坑、サッカー、貧しい労働階級、と何度も同じような設定の映画を観ていますが
これはかなり古い作品なので原点みたいなのかなと思ってしまいます。
たぶん、その後の同じようなテーマの映画に多大な影響を
及ぼしているんだと思いますね。
「リトルダンサー」が陽だとしたら陰に当たる映画かな。題材はとても良く似ているんだけど
結末が正反対。所詮、現実なんてこんなものさと頭をがつんとたたかれたみたいな印象を受けます。
正直いって気が滅入ったところもありました。
子どもが主役だから余計ね。
たぶん観ている人は納得いかないんじゃあないかな、あのラスト。
ビリー少年(名前までリトルダンサーと同じ)
の取り巻く環境はとても厳しいです。
学校の先生たちも生徒に無関心な人が多い。
体罰を平気で行った
り、自分勝手にわいわい怒りをぶちまける大人たち。
ビリーは優等生な少年ではありません。
貧しい故に新聞配達をして小遣いを
稼いでいるし、牛乳や本をこっそり盗んでみたりして、悪いこともするのです。この貧しさ・・・体操着が買えなかったり、下着を身に
着けていなかったりするほど深刻なんだけど、映画では淡々と描かれていきます。家族の間も円満と言うわけではなくて
特に兄とは常にいがみ合っているような関係。母親も忙しすぎてかまってやれないというすれ違い家族。
夢を探すことさえ難しい環境。現実にがんじがらめになっているビリー少年が、無気力になってしまうのもわかる気がしますね。
それゆえ、彼が生き生きと輝くことができるようになった出来事・・・・・・「ケス」を飼いならすこと・・・が起こった時は
こちらもうれしく感じました。授業中、「ケス」のことを一生懸命話すビリー少年の姿には誰もがひきつけられるし、この映画の中で
一番印象的なシーンだと思いますね。
自由に飛び立てる鳥、誰にも服従することなく、誰よりも強い鳥・・タカ・
ペットなんて存在じゃあなくて、もう一人の自分でもあるんですよね。ビリー少年も「飛んでいる姿をみるだけで満足だ」といいます。
かなり辛口の作品になっているので、夢を求めている人にとってはつらい印象を受けると思いますね。
だけど、ありのままの
現実を描いたという点では評価は高いのかな。
現実を直視する勇気も必要かも知れませんね。

レイクサイドマーダーケース

レイクサイドマーダーケース


レイクサイドマーダーケース

原作:東野圭吾(レイクサイド)
監督:青山真治

主  役所広司(並木俊介)
   薬師丸ひろ子(並木美菜子)
   柄本明 (藤間智晴)
   鶴見辰吾(関谷孝史)
   杉田かおる(関谷靖子)
   黒田福美 (藤間一枝)
   眞野裕子 (高階英里子)
   豊川悦司 (津久見勝)
       

湖畔の別荘地。
子供の中学受験のために合宿を行う3組の家族。
並木俊介は、本当の父親ではなく、妻とは別居の身。
しかしお受験のため、幸せそうな夫婦を演じなくてはならない。
そんな理由からか合宿に参加しても、非協力的な
態度を示していた。
やがて俊介を尋ねて1人の女性が別荘にやってくる。
高階英里子・・・・俊介の愛人である。
その夜、別荘の皆と仲良く夕食を一緒に食べた英里子は、
俊介に宿泊場所のホテルを告げ、一足先に別荘を後にする。
しかし、それが最後。
俊介は別荘で彼女の死体に遭遇することになる。
そして犯人は妻、美菜子だと知り、さらに驚く・・・。

感想
 
 原作は東野圭吾さんの「レイクサイド」。
原作は映画公開と同時に、読んだので、
展開は、すでに知っている状態での鑑賞でした。
地上波放映だったから、カットもいくぶんかあったのかしらね。

う~~~ん、やっぱり原作のほうが、良かったかなという感想。
犯人らしき人物に行き着くまでの過程が
小説の方が断然面白かったような気がします。
映画では、死体遺棄についてもアリバイ工作についても
実にあっさりで・・・あまり楽しむ要素がなかったように感じました。
流れを知っているが故に余計、つまらなく感じてしまったのかも
しれませんけれどね。
あと、映画ではものすごくホラー色が強いのがとても気になりましたね

奥さんの美菜子が予知能力があるとか、役所さんの夢の中に出てくる
愛人が気持ち悪かったりとか、極めつけは
あのラストの空飛ぶ愛人・・・笑
怖いというより、変でした・・・・・笑
ああいう演出はつまらないな・・・。だってわりと
身近に感じる現実的なミステリーなのに、
あそこだけが非現実的な世界で浮いているような気がしたから。

ただ、内容、展開はともかく、
豪華な俳優陣を見る事ができたのが収穫でした。

まず、自分が犯人と告白する薬師丸ひろ子。
これは「Wの悲劇」を連想させる配役なのかしら。
私・・・あの映画好きなのよね。
「私・・・おじい様を殺してしまった!!」というひろ子ちゃんの
セリフが今でも耳にこびりついているわ。
それと同じ。今回は「私が彼女を殺したのよ」だものね。
舞台劇のような限られた人物、場所での出来事というものも同じだし
意識した配役に間違いないですよ。

さらに杉田&鶴見夫婦は、あの金八先生を意識した
配役でしょうね。若い2人は、勉学よりも愛を深めたけれど
結婚後は、自分達と同じ生き方をして欲しくないと思ったのか、
教育パパ、ママに変身したと想像すると
実に面白い見方ができるから不思議。

じゃあ・・あのトヨエツは、何を意識しているの?
そりゃ・・・ハサミ男でしょ・・・・笑
違う・・・違う・・・笑

いや・・ハサミ男のまんまのセリフ回しだから、
そう感じたのかもね。トヨエツはだいたいクールな役のときは
ああいうしゃべり方が多いんだよね。

役所さんは、とにかく、周りと違う種類の人間(いわゆる教育パパ・ママではない)ということから、ちょっと浮き出た感じが
とっても良かったです。

柄本さん・・・
真面目役やっても、なんだかおかしさを秘めているのが
この人よね。本心は不明状態。
今回は最後の
場面での、「子ども達を守ってあげるのは私たちしかいない・・」(というようなニュアンス)という、気迫に満ちた言葉、セリフに
ひきつけられてしまったわ。
だからといって、彼らの行動を正当化はできないので、
やっぱり、、自己中心的な考え・・・ということに
なるのだろうけれどね。

本の感想でも書いたけれど、
社会的な問題も含んでいる内容ですよね。
受験することの意味、学歴社会ゆえの悲劇・・・とか、
結構、奥深いテーマがあったと思います。
映画の出来については色々言われてはいるけれど、
俳優さんの演技を観ることで楽しめた部分があったのは確か。
お受験で奥が深いのよね。
親子面接もさ・・・映像のとおり、実際難しいと思うんですよね。
まさに今そういう立場の人が観たら、また感想も変わって
くるかもしれませんよね。


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オーバー・ザ・ムーン

オーバー・ザ・ムーン

監督: トニー・ゴールドウィン
脚本: パメラ・グレイ
製作: ダスティン・ホフマン、トニー・ゴールドウィン、ジェイ・コーエン、二ール・コーニズバーグ、リー・ゴッツェゲン、マーレイ・シズカル
製作総指揮: グラハム・バーク、グレッグ・クート

出   ダイアン・レイン(パール)
    ヴィゴ・モーテンセン(ウォーカー)
    リーヴ・シュライバー (マーティ)
    アンナ・パキン(アリソン)


1969年、夏。パール(ダイアン・レイン)は、家族で
毎年過ごす避暑地に来ていた。
10代で母親になった彼女。
自分の夢を捨てて結婚したという思いがあるのか、やや
日常に不満を感じていた。
ある日、洋服を売りに来ていた若い男、ウォーカー(ヴィゴ・モーテンセン)に出会う。
アポロ11号が初の月面着陸に成功した記念すべき日。
人々はその様子を映し出すテレビ画面に夢中になる中、
パールはウォーカーと夫に隠れ逢引をする・・。
夫に知られていはいけない秘密をもってしまったパールだが
なかなか抜けられない自分がいるのだった・・。

感想

深夜放送枠でやっておりました。
全然内容知らずに観たのですが、こんなの放映したら
よくないんじゃないの?・・笑・・いや、夜中だからこそ
OKなのかな・・・と1人で悶々としながら鑑賞しましたよ。
「運命の女」という映画がありましたけれど、
その路線ではないの!!。主演もダイアン・レインで同じだしね。
運命~で彼女のエッチ場面が濃厚だって言われましたけれど
こちらもかなり・・・のものだと思いましたね。
このダイアン・レイン扮する奥さん・・
単なる欲求不満主婦にしか見えないのが残念。
いや、夫ともエッチはしていたようなので、ただやりたがり・・
なのでしょうか。
 さかりがついた猫じゃああるまいし、
そんなに男を求めて彷徨わなくても良いのではないかと
思いました・・・笑
子どももいるんでしょう?そりゃあ、若くして結婚して、
(どうやら今で言うできちゃった結婚みたい)
遊び足りなかった模様ですが・・・。夫だって同じ立場なので
そういう言い草は浮気の理由にはならないですよね。
子どもじゃあないんだしね。
第一、子どもの前で、あなたができたのは予想外だったとか
あなたのせいで、青春がなかった・・・というようなニュアンスを
口に出して言うのは親としては最低ですよね。
あと、夫の母親に浮気がすでにばれているにもかかわらず、
さらに、無視をして男に会いに行く神経の図太さが
どうにも理解不能でした。
日本ならどうよ・・。姑さんに浮気が見つかってごらんなさい、
すぐさま、家を追い出されれる思いますけどね。
アメリカは甘い・・・

ダイアン・レインの行動を、頭から非難していますが
浮気相手はヴィゴ・モーテンセン。自分が誘われたらどうよ・・と考えてしまう部分もありましたよ。妄想は自由でしょ・・笑
なんとまあ、セクシーなんでしょう。
シャツを売りに来るセールスマン、という、よくわからない
職業も謎めいて素敵です・・・
浮気肯定派ではありませんが、ヴィゴは素敵だとちょっと思いました
私もシャツについた値札を
歯で切り取っていただきたいものです。
息がかかりますかね・・・・もう・・・笑
あれ?・・・浮気願望か・・・笑

開放的なウッドストックでの2人のたわむれは
なんとも官能的。
あのラブラブ度の深さには
やられてしまった自分がいます・・・濃厚だ・・・・

まあ、家庭を大切に・・・という
教訓めいたお話ですよね。
夫優しすぎます。普通は許されないでしょ。


しかし、 ヴィゴの役、
あれじゃあ、ただの浮気相手1・・でしかないのに、
ミステリアスな雰囲気をかもし出していることにより、
単なる浮気相手以上の存在感があったと思います。

多くをべらべら語らないことで、
神秘性が増していたんじゃないの。
後半、ヴィゴのお家にダイアンが1人出向いて、
いくシーンがあるのですが、なぜか、彼、シャツがはだけて肌が露出しておりました。ああ・・すごいセクシー。
ファンではないけれど、こんな浮気相手なら・・・と
頭をよぎる人もいたかもしれませんね。

いえ、私も・・とは思いませんよ・・・・笑
(正直ちょっと思ったか・・・)

夫は リーヴ・シュライバー 。
もうすぐ公開の
リメイク、オーメンではオーメンのパパ役です。
どうも彼は、初対面がスクリームゆえ、
ホラーのイメージをもっております。
イマイチ顔が好みじゃあないんだよね。







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美しき運命の傷痕

美しき運命の傷痕 (2005年/フランス=イタリア=ベルギー=日本)

監督・脚色:ダニス・ タノヴィッチ
原案:クシシュトフ・キェシロフスキ
   クシシュトフ・ピェシェヴィチ
脚本:クシシュトフ・ピェシェヴィチ


出 演   エマニュエル・ベアール(長女ソフィ)
      カリン・ヴィアール(次女セリーヌ)
      マリー・ジラン(三女のアンヌ)
      キャロル・ブーケ(母親)
      ジャック・ペラン(大学教授のフレデリック)
      ジャック・ガンブラン(ソフィの夫、ピエール)
      ギョーム・カネ(セバスチャン)
      ジャン・ロシュフォール(ルイ)
      ミキ・マノイロヴィッチ



22年前に起こった不幸な出来事で父親を失った
3姉妹は今では別々に自分達の人生を送っていた。
しかし、それぞれに悩みを抱えている身。
長女ソフィは夫の浮気を疑い、夫を調べ始める。
次女は恋人のいない孤独な日々を送りながら時折母親を見舞っている。
三女は友人の父親で大学教授でもある男と不倫の関係。しかし最近別れ話を切り出され、困惑している。
そして、彼女たちの母親にも秘密が・。
父親と母親との間にはどんな出来事が起こったのか・・。


感想

クシシュトフ・ キェシロフスキ・・。彼が最後に遺した「天国」「地獄」「煉獄」三部作。第一章「天国」は
「ヘヴン」 と題してトム・ティクヴァが映画化。
それに続いて今回第二章「地獄」をダニス・ タノヴィッチが
映画化しました。

久々のフランス映画鑑賞でしたが
やっぱりいいですね。味わい深い・・。
いつも思うのですが何といってもラストなんですよね。
余韻を残すようなちょっと心に引っ掛かりを残すような
印象深いものが多くありません?これも
同様でした。いやはや、女性って怖い&強い・・と
感じた一本でしたね。子どもを産み育てる性って
どんな運命にも屈しないだけの力というものを潜在的に持っている
のね・・・ってあらためて感じましたね。それと
感情的な生き物だということもしみじみと・・・笑

主人公達が女性ばかりということでどのお話も
観る者が(特に女性ですが・・)私ならば・・・きっとこうするわ・・とか、あの気持ちはよくわかるわ・・などと実に感情移入
しやすいものでしたね。
3姉妹の恋愛がらみの話が身近にありそうだわ・・というのも
原因の一つだと思いますけどね。

そうですね・・・姉妹の中では長女のお話が面白かったですね。
面白いというと変ね・・笑。浮気確定を知った後の妻の態度というものが、とても興味深く感じとれたといった方がいいかしらね。
なにせ、行動が大胆よね。ストーカーまがいでもあるし。
私なら、浮気を知る・・夫を問い詰め、なじり→すぐに突き放す・・・となるんだけれど(そんなに簡単でいいのか・・笑 本当のところ
その手の経験なしなのでわからないが・・)
この物語の長女ベアールさんは、まずは、わたしのことは愛していないの?、私に魅力はもうないの?っと、自分の魅力をアピールするんですよね。それも泣き叫んですがりつくわけではなく、
冷静さ崩さないで、迫っていき、相手を圧倒させる
エネルギーを与えるんですよね。
それがとても怖かったわ。
浮気をしているのを知ってもまだ夫を好きだから簡単には
諦めきれないんでしょうね。ある種、プライド、意地もあるのかな。
まだ戻ってくるんじゃないの?っていう思いは当然ありますよね。
裸で夫のベットに入り込む姿なんていじらしくて、胸が苦しくなりましたよ。だ・け・ど・一旦、事がはっきりしたからには(夫とはこれで
おしまいと腹をくくったのでしょうね・・・)
気持ちの切り替えが早い、早い・・・。まあ、恐ろしいほど、きっぱり夫を寄せつかない意志の強さをみせるんですよね。
寄るな触るな・・・って感じでね。
その別れまでの心理描写が実にお見事。
さすがに・・ベアールさんがうまい、うまい、いや、怖い・・笑
色気もあってとっても魅力的な女性に映っているのになぜに
あの夫は別の女性に目移りするのかね~
美しさプラス、与えられる愛の重さに夫側としては
息苦しく、耐え切れなかったのかもしれないよね。

最後に出て行く夫を窓辺から見送るベアールさんが
観葉植物の葉、バリバリへし折っている姿は、
印象的。派手にものを投げつけるより、インパクト大だと私はみたね・・・。

ともかく、もしかしたら明日はわが身か・・・という
やや恐ろしさを秘めたエピソードが良かったです・・・笑
いや浮気はしていないよ・・誰も。

続いて3女のアンヌね。
浮気相手が、大学教授というのはいいとして、
かなりお年を召していたのにはビックリ。
これは、父親を幼い時期に亡くしているというトラウマが
彼女の恋愛観に関係しているのは明らかですよね。
でも友達のお父さんはダメですよね。
友情にひびが入るからね。好きな人からの電話を待つ彼女は
とっても初々しくて可愛かったですね。それゆえ、娘と同じくらいの子に手を出す大学教授の方を恨んでしまいますわ。

そして最後に次女セリーヌ。
恋愛に臆病な彼女。これも幼少の時にみた父親の姿が
トラウマになっているんですよね。
彼女に接触してきた謎の男は
てっきり、恋愛対象人物だと思っていたのですが
違いましたね。物語の鍵を握っていた人物・・、
気づきもしませんでしたよ。
セリーヌが勘違いしてしまうのも無理ないわ・・・と同情してしまいましたよ。でもあの勘違いは、笑って済まされないことですよね。
実にもの哀しい・・。だからこそ、彼女には、一番に幸せに
なって欲しいわ・・とせつに感じましたわ。
車掌さん、ファイト!!

結局、邦題どおり、
3姉妹の人生に大きな影響を及ぼしていたのは
父親の存在。父と母との出来事が傷痕として姉妹の心に残り、
それが彼女たちのその後の人生を大きく左右していったといえますよねそれでも・・美しいと表現されることの意味。

どんな運命でも受け入れることこそに
意義があるのかしらね。
すべてを明らかにした後、
あの姉妹は母親をまじえて
いい関係を作り上げていくように思います。
様々な痛みを経験したゆえ、結びつきもより
強くなるかもしれませんね。
やっぱり女性は強いわ。

父親の秘密が最後に暴かれるというミステリータッチな展開なので
そちらも見所です。
ちょっと驚きの秘密ではありました。


冒頭は万華鏡をイメージした映像で
そこに映し出されるのはカッコウのひな・・。
この先の物語を象徴するようなオープニングで非常に引き付けられました。落とされるのも運命であり、拾われるのも運命なんだよね・・・。



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