海と毒薬
海と毒薬 (1986)
監督: 熊井啓
原作: 遠藤周作 『海と毒薬』
脚本: 熊井啓
出演: 奥田瑛二 勝呂研究生
渡辺謙 戸田研究生
岡田真澄 ハットリ調査官
成田三樹夫 柴田助教授
西田健 浅井助手
神山繁 権藤教授
岸田今日子 大場看護婦長
根岸季衣 上田看護婦
草野裕
辻萬長
津嘉山正種
千石規子
黒木優美
戸川暁子
田村高廣 橋本教授
太平洋戦争末期に実際に起こった米軍捕虜に対する
生体解剖事件を描いた遠藤周作の同名小説を映画化。
医学部の研究生、勝呂と戸田の二人は
ある日、教授たちの許に呼び出され、
B29の捕虜8名を使った生体解剖実験を手伝え・・・・と。
戸田は即決したが勝呂はなかなか返事ができずにいた。
感想 あまりにも有名な遠藤周作の「海と毒薬」
原作は未読です。でも内容は知っておりました。
今回図書館ビデオで、鑑賞。
モノクロなんですよね、これ。
当時の雰囲気がよくでておりました。
また手術シーンも、モノクロによって、より
リアルに見えたという感じがします。カラーだとかえって
うそ臭く感じるんですよね。
前半は、病院の体制について。どんな人間関係が渦巻いているかが
簡潔に描かれています。そこでメインになるのが、
橋本教授による一件の手術。
これは、彼がトップに這い上がるための、成績をあげるための
一例として実行された手術でした。
実は簡単なはずだったんです・・それが・・。
この手術の例をみても、どんなに病院内部が
腐りかけているかがよくわかるんですよ。
医師の頭にあるのは
出世、出世なんですよ。
患者は、自分達のエゴを貫き通すための道具としか
みなされておりません。
病院ものでは以前ドラマで観た
白い巨塔を思い起こさせる展開でした。
手術ですが、本物の人間の血を使ったとか。
もう本当にリアルですよ・・泣。
どんどんのめりこんでみてしまいますよ。
でも気持ちは悪いです・・・。
後半は人体解剖について。
これもリアル。
捕虜をどうやって不審がらせないで
診察を受けさせるか。何気ない会話から入る手法が見事ですよ。
事の始まる前の静けさ・一見穏やかに見える会話・・。
怖い・・怖いです。
腹の中では醜い、とんでもないことをたくらんでいるのに
それを微塵も感じさせず、
にこやかに、捕虜に話しかける医師。
捕虜を使った人体解剖も
実にリアル。
その様子を興味本位だけで見学にくる日本の将校達・・。
事の善悪とは・・。
倫理観とは・・
色んなことを考えさせられます。
戦争という背景も、この事件に大いに影響を
及ぼしていると思いますね。
捕虜なら、どう扱ってもいいのか・・。
医学のための、殺人と、戦争での殺人の
意味に違いはあるのか・・。
医師はこの場合どう対処したらよかったのか。
そして自分達が当事者だったら
どう行動したのだろうか。
勝呂研究生と戸田研究生は
正反対な人物として描かれます。
罪悪感におびえる勝呂研究生と、心に痛みを感じないことに
かえって疑問を感じる戸田研究生。
色んな考えが渦巻いて当然と思います。
これが実話ということが
何より、恐ろしいことだと思いました。
原作も是非読んでみたいな・・
出演者・・
主役の、謙さんと奥田さんの若い頃を観ることが
できたのはラッキー。
田村さん、岡田さん、最近、お亡くなりになられましたよね。
ご冥福をお祈りします。
そして成田さんはすでに故人ですよね。
残念で寂しい気もしました。
名作ですよね。

監督: 熊井啓
原作: 遠藤周作 『海と毒薬』
脚本: 熊井啓
出演: 奥田瑛二 勝呂研究生
渡辺謙 戸田研究生
岡田真澄 ハットリ調査官
成田三樹夫 柴田助教授
西田健 浅井助手
神山繁 権藤教授
岸田今日子 大場看護婦長
根岸季衣 上田看護婦
草野裕
辻萬長
津嘉山正種
千石規子
黒木優美
戸川暁子
田村高廣 橋本教授
太平洋戦争末期に実際に起こった米軍捕虜に対する
生体解剖事件を描いた遠藤周作の同名小説を映画化。
医学部の研究生、勝呂と戸田の二人は
ある日、教授たちの許に呼び出され、
B29の捕虜8名を使った生体解剖実験を手伝え・・・・と。
戸田は即決したが勝呂はなかなか返事ができずにいた。
感想 あまりにも有名な遠藤周作の「海と毒薬」
原作は未読です。でも内容は知っておりました。
今回図書館ビデオで、鑑賞。
モノクロなんですよね、これ。
当時の雰囲気がよくでておりました。
また手術シーンも、モノクロによって、より
リアルに見えたという感じがします。カラーだとかえって
うそ臭く感じるんですよね。
前半は、病院の体制について。どんな人間関係が渦巻いているかが
簡潔に描かれています。そこでメインになるのが、
橋本教授による一件の手術。
これは、彼がトップに這い上がるための、成績をあげるための
一例として実行された手術でした。
実は簡単なはずだったんです・・それが・・。
この手術の例をみても、どんなに病院内部が
腐りかけているかがよくわかるんですよ。
医師の頭にあるのは
出世、出世なんですよ。
患者は、自分達のエゴを貫き通すための道具としか
みなされておりません。
病院ものでは以前ドラマで観た
白い巨塔を思い起こさせる展開でした。
手術ですが、本物の人間の血を使ったとか。
もう本当にリアルですよ・・泣。
どんどんのめりこんでみてしまいますよ。
でも気持ちは悪いです・・・。
後半は人体解剖について。
これもリアル。
捕虜をどうやって不審がらせないで
診察を受けさせるか。何気ない会話から入る手法が見事ですよ。
事の始まる前の静けさ・一見穏やかに見える会話・・。
怖い・・怖いです。
腹の中では醜い、とんでもないことをたくらんでいるのに
それを微塵も感じさせず、
にこやかに、捕虜に話しかける医師。
捕虜を使った人体解剖も
実にリアル。
その様子を興味本位だけで見学にくる日本の将校達・・。
事の善悪とは・・。
倫理観とは・・
色んなことを考えさせられます。
戦争という背景も、この事件に大いに影響を
及ぼしていると思いますね。
捕虜なら、どう扱ってもいいのか・・。
医学のための、殺人と、戦争での殺人の
意味に違いはあるのか・・。
医師はこの場合どう対処したらよかったのか。
そして自分達が当事者だったら
どう行動したのだろうか。
勝呂研究生と戸田研究生は
正反対な人物として描かれます。
罪悪感におびえる勝呂研究生と、心に痛みを感じないことに
かえって疑問を感じる戸田研究生。
色んな考えが渦巻いて当然と思います。
これが実話ということが
何より、恐ろしいことだと思いました。
原作も是非読んでみたいな・・
出演者・・
主役の、謙さんと奥田さんの若い頃を観ることが
できたのはラッキー。
田村さん、岡田さん、最近、お亡くなりになられましたよね。
ご冥福をお祈りします。
そして成田さんはすでに故人ですよね。
残念で寂しい気もしました。
名作ですよね。

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