コースト・ガード
コースト・ガード (2001 韓国)
COAST GUARD
海岸線
監督: キム・ギドク
製作: イ・スンジェ
脚本: キム・ギドク
撮影: ペク・ドンヒョン
音楽: チャン・ヨンギュ
出演: チャン・ドンゴン (カン上等兵 )
キム・ジョンハク (キム上等兵)
パク・チア (ミヨン)
ユ・ヘジン (チョルグ)
キム・テウ
海兵隊員として軍事境界線に近い海岸
で勤務することになったカン上等兵(チャン・ドンゴン)。
ある夜、闇の中で人影を発見、
北の工作員が潜入したと思い射殺する。
しかしそれは情事を楽しむカップルの一人だった・・・。
そこからカン上等兵の
運命は変わってくる。
感想 ギドク監督のこの作品.
今回は戦争がテーマでした。
チャン・ドンゴンと戦争というと私の中ではブラザーフッドを
思い出してしまうのですが
それとは雰囲気の違う作品です。
派手な銃撃戦もなければ、、起伏がある作品でもありません。
淡々とした静かな作品ですが
主人公と一緒になって精神的にグイグイ追い詰められていく緊張感を
味わうことができ、見応えのある作品に仕上がっていたように
思います。
ギドク作品のお決まりのアイテム
魚や海も・・出てきましたし、
ところどころに、目を覆いたくなるシーンも
ありましたね。
「夜7時以降の侵入者はスパイとみなし射殺する」
そんな境界線領域を守るカン上等兵。
それを承知で酔った勢いで
無謀な行動に出てしまったのが一組のカップルです。
気が大きくなっていたんでしょうね。
まして、情事の最中だもの。
行くところまでいってしまうでしょう・・。
一方のカン上等兵はきっと迷った部分もあったでしょうね。
スパイかどうかもはっきりせず、
どう判断していいか一瞬戸惑ったはずです。
でも
「スパイなら射殺」という命令が頭に甦ってきたはず。
スパイを射殺することは仲間の喝采も浴び、
名誉なこととされます。
やるしかない・・・・と思ったことでしょう。
職務に忠実に行動するしかないんだと・・。
でも
結果的には、ものすごい罪を犯してしまったのです。
民間人の射殺。
民間人たちからは当然責めたてられます。
どうして撃ったんだと・・・。
でも軍隊間では
その行為は正当化されたのです。
「忠実に任務を遂行した」として表彰され、休暇まで与えられるのです
すっきりしないまま、外界に出るカン上等兵.
しかし現実は厳しかったのです。
人殺しと見られる自分・・・。
恋人からも恐れられ、友達も近寄らなくなります。
軍の仲間も影では何を言っているか・・わからない・・・。
自分の居場所がどちらにもなくなってしまうことへの
恐さ。
軍隊の中における
価値観と外界における価値観の間で
精神を病んでいきます。
帰るべきところは軍隊しかない・・・そう思っても
狂気的な行動をし始める彼に
軍の仲間は彼を見放します。
彼が精神的に病んでいく姿は痛々しいものがありました。
時を同じくして
自分の居場所が
わからなくなってしまった女性がいました。
カン上等兵が誤って撃ち殺したカップルの
生き残りの女性です。
彼女の苦しみは
おそらく、カン上等兵以上のものだったと
思います。
目の前で恋人が木っ端微塵になったのですから。
やがて
彼女は軍の兵士相手に
衝撃的な行為をし始めます。
気持ち・・わからなくもありません。
彼女の時は恋人との情事のままで終っているのですから・・・。
同時に彼女は海で戯れたり
魚に終始こだわったり・・・
そんな奇妙な行動もします。
もはや現実の世界にはいないのですよね。
その姿が実にもの悲しく、かつ美しくみえます。
とくに海のシーンですね。
なぜ、こんなに痛々しい姿を美しく美しくとらえる事ができるのか
不思議です。
兵士達それぞれにキスをして罪を暴き出す
シーンも。。。印象的でしたね。
それにしても
兵士達が
彼女にした行為の数々、そして後始末には
腹立たしさを覚えます。
人間として恥ずかしい・・・
それを認識できない未熟さ・・。
ラストは、ちょっと不思議な感じでまとめられます。
カン上等兵の歌声が
耳にこびりつくラストでした・。
全体的に見応えがあり
よくできた作品ですが
DVDで観たからか
兵士達の誰が誰で・・・という
判別がしにくかった感じでした。
なにしろ、兵士たちは
顔を黒く塗って登場するシーンが多いので。
また、誤った狙撃をした
場面ですが
こちらも画面が暗く・・(暗闇の設定なので当然ではありますが・・・)何が起こったのか
一瞬戸惑ってしまうところがありました。
まあ・・だいたいの様子はわかるのですが
細かいところでね・・・。
ギドク監督自身、海兵隊で過ごした経験があるのだそう。
そういった経験が作品に反映されているんでしょうね。
痛々しい内容で(だいたいそうですが・・)
これもギドク作品では忘れられない一本になりそうです。

COAST GUARD
海岸線
監督: キム・ギドク
製作: イ・スンジェ
脚本: キム・ギドク
撮影: ペク・ドンヒョン
音楽: チャン・ヨンギュ
出演: チャン・ドンゴン (カン上等兵 )
キム・ジョンハク (キム上等兵)
パク・チア (ミヨン)
ユ・ヘジン (チョルグ)
キム・テウ
海兵隊員として軍事境界線に近い海岸
で勤務することになったカン上等兵(チャン・ドンゴン)。
ある夜、闇の中で人影を発見、
北の工作員が潜入したと思い射殺する。
しかしそれは情事を楽しむカップルの一人だった・・・。
そこからカン上等兵の
運命は変わってくる。
感想 ギドク監督のこの作品.
今回は戦争がテーマでした。
チャン・ドンゴンと戦争というと私の中ではブラザーフッドを
思い出してしまうのですが
それとは雰囲気の違う作品です。
派手な銃撃戦もなければ、、起伏がある作品でもありません。
淡々とした静かな作品ですが
主人公と一緒になって精神的にグイグイ追い詰められていく緊張感を
味わうことができ、見応えのある作品に仕上がっていたように
思います。
ギドク作品のお決まりのアイテム
魚や海も・・出てきましたし、
ところどころに、目を覆いたくなるシーンも
ありましたね。
「夜7時以降の侵入者はスパイとみなし射殺する」
そんな境界線領域を守るカン上等兵。
それを承知で酔った勢いで
無謀な行動に出てしまったのが一組のカップルです。
気が大きくなっていたんでしょうね。
まして、情事の最中だもの。
行くところまでいってしまうでしょう・・。
一方のカン上等兵はきっと迷った部分もあったでしょうね。
スパイかどうかもはっきりせず、
どう判断していいか一瞬戸惑ったはずです。
でも
「スパイなら射殺」という命令が頭に甦ってきたはず。
スパイを射殺することは仲間の喝采も浴び、
名誉なこととされます。
やるしかない・・・・と思ったことでしょう。
職務に忠実に行動するしかないんだと・・。
でも
結果的には、ものすごい罪を犯してしまったのです。
民間人の射殺。
民間人たちからは当然責めたてられます。
どうして撃ったんだと・・・。
でも軍隊間では
その行為は正当化されたのです。
「忠実に任務を遂行した」として表彰され、休暇まで与えられるのです
すっきりしないまま、外界に出るカン上等兵.
しかし現実は厳しかったのです。
人殺しと見られる自分・・・。
恋人からも恐れられ、友達も近寄らなくなります。
軍の仲間も影では何を言っているか・・わからない・・・。
自分の居場所がどちらにもなくなってしまうことへの
恐さ。
軍隊の中における
価値観と外界における価値観の間で
精神を病んでいきます。
帰るべきところは軍隊しかない・・・そう思っても
狂気的な行動をし始める彼に
軍の仲間は彼を見放します。
彼が精神的に病んでいく姿は痛々しいものがありました。
時を同じくして
自分の居場所が
わからなくなってしまった女性がいました。
カン上等兵が誤って撃ち殺したカップルの
生き残りの女性です。
彼女の苦しみは
おそらく、カン上等兵以上のものだったと
思います。
目の前で恋人が木っ端微塵になったのですから。
やがて
彼女は軍の兵士相手に
衝撃的な行為をし始めます。
気持ち・・わからなくもありません。
彼女の時は恋人との情事のままで終っているのですから・・・。
同時に彼女は海で戯れたり
魚に終始こだわったり・・・
そんな奇妙な行動もします。
もはや現実の世界にはいないのですよね。
その姿が実にもの悲しく、かつ美しくみえます。
とくに海のシーンですね。
なぜ、こんなに痛々しい姿を美しく美しくとらえる事ができるのか
不思議です。
兵士達それぞれにキスをして罪を暴き出す
シーンも。。。印象的でしたね。
それにしても
兵士達が
彼女にした行為の数々、そして後始末には
腹立たしさを覚えます。
人間として恥ずかしい・・・
それを認識できない未熟さ・・。
ラストは、ちょっと不思議な感じでまとめられます。
カン上等兵の歌声が
耳にこびりつくラストでした・。
全体的に見応えがあり
よくできた作品ですが
DVDで観たからか
兵士達の誰が誰で・・・という
判別がしにくかった感じでした。
なにしろ、兵士たちは
顔を黒く塗って登場するシーンが多いので。
また、誤った狙撃をした
場面ですが
こちらも画面が暗く・・(暗闇の設定なので当然ではありますが・・・)何が起こったのか
一瞬戸惑ってしまうところがありました。
まあ・・だいたいの様子はわかるのですが
細かいところでね・・・。
ギドク監督自身、海兵隊で過ごした経験があるのだそう。
そういった経験が作品に反映されているんでしょうね。
痛々しい内容で(だいたいそうですが・・)
これもギドク作品では忘れられない一本になりそうです。

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