ベンジャミン・バトン 数奇な人生

ベンジャミン・バトン 数奇な人生  (2008  アメリカ)


THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON

監督: デヴィッド・フィンチャー
製作: キャスリーン・ケネディ
フランク・マーシャル
セアン・チャフィン
原作: F・スコット・フィッツジェラルド
原案: エリック・ロス
ロビン・スウィコード
脚本: エリック・ロス
撮影: クラウディオ・ミランダ
プロダクションデ
ザイン: ドナルド・グレアム・バート
衣装デザイン: ジャクリーン・ウェスト
編集: カーク・バクスター
アンガス・ウォール
音楽: アレクサンドル・デスプラ
出演: ブラッド・ピット ベンジャミン・バトン
ケイト・ブランシェット デイジー
ティルダ・スウィントン エリザベス・アボット
ジェイソン・フレミング トーマス・バトン
イライアス・コティーズ ガトー
ジュリア・オーモンド キャロライン
エル・ファニング デイジー(7歳)
タラジ・P・ヘンソン クイニー
フォーン・A・チェンバーズ ドロシー・ベイカー
ジョーアンナ・セイラー キャロライン・ボタン
マハーシャラルハズバズ・アリ
ジャレッド・ハリス
デヴィッド・ジェンセン
テッド・マンソン
トム・エヴェレット

小説家F・スコット・フィッツジェラルドの
短編を基に映画化。
1918年、ニューオーリンズ。
あるカップルの間に男の子が産まれるが、その赤ん坊の容姿は
80歳の老人のよう。
母親は子どもを産んですぐ死亡。父親はその子に驚き
老人養護施設に置き去りにしてしまう。
施設を営む黒人女性クイニーに拾われた赤ん坊。
ベンジャミンと名付けらて、その施設で生活することとなる。
成長するにつれ次第に若返っていくベンジャミン。
少年期を迎えた彼は、ある日、入居者の孫娘、6歳の少女デイジーと
出会い、一目惚れをする。


感想     167分。長い映画だ聞いていて、観る前は、どうかな・・と不安に思っていたのですが
(つまらなくて長いと悲惨・・・)観初めてすぐにそんな気持ちは飛んでしまいました。
全く、時間は気にならなかったです。長いとも感じなかったわ・・・
観たな~~という満足感で一杯。
想像していたよりも、ずっと、ずっと、素敵な映画でした。

後半のせつなさに多くの方が涙したかと思いますが、
私は、すでに前半、とくに感情が揺さぶられるところでもない、
そんな場面からすでにウルウルしていたんですよ。

映画のね・・お話を超えたところで、自分の中で色々思うところが出てきちゃってね。
ちょっと言葉には表現できないのだけれど、
私としては今、この年齢で見て、
ドンピシャなタイミングであったと思っているし、得るもの沢山あったかな・・・という映画でした。
もともと、生と死については、本や映画でも興味あるテーマ。
時々ふっと考えてしまう題材なわけだけれど、そういうちょっと哲学的なことって
なかなか自分の思いとして考えとして言葉にはできないでしょ?
でもこの映画は少しだけわかりやすい形で伝えていたんじゃないのかな・・・・って
思うの。
生きることと死ぬことはこういうことなんだよ・・・・・って。
人生の輝きは少ないから、今ある人生を一生懸命生きる・・・
やり直しは何度でもできると・・・・そういういくつかのメッセージをたしかに
この映画では感じることができるわけね。
え~~、それっていままでもあったじゃない?って
特別なことではないでしょ・・・って、思う人もいますよね。
でもね・・・こういう形で今まではなかったはず。
じゃあ、きっと、押し付けがましくなるの?
いえいえ、それは全然なし。
様々な出来事が語られているわりには
終始淡々とした印象。それは主人公が(もちろんその他の人も)
感情をあらわにしている場面がほとんどないから・・・
そこが不満と感じる人がいればそれまでだけど
私的には良かったです。
ベンジャミンがいつもデイジーばかり追いかけているというわけでもなかったのも
また良かったです。心の中にはいつも居続けた女性だけれど、
他の女性とも色々なお付き合いはしていたという感じでしたから。

彼は
運命をそのまま受け入れることに徹底している感じ・・・

それもまた人生だと・・・


ベンジャミンに与えられた時間と
デイジーに与えられた時間というものはともに同じ。
ただ時間の流れが違うだけ。
同じ時間の流れをともに経験することができないということは
こんなにもせつないことかと、しみじみと感じてしまいましたね。

ベンジャミンにとって、若くなるっていうことはどういうことだったのかな・・
彼の若さの推移を間近に観ている彼女、デイジーはどういう心境だったのかな・・
きっと複雑極まりなかったのではないかと想像するかな・
だって、女性は一般的に自分の外見を気にしやすい、年齢を
気にしやすい性分だと思っているから。それって普通でしょ?
いくら、彼=ベンジャミンに、君が年取っても愛すよ・・・と言われても
心の中で、嘘~~~~と思ってしまうところ、やっぱりありますもの。
まして相手は若くなる一方だし。

・・・ベンジャミンは若さだけで、表面だけで、人をみるような人じゃあないけれど、
でも、一般的な年齢感覚を持っている人だと普通の感じ方だと思うのよね。
若さというのはそれほど、素敵なことだということ・・・

だけど、この世に永遠のものはなく・・・・
その若さがいずれ失われていく


誰でも平等に。


じゃあ、それって悲しいなのだろうか・・・


そうじゃなく・・・・そうじゃなく・・・

いずれ・・失われるからこそ、美しくあり続ける・・

ふ~~~


永遠であるものはない・・・といったけれど、
でも必ず思い出は得られる・・・
月日とともに増え
重くなっていく・・
変わったものを見続けていく・・・記憶。

人生で出会う様々な人々の思い出・・

大切にしたいね。

そんなベンジャミンは最後は痴呆に・・・
それってとってもつらいことだったわ、私にとっては。
思い出までもなくしてしまうから。
観ていてつらかった・・・

でも、
最後の最後のあのシーン。

あ~~~~

もう・・・・泣き泣きでした。




この映画は
ある程度、年齢重ねた人の方が絶対、いいと思うな・・・
自分を重ねることができるから・・




ケイト・ブランシェット素晴らしかったです。
ブラッド・ピットが話題になっているけれど
彼女の若返りもすごいです。
CG効果ありだとしてももさすがだわ・・
綺麗です。


クイニーのママも人柄良かったし
船長の、荒々しさも忘れられなく・・
パパ、バトンさんの人生を考えるとなんだか物悲しいし
色々語りたくなるキャラクターが多かったです。
あ・・不倫相手彼女についても思うことあったのでこれはまたの機会に(いつよ・・・笑)

雷に撃たれるおじいちゃんもなかなかユニークだしね。

ジュリア・オーモンドがキャロラインで出演していましたね。
すぐさまレジェンド・オブ・フォールを懐かしく思い出しました。
ブラビ若かったな・・・
早速ビデオ観ます~~影響されやすい・・・笑

べmmじゃみん
スポンサーサイト

誰かと思えば

reifu.jpg

レイフ・ファインズが、
ウィリアム・シェイクスピアの後期の戯曲「コリオレイナス」の映画化で
監督デビューを飾ることになりました。

頑張って・・


土井徹先生の診療事件簿    著  五十嵐  貴久

土井徹先生の診療事件簿   著   五十嵐貴久


 五十嵐さんの
ミステリー短編集です。
表題にもあるように獣医の土井先生が
東大卒のキャリア立花玲子の依頼の事件を次々と解決していくというお話です。

殉職して警視正となった優秀な父をもつ
東大卒のキャリア立花令子。
彼女は偉大な父親のおかげて、24歳という若さで
南武蔵野警察署副署長という立場となる。予期していなかった事態。
ところが仕事といったら何もなし、肩書きばかりの存在だった。
そんな彼女がある事件で土井先生という不思議な先生と出会う.


感想   ゆるい感じのミステリーです。
令子さんはキャリアという優秀な存在ですが
まったくといっても仕事をしません。
ないからしょうがないよね・・・というもののそれにしても
なんだか、日々ダラダラしている感じで、とてもキャリアには思えない・・・笑

これが、普段はダラダラしているけれど、事件となると
シャキンとして事件を解決していくという、裏表のあるキャラならいいものの
なぜか土井先生~~~と泣きつくのはちょっといただけないですね。
土井先生は、洞察力もあり、推理力も抜群で(でも、なんだかこじつけっぽい感じですけど)
魅力的ではありますが、令子はいらだつ存在ですね。

土井先生の推理はすべて
動物がらみ。
この動物の習性をたくみに事件に絡ませている
そのアイデアは素直に面白いと思いました。

ただ、パターンが同じなので段々と、新鮮味が薄れていくというのはありますね。



「老人と犬」・・・・最初に読んだのがこれ。
犬見ただけでそんな・・・と驚き。

「奇妙な痕跡」・・・・署長室とパーテーションで区切られただけの
副署長室というのも可哀想。
署長の秘密って、意外でした。
そんなものを・・・・あなた・・・・★

「かえるのうたが、きこえてくるよ」・・・休日も働きなさいよ・・・令子・・・笑
かえるといってもかえるは出てこないのが面白いよね。

「笑う猫」・・・・猫一杯飼っているってやっぱりイヤだな・・・

「おそるべき子供達」・・・・
意外な犯人だったね。でもあの子どもたちのお母さん。
他人に色々秘密を言ったりして、自分が子どもだったらいやだな。


「トゥルーカラー」・・・・これも犯人は言わないけど。
実はうちも困っています。
荒らされていますね

「警官殺し」・・・・このお話だけは腑に落ちない感じ。
続編ありという感じですね。じゃないと悶々としますよね~~~



今度は令子さん、頑張ってくださいよ。

doisennsei51KyKO5N2BdL__SL160_.jpg

ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー

ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー(2008 アメリカ)


HIGH SCHOOL MUSICAL 3: SENIOR YEAR

監督: ケニー・オルテガ
製作: ビル・ボーデン
バリー・ローゼンブッシュ
製作総指揮: ケニー・オルテガ
脚本: ピーター・バルソチーニ
撮影: ダニエル・アラーニョ
プロダクションデ
ザイン: マーク・ホフェリング
衣装デザイン: キャロライン・B・マークス
編集: ドン・ブロッシュ
振付: ケニー・オルテガ
チャールズ・“チャッキー”・クラポウ
ボニー・ストーリー
音楽: デヴィッド・ローレンス
音楽監修: スティーヴン・ヴィンセント
出演: ザック・エフロン トロイ・ボルトン
ヴァネッサ・ハジェンズ ガブリエラ・モンテス
アシュリー・ティスデール シャーペイ・エヴァンス
ルーカス・グラビール ライアン・エヴァンス
コービン・ブルー チャド・ダンフォース
モニク・コールマン テイラー・マッカーシー
オリーシア・ルーリン
クリス・ウォーレン・Jr
ライン・サンボーン
ケイシー・ストロー
バート・ジョンソン
アリソン・リード
マット・プロコップ
ジャスティン・マーティン
ジェンマ・マッケンジー=ブラウン

学園ミュージカルのパート3。
イースト高校のバスケ部キャプテン、トロイ(ザック・エフロン)。
高校最後の試合にも勝ち、バスケで大学への推薦入学も決まり未来は明るかった。
しかし、歌も踊りもできる彼は決めた進路に迷いはじめる。
一方のガールフレンドのガブリエラ(ヴァネッサ・ハジェンズ)。
彼女の進学先はスタンフォード大学と決まっている。
やがて卒業そして離れ離れになる2人。
そんな中、高校最後の思い出にクラス全員でミュージカルを上演することになる。



感想   ディズニーチャンネルのオリジナルムービーで好評だった1・2の続編。
パート3で初の劇場映画化です。
1、2を観なくても楽しめますが、観ていた方が思いいれもでてくるのでよりグッドな映画。
もともと、テレビでの人気作品だったし、劇場で観なくてもと思っていたけれど
やっぱりミュージカルは大画面の方が良いですね。音響効果もよいし、
踊りも表情もしっかりみれますからね・・。
うん!!皆、素敵でした 若さっていいな~~


ところで、前置きを少し。いけないと思っていた映画鑑賞でしたがなんとか時間を作れました。
この日は、ベンジャミン~~を予定していたのですが、3時間ということで
ちょっと時間的に無理が判明。(リベンジです・・)
上映時間的に始まりがちょうどよかったのがこれだったというのも、あり・・・笑
それにしても、1月から2月にかけて、いい映画、観たい映画が色々上映で選択に迷いますよね。
バラエティー豊か★。マンマミーアも捨てがたかったんですけどね。
普通は私の年齢だとマンマミーアでしょ。でもね・・・行ってしまったのこちらに・・★
そしたら~~~~平日鑑賞だったので、館内6名。凄いよ~~~笑
女子高生数人とおじさんと、そして私とそういう客層で、観てきたのよ。
ハイスクールものを・・・。場違いだとは思われないよね・・笑





で・・映画へ。

内容としてはよくある学園物です。
卒業を控え、進路に恋にといろいろ悩みます。
共感得やすい内容。
いつの時代も、どんな年齢層でも一度は迷う時・・・


主人公のトロイとガブリエラは相変わらずラブラブ。
私が言うのもなんですが・・
カップルとして可愛かったですね。
ラブラブ具合もちょっと気恥ずかしくなるくらい
素敵でした。(正直大画面で観ると、やっぱり、恥ずかしいのよね。)
今時、こんないい付き合いできるカップルっていないよね.
さすがディズニームービー・
家族で観ても安心。

トロイとガブリエラはともに才能ある2人。
進路に迷うといっても
凡人から観ればとっても贅沢な悩みでもあります。

そんな中での卒業にむけてのミュージカル舞台の練習。

これが、高校時代の思い出的なものに仕上がっているので
とにかく観ていて楽しいのです。


主役2人の他にもおなじみの
個性的な脇役達が
それぞれの見せ所を披露してくれるので、こちらも見逃せません。

シャーペイ・ ライアンの双子の姉弟も相変わらずいい味出しています。
いつもいつも、シャーペイの裏工作というか、
作戦は失敗に終ってしまうわけですけど(今回はとくに、信頼していていた付き人から
裏切られるという展開でちょっと可哀想だったな・・・)
最終的に、必ず彼女は、恨み言言わずに主役達を応援していく姿勢を
保つところが観ていて気持ち良いです。
悪役というか、意地悪するキャラなのですが、全然嫌な人・・というイメ-ジに
描かないのはやっぱり、ディズニームービー・・★
それにシャーペイ、美人さんですよ・。彼女も結構人気者。

ところで、弟、ライアンの方は
1と2とそしてこのムービー編とだいぶ、キャラの性質が変わってきていますよね。
昔は姉と同じく、主役2人を陥れるキャラだったのに
今では、主役を支援する側。
今回、ミュージカル音楽を担当するケルシーをプロムに誘ったりして
(これは姉の差し金だったけれど、本人はまんざらでもない様子)
いいムードになりそうな予感も感じました。
2よりはライアンあまり目立っていませんでしたけれど、
最後に素敵な進路の道が開かれて、思わず、ホッとしてしまいました。
頑張れ~~ライアン。


一方のガブリエラはスタンフォード大学に入学できることが決まっているのだけど、
特別優秀ということで、卒業前に、大学の特別授業メンバーに選ばれてしまう。
そうなると、イースト高校のみんなと一足先に別れることになってしまうのです。
当然卒業ミュージカルにはでられない。
卒業式とプロムには戻ってきて~~~とトロイと約束はするものの
さよならなんて・・・何度もできないと
せつない思いをトロイに訴える・・・・。


ここら辺が物語の山場。
プロムにはでられるの?ミュージカルには?
と結構ドキドキ(といっても、最後はうまくいくのはわかりきっているんだけど・・・笑)
転校ばかりしているガブリエラの気持ちを考えるとこちらも、
当然、せつない気持ちに~~~~。


卒業ってそれだけでせつないものだからね。



3は、踊りもパワーアップ。


こんな楽しいことばかりの高校生活なんて
ありえんと思うかもしれないけれど
映画は夢・・・
ミュージカルも夢・・・
なのだから、
そういう世界をとやかく言わず、充分楽しむことだけでいいと思います。

こういう世界に憧れるわ~~
それでいいじゃない?

この若さあふれるパワーを
皆が吸収して
現実世界を乗り切っていきましょう~~~~~♪



・・サントラ・・

1. Now Or Never / ナウ・オア・ネヴァー
2. Right Here Right Now / 今、ここで
3. I Want It All / すべて欲しい!
4. Can I Have This Dance / 踊りましょう
5. A Night To Remember / 忘れられない夜
6. Just Wanna Be With You / ジャスト・ワナ・ビー・ウィズ・ユー
7. The Boys Are Back / ザ・ボーイズ・アー・バック
8. Walk Away / さようなら
9. Scream / スクリーム
10. Senior Year Spring Musical / シニア・イヤー・スプリング・ミュージカル
11. We're All In This Together (Graduation Mix) / みんなスター! (グラデュエーション・ミックス)
12. High School Musical / ハイスクール・ミュージカル
13. The Boys Are Back (US5) / ザ・ボーイズ・アー・バック
14. The Boys Are Back Remix (US5) / ザ・ボーイズ・アー・バック



好きなシーン

最初の方・・シャーペイ&ライアンが、 I Want It All / すべて欲しい!だったかな、
を歌うシーン。ちょっとシカゴっぽい振り付けです。


トロイ、チャドが、少年の頃の夢を歌うシーン。
ザ・ボーイズ・アー・バック。


そしてワルツね♪



ハイスクール3


↑はワルツシーン。

屋上でのシーン(自然が一杯の屋上でロマンチックなのよ、いいな~あんな屋上)と、
プロムのために大学に迎えに行くシーンでの、2ヵ所出てきますが
素敵でした。わざわざ大学まで来てくれる彼っていいね~~


あ・・屋上ではなぜか大雨も降ってきて、見せますね~~~笑



haisuku-ru3.jpg

↑こういう卒業衣装は好きです
赤を観るのは初めてですけど・・。



ラストはカーテンコールあり、
NGありと盛りだくさん。
カーテンコールで6人がUPで映ったときには泣きそうでした。
もう終りなんだね~~~


今、1、2の録画ビデオ観ながら書いていますが
皆成長しているのよね。かっこよくなっております。ザック・エフロンいいよね・・
あ・・・ケルシーは隠れ美人だよね。

2月です

ミュージカル映画は・・行けそうにないかも・・
残念です・・・トホホ

思った以上に時間がとれませんね・・・
水曜日に予定が入ってしまうことが多くて。

新たに観たい映画選ぼう~~

閉鎖病棟   著  箒木蓬生

閉鎖病棟   著  箒木蓬生


舞台はある精神科病棟。
そこには様々な重い過去を背負った人々が入院していた。
そんな彼らは彼らたちの世界で、明るく前向きに生きていた。
そんなある日、殺人事件が起きる・・



感想   お勧めされて読みました。
まず、まったく、予備知識なしでの読書でしたので純粋にどういう風に物語が進んでいくのだろう・・・という興味がありました。
後半にメインとなる人は絞られるものの、
全体を通してみると、群像劇になっているストーリーです。
誰かを引き立てるような人物の描き方はしておらず
どの方も、丁寧にその人柄が理解できるように描かれておりました。

誰さん、誰さんと、それぞれ、本名ではなく呼び名がついているのですが
それがまた、結構な人数なんですよ。
当然、その方々、それぞれには入院に至るまでの過去があります。

まず、冒頭で何人かの過去を紹介し、
物語の流れの中で、行きつ戻りつで再度、過去が紹介されます。
正直、整理していくのは大変でした。
読みながら、え~~この人は、前に紹介されていたよね?
どういう人だっけ・・・と、振り返りながら読んでおりました。(単に理解が足りないだけかも)


患者さんは、皆、今日や昨日入院という人ではないのですよ。
三十数年、入院したままの患者さんだって当然いるのです。
だから当然、過去を振り返るというと戦争中の話まで戻ったりします。
時代を感じさせるんですよね。

中盤までは、精神病棟に入院している人たちの日常が淡々と描かれます。
最後までこのまま病棟における人間間模様だけが描かれるのかな・・・と
思っていたら、衝撃的な事件が起こるのです。


ただ、それも、これ見逃しにクローズアップしたような描き方ではなかったかな。
事件が起こり、その成り行きも、静かに静かに描かれておりました。
それゆえ、しみじみとした思いを感じてしまったかな・・・


事件は抜きにしても、作者がお医者様ということで
病院生活自体はとってもリアルに描かれていたのではないかと思います。
患者さんたちの世界は、私たちの社会と同じような、喜怒哀楽があり、
生活風景も変わらなかったりするのね・・・と感じました。
もちろん、一般の人とは違う行動を起こしたりする人々も
何人かいるので、ある程度の制約もあったりするけれど、
懸命に生きているという様子は伺えました。
患者であるまえに、人間であることを認めて欲しい・・
充分な判断力を持っている人も当然要るのに
まだまだ家族であっても、その理解を得るのは難しい・・・のだなと感じました。
チュウさんはその典型的な状態で
家族は冷たかったですね。そんな中、敬吾さんと昭八さんの2人は家族の理解が得られて
本当に良かったと思います。




映画で「カッコ-の巣の上で」というのがありますがちょっとそれを連想して
しまうような内容です。


後半に起きる事件について・・
加害者は車椅子イスの年寄りの秀丸さん。
被害者は札付きの悪、重宗。

秀丸さんにはチュウさんという味方がいました。
ラストの秀丸さんとチュウさんの手紙のやりとりはジ~~ンときてしまいます。
患者さんという目線よりも
1人の人間と人間が心を交わしている、まさにその状態だった
からです。


秀丸さんは物事を冷静に判断していたように思います。
一時の感情の爆発で起こした行為ではなかったはず。
島崎さんは冒頭でも出てくる少女でしたが
まさか、こんな事件に巻き込まれるとは想像もしておりませんでした。
さらに、彼女の妊娠の相手を知ったときは、最低!!・・・と思いました。
そういう事情を知っていたからこそ、秀丸さんは行為に及んだ・・・


被害者の重宗。彼は薬の常習者で、病院仲間からも看護婦さんたちからも嫌われている
本当に手のつけようがない悪人です。
病院に入っているゆえ、悪いことをしても、患者ではしょうがないと、警察も動いてくれない
みたいです。
秀丸さんが、こうするしかないと判断したのもうなずけます。
でも秀丸さんには、大きな過去の罪があるのです。てんかんの病気をもっていたとは
いえ、母親とその内縁の夫、子ども2人を殺している身なんです(死刑宣告され、執行されたが
失敗し、その後、精神病院の院長のつてでこの病院へ)
その過去は、やっぱり、ひっかからないといえば嘘になりますね・・・。
その過去と島崎さんの件とはまったく別物です。
あの時代に比べ秀丸さんの体調もだいぶよくなっているし・・。
過去の事件を引き合いに出して判断して欲しくないとは思いますが
世間一般の目は厳しいだろな・・と感じました。
チュウさんや島崎さんは、きっと過去にこだわっていなかったんでしょうね。
今ある秀丸さんの姿に、親近感をもったはずです。


物語は島崎さん、チュウさんともに、前向きな方向で終ります。
やり直しは、またできるんだということ・・。


どういう視点で読むかで感想も大きく変わってきてしまう
物語だと思いますが、
見えていなかったものを見せてもらった・・・そんな
印象をもった作品となりました。
まだまだ自分の知らない世界があるんだな・・・ということ。

差別や偏見・・・・など、
難しい問題も絡んでいるお話だと思います。
なかなか厳しいですよね・・・世間の目は。
でも最後に待ち受ける人と人との温かい交流で
難しい事柄は、一瞬消えてしまうような感じではあります。

患者さんの目線で、ストレートに描いているということで
読む価値がある本だとと思います。
そして落ち着いた頃に、是非いろいろ考えて欲しいです。



お勧めありがとうございます~~~★
頑張ったかいがありました★。
またよろしくね~~~


閉鎖

プロフィール

みみこ

  • Author:みみこ
  • レイフ・ファインズ好き
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク