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感応連鎖   著  朝倉かすみ

感応連鎖   著   朝倉  かすみ



母親和代は、節子を「セシルちゃん」と呼び、過度の愛情を与える。
「理想の女」を求める母は、娘節子に期待。
節子はかなりの肥満体。
母の、その期待をすべて吸収することで、自分の体が肥大していくのではないか・・と
思っている。
節子は高校へ入学。そこで、相手の触れて欲しくない部分が読み取れる
佐藤絵里香や、理想の女、島田由季子に出会う。
彼女らもまた、それぞれ相手の視線を意識し、お互いが影響しあいながら
成長していく。


 


感想 

 墨川節子、秋澤初美、佐藤絵里香、新村由季子(旧姓 島村由季子)、それぞれの
が各章での主人公。
節子と、絵里香、由季子はともに同じ女子高の同級生。
秋澤初美は、その女子校で働く教師、秋澤の妻という人間関係です。


初読みの作家さんでした。作風はいつもこういった感じなのでしょうか。
主人公がすべて女性で
舞台も、女子高ということで、女の本音に迫るような物語ではありましたが
ちょっとばかり、異質な部分も入り込んでおりました。
(特殊な能力を発揮できる子がいるという設定あり・・・)
そのためか、癖がある物語のように感じ取ってしまい、
しっくりいかないところがありました。
面白いお話だね・・・と素直に読めないところがあったのです。


彼女らすべての繋がり方や、
意外な事実などなど、
好奇心そそられるような作りではあったのですが
なんかね・・・・、どういっていいのか、
作品全体に漂う雰囲気かな・・・。
それが合わないのかも。
また、どの物語の主人公たちにも、自分と距離感がありました。
共感はできなかったな・・・。


同じ物語内容でも、別の書き手だったら違った表現方法で展開されていくだろうな・・・と
きっと。まだこういった雰囲気になれていないからなのかも。
イヤっていうわけじゃあないのだけれど、
もっと素直なカタチで読みたかったというか・・。
自分が思っていたのとは感じが違っていたというのが良いのかな。



過剰な自意識
羨望、妬み・・
他人の視線を受けることで自分達がそれぞれ変化していくこと・


最後の章で、
由季子は子どもを妊娠
どうやら女の子。
アリスちゃんと呼び、夢の女の子を期待する・・

ああ・・感応連鎖って表題がここではっきりわかったような・・・。

節子の母親和子、予備軍なんて
どこにでも、
どこにでもいるんだね・・。



なんだか、自分が女性でありながら
その女性でいることが
ひどく、嫌な気分になるようなそんな読後感でもありました。






kannnou rennsa
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アザーマン -もう一人の男-

アザーマン -もう一人の男-<未>  (2008  アメリカ・イギリス)



THE OTHER MAN



監督: リチャード・エアー
製作: フランク・ドールガー
マイケル・ドライヤー
トレイシー・スコフィールド
製作総指揮: リチャード・エアー
ジャン・モイト
メアリー・ベス・オコナー
デヴィッド・リシェンテル
原作: ベルンハルト・シュリンク
『もう一人の男』(新潮社刊『逃げてゆく愛』所収)
脚本: リチャード・エアー
チャールズ・ウッド
撮影: ハリス・ザンバーラウコス
プロダクションデ
ザイン: ジェマ・ジャクソン
編集: タリク・アンウォー
音楽: スティーヴン・ウォーベック
出演: リーアム・ニーソン ピーター
アントニオ・バンデラス レイフ
ローラ・リニー リサ
ロモーラ・ガライ アビゲイル
パム・フェリス
パターソン・ジョセフ
クレイグ・パーキンソン
リチャード・グレアム
ポール・リッター




感想    監督は、「あるスキャンダルの覚え書き」のリチャード・エアー 。

原作は「朗読者」のベルンハルト・シュリンク 。

出演は、リーアム・ニーソン、 アントニオ・バンデラス、 ローラ・リニー、 ロモーラ・ガライ 。

こういう状況なんですよ。未公開といえども、期待させられますよね。
絶対、チェックしてみたいと思いますよね。

だから・・・観ました!!


しかし・・・・う~~~んでした。期待度大きい分、ガッカリ度も大きかったです。
出演者が豪華だということで、それはそれで、観て良かったという思いにはなりましたが
なにせ、ストーリ自体に共感すべき部分が少なかったのが
原因。




サスペンスといっておりますが、全然サスペンスではありません。
確かに、サスペンスぽくつくってはおりますが
いろいろなことが明らかになると、な~~んだということで肩すかし。
ドキドキ・ハラハラ感はなしです。



まず、冒頭で
なにやら楽しそうにボートに乗っている妻・・・の映像。
どこで誰とは不明で、ただ妻のうれしそうな顔のみ。
<これが、あとあと、どういう状況の場面かというのが
物語上で、わかってくるので意外と重要な場面ということがわかる。>


場面は切り替わり、
妻と夫が、仲良く寄り添う場面。


妻は、靴のデザイナーで、業界でも成功しているキャリアウーマン。対する、夫も仕事が成功している
リッチな身。
その妻がある日、ミラノに出張するといって、そのまま・・・。


画面は、妻がミラノに出張する場面で唐突に終わり、
そのあとは、夫が一人部屋にいる場面。
「リサ(奥さんの名前)は一体どこにいるんだ・・・」と思わせぶりなセリフを夫が
言うもんだから
てっきり、妻はミラノ出張にいき、そのまま行方不明か・・と・・・思ってしまう。

(しかし、違う・・・真相は後半で・・←ここがサスペンスぽっくあるのか・・)


・・妻はどうしちゃったの?
という疑問を残し、夫はそのうち、妻のパソコンの秘密に気づく。

見知らぬ男からメールが・・・!!

男がいたんだ・・・。がっかりな夫。

続いて、ラブと書かれたフォルダーも発見。


しかし、パスワードがないと開かない・・・。



とりあえず、妻あてに来たメールの持ち主を探し出し、
一人ミラノへ・・。



やがて、きざ~~な男、バンデラス扮する、レイフ(おお~~~これが愛人の名前なのよね・・・笑)
という男にたどり着く。


彼はチェス好きで毎度、チェス道場なるところに現れるの。
そこで夫は身元を隠し
そこに現れ、チェス仲間として彼に近づき、
過去の女の話を聞き出す。・・・(つまり自分の妻との出会いを聞き出している・・)
妻と愛人のなれそめを聞きながら
怒りにはらわたが煮えくりかえる思いをかかえる夫。


そうえいば、あの妻の
ラブファイル・・・。
夫は、昔、妻から渡された、一枚の紙切れに書かれたある文字を思いだす。
そのままそれを、パスワードとして打ち込むと。

おお~~、開きます・・・・そのファイルが・・。

そこには、
あのチェス男と
いちゃいちゃした、妻の写真が次々と・・・。

ベットでの戯れのシーンも平気で残している奥さんの気がしれなく・・・

観ているこちらは唖然!!

そもそも、パスワードを夫にあえて知らせる妻の気がしれない・・・・・唖然。


も~~う、夫は怒りまくり
その愛人を殺してしまう・・・・という話だったら
まあ、よくある話として、理解もできるんですけれど、そうではなく・・・。


そのまま、しばらく様子を見たり・・・・
うだうだしていて、最後に正体を明かす。


そこで今の奥さんの状況も愛人に明らかにする・・・。

驚く愛人・・そして・・・。



<ネタバレ・・>





奥さんは実はがんで亡くなっていた・・
夫は、死んでから、愛人の存在に気付いた。
しかし、観ている方は、奥さんが死んだとは最初の方ではわからないので
ちょっとやきもきする・・・。

そして、この愛人。
リッチなそぶりをしていたが、実は借金もある、見せかけだけの平凡な
男。
まあ、そういう、羽振り良くみせる、そんな男だと知っていても
このリサは愛していてくれたっていうことが重要なのか。

ただし、夫も愛していたという・・どうにも理解できない妻。
愛人の記録を残しておくというのも
変だし、わざわざ、夫にその秘密を覗いてください・・・といわんばかりに
ヒントを残していくのも変。


本当の自分を知ってほしかったということか。


また、この夫が最終的に
愛人を受け入れてしまうところも変。
今更、張本人の妻もいないので、愛人を責め立てたところでどうにもならないとは
いえ、
「リサは私も彼も愛していたんだよね」と納得できてしまうのが不思議。



普通、許さないでしょ、こういう二重生活妻・・・・。




昔は夫が裏に愛人というケースが多かったように感じるけれど
今では妻の方が、複数の男を相手にしている時代。


二人の男を同時に愛してしまったといえば、いいじゃない・・・といって、事が片付く問題でもないでしょう。
やっぱり、あっちもこっちもで、良い思いをしているのはどうかと。
結婚しているんだしね~~。



また、がんで死んでしまう妻が
美を大切にしていたから、積極的な治療も受けずに、ただ病を受け入れていたという
考えにもう~~ん。美しさにこだわるのもいいけど、
なんかね・・・。



いろいろと、文句も出てしまう
内容の映画でした。
自分がこの奥さんの娘なら絶対いやだよ・・・。
秘密があるなら、そのまま。。死の世界まで持っていってほしかったな・・


aza-mann  BBBF-8510

エスター

エスター (2009年  アメリカ)


ORPHAN


監督: ハウメ・コジェ=セラ
製作: ジョエル・シルヴァー
スーザン・ダウニー
ジェニファー・デイヴィソン・キローラ

レオナルド・ディカプリオ
製作総指揮: スティーヴ・リチャーズ
ドン・カーモディ
マイケル・アイルランド
原案: アレックス・メイス
脚本: デヴィッド・レスリー・ジョンソン
撮影: ジェフ・カッター
プロダクションデ
ザイン: トム・マイヤー
衣装デザイン: アントワネット・メッサン
編集: ティム・アルヴァーソン
音楽: ジョン・オットマン
出演: ヴェラ・ファーミガ ケイト・コールマン
ピーター・サースガード ジョン・コールマン
イザベル・ファーマン エスター
CCH・パウンダー シスター・アビゲイル
ジミー・ベネット ダニエル・コールマン
アリアーナ・エンジニア マックス・コールマン
マーゴ・マーティンデイル
カレル・ローデン
ローズマリー・ダンスモア


3人目の赤ちゃんを身ごもったケイト・コールマン。
しかし、その子は死産。
そこで夫婦は養子を迎えることを決意、地元の孤児院を訪れる。
彼らは大人びた一人の少女、エスターに惹きつけられ
彼女を養子として引き取ることにした。
しかし・・・。





感想   最近ムシムシするので、ホラーでもと。


ブログのお友達も結構↑を見ていたし、なにより、このDVDパッケージが
インパクトあるよね・・・というわけで、手にとりました。


この女の子、エスターが
何やら意味ありげなんだよな・・・っていうのは
見る前から想像できました。
だって、あんな顔で・・・映っているし・・・・・・笑



実は子供が・・・悪人っていうのは
他にもあったような・・・。
カルキン君の「危険な遊び」なんてそうじゃない?

でも、この映画はそれだけでなくって、大きなオチがあって。
ええ~~~、そんなことあるの?
いや・・・あるんだ・・(と納得しちゃうだけの力があった・・笑)
というような、意外性があったところがまず、面白かったと思います。

今まで見た中でも
この子の正体は・・・というのはなかったよね?
実は悪魔の子だとか(オーメンみたいな感じ)
そういうのは、いっぱいあったけど。
だから目新しさはありました。



この夫婦がどんどん、このエスターにひっかきまわされて、
崩れていくさまが、実に見どころでね。
奥さんは過去にアルコール依存の病気があったようで、
いろいろな疑念を家族にいっても信じてくれないんですよ。
お前の病気のせいだ・・といわれてしまって。

どんどん、エスターのいいように
ことが運んでいくの。

あれって、本当に怖いよね。真実が歪められていくところ。
エスターが、男の子じゃなく、女の子ということで
どこか、パパも甘さが漂っていて。

ああいうラストの真実がなくても
それに近い、行動する子供も(殺人ではないのよ。もうちょっと、軽めの行動という意味で)
いるかもしれないよね・・・。大人をうまくとりこんでしまう子供。
そう考えると怖いですよね。



そもそも、
この夫婦の、養子を迎えるというのはよくわからないところ。
すでに2人もいるのだから
その子たちを愛してあげればいいじゃん・・・というのは自然な疑問だよね。

急に、ある程度の大きさになった子を連れてきて
今日からお前たちの妹だ・・・姉だ・・・といわれても
子供たちは戸惑うよね・・。


ピーター・サースガードがパパ役なんだけれど、
ず~~と、心配だった・・・笑
あんな場所で、夫婦いちゃいちゃするし、脇が甘い・・・と思っていたから・・・笑
一緒になってドキドキしたよ。
サースガード、いいよね?結構好きなんだけれど、
いつも、優しいんだけれど、だけど・・・という役が多いような。

だから、
エスターが誘惑かけるところでは
より、
心配で心配で。
そうなりそうな感じの彼だし・・・・。
そうなったら、別の物語になちゃうけど・・・笑


冒頭の出産シーンがかなりインパクトあって
終始そういう状態だったらどうしょうかと心配したのだけれど、
中盤までは
家族ドラマみたいにわりと、普通に描かれるので、意外と安定した精神で
見ていられました。
エスターが、徐々に過激な行動を取り始めてからは
ドキドキしながらの鑑賞になったけれど。



子役も上手でなかなか良くできた作品だったのでは。


ただ、お家でDVDだったからか、
ラストの格闘部分が暗くてみにくかったです。

特典映像のもう一つのエンディング。
あれもいいかな・・・と個人的には思っています★

esuata-.jpg

さよならドビュッシー   著  中山 七里

さよならドビュッシー   著  中山 七里



ピアニストを目指す遥とルシア。
ルシアはスマトラ沖地震で家族を失い、遥と一緒に暮らしているのだった。
遥たちのおじいちゃんは、大金持ちで
息子は、遥の父親とおじさん。娘が、ルシアの母。
おじいちゃんは、子供たちより孫2人の将来に期待していた。

そんなある日、
おじいちゃんと遥、ルシアたちは、火事に遭遇。
おじいちゃんとルシアは、焼死。
遥も全身大火傷を負ってしまった。
彼女は怪我にもめげず、不自由な体で
ピアノコンクールを目指す。




感想

第8回このミス大賞作品。
題名通り
ピアノや音楽を題材にしたミステリー小説。

ミステリー部分はたしかにありましたけれど、
ピアノにかける少女の青春物語としても十分楽しめる作品。


大人よりは中高生向きかもしれないです。


キャラが、典型的といいますか・・・わかりやすい人たちばかりで
ドラマになりやすい世界でもありました。



主人公をいじめる友人たち・・・
理解のない・・・校長
イケメンのピアノの先生&探偵
刑事さん
整形外科の先生・・



などなど・・・現実的にはいますか・・こういう人?という人物もいますが、
読む分には、個性的な面々で楽しいです。



ピアノの課題として
有名なものがいくつかでてきますし、
努力する素晴らしさ、のし上がっていく強さ・・
頑張り・・・など、
スポコン並みに熱いものが語られます。

眩しいです・・。

そういえば、昔、キョンキョンのドラマでピアノものありましたよね。
ああいう世界。


最後の方で
ミステリーの種明かしもあり、
これが意外と驚く内容。
おお~~~そうだったか・・という、素直な驚きに遭遇できます。
初めて、ミステリーだとここで気づいた感じです。



題名の意味は
ちょっと悲しいかな。

なかなかよくできた作品でした。
軽い感じがする作品ですけどね。


乱反射    著  貫井徳朗

乱反射    著  貫井徳朗



幼い命が奪われた。
街路樹の木の下敷きになって。
果たしてそれは、防ぐことができなかったのか。
それとも人災か・・。
様々な人間たちのエゴの果てに起きた悲劇。





感想

第63回、日本推理作家協会賞受賞作です。
(たしか、このあとの作品「後悔と真実の色」は山本周五郎賞を受賞していますよね。貫井さんすごい)
この、乱反射に関しては
このときの、選考委員の北村薫さんの言葉にも惹かれました。
だからより読む気になったというのもあるかな・・。

ちなみに、
この第63回の候補作品には
佐藤 正午さんの「身の上話」や
湊 かなえさんの「贖罪」も入っていました!!




日常の些細な不道徳心が
一人の幼児の命を奪ってしまった。
モラルの欠如ゆえの悲劇です。


そういう話です。


映画で言えば、バタフライエフェクトのようです。


モラルが欠如していたからといって、
悲劇が、必ずしも起きるのかといえば、そう言い切れないところもあると思います。
反対に、品行方正な生活を皆がしていたとしても、
悲劇は起きるかもしれませんね・・・。
そういう考えをすると
それぞれ、この事件にかかわった人たちを
一方的に責めることもできないないのかな・・・と思ってしまう自分もいます。
こんな不道徳な人たちがいるからだ!!と
憤っても、結局、じゃあ、自分は?と振り返ってみたとき
思い当たる部分がまったくないとは、いえませんよね・・
一回ぐらい・・いいじゃないか・・・。
この程度なら・・
心当たりある人もいるかもしれません。


しかし、この物語で
いくらなんでも・・・これはひどいおこないでしょ・・・と思う人もいます。

車庫入れ、途中放棄は・・・いくらなんでもひどくありませんか?


お話の具体的な内容に





この物語は-44という章から、スタートです。
事件が起きる前までをマイナスの章で表記。
事件が起きたそのときの章をゼロとしています。


一人の幼児の死にいたるまでには様々な人々の生活模様が語られるのですが
なにしろ、登場人物が多いので
整理していくのが大変です。
とっかえ、ひっかえ・・順不同で登場してきます。


病院の待ち時間を避けるため、風邪程度で夜間救急を利用する大学生。

定年を迎えた老人、暇つぶしに犬の散歩を毎朝するようになるが、持病の腰痛のため
飼い犬のフンを放置しつづける。

生活に余裕がある主婦、周囲に認められたいがために
環境保全運動を行う。

クルマの運転が苦手な女性。大きなクルマに買い換えた途端、ますます車庫入れが苦手に。
ついに路上でクルマ放棄してしまう・・。

もめごとが嫌いな公務員。ほどほどに仕事をしようとするが、
プライドの高さだけは十分ある。

潔癖症な造園土木の作業員。病気ゆえ、自分の仕事をやり残してしまう。


そして・・・・自宅のゴミをパーキングエリアのゴミ箱に捨てる彼・・。


一見、
幼児の死には関係がないような出来事に見受けられますが
そういう人たちの身勝手な行動の積み重ねが
悲劇につながってしまうという、
考えていくと、本当に恐ろしくなるような話なのです。


こうやって物事を突き詰めて考えると
生きていること自体は偶然の賜物でありますよね。
一歩間違えれば、どこで運命変わっていくのか、わからないもの。


どんでん返しはありません。
ミステリーとして読むとちょっと系統は違うと感じるかも。


責任の所在がどこにあるのか・・・
納得できない遺族の気持ちもよくわかります。
反対に
すぐに、それは私の責任がある・・といいだせない人たちの
気持ちもなんとなく、わかります。

自分の胸に手を当てて・・・
誰かに迷惑をかけていないか・・・
そんなことを
ふと思ってしまうようなお話でした。


日常に潜む怖さを感じますよね。


あ・・・クルマの運転を放棄する女性がとくに腹立たしいと↑で
書きましたが
樹の伐採を反対する、リッチな主婦の方々。
こちらも、少々、むかむか・・しましたね。
私はそういう暇つぶしでおしゃべりして、良く考えもしない行動をとる、主婦が嫌いだわ・・・・。


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モンスター   著  百田尚樹

モンスター   著  百田尚樹

田淵和子は、
生まれながらにして醜い容姿のため
「バケモノ」扱いされていた。
自分の殻に閉じこもり孤独な日々を送る。
彼女は幼い頃に自分を守ってくれた少年に恋していた。
そんなある日、高校で再びその少年と再会する。
恋心を伝えたいが、醜い容姿のため思い悩む。
やがて、彼の目をつぶすという恐ろしい行為をしたため
モンスターと呼ばれ、家族や周囲から恐れられてしまう。
地元にいられない和子は東京へ。
そこで、
彼女は整形して美しくなるという方法を知り、のめりこんでいく。



感想



主人公の行動はう~~んです。
心情としては理解しますが
やはり、やりすぎでしょう・・
美に対する意識として

美容整形の医者の説明・・
短大の心理学の先生の説明・・


などが出てきます。
より具体的に
論理的に説明されていて
納得できること多かったです。


男の人って美人が好きなんだな・・・っていうは
わかる気がします。
まずは目に入るものから・・・っていう気はするのよね。

そういえば、某テレビ番組で
整形をする・・という企画ものがありましたよね。

あれをそのまんま、思い出してしまいました。

当事者にとっては、深刻な悩みなんでしょう。

美容整形はしたい人がいるならそれはそれでしょうがないわ。
でも安易な気持ちではしない方がイイと思うけれど。
自分がそこまで悩んでいないからそう思うのかな・・・とは
思うものの、やっぱり、痛いのはイヤだし、
手を加えるのが、悪い気がして。


このお話を読んでいると
美容整形に対するハードルがより低くなっているかなって
気がしますね・・
さっき私が書いたような痛いからいや、罪悪感あるし・・なんて感じないような雰囲気。
それよりも
化粧より便利じゃないか、化粧はまやかしだけれど、
整形はそのものの自分だと言われると
ほ~~と感心してしまう始末。
まるで、化粧より美容整形どんどんしましょう・・的なにおいがしてきます。
でも
私はいやだな・・・笑



この物語で気分が悪くなるのは
性風俗描写が多いこと。
下半身にまつわる手術もあったし・・
そこもイヤなのよね。

整形の資金つくりのために
どんどん身を落としていくわけよ、この和子が。

それはどうかな・・・と思うからね。


ジェットコースター的な物語で
整形によってどんどん和子の周辺が変わっていくの。
そして和子は綺麗になって
昔、ひどいことをした男達に
復讐もしていくの。

そういう復讐場面を読んでいても
爽快さはないわね。
なんだか、
そういう行為をすればするほど、
和子って愚かね・・・と思ってしまうから。
追い詰められていたっていうのもわかるけれどね・・・



初恋の英介さん。
どうってことない男だよね・・・・笑
それよりも
風俗で味方になってくれた男。
ああいう人の方が、人間として良いかもよ。


ああいうラストで
しょうがないかな。
私はてっきり
友人のアケミちゃんみたいな結果になると思っていたわ。
まあ、同じようなものだけれど。


あんまり気持ちがいい読後感ではなかったです。
作者はいろいろな題材で
作品発表していますよね。
資料探していろいろ大変でしょうね。
今回は、私にとっては、
ちょっと苦手な題材だったかなという気がします。
女性にとっては聞きたくないような
お話が多かったからね。



ももたモンスター

ヘヴン    著  川上 未映子

ヘヴン    著  川上 未映子


斜視が理由でいじめられている"僕"。
汚い、臭いという理由でいじめられている‘コジマ‘
ある日、僕はそのコジマから一通の手紙をもらう。
「わたしたちは仲間です」



感想   


「ヘヴン」にかんしては、本を読む前に
いろいろ前知識を入れてしまいました。
トップランナーで、著者の人となりを知り
エッセイの方も先に読んでしまったので(最終章はまだ・・)
どういうテーマで、この作品を作り上げたのかというのを知ってしまって
いたのです。

善と悪についてですよね。

でも、だからといって、すべての内容について
理解できたかというとNOです。
正直、難しいです。
やっぱり、ところどころ作者がどういう意味合いで設定したのかしらという部分がありましたし
わからないところも多かったです。

たとえば、
百瀬と二ノ宮の関係。
僕が隠れたトイレで交わされた、二ノ宮と誰かの会話(P。25)
この相手は誰だったのでしょう。
百瀬?意味ありげな会話でしたが、
こういう部分を入れることで意味することは何なんでしょう。

たとえば
百瀬は体育をよく見学していました。
そういえば、本の後半で僕が百瀬と偶然出会ったのは病院。
百瀬はなぜ病院にいたのでしょう。
意味はなかったのでしょうか。


まあ・・・他にもいろいろありますが。


この本は
いじめに関しての話ですが、それだけがこのお話の言わんとするようなことではないようです。
あくまでも設定がいじめ・・・だということで
そこに作者の哲学的なものの見方が
入れこまれているようですね。
登場人物それぞれの言い回しには
作者自身の思いを投影しているのではないのかな・・・と思っています。


一般的ないじめに関する本とはちょっと方向性が違っています。
先日読んだ重松さんの「十字架」の、いじめをテーマにした
お話とは全然違いますね。
だから、この小説をいじめ小説というだけで読んでしまう
と違和感感じるところもあるのだと思います。


「ヘヴン」は、
いじめの内容がかなり悲惨でした。

サッカーボール見立てたゲームにしろ、
チョーク食べさせるにしろ
ラストの公園の一件にしろ、
想像するのもおぞましい光景ばかりです。

そういう行為、実際はどうなんでしょう。
もはや、いじめというより、犯罪に近い感じ。
あるのかもしれませんね。

いじめの行為は実際もと思わせますが
物語の登場人物、3人、僕、百瀬、コジマについては
リアリティもって存在しているだろうかと考えると
疑問です。
(僕は一番身近に考えられるでしょう。)
問題は
百瀬、コジマです。
彼らは正反対の形で登場し
独自の考え方を持って
このいじめをとらえています。
ここまで論理的な子供はいないだろうと思えます。
コジマのように悟ったような考え方の子供はいないでしょう。
汚い恰好をするのは、別れた父を忘れないため。
お父さんと一緒に暮らしたことのしるしのようなものなんだ・・ということを
考えるコジマ。
実際、いないでしょう・・。ちょっと病んでいる感じですらありますから。
でも、現実にいるってことが大事ではなく
きっと、この物語の中でコジマの存在が意味するものを理解する・・っていうことが大事なんでしょうね。


コジマは言います・・すべてのことには意味があると。
私たちが、みなにいじめられているのも意味があると。
これを耐えなきゃあたどりつけない
何かがあるんだと・・・。
僕の斜視も、斜視があるから、こういう状況、仲間になりえたのだから
意味があると考えているようです。

対する
僕・・・。
自分の目を好きだよって言ってくれた、コジマに
次第に心が惹かれるようです。
友情なのか、それ以上のものか。
しかし、コジマの考えについていけない自分もいるよう・
コジマはどんどん強くなっていきます。
いじめられている、自分たちは弱いのでなく、
本当は一番強いんだ・・・
その"強さ"こそが"正義"なのだ、と理解しているから・・・。


ある時僕は
体育館でサッカーボールに見たてられ、ひどいいじめをうけます。

それから、一人
死について考えてみるのです。

死ぬってどういうことなんだろう。ただ、眠ったままなだけなんじゃあないのか。
眠っていたことは朝がきて目覚めればわかる。
でも朝が永遠にこなければ、眠ったままということ自体にさえ、気付かないんだ。
だったら、当人だって自分が死んだということに気づかない。死ぬ人は誰も死ねないんじゃあないのか。

P、153~の死への思い・・・
これは川上さんの思いでもあるのかな・・・・。
僕に語らせて、やはり、自分の思いをぶつけているような気がします。
でも、すごっく、ガツンときた部分です。

そして、
百瀬。
彼の話は強烈です。
百瀬の言い分に
どこか納得してしまう部分があり、そもそも、悪ってなんだるう、
善ってなんだろう・・・と考えてしまうような部分でもあります。
いままでいじめは、善=いじめられるもの
悪=いじめるもの・・という図式でとらえていたのに・・。
百瀬の考えだと
いじめは欲求の結果であって、そこに善悪は存在しないと
いうことなのだから・・・。
それに、皆がおなじように理解できる世界は存在しない・・・と。


なんで、きみは僕に暴力をふるうんだ。誰にもそんな権利はないという僕に・・

「権利があるから、人ってなにかをするわけではないだろ。したいからするんだよ。」(p・165)

「無意味だってことには賛成できるけれど、そんなの無意味だから、いいんだろ。」

「ただそのなかでも傾向見たいみたいなのはあってさ、たまたまそのときにやりたいことっていうのが
でてくるじゃないか。
欲求っていうのかな、そういうのがたまたまでてくるだろ?
省略・・・君が置かれている状況っていうのは、そういうたまたまが一致した単なるけっかなんだと思うよ。」
(P.169)


嫌な奴ですよね、百瀬。
これが、まかり通る世の中だから
差別があり
いじめも生じるのかな・・・。

そんな理屈こねた言い回しをして
いじめを肯定する考え方はいやだ・・・わ。
百瀬にうまく
反論できないけれど・・

人間はやっぱり、
道徳的な部分で厳守していかなくてはならないものがあるんだから・・・
それまでも否定してしまったら
社会生活なんて成立しないではないのかと思います。
だから、ダメなものはダメ
いじめもダメなんです。
百瀬の言い分には太刀打ちはできないけど・・・。






コジマは
僕が斜視を治すと聞かされ
急に態度を変えます。

コジマと
僕は
それぞれの世界を生きることになります。


どうしてそんなにコジマが目にこだわるのか。
そこまで、コジマの世界に
僕を、引きづり込まなくてもいいのではないのか・・・。
わかりませんね~~


この物語で
一番せつなかったのは
コジマとの、別れが生じてしまったことです。


この本は、わからないことが多く
どこか釈然としないものを抱えての読後感でしたが
最後の場面は
なぜか、いいようのない感情に
つつまれます。
とくにラスト2行・・・。



コジマとの別れが
とても悲しいです・・・
僕とコジマの日々が戻ってこないのが
無性に悲しいです。
それだけでも
感じとれたら
いいのではないかとさえ思います。

あくぁかみへヴん



ブライト・スター~いちばん美しい恋の詩(うた)

ブライト・スター~いちばん美しい恋の詩(うた)~(2009  イギリス/オーストラリア   )


BRIGHT STAR



監督: ジェーン・カンピオン
製作: ジャン・チャップマン
キャロライン・ヒューイット
製作総指揮: フランソワ・イヴェルネル
キャメロン・マクラッケン
クリスティーン・ランガン
デヴィッド・M・トンプソン
脚本: ジェーン・カンピオン
撮影: グレッグ・フレイザー
プロダクションデ
ザイン: ジャネット・パターソン
衣装デザイン: ジャネット・パターソン
編集: アレクサンドル・デ・フランチェスキ
音楽: マーク・ブラッドショウ
出演: アビー・コーニッシュ ファニー・ブローン
ベン・ウィショー ジョン・キーツ
ポール・シュナイダー チャールズ・ブラウン
ケリー・フォックス ブローン夫人
イーディ・マーティン
トーマス・サングスター
クローディー・ブレイクリー

1818年。
結核を患う弟トムの看病をしながら、詩人として活動するジョン・キーツ・
彼は友人のブラウン家に居候することに。
隣人には、ブローン家。
彼はそこの長女ファニーと恋心を募らせる。




感想

ジェーン・カンピオンの久々の新作。
もう~~、上映する前からず~~と待ち望んでいた作品なので無事鑑賞できて
ホッとしています。観たい作品を思うように鑑賞でいないこと
多かったからね~~

で・・・今作。
大変、良かったです。
泣きどおし・・・。
まさに、私好みの作品でした!!
英国詩人ジョン・キーツの伝記ものであり(知りませんでした・・汗)、
かつ悲恋のドラマ。
あらすじを聞いただけで、おおよその内容がわかりますし、
割と淡々とした映画ので、好みはあろうかと思いますが
概ね、女性陣は、受け入れやすいのではないでしょうか。


過激な演出はまったくないんですよね。
大きな声で好きだ・・・というわけでもなく、
グイグイ抱きしめて、気持ちを盛り上げるわけでもなく、
最後まで
ジワジワ・・ジワジワ・・・というレベルなんですけれど
それが近年になく、ピュアな恋愛に感じて
よりせつなかったです。

カンピオン監督の作品は、時に、え!!よくわからないよ・・・というときもあるのですが
これは、非常にナチュラルなので
観やすいと思います。
監督の持ち味である
映像美が素晴らしく、挿入されるコーラス(男性コーラスもあり)や
流れる音楽の素敵なこと。
詩人のお話ですが、映画自体がまるで詩のような作品に仕上がっていて
本当に良かったです。

しかし、~~レディースデイだったのに、空いていましたね。
やっぱり告白のような刺激のある映画のほうに流れちゃうのかな。

18歳のファニーは
ある夏、詩人のジョン・キーツと知り合います。
ファニーは刺繍をし、時折ダンスパーティーにでかける裕福なお嬢さん。
外出時には必ず弟と妹を連れて出かけます。(一人ではでかけないの)
お裁縫が得意で、自分の着るものはすべて
手作りです。
そんな彼女にキーツの同居人、ブラウンは皮肉めいた物言いをします。
が、キーツの方はそんなブラウンと正反対に優しく穏やかな物言いで接します。
ジェントルマンなのよね、キーツが。
ファニーの着ている服が
最初からとっても印象的。
襟巻きトカゲのような
フリフリの立ち襟。
ピンク、赤、ブルーといった原色のドレスから
シックな色のドレスまで、季節に応じて、また時と場所によって
着分けます。
帽子もバリエーション色々。

ファニーはムチムチとした体の女性なんですけれど
見慣れてくるとそれも若さゆえで可愛らしい・・・
対するキーツはスマートでいかにも繊細な
青年という雰囲気です。
ベン・ウィショーは「情愛と友情」でも演じた青年のイメージが残っていましたので
こういう青年像にはピッタシ。
見るからいかにも幸薄いという印象です。

今時珍しい、純愛の映画。
恋愛映画でしたけれど、
キスのみで、それ以上は一切無し。
キーツは自分の死期が近いとわかったうえでも
一線を最後まで崩しませんでした。
良心が痛むからと・・。

収入がないことで
結婚できない身。
ただ、待つだけの女性でしかない身。
この当時の時代背景って
「秘められた恋」でもさんざん観て、知っていましたけれど
なんどみても、どうにも、やるせない時代だよね・・・と思わずには
いられないです。

好きなら突っ走ろうよ・・・と簡単にはいえないところ。


この若い二人の慎ましさ。
思いをギュっと心に押し込め、耐える様。
いじらしさ・・
せつなさが、たまらなく・・・
胸いっぱいになりました。


キーツがブラウンの送った手紙に
憤りを示すところや
二人で森の中に入りはじめて、意志の疎通ができて
ラブラブムード漂わせるシーンなど
恋愛初期の心の揺れに胸キュンでした。


それにしても仲間のブラウン氏は少々身勝手。
あの、お手伝いさんを妊娠させて
キーツの大事なときに助けになってくれないんだもの。


ファニーの妹ちゃんは
顔は可愛くないけれど、
行動が可愛かったわ・・・笑
弟ちゃんは
「ラブ・アクチュアリー」のトーマス・サングスター 君。
大きくなったわね。


詩人ということで
印象的な詩の朗読が多いです。
エンドクレジットでは
長い詩が紹介されますし。

また手紙のやりとりも心を確認しあう
重要なアイテム。
今はもう、そういうこともないよね・・


ファニーがキーツの手紙を待ち焦がれて
これが「恋なのね」と呟く
ところ。
あ~~~彼女、一歩大人への
階段を昇り始めたのね・・・としみじみした親の気分。


ファニーのお母さんも
もっと厳しいかと思ったら、そうでもなく。ただ頭ごなしに
こうしなさいといっているわけでもなかったわ。
娘の心を最大限にわかってあげようと
努力しているんだな・・・ということも見受けられ
うれしかったりもしました。



あ・・・それにしてもわかっていても
悲恋はつらいです。

ファニーの
黒のドレスが美しくも痛々しくって。


また、なきました・・・・・



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プロムナード   著  道尾秀介

プロムナード   著  道尾秀介




第Ⅰ章と第Ⅲ章は日経新聞に2009年7月から12月までに連載した「プロムナード」というコラムに
連載していたエッセイ。
第Ⅱ章は様々な雑誌で書かれたエッセイをまとめたもの。
その他、僕が好きなもの、本、映画として、これも他の雑誌にかかれたものをまとめたもの。
特別収録として
17歳のときに初めて描いた絵本『緑色のうさぎの話』
19歳のときに初めて文字で綴った戯曲『誰かが出て行く』
収録です。






感想    


道尾さんてどんな方?エッセイなので、個性がわかる本です。
私は初期の作品はまだ読んでいなく、
読み始めたのも最近。
作者の作品になじむところまでは到達していないので
このエッセイを読み、
徐々に読んでいこうかしらと、
あらためて思いました。


特別収録の
絵本と戯曲が特に必見です。
17歳時に描いたうさぎの絵は可愛らしいの。
ちゃんと喜怒哀楽しめしているのよね。
17歳の男の子がこういう絵本を描くというのが、可愛らしかったです。
物語もとっても優しくって。
心が優しいのね・・・と思いました。



エッセイはいろいろあるのですがその中でいくつか。



今話題の月9の「月の恋人」は道尾さん原作。
テレビは最初の方を少ししかみていないのですが
その中に出てきた10円玉のゲーム。
エッセイ中にもでてきて
なんだかうれしい発見をしてしまった感じです。
10円玉を並べると何に見えるかというエピソード。
○○○○に見えるんですが
面白い話だったので印象に残っています。


また
道尾秀介というペンネームの話。
16歳時はバンドをやって
いらして、金髪、長髪だったとか。
好きな彼女にプレゼントしたという栞の話も笑ったかな。
オチもすごかったし。
南野陽子に恋していたなんてほほえましい。
本陣殺人事件の現場まで
いってしまうバイタリティーさ。そしてオチ・・・笑

少しづつだけれど、見え隠れする
人柄が興味深かったです。


「ジャンルと色眼鏡とリドル・ストーリー」というエッセイに中で
書かれていること。

今まで
色眼鏡で読んでいたところがあったな、自分と思い、
恥ずかしかったです。
これを機に、著者の小説、
あまりいろいろ構えず、純粋に楽しんでみたいと思いました。










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贖罪       著  湊  かなえ

贖罪       著  湊  かなえ


ある田舎町に
エミリという転校生がやってきた。
足立製作所の社員のために建てられた建物に住み
田舎町にはそぐわない生活ぶりをしていたエミリ。
4人の地元小学生たちはそんなエミリに憧れを感じつつ仲良しになる。
しかし、夏休みのある日。
「グリーンスリーブス」が鳴る午後6時。
エミリは死んでしまう。
発見者は友達の4人。
それからの15年。彼女らは罪の意識と償いの気持ちに悩まされ
苦しい人生を送っていく。




感想   わ~気分悪い話だわ・・・。


「少女」のときも思いましたけれど、
げんなりする出来事が多すぎです。


たしかに独白していくそれぞれのキャラの
性格付けは詳細ですし、
ひきつけられるだけの要素は十分あります。


いやだな・こんな話!!・・と思いながらも
どんどん読み進めていきたくなるのは
読み手の方もどこかしら、興味本位からくる、いやらしい感情を
もっているってことなんだろうな・・・と思いました。



「少女」→「贖罪」ときました。
話題の「告白」は本も映画もまだですが、
なんとなくですが、内容の想像ができるような気がします。
だからなのか、
今すぐにでも読まなくてもと思ってしまって。
いつか手をだしましょう・・・ということにしています・・・・笑(予約すごいしね)


今回の、この「贖罪」。

事件にかかわった人たちの独白で
物語が構成されていきます。


整理してみます。

エミリ・・・都会から引っ越してきたお嬢様。
しかし、田舎町で、小学校4年生の時に殺害される。この物語の発端になる事件の被害者。


紗英・・・事件後、東京の女子大学の英文科に進学し、勤めていた上司の知り合いと見合い。
結婚相手は超エリートで、事件のことも、紗英のことも昔から知っていた男だった。
事件時、現場で殺されたエミリを見張っていた紗英だったが
そのときのショックが大きく、結婚するまで生理がこない体に。
それを承知で結婚を申し出てくれた彼氏だったが、実は、彼には重大な秘密が。



真紀・・頼れる少女。事件時、他の子供を仕切るが、自分だけ逃げてしまうという失態をおこし
それがトラウマにもなっている。
15年たった今は、小学教師。その仕事場でまたまた事件が。不審者が侵入し生徒を襲う事件が発生したのだ。


晶子・・・・大好きなお兄ちゃんがいた。晶子はお兄ちゃん同様がっしりとした体格。
事件時も守ってくれたのは大好きなお兄ちゃん。それゆえ、兄への信頼度は大きかった。
身の丈以上のものを求めたからエミリは死んでしまったと思い、
以後、引きこもりの生活に。
そんなとき、兄に結婚話が持ち上がる。


由佳・・・目が悪く手先が器用。事件時、交番のおまわりさんを呼びに行く役目。
家族は病弱な姉ばかりを可愛がっているので、満たされない気持ちがあった。
それゆえ、信頼ある頼れるおまわりさんに憧れを感じ始める。
おまわりさんに会いたいがため、
事件後から万引きをするように・・・。
そして15年後、姉の結婚相手が警察官と聞き、
複雑な心境となる。

麻子・・・エミリの母。
事件の犯人がなかなかみつからないことにいらだちを感じ
そのときの目撃者である少女4人に、卑劣な言葉をあびせる。それが原因で、少女たちは
その後苦しんだ人生を送ることに。



それぞれの人物が
独白することで
一つの物語が構成していくというスタイルです。



そもそも、
発端になる事件そのものからして、嫌でした。

同級生の少女が暴行されて殺されるという事件。


それにかかわった友達4人のその後の人生もまた
悲惨そのもの。


殺人事件に遭遇したということでそりゃ、幾分かの心の葛藤があるだろうとは
思いますけれど、
最悪の出来事で
延々4人の少女たちのお話が語られていくんですよ。
なんだか気分が悪くなってしまいます。


同じ事件を人物が違うことで、いろんな面からみていくのですが、
あくまでももとになるのは
少女の事件です。またこの場面かい!!と思ってしまうんです。


事件にかかわった子供たちのその後の人生ですが・・。

なんだか、性的な部分に集中しているような気がするんですよね。
元の事件が事件だからかと思うけれど。


義理のお兄さんと関係するとか

小さな子供に手を出すとか・・

人形を愛する男とか・・・

なんだか、まともじゃないものばかり・・・。



ゲゲ~~~~~です。



あげくに、
発端になる少女の事件の犯人らしい人に話が
いくと。

結局、犯人とあの少女の関係は
おお~~~そういうことかい・・・と。



もとはと言えば、
生まれも育ちもよい
麻子さんの身勝手からでた悲劇だと思うのですが・・・。




負の感情、ねたみや、嫉妬などなど、
人間ならもっているって重々わかっていますけれど、
立て続けにこう続けられると
やっぱり、げんなり。


好きか嫌いかというと
こういう作風は苦手です。

読んだ後、
何も残らない感じだから。いや、嫌な気分は残るか・笑




でも、読んでしまう自分がいるんだよね・・・
たぶん、次回作も。


あ・・・・この矛盾、わかる人にはわかるんだろうな・・・・




ショクザイノホンン

レスラー  

レスラー   (2008  アメリカ)

THE WRESTLER


監督: ダーレン・アロノフスキー
製作: スコット・フランクリン
ダーレン・アロノフスキー
製作総指揮: ヴァンサン・マラヴァル
アニエス・メントレ
ジェニファー・ロス
脚本: ロバート・シーゲル
撮影: マリス・アルベルチ
プロダクションデ
ザイン: ティム・グライムス
衣装デザイン: エイミー・ウェストコット
編集: アンドリュー・ワイスブラム
音楽: クリント・マンセル
音楽監修: ジム・ブラック
ゲイブ・ヒルファー
主題歌: ブルース・スプリングスティーン
出演: ミッキー・ローク ランディ・ロビンソン
マリサ・トメイ キャシディ
エヴァン・レイチェル・ウッド ステファニー
マーク・マーゴリス
トッド・バリー
ワス・スティーヴンス
ジュダ・フリードランダー
アーネスト・ミラー
ディラン・サマーズ


 ランディ・ロビンソンは80年代に大活躍したプロレスラー。
しかし、今は細々と現役を続行している身。
お金に困り
試合の合間にはスーパーマーケットのアルバイト。
そんなある日、試合後に倒れ
医者から引退を勧告される。
孤独感を感じる彼は
馴染みの年増ストリッパーに相談したり
娘ステファニーのもとに訪れたりするのだが。




感想   

 ダーレン・アロノフスキー 監督の作品って、とっつきにくいところがあると思っていたんだけれど。
今までの作品の中で一番見やすかったです。意外。


物語は淡々としていて、
レスラーのランディ・ロビンソン
のみに焦点が当てられていて、脇の人物が絡んできてもお話に広がりをあまりみせない
地味な作りではあるのだろうけれど、
人生ある程度過ごしてきた身にとっては
やはり心に響きます。

そして誰もが書かれていると思うけれど
やっぱり
ミッキー・ロークがこの役を演じたことで
より、観ている人は思いが深まったんじゃあないのかな。
彼の全盛期を知っているものにとってはね。



マリサ・トメイ扮する
すでに、ピークを過ぎたストリッパーもいい味だしていましたものね。
年をとっても
職業としてプライドを捨てない姿。
それでも時折感じる、場の雰囲気。
孤独感。
それはランディも同様。


ランディは父親としては
ダメダメかもしれない・・・
でも、そういう男でも
魅力はあるんだよね・・
生き様として。
不器用にしかいきられないから
家族への思いはあっても、うまく伝えられないんだよね。




ミッキー・ローク・・
この作品前でも
シンシティとか少しだけれど、復活の兆しを見せていましたよね。
でもこの作品で
存在感より増したって感じです。


できれば、その風貌を生かすだけでなく
演技でももっと観客を魅了して
活躍していってほしいわ
昔を知っているものとしては特にね。


レスラーランディ



ニュームーン/トワイライト・サーガ  

ニュームーン/トワイライト・サーガ  (2009  アメリカ)


THE TWILIGHT SAGA: NEW MOON
NEW MOON


監督: クリス・ワイツ
製作: マーク・モーガン
グレッグ・ムーラディアン
ウィク・ゴッドフリー
原作: ステファニー・メイヤー
脚本: メリッサ・ローゼンバーグ
撮影: ハビエル・アギーレサロベ
プロダクションデ
ザイン: デヴィッド・ブリスビン
美術: キャサリン・イルチャ
衣装デザイン: ティッシュ・モナハン
編集: ピーター・ランバート
音楽: アレクサンドル・デスプラ
舞台装置: レスリー・ビール
出演: クリステン・スチュワート ベラ・スワン
ロバート・パティンソン エドワード・カレン
テイラー・ロートナー ジェイコブ・ブラック
ダコタ・ファニング ジェーン
アシュリー・グリーン アリス・カレン
ニッキー・リード ロザリー・ヘイル
ジャクソン・ラスボーン ジャスパー・ヘイル
ケラン・ラッツ エメット・カレン
ピーター・ファシネリ カーライル・カレン
エリザベス・リーサー エズミ・カレン
エディ・ガテギ ローラン
ラシェル・ルフェーブル ヴィクトリア
マイケル・シーン アロ
ジェイミー・キャンベル・バウアー カイウス
クリストファー・ハイアーダール マーカス
キャメロン・ブライト アレック
チャスク・スペンサー サム・ウーレイ
アレックス・メラズ ポール
ブロンソン・ペルティエ ジャレッド
キオワ・ゴードン エンブリー・コール
ギル・バーミンガム ビリー・ブラック
アナ・ケンドリック ジェシカ・スタンリー


“トワイライト・シリーズ”の第2弾。
18歳の誕生日を迎えてしまったベラは憂鬱だった。
永遠に17歳のままでいる恋人のヴァンパイア、エドワードより年上になってしまうからだ。
そんなある日、エドワードの家族から誕生祝いの招待をうける。
しかし、その席でベラは指を切ってしまい、
それをみた、エドワードの家族は彼女に襲いかかる。
エドワードたちカレン一家はベラのことを考え、町を去ることに。
エドワード自身からも別れを告げられベラは落ち込むのだが。





感想   

青春ラブロマンス・・・笑、のトライライトシリーズの第2弾。
今回はエドワードが不在(最初と最後にちょっこと出てくる感じ)で代わりといってはなんですが
新たな人物クローズUPで、物語は大きく展開していきます。


130分の長編。
ちょっと長いな・・という気もしました。
ただ、物語展開としては
こういう方向性になるのね(意外だわ・・・)とわかり始めるので
興味は惹かれます。


今回は、笑いの部分が少なかったのは
早々に、エドワードが退散してしまったからでしょうか。
寂しいです・・・とは思いませんよ・・・。
映画は前半から
主人公のベラちゃんが恋人エドワードが去ったことで
かなりやつれまくりますし、
行動も、はちゃっめちゃになっていくので
ジメジメした暗~~い雰囲気が漂います。


もともと明るい方ではないベラちゃんは
ますます暗くなるので
なんだか、観ている方も、大きなため息をついてしまいそう・・・・。

でも・・・そこに
新たに助っ人が・・・・!!


新たなに主人公に絡んでくる人物として、幼馴染のジェイコブが現れるんです(1作でも出てきたけどね)
このジェイコブ・・・・思いははたからみても見え見え。
ベラちゃん大好きオーラがでています。

男らしくてなかなか素敵です。
なぜか、途中から髪を切り短髪に。
そして、なぜかしら、上半身裸に・・・・笑
ここはファンら嬉しい限りということなのかしら・・。

なぜに裸が多いかというと、
それもそのはず、ジェイコブの正体は、○○○男だったんですよね!!
(いや、洋服着ていたって変身の妨げにはならないでしょう・・・)


ベラちゃんの言う
年をとることの恐れ・・・
そうよね・・・エドワードは永遠に17歳のままなんだものね。
考えれば考えるほど
状況は最悪。

2人の幸せの道はやっぱり、同じように、
ヴァンパイアになって、永遠の命を得ることなのか・・・
難しいよね。

それで愛は永遠のなのかな・・・って思ったり。
だって一生、そのまんまの若さなんだよ・・・・。
気持ちの部分で永遠ってありえるのかな・・。


ジェイコブの急な変身は見どころ。
おお~~~と思ってしまうから。
意外と大きな○○○○になるのね。
迫力ありました。



ヴァンパイアのアリスと
妙に仲良しだったのが意外でした。
前作でそんなに仲良かったっけ?気に入ったのかなベラのこと。



イタリアへの、
死を求めてのエドワードの旅。
一番盛り上がるところなんだろうけれど、
私的には、あまり興味深くなかったかな。


とにかく、長いという印象があるのは
メリハリがないからかも。

パッ、パッいうはげしい場面展開で
いろいろ考える間もなく、勢いのみで進めていった方が
より面白く感じられたんじゃあないのかなと思いました。



個人的に・・・ジェイコブは
彼女を支えて偉いね。
振り回されるジェイコブが不憫でした。



べラの周りには
もっといろいろな男がいるだろうに・・・
なぜに気になる男性たちは皆、
普通じゃあないの・・・・笑


ヴァンパイアの次は
○○○○男だなんて、
ビックリです。

ニュームーンサーガンe





球体の蛇         著  道尾秀介

球体の蛇         著  道尾秀介




1992年秋。17歳の主人公、友彦は
両親の離婚により、隣の白アリ駆除を営む橋塚家に居候することになる。
橋塚家は乙太郎さんと娘のナオ。
奥さんともう一人の娘サヨ(ナオの姉)は7年前、
キャンプ場の火事が原因で亡くなっていた。
友彦は、陰のあるサヨに、小さい頃から憧れていたのだが
彼女が死んだのは自分のせいだと思っていた。

ある日
乙太郎さんの手伝いとして白蟻駆除に行った屋敷。
そこで友彦は死んだサヨによく似た女性に出会う。
彼女に惹かれた彼は、夜ごとその屋敷の床下に潜り込むのだが・・







感想  



直木賞候補にもなった作品。


不思議な雰囲気を持っておりましたね。
ミステリー?、見方によれば恋愛小説にもみえるし、一人の青年の青春物語のような・・
ジャンルわけのできないような作品です。

私は、道尾さん→どんでん返しミステリーになるのかしらと
その点ばかりが気になって読んでいたのですが、ちょっと方向性の違う物語展開。
ええ~~!!そうなの!!というような大きな驚きはなく
事件の真相という部分では多少モヤモヤ感が残るようなお話になっていたように
思います。


それでも、「星の王子様」の物語内容を引き合いに出したり、
スノードームという小道具が重要な意味をもっていたりと、
いろいろな仕掛けといいますか、工夫を凝らしていて、
他の小説とは違った作者独自の物語が作られていたわね・・・・と
感心しました。

このもやもや感も今回
逆に魅力の一つとなっていたように思います。


誰かがどこかで嘘をついていたのかしら。
どこまでが真実でどこまでが憶測かしら。
考えるほどに
とある出来事の真相はいくつものパターンが想像されます。



「呑み込んだ嘘は、一生吐き出すことは出来ない」



その嘘が、人生を変えてしまうほどの結果を引き起こしたかもしれない・・
相手を思っての嘘でも・・・。


なんだか、考えると、怖くなるような気がしますね。
ほんの一言で、人の運命さえも変えてしまえるのですから。



白アリ駆除のために、床下にもぐる・・・
そこで好きな女性とその主との情事を知り、なぜか、足しげく通ってしまう・・・というものが
物語の導入部分。
江戸川乱歩の世界のように、あやしさが漂う設定でした。
昔ながらの家屋という状況もね。


男性主人公が好きになる女性ですが、
乙太郎さんのところの娘、サヨも、そのサヨに似ているという智子も
男性から見たら
神秘的で男をひきつけるような魔性の魅力のある女性像なのでしょうが
女性側からみると、どうも好きになれない女性ですね。
どうしてそういう行動をとるのかしら・・・・・って。


乙太郎さんまでもが・・・・・・という
展開には驚いてしまいましたよ。
乙太郎さんは、酒飲みですが、面倒見がよく、娘思いの良い人・・・というイメージでいましたので
女性とどうにかなるような、男の性の部分がにじみ出るような、そういう瞬間など
でてくるはずない(するはずがない)と思っていましたから。
でも、彼も男なんですね・・・・・。
主人公が知った、大人の事情というものを
読み手の私も同時に感じとってしまいました。
ああいう瞬間をみてしまうと、
もはや、家族同様に暮らすのは難しいですよね。
いけないものをみてしまったのですからね。
また、娘は、娘でいやだろうな・・・・そういう父親像を知ってしまうこと。
まして、好きな男性(主人公)の相手と、父親がまでもが・・・なんて。


最終的に
乙太郎さんの娘、ナオと主人公は
理想的な形になったようですが、
それが幸せなのかどうか・・・・複雑。



200907000031.jpg


私たちには物語がある   著  角田光代

私たちには物語がある   著  角田光代


読書案内書・・・




感想


作家である
角田さんの書評集です。

最初の方は、角田さんの読書にまつわるエッセイが・・・
あとの方には
様々な作品の書評が載せられているという構成です。





感想    



読書にまつわるエッセイも面白かったです。
子供のころに読んだ本が最初はつまらなく感じたけれど
のちに読み返してみると
なんて面白いのだと再発見したという話。


太宰も川端も、読み始め当時はその良さがわからなかったが
のちのち、その素晴らしさがわかったということ。



私にも経験あります。
同じ本でも読む時期で受けとり方も理解良くもだいぶ
違ってきますものね。


後半の角田さんの書評。

私が読んだ本もあり
知らない本もあり・・でしたが
非常に参考になりました!!

メモ書きして、是非挑戦してみたいと本気で思いましたもの。


2010年は作者がデビューしてから
20年目だそう。
実に様々な本を読んでいます。勉強しています。
私も同じぐらいな人生だもの・・・笑
たくさん本を読まなくては。


あとがきに・・

「こんなにも世界にはたくさんの本がある。私はこれらの活字を追いながら、じつに膨大な、幸福な時間を過してきた。その幸福な時間が、この一冊には詰まっている。
けれど世界にはもっともっと本がある。本を読むことで、笑ったり泣いたり怒ったりざわざわしたりどきどきしたり
うっとりしたり、これだけゆたかに感情を揺さぶられてきたけれど、また別の方法でふれてくる本が~~
まだまだ多くあるのだろう。そう思うと、本当に途方もない気持ちになる。」(多少省略)


同感です!!!
私も本の世界で幸せな時間を過ごしたいわ


kakutasan 337
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