悪人
悪人 (2010 日本)
監督: 李相日
製作: 島谷能成
服部洋
町田智子
北川直樹
宮路敬久
堀義貴
畠中達郎
喜多埜裕明
大宮敏靖
宇留間和基
プロデューサー: 仁平知世
川村元気
エグゼクティブプ
ロデューサー: 市川南
塚田泰浩
ラインプロデュー
サー: 鈴木嘉弘
原作: 吉田修一
脚本: 吉田修一
李相日
撮影: 笠松則通
美術: 杉本亮
美術監督: 種田陽平
編集: 今井剛
音楽: 久石譲
音楽プロデューサ
ー: 岩瀬政雄
杉田寿宏
主題歌: 福原美穂
『Your Story』
スクリプター: 松澤一美
ヘアメイク: 豊川京子
衣裳デザイン: 小川久美子
照明: 岩下和裕
装飾: 田口貴久
録音: 白取貢
助監督: 久万真路
出演: 妻夫木聡 清水祐一
深津絵里 馬込光代
岡田将生 増尾圭吾
満島ひかり 石橋佳乃
塩見三省 佐野刑事
池内万作 久保刑事
光石研 矢島憲夫
余貴美子 清水依子
井川比佐志 清水勝治
松尾スズキ 堤下
山田キヌヲ 馬込珠代
韓英恵 谷元沙里
中村絢香 安達眞子
宮崎美子 石橋里子
永山絢斗 鶴田公紀
樹木希林 清水房江
柄本明 石橋佳男
芥川賞作家・吉田修一の同名ベストセラーの映画化。
長崎の漁村。
年老いた祖父母の面倒をみながら土木作業員として暮らす青年、清水祐一。
ある日彼は、出会い系サイトで知り合った福岡の保険外交員・石橋佳乃を殺害しまう。
しかし、捜査に浮かんできたのは福岡の裕福なイケメン大学生・増尾圭吾。
祖母にその事実を聞かされながらも、自分のもとに捜査の手が及ぶ不安を隠しきれない祐一。
そんなとき、新たなメールが彼のもとに届く。
佐賀の女性・馬込光代。
祐一は彼女からのメールに返事を出す。佐賀駅で会おうと・・・。
紳士服量販店に勤め、アパートで妹と2人暮らしの彼女。
彼女もまた祐一と同じ孤独を抱えていた。
2人は出会ってすぐに関係を結ぶのだが・・
感想
今年話題になった作品の上位にくると思われる「悪人」。
このままスルーしてDVDか・・・と思っていたのですが、時間があき、
鑑賞する機会に恵まれました。
大きな画面で観て良かったです★
深津さんが賞をとったことで注目されていたようですが、この映画、深津さん以外の
出演者も皆、良い感じでした。
ボンボンでチャラ子大学生の岡田君に
なんだか空気の読めない見栄っ張りの満島ひかり ちゃん。
ものすごくハマっていました。
こういう男女、身近にいませんか?いますよね・・。
必ずや、どこかにいるもんです。
2人ともうまいな~~~。
原作はすでに読んでいたので、ストーリーの流れ自体は把握済み。
自分の頭だけで理解していた世界が
俳優さんたちの演技によって映像という世界に映し出されると、やっぱり
胸に迫ってくるものあります。
視覚的に刺激されると読書の時とはまた違った感情が呼び起こされるんですよね~~。
事件にかかわるいろんな立場の人々。
被害者の家族と加害者の家族・・・そのどちらの立場にも感情を寄せてしまった気がします。
私はああいう保険外交員みたいな女性は
個人的には好きなタイプではありませんが(←同性なら嫌われるタイプよね~~)
親の立場になると別。
周りからどんなに嫌な子だと言われようとも、子は子。
親としては最愛のわが子がこういう形でなくなってしまったら、やっぱり、
悲しみのどん底に陥ると思います。
対する、祐一のおばあちゃんもね・・・、こちらの立場になってみても
またまた切ない。苦労して育ててきただろうに・・・。
バスの運転手さんも言っていたけれど、ばあさんが悪いわけでもない・・という
セリフ・・・うなずきながら聞いていました。
細かい部分(動作とか言動とか・・・)から、事件にかかわった人たちの苦しみ、悲しみがひしひしと感じられて
説得力ありました。
自分だったらどうよ・・・とはあまり深く考えたくない感じでもあったかな。(怖くて)
じゃあ、祐一と光代のことは。
う~~ん、難しいよね。
深津絵里さん演じる 馬込光代。
殺人犯と聞いてもなお、逃亡しようという心境。
年老いた祖父母の面倒をみながら、孤独に毎日を過ごす祐一。
2人とも、生活範囲が狭くて、来る日も来る日も同じような退屈な毎日を送っているわけでしょ?
誰かに愛されたい…出会いたいって・・・必死な思いで夢見ていたんだろうね。
でも2人とも口下手みたいで、顏見ないメールなような手段でないと
本心もなかなか打ち明けられない・・・。
なんだか、とっても寂しい生活の2人だよね。
彼ら、彼女らのはかりきれない孤独感というものは、私には理解しようと思っても
理解しきれないのかもしれない・・・・わ。
身近にたくさん人がいて、本当の孤独感味わったことないような自分には・・・。
この映画を見てね、
恵まれた環境とは言えない2人の男女が、こういう運命をたどってしまうことしかできなかったというのが
悲しく思ったわ。
環境が人を変えてしまうっていうことはやっぱり、あるような気がする・・・。
愛に包まれて、たくさんの世界を知って
その中で多くの価値観を知れば、もっと人は輝いていけるのに。
現実的に、そうできない環境に置かれている人って、いるんだよね。
もちろん、だからといって、
それがすべて不幸だとは思わないし、必ずしも不幸になってしまうとは言えないけれど。
人とかかわらなければ、それだけ、視野もせまくなるよね。
祐一が怒りにまかせて
人を殺してしまったのも、どこかで食い止められる理性が彼にあれば良かったのに。
世の中には
なくそうと思ってもからず、罪=悪があるよね。
それを法で裁くのが一般的。
だから、世間の目が、悪と善の分け目をしっかり求めてしまうのは致し方がないと思うわ。
ただ、人は、ちょっとしたタイミングで、悪にも善にもなりゆるっていうもことありゆるのだと思うの。
そういう怖さも皆もっているよね。
また、
悪という定義をしていても、それがまかり通っている事例はたくさんあるよね。
この映画でもいくつか出てきたけれど。
そう考えると、一概にこっちが悪くてこっちが良くって・・と決められないものもたくさんある・・・
難しいよね。
そこに人の感情も入り乱れて。
でも・・・・読書の感想にも書いたのだけれど、
人は殺してはいけないということだけは私は常に思っているわ。
たとえ嫌な奴でも、憎くても・・・。
死んだらその人は終わり。でも、自分は生きていけるんだから。
勝手に他人がその人の命を終わりにする権利はないはずだと思うから。
祐一は、光代と会うまでは、彼女を殺したことに罪悪感を感じていなかった・・・
でも光代とあったことで自分の罪の重さに苦しみ始めたよね。
それってやっぱり、自分を大切にしてくれる人、自分が大切に思ってくれる人が
いるか・・いないかで・・・変わってきたってことだよね?
愛してほしかったのかな・・・。
母親と別れているから、甘えたい欲しっていた感じだよね?
自分は悪くないって、無条件に抱きしめてくれる人が欲しかったってことだよね?
光代には母を求めていた感じ。
妻夫木君、母性本能感じされるからね・・。
悪役ということでかなりイメチェンしていたけれど、どこか、守ってあげたいと
思わせるものが漂っていたのは(←私だけ?)やっぱり彼自身の持ち味が
完全には消えていないんじゃあないのかな・・と感じたけれど。
人間誰でも
だれか一人でも味方がいるだけで、強くもなれるし、生きることに自信がもてたり
するんじゃないかな・・・と思いました。
映画は、良かったと思うわ。
原作読んでから映画に入っても満足できると思うわ~~
もちろん、その逆でも、OK。
ただ、
最後、
光代の気持ちを推し量っての祐一の行動ということになるわけだけれど、
原作を読んでいる身にとっては
こういう心境なのね・・・というのがすでに理解済み。
そこだけは、おお~~~と素直に受け入れたかったので
知っていたということはちょっと残念。
「あの人は悪人だったんですよね」という光代の一言も
初めて聞いた方がずっしり…響いた気がします。

監督: 李相日
製作: 島谷能成
服部洋
町田智子
北川直樹
宮路敬久
堀義貴
畠中達郎
喜多埜裕明
大宮敏靖
宇留間和基
プロデューサー: 仁平知世
川村元気
エグゼクティブプ
ロデューサー: 市川南
塚田泰浩
ラインプロデュー
サー: 鈴木嘉弘
原作: 吉田修一
脚本: 吉田修一
李相日
撮影: 笠松則通
美術: 杉本亮
美術監督: 種田陽平
編集: 今井剛
音楽: 久石譲
音楽プロデューサ
ー: 岩瀬政雄
杉田寿宏
主題歌: 福原美穂
『Your Story』
スクリプター: 松澤一美
ヘアメイク: 豊川京子
衣裳デザイン: 小川久美子
照明: 岩下和裕
装飾: 田口貴久
録音: 白取貢
助監督: 久万真路
出演: 妻夫木聡 清水祐一
深津絵里 馬込光代
岡田将生 増尾圭吾
満島ひかり 石橋佳乃
塩見三省 佐野刑事
池内万作 久保刑事
光石研 矢島憲夫
余貴美子 清水依子
井川比佐志 清水勝治
松尾スズキ 堤下
山田キヌヲ 馬込珠代
韓英恵 谷元沙里
中村絢香 安達眞子
宮崎美子 石橋里子
永山絢斗 鶴田公紀
樹木希林 清水房江
柄本明 石橋佳男
芥川賞作家・吉田修一の同名ベストセラーの映画化。
長崎の漁村。
年老いた祖父母の面倒をみながら土木作業員として暮らす青年、清水祐一。
ある日彼は、出会い系サイトで知り合った福岡の保険外交員・石橋佳乃を殺害しまう。
しかし、捜査に浮かんできたのは福岡の裕福なイケメン大学生・増尾圭吾。
祖母にその事実を聞かされながらも、自分のもとに捜査の手が及ぶ不安を隠しきれない祐一。
そんなとき、新たなメールが彼のもとに届く。
佐賀の女性・馬込光代。
祐一は彼女からのメールに返事を出す。佐賀駅で会おうと・・・。
紳士服量販店に勤め、アパートで妹と2人暮らしの彼女。
彼女もまた祐一と同じ孤独を抱えていた。
2人は出会ってすぐに関係を結ぶのだが・・
感想
今年話題になった作品の上位にくると思われる「悪人」。
このままスルーしてDVDか・・・と思っていたのですが、時間があき、
鑑賞する機会に恵まれました。
大きな画面で観て良かったです★
深津さんが賞をとったことで注目されていたようですが、この映画、深津さん以外の
出演者も皆、良い感じでした。
ボンボンでチャラ子大学生の岡田君に
なんだか空気の読めない見栄っ張りの満島ひかり ちゃん。
ものすごくハマっていました。
こういう男女、身近にいませんか?いますよね・・。
必ずや、どこかにいるもんです。
2人ともうまいな~~~。
原作はすでに読んでいたので、ストーリーの流れ自体は把握済み。
自分の頭だけで理解していた世界が
俳優さんたちの演技によって映像という世界に映し出されると、やっぱり
胸に迫ってくるものあります。
視覚的に刺激されると読書の時とはまた違った感情が呼び起こされるんですよね~~。
事件にかかわるいろんな立場の人々。
被害者の家族と加害者の家族・・・そのどちらの立場にも感情を寄せてしまった気がします。
私はああいう保険外交員みたいな女性は
個人的には好きなタイプではありませんが(←同性なら嫌われるタイプよね~~)
親の立場になると別。
周りからどんなに嫌な子だと言われようとも、子は子。
親としては最愛のわが子がこういう形でなくなってしまったら、やっぱり、
悲しみのどん底に陥ると思います。
対する、祐一のおばあちゃんもね・・・、こちらの立場になってみても
またまた切ない。苦労して育ててきただろうに・・・。
バスの運転手さんも言っていたけれど、ばあさんが悪いわけでもない・・という
セリフ・・・うなずきながら聞いていました。
細かい部分(動作とか言動とか・・・)から、事件にかかわった人たちの苦しみ、悲しみがひしひしと感じられて
説得力ありました。
自分だったらどうよ・・・とはあまり深く考えたくない感じでもあったかな。(怖くて)
じゃあ、祐一と光代のことは。
う~~ん、難しいよね。
深津絵里さん演じる 馬込光代。
殺人犯と聞いてもなお、逃亡しようという心境。
年老いた祖父母の面倒をみながら、孤独に毎日を過ごす祐一。
2人とも、生活範囲が狭くて、来る日も来る日も同じような退屈な毎日を送っているわけでしょ?
誰かに愛されたい…出会いたいって・・・必死な思いで夢見ていたんだろうね。
でも2人とも口下手みたいで、顏見ないメールなような手段でないと
本心もなかなか打ち明けられない・・・。
なんだか、とっても寂しい生活の2人だよね。
彼ら、彼女らのはかりきれない孤独感というものは、私には理解しようと思っても
理解しきれないのかもしれない・・・・わ。
身近にたくさん人がいて、本当の孤独感味わったことないような自分には・・・。
この映画を見てね、
恵まれた環境とは言えない2人の男女が、こういう運命をたどってしまうことしかできなかったというのが
悲しく思ったわ。
環境が人を変えてしまうっていうことはやっぱり、あるような気がする・・・。
愛に包まれて、たくさんの世界を知って
その中で多くの価値観を知れば、もっと人は輝いていけるのに。
現実的に、そうできない環境に置かれている人って、いるんだよね。
もちろん、だからといって、
それがすべて不幸だとは思わないし、必ずしも不幸になってしまうとは言えないけれど。
人とかかわらなければ、それだけ、視野もせまくなるよね。
祐一が怒りにまかせて
人を殺してしまったのも、どこかで食い止められる理性が彼にあれば良かったのに。
世の中には
なくそうと思ってもからず、罪=悪があるよね。
それを法で裁くのが一般的。
だから、世間の目が、悪と善の分け目をしっかり求めてしまうのは致し方がないと思うわ。
ただ、人は、ちょっとしたタイミングで、悪にも善にもなりゆるっていうもことありゆるのだと思うの。
そういう怖さも皆もっているよね。
また、
悪という定義をしていても、それがまかり通っている事例はたくさんあるよね。
この映画でもいくつか出てきたけれど。
そう考えると、一概にこっちが悪くてこっちが良くって・・と決められないものもたくさんある・・・
難しいよね。
そこに人の感情も入り乱れて。
でも・・・・読書の感想にも書いたのだけれど、
人は殺してはいけないということだけは私は常に思っているわ。
たとえ嫌な奴でも、憎くても・・・。
死んだらその人は終わり。でも、自分は生きていけるんだから。
勝手に他人がその人の命を終わりにする権利はないはずだと思うから。
祐一は、光代と会うまでは、彼女を殺したことに罪悪感を感じていなかった・・・
でも光代とあったことで自分の罪の重さに苦しみ始めたよね。
それってやっぱり、自分を大切にしてくれる人、自分が大切に思ってくれる人が
いるか・・いないかで・・・変わってきたってことだよね?
愛してほしかったのかな・・・。
母親と別れているから、甘えたい欲しっていた感じだよね?
自分は悪くないって、無条件に抱きしめてくれる人が欲しかったってことだよね?
光代には母を求めていた感じ。
妻夫木君、母性本能感じされるからね・・。
悪役ということでかなりイメチェンしていたけれど、どこか、守ってあげたいと
思わせるものが漂っていたのは(←私だけ?)やっぱり彼自身の持ち味が
完全には消えていないんじゃあないのかな・・と感じたけれど。
人間誰でも
だれか一人でも味方がいるだけで、強くもなれるし、生きることに自信がもてたり
するんじゃないかな・・・と思いました。
映画は、良かったと思うわ。
原作読んでから映画に入っても満足できると思うわ~~
もちろん、その逆でも、OK。
ただ、
最後、
光代の気持ちを推し量っての祐一の行動ということになるわけだけれど、
原作を読んでいる身にとっては
こういう心境なのね・・・というのがすでに理解済み。
そこだけは、おお~~~と素直に受け入れたかったので
知っていたということはちょっと残念。
「あの人は悪人だったんですよね」という光代の一言も
初めて聞いた方がずっしり…響いた気がします。

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