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さすがに…

新作はなかなか借りれないので。(返却が早いから)
すでに旧作になっている、
「愛のむきだし」をやっと鑑賞。


でも4時間だもの。ふ~~~て感じ。
お家での鑑賞だから、DVD取り替えるときだけ間があいたぐらいで、一気に4時間観たけど。
さすがに、疲れますね…笑
面白かったけれどね☆(感想は後日)
劇場公開されたんでしょ、これ。休憩ありで。
映画館の椅子に長時間って体にきそう・・・。
あ~~~若ければ、絶対そんなこと気にしないのにな・・・・笑


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ひそやかな花園   著  角田光代

ひそやかな花園   著  角田光代



幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。
ある日突然、キャンプはなくなった。
「あの集まりはいったい何だったのか?」
その後、何年かたち、
別々に人生を歩んでいた彼らは、
再会する機会に巡り合う。




感想


島本さんの作品と同時進行に読んでいたので
ここ何週間の読書生活は重苦しかったな・・・・・・。


幼いころキャンプに参加していた子供たち。
それがある日途中で、中止に。
あのキャンプはいったい何だったの?

ミステリータッチで描かれる物語。
こちらもやはり、一体どういう真相なの?という興味が湧いてきて
読まずにはいられない展開。
しかし、途中でその真相はわかり・・・


そうだったのね・・・・。


正直私は、
宗教がらみの関係だと推測していました。
こういう真相だったなんて。


成長した子供たちは
早くから真相を聞いていたもの
皆に出会ってから聞かされたものと・・・様々。
受け止め方もこれまた様々。


当然でしょうね。
性格それぞれ違いますから、受け止め方も違うのは。


こういう物語を読むと、やっぱり、じゃあ自分はどうなの?どう考えるの?って
考えてしまいますよね。

ただ、今の自分は普通に出産し、子供もいますので
どうして親たちがそういう行為にいたったのかというのが、
身近には感じにくいところがあります。

否定も肯定もできません。
それぞれの考えのもと、結論出して、行動したわけですから
それに関して意見はできないのですよね。


ただ、優秀な遺伝子をもらいたいという発想は
絶対わいてこないような気がします。
選べるという条件があるからそういう発想がでてくるんでしょうね。


この作品を読みながら
白石さんの「砂の上のあなた」の主人公を思いだしたり、
また映画だと
「ガタカ」ですかね。
優秀な遺伝子の話がありましたから。
そういう他のものも想像してしまいました。



登場人物は7人もいて
それぞれが描き分けされていますが、やはり整理していかないとわかりにくくなります。
しかし、いろんなケースがあり、
その後の人生も本当様々なのに、驚かされますよね。
ただ幼少期の印象をそのまま引きずっているところがあるので、
そこは面白く感じます。

気になった7人たちのも
現在の姿をちらりと。



雄一郎(自分の部屋に家出少女を泊める、泊め男、フリーター)

紗有美(アルバイト、、ネットカフェに通う毎日)

賢人(恋人由利子。広告代理店勤務、)

樹里(夫敦、デザイン事務所に勤務経験、いまフリーでイラストを描いている、子供が欲しいができないでいる・)

紀子(夫慎也、娘あゆみ、専業主婦)

弾(親が別荘の持ち主。心療内科に通う過去あり、幼いころ、紀子と結婚式を挙げる)


波留(ミュージシャン、目の病気を患っている)


皆の性格づけがきちんとされていて
どの人に関心が向くのかは
読者にゆだねられているって感じです。
どの人も興味深い人でした。
やっぱり、いらっとくるタイプとしては一番に
紗有美だと思います。


大人になって真相を知ってからの皆の出会い。それぞれが自分の人生に
いい風に影響を与えたとように思いますが
中でも
一番変化したと思われるのが
紗有美なのです。



親と子は
血がつながっていないとダメなのか。
家族はどうやって家族となれるのか。

突き詰めればそういうところに繋がっていくのだと思いますが・・・・。


「八日目の蝉」と同様、親子について考えたくなる物語でした。



ただ個人的な意見ですが
私がもしこういう方法で出産をしたら
こういう集まりのキャンプには参加しないと思う・・・
交流を持ちたいとは思わないな・・・。
そして、事実はその子にどうだろう・・
言うかな・・
最後まで言わないかもしれない・・・
そういうところまで決心してから
行動すると思うな。


まあ・・あくまでも仮定の話ということで。



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アンダスタンド・メイビー上・下   著  島本 理生

アンダスタンド・メイビー  著  島本 理生



茨城県内の学園都市には母親と2人で住む藤枝黒江(くろえ)。
中学生時に遊びに行った東京の書店で一冊の写真集と巡り合う。
著者の浦賀仁のファンレターを送った彼女は、やがて弟子にしてくれるという彼の言葉を心に
刻みこんでいた。
そんな頃、彼女の中学校に、酒井彌生という男の子が転校生としてやってくる。
素朴な彼に惹かれる黒江。
しかし彼女は忌まわしい過去を引きずっているため、大切なものを見失い、
結果、危険な恋に走ってしまう・・・





感想   

島本さんのデビュー10周年記念書き下ろし作品。
一気読みでした。
先が知りたくて、知りたくて、途中でやめることなど、とてもできませんでした。
重苦しい事実が、次から次へと迫ってくるのでへこむことも多かったです。
でも、途中で放り出しちゃあいけないし、真正面から向かわなくてはと
思わずにはいられない・・・。
やはり最終的な着地をみたい、知りたいという願望が強かったし、
なにより、主人公、黒江に、とにかく幸せになってもらいたという気持ちがあったのです。

上巻は黒江の中学校3年→高校進学してからのお話。
母親との関係はぎくしゃくして、家庭的には恵まれていない感じ。
過去に何があったのかは上巻でははっきり描かれていませんでしたが、
中盤にでてくる、幼児期の写真・・・という箇所から、もしかしたら・・・いつものあのパターンなのかしら
と想像できました(下巻ではっきりして。やはり当たりでした・・・・泣)
上巻では学生時代の黒江の交流関係がメイン。
仲の良い中学時代の男女の友達・・・紗由ちゃん、四条君、怜ちゃん、転校生の酒井君。
酒井君とは接するたびに魅力がわかってきて、黒江の気持ちが揺れぎ出すの。
とってもいい感じだったのに・・・・
高校時代ではそれぞれの進路が別になって、
また別の人間関係が繰り広げられるの。
黒江の前にも新たな男性が現れて・・・。

上巻は少女漫画的なストーリーだけれど、文章は素敵なので気にならず読めてしまいます。
黒江を取り巻く男性は、どうみても、口だけの男でしょ・・・と思える(賢治君)男もいて
黒江~~~・・・・、なぜ、そこまで男を見る目がないのか、自分をしっかり持てていないのかな・・・と
女性の身からしてみればいらいらしてしまうことも多々ありました。
彌生君のあとに出会った、羽場先輩はいわゆる不良少年なんだけれど、
放任主義の母親がいたから彼もこんなに荒れた生活に陥ってしまったんじゃあないのかなと
同情する部分もあって、私は基本、いいやつだな・・・と思っていました。
前の彼女に対する羽場先輩の思いも普通の感情だと思ったしね。
でもやっぱり、黒江としては、彼を信じてあげることができなかったし
不安だったんだろうね。彌生君のときも、最終的に自分の苦悩を打ち明けることができなく
悲しい結末を迎えてしまったし。
恋ってなかなか一筋縄ではいかないわ。
あ・・・・それにしても賢治よ。なんてやつ。



そして下巻に。
波乱万丈な茨城での生活とは一転、東京での生活は一見落ち着いているようには
みえるものの、
写真家浦賀仁との同居生活という奇妙なもの。
不思議なことに、ここには男女関係は存在しないの。
浦賀さんと黒江はあくまでも、師匠と弟子という関係なわけなのね。
それに浦賀さんには
過去の傷があって、恋とか、そういうものには縁遠い世界にもはやいるって感じです。

魅力的ですよ、浦賀さんは。
写真家ということで、芸術的なものの見方に
筋が通っている。
そんな彼が保護者のように彼女を見守っているのが素敵に感じたわ。
そしてこの東京での生活に慣れたある日、故郷に戻って再会したのが
彌生君。
さらに大人になっていたわ。落ち着きさにも磨きがかかって。
でも黒江の求める
神様にはなれなかった・・・・。
同級生だものね。彼女のすべてを包み込み、寛容でい続けるには、負担が大きすぎるのかもしれないと
思ったわ。
母親おもいだし、気もきくけど、やっぱり、一人の同世代の男の子だしね。


下巻の中盤以降は
上巻に出てきた幼児期の写真の意味・・
父親の存在・・
母親の秘密・・・
次から次への明らかになって、もう駄目~~状態。
いままでの島本さんの作品でテーマになってきたもののオンパレード。
でも、いままではただそうだった・・・というような結果論だけしか、描かれていなかったものが
今回はどうしてそういう行為に親が走ってしまったのか・・・・
背景が丁寧に詳細に描かれたような気がして
いろいろな場面でそうだったのね・・・・と納得できたところもありました。
ページ数をきちんとさいて描かれている分、
読み手の考えるべきことが多くなったような気がします。
それにしても
父親に会うという勇気は凄いな・・・。


ラストは希望をもった終わり方。
黒江は進むのです。前へ前へと・・
過去を振り切って。


「どうか私だけの神様になって。私を許して。」

この部分を読んだら
自然と涙が出てきたわ。
つらかったんだろうな・・・・・って思って。

全体的に暗い話ですが
前作に比べれば
格段に良いです。前作は読みにくくって・・・。
次回も期待したいです。

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冷たい熱帯魚 

冷たい熱帯魚   (2010  日本)


COLDFISH

監督: 園子温
製作: 杉原晃史
プロデューサー: 千葉善紀
木村俊樹
ラインプロデュー
サー: 姫田伸也
脚本: 園子温
高橋ヨシキ
撮影: 木村信也
特殊造型: 西村喜廣
美術: 松塚隆史
衣裳: 荒木里江
編集: 伊藤潤一
音楽: 原田智英
VFX: 鹿角剛司
アクションデザイ
ン: 坂口拓
照明: 尾下栄治
録音: 小宮元
助監督: 吉田聡
出演: 吹越満 社本信行
でんでん 村田幸雄
黒沢あすか 村田愛子
神楽坂恵 社本妙子
梶原ひかり 社本美津子
渡辺哲 筒井高康
諏訪太朗 吉田

実際にあった“埼玉愛犬家殺人事件”をベースにした作品。
2009年1月。
小さな熱帯魚を営む社本夫妻には一人娘がいた。
その娘、美津子がある日、万引きで捕まる。
その場をうまくとりまとめてくれたのが、店長の知り合いという大きな熱帯魚オーナーの村田。
社本と同業者ということでその日のうちに店まで招待し、親睦を深める。
美津子ちゃんをうちの店で働かせないか・・・という誘いに始まり、
だんだんと村田のペースにのってしまう社本。しかし村田には
裏の顔があった・



感想


基本的にエログロはあまり好きじゃあないですし、
映画の感想ではいくつも、こんなに気持ち悪いのは・・・ダメです、と弱音はいているのですが
今回、この映画いってしまいました。
制作時から気になっていたし、どんな映画でもまず自分で観て
判断してみたいっていうのがあったから。
準備もなく突然のエログロはきついのですが、ここまでおおっぴらに言われている作品ですと
観る方も覚悟を決めることができるのですよね。
園子温監督作は、前作の「愛のむきだし」は未見。(長くてねなかなかお家で観れないの・・泣)
でも、「紀子の食卓」は観ているので、作風はなんとなくね・・・・わかっていたけれど、
凄かったです。



146分の長い映画。
しかし、長さは感じさせなく、一気に見ることができます。
まず冒頭からして勢いがあります。
冷凍食品を次々にかごに放り込み
素早い仕草で電子レンジにかける・・社本の後妻、妙子。
最終的に形になっているから凄いよね。うちなんぞは許されませ~~ん・・笑
その食卓風景からしてすでに、ただならぬ家族関係だと推測できる・・・。
この家族がどんな状況に巻き込まれるっていうの?
どうなるの?
湧きあがる好奇心。
そして登場のでんでん。
お~~~と、題名は物語が進んだ頃にバシンと出てくるの。インパクトありです。
で・・・・でんでん。
これがまた
人のよいおじさんに見える・・・。調子がよく面倒見がよく、そして明るく楽しい。
身近なところに一人はいますよね、きっと。
対する吹越さん演じる社本もこれまた身近に一人はいそうな、暗めの、意志の弱そうな、でもきっと優しいんだろうなと推測できるおじさん。
で・・・この2人の人間関係がこれから奇妙な形になってくる・・・。



実際に起こった猟奇殺人事件をベースにした本作。実際は犬ですが映画では熱帯魚に変更。
実際の事件をもとにした映画というのは今までもいくつかありましたよね。
でもそのどれとも違う切り口。
事件によってあらわになってくる
人間の欲とそれに伴う残忍性。ただただそれだけが、
これでもか、これでもかと描かれていきます。
そして、それに伴い、巻き込まれる形となる、小さな熱帯魚の店主、社本の家族の崩壊劇。
こちらも容赦なく、次々と悲惨なことに。



ここから先はもっとネタバレで。
具体的な描写もしますので知りたくない人はスルーしてください。


実際の事件をもとと言いながら、どこかこの映画の内容は
現実ばなれしているように感じます。
リアルな描写ではありますが、どこか面白おかしく感じてしまうの。
面白いっていうのも変だけれど、誇張しすぎているっていうのかな。
グロもエロも突き抜けてしまっているからかえって、違和感感じるのか。
ただ、普通こんな設定ないでしょ、というシーンもいくつかあるのは確か。

ここまで見せるんだぞ・・どうだ・・・ということをかなり、意識しているんだな・・っていうのが
ビシバシ伝わってきますね。
まずエロ部分。
私は実はこの映画、グロい部分よりエロイ部分の方が気持ち悪かったんですけどね。
たとえば、熱帯魚の奥様達(社本&村田の妻)は、巨乳でミニスカート。
普段着にしてもあまりにも挑発的なお姿・・・・笑。
これはもう・・最初から脱ぐんだろうな★・・と推測できる・・・。
期待感高まる人もいるのでしょうが、女性としては別に、なんの感情もわかず。
逆に女性側から見ると、<この映画の女性の存在意義は脱ぐためだけしかないのかい・・・とさえも
思ってしまってちょっと悲しかったり>という感覚。

村田一人の部屋に巨乳の奥さん一人。
急に豹変する村田。命令口調で暴力をふるいだす村田。
ここが初めて観る村田の裏の顔で、この変わりようはやっぱり、恐ろしい。

ああ~~人間、表面ではわからないことばかりだ、とくに調子のよい奴には気を付けろよ
という教訓にさえ思えます。それにしても奥さん無防備すぎ。
社本の奥さん、胸揉まれて(とにかくすごい胸)、嫌がるのでもなく、反対に、ノリノリになって
ぶって~~までいうのは、別路線の映画ですか?と勘ぐってしまいそうになる有様。
普通の感覚だと嫌がるのを無理やり・・になるのに、埋もれていた彼女の性癖が開花したみたいな
描かれ方はもはや変態路線では。
さらに、中盤。人殺しのお手伝いをしてしまった社本が、アリバイ工作のためにしこたま酒を飲んで
帰宅。そこで帰ってきた社本を待ち受けていたのは、なぜかシャワーを浴びている奥さん。
なにもシャワー浴びている設定にしなくても・・・笑。ここでもその巨乳は健在。
じゃあ、村田の奥さんは?というとこれまた相当に淫乱。
誰でもやってしまう感じ。レズでもあったな・・。
普段は村田同様、優しい語り口だから、その豹変ぶりには観ているこちらも驚く始末。
死体処理の手際もものすごく良い。おどおどしている社本にカツをいれるところなんて、凄味が
あってビビるよ。
絡みの方も濃厚で、ストリップっぽいこともやっていたかな。
顧問弁護士筒井とやるときも、運転手にもそのお楽しみのシーンをみせつけるなんて、こちらもかなりの、曲者。
(しかし筒井役の渡辺さん、悪役顔がめいいっぱい、いかされていますね)
黒沢さんは、「六月の蛇」以来だけれど、
実生活は素敵な奥様じゃあないですか。可愛いおこちゃまもいらして。(ブログ拝見)
そんな素の姿の方が何倍も驚きかもしれません。女優魂見事。



まあ・・そうやって、エロは続き・・あとは確認を。


次にグロ。
これは死体解体に他ならないが、全部で三回。
同じパターンの連続というのは、ややしつこい感じ。
殺してきって、殺してきって・・・はわかったから、もういいって!!という感じでした。
見せることはちゃんと見せている(切っている。。破片もあり・・)んだけれど、なにせ、軽い調子でこの村田と奥さんが作業するからね。
事の重大さを忘れてしまうところがありますよ。
ここが、現実離れしていると感じる大きな理由でもあるのよね。
ちょっくら、出掛けてくるよ?という事と同じノリで死体解体しちゃうんですよ。

最初は吉田さん。
お別れ時に、「元気でね・・・また会おうね~~」とあっけらかんに叫ぶ村田に唖然。
そしてその声が頭にこびりつきますね。
ドラム缶に火を入れて骨処理もするのですが、
なぜか醤油をかけるのかの不思議さ。燃えてしまうのになぜでしょうね。
真剣に考えるとおぞましさこの上もないのですが
観ている最中は、そこまでのことを考える余裕はなし。
ただただ、村田のテンポにひきづられて、何も考えずにみてしまうのです。

しかし今思えば、風呂場のシーンは毎回、画面全体血の海だし、やっぱり、多くの人は気分が悪くなるに違いない・・・・だろうと思います。
とくに、最後の風呂場では、処理途中風景の上半身まで写りこんでいて、わ~~~って感じになります。
見た私がいうのもなんだけれど、このシーンを、どういう気持ちでみんな見ているのって
そのことが心配になったりしました。
自分はあくまでも、映画好きで、何でも見ようという姿勢があるので
その流れに身をまかせて行動するわけで。こういう映画を観ても、自分をしっかりもっていられるっていう
自信はあるから観るわけ。でも、人によっていろいろでしょ?
いろんなこと考えちゃう人もいるでしょ?そう考えると、作品としての存在ってどうなの?って
思うところはあるかな。
そうそう。。。話は変わるけれど、これ、平日の昼間、シネコンで一人での鑑賞。
まわりは男性一人も多くて、ちょっと嫌な雰囲気だったな。意識しすぎ?でも実際
怖いよ・・・その場にいると・・・皆、笑いもなく、真剣にみて、出ていくわけだからね。
何より
最後まで見てもこの映画、こんなことしちゃあいけませんよ・・的な教訓なんてものはないわけよ。
むしろ、逆だからね~~。




で・・・戻って。


社本は村田に巻き込まれて犯罪に加担するの。それは、愛する妻、娘のため。
娘は前の奥さんの子供で、今の奥さん(若い)とは馴染まず、家庭的にギクシャクしているのよね。
そこに村田は漬け込んだ。
映画を見てみると、村田も以前は社本のいうように、おどおどしていたようじゃない?
どうやら、自分の父親は暴力振るっていたみたいで、よくあの、解体場所となったマリア&キリストの
山小屋に閉じ込められていたって言っていたっけ?
何があったの昔?やっぱり家庭環境悪によって、人格って形成されるの?
悪の伝授?
人間はもともと、欲望と悪の塊・・そういうものが潜在的に眠っているって言うことなのかな。
でもそれを押さえることができるから人間ていうことだよね。
一線を超えたらってどうなのか・・・といってもそんな状況普通はそうそうないし
考えるのもやっぱり嫌だし、
嘘でもいいから美しいものを見続けたいというのは普通人の多くが考えることだと思うけどね。



印象に残る
マーラーの曲。
印象に残った「ボディが透明になっちゃう」という言葉。



こういう映画が
高い評価をもって受け入れられるのはどうしてなのかな…と思います。
見たからわかるけれど、
だからなんなんだろう・・・と思うのよ。
ここまで描いて、それを受け取った方としては
何を得るんだろう。冷静に分析する人なんてそうそういないと思うし
振り返ってみたところで、その描写の凄さを語り合うだけになってしまいがちだと
思うんですよね。


教訓のある映画が好きだとは言わないけれど、
これを
映画という、娯楽として楽しむとはいうのは、やっぱりどうかと思うな・・・

確かに
いっきに見て
こうやって感想書いたんだから、楽しんだんだろうといえばそうなのかと自問自答してみるけれど
。いやいや・・楽しくないよ。
悲しいよ。



「人生って痛いんだよ・・」
なんてセリフをきいてしまって御覧。
実際そうだと感じている分
より、悲しくなるから。


ラストのバタバタした終わり方はイマイチ。
不自然さも残るしね。
それにあの娘のセリフ・・・・ききたくなかったよ。
希望がなくてもいいけど
ああいうセリフは気に入らないわよ。
いらいらしますね。
プラネタリウムにロマンス感じていた社本さんの姿が
一瞬ラストで頭をよぎったからかな・・・。


どちらかを選べと言ったら「紀子の食卓」の方が
テーマ的に面白かったです。

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カサンドラズ・ドリーム 夢と犯罪

ウディ・アレンの 夢と犯罪  (2007  イギリス)


CASSANDRA'S DREAM

カサンドラズ・ドリーム 夢と犯罪(レンタルソフト題)




 監督: ウディ・アレン
製作: レッティ・アロンソン
スティーヴン・テネンバウム
ギャレス・ワイリー
製作総指揮: ヴァンサン・マラヴァル
脚本: ウディ・アレン
撮影: ヴィルモス・ジグモンド
プロダクションデ
ザイン: マリア・ジャーコヴィク
衣装デザイン: ジル・テイラー
編集: アリサ・レプセルター
音楽: フィリップ・グラス
出演: ユアン・マクレガー イアン
コリン・ファレル テリー
ヘイリー・アトウェル アンジェラ
サリー・ホーキンス ケイト
トム・ウィルキンソン ハワード
フィル・デイヴィス ナーティン・バーン
ジョン・ベンフィールド イアンとテリーの父親
クレア・ヒギンズ イアンとテリーの母親

 ロンドン南部に暮らす労働者階級の男イアンとその弟のテリー。
イアンの夢はホテル事業への投資。そしてビジネスマンとして新たな人生。
弟テリーの夢は、恋人ケイトと暮らす家を手に入れるということだ。
そんなある日、
欲しかった小型クルーザーが、弟テリーのギャンブルのもうけ金で手に入ることに。
“カサンドラズ・ドリーム号”と名付けたその船。
しかし船を手にしてから金運はよくならなくなる。
テリーのギャンブルは失敗。借金のみが残る。
イアンは若い舞台女優アンジェラと交際するために、なんとか、金を工面しなくてはならない・・・・・。
そんなとき、おじのハワードから危ない話がもちかけられる。



感想

お勧めされていたし、なにしろ、ユアンだし・・・とことで
鑑賞。
あ~~~冒頭から耳に馴染むこの音楽は
フィリップ・グラス !!
いいね~~~。
今度のユアンはジャガーにのって羽振りも良さそうでカッコイイ・・・。
と思ったら、みせかけだけだった・・・
でも、うわべだけでも素敵。
もともと悪い人じゃあなかったわけだしね。
弟はコリン・ファレル。
この兄弟・・・仲が良いんだよね。
いいわ~~~。困った時も相談しあえる仲。
うらやましいとさえ思ってしまうわ。
初めユアンとコリンの兄弟ってどうよ?似てないしなと疑問を投げかけていたわけだけれど
見始めていくと全然気にならない。
キャラの性格づけもきちんとされていて
自然に2人に共感もってしまっていました。
だって、本当に根はいい人なんだもの。


しかし、ユアン考えたよね。
弟の仕事場のクルマをのりまわすなんて。
ジャガーもなんでも、自由自在って感じよね。
でもそんなずるいこと考えるユアン。
許せてしまえるんだな・・・これが・・・・笑


弟のコリンも、こちらもいい人なんだよね。(何度もいって申し訳ないが
あの悲しそうな眉毛みていると、優しくせっしてあげたくなるよね)
ギャンブルするわりには、穏やかな感じでさ。
いや、ギャンブルする人ってこういう人こそが危ないのかな。
どんどん深みにはまってしまってしまいには取り返しのつかないほどに・・・。
う~~ん、可哀そう。
恋人もいるんだから真面目に働いていたらいいのにね。


そんな2人につけこんだのが、おじさん。
悪い奴だよね。
自分でかたをつければいいのに。




ほんの些細な出来事で転落していく人生。


そうかもな・・・と思える。
きかっけはなんでも些細なことなのかも。


変に見栄を張ってはいけないよね
堅実に生きていけばこんな最悪な状況にはならなかったかも。

最後もね・・・
意外だった。
まさか、こんな形で。



お気に入りの船を購入してさ・・あこれからだというときに
結局その船が2人の最後の場所になるなんて
なんともお気の毒。

とくにひねりのあるサスペンスではないけれど、
魅力あるユアン&コリン兄弟の演技で
最後まで
楽しませてもらった作品。


それにしてもユアン・・
あの若い女優がそんなに良いかい?
それほどでもなかったではないかい?…笑
人生、金と女には気をつけろって感じだよね。


「マッチポイント」よりは地味な感じだったけれど、
ロンドンの風景はやっぱり素敵。


ロンドンを舞台に描いた3部作の締めくくりと言われているけれど
あとひとつは
何。あ・・『タロットカード殺人事件』なのね。
これはどうなのかな・・・。
アレンが出演だよね・・・どうしようかと迷う感じ…笑

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カケラ

カケラ (2009  日本)



監督: 安藤モモ子
プロデューサー: 桃山さくら
渡邉啓子
アソシエイトプロ
デューサー: 橋口一成
原作: 桜沢エリカ
脚本: 安藤モモ子
監督補: 川原圭敬
撮影: 石井浩一
美術: 嵩村裕司
編集: 増永純一
音楽: ジェームズ・イハ
スタイリスト: 野原英則
照明: 櫻井雅章
装飾: 嵩村裕司
録音: 横野一氏工
出演: 満島ひかり ハル
中村映里子 リコ
津川雅彦 田中 正
かたせ梨乃 山城陶子
永岡佑
光石研
根岸季衣
志茂田景樹
ペ・ジョンミョン
森岡龍
春謡漁介
大堀恵
尚玄


奥田瑛二の娘、安藤モモ子初監督作品。
人気少女漫画家・桜沢エリカのコミックの映画化。
女子大生ハルは、恋人とだらだらしたお付き合い。何か物足りない。
そんなある日、彼女はリコという女性から声をかけられる。
彼女はメディカルアーティストと呼ばれる、病気や事故で失った身体のパーツをつくる仕事をしていた。
ハルのことが好きだというリコに、気持ちが揺れ始めるが。




感想



原作の漫画は知らないのですが、ガールズ・ムービーは好きなので鑑賞。
洋画のガールズ・ムービ-はいろいろありますよね。
私は洋画の方が割と鑑賞率が多いの。
同性愛に近いもの、もしくは、そのもの・・・というお話も当然多いわけだけど
洋画だと当たり前のように素直にみることができても
邦画になると、意識しすぎて、ひいてしまうこともあったりするの。
やっぱり日本だと別の感覚があるのかな~~~。
ということで、この映画、女同士の友情以上恋人未満の関係を描いている作品。
う~~ん、恋人未満というよりは、恋人にかなり近い意識であると思います。
え~~、じゃあ、苦手・・っていう人もいるかもしれないけれど、
これはソフトなものなので、すんなり受け入れられるんじゃあないのかなと
思いました。私もOKでしたし。
確かに、女性同士で好き・・・ということばがかわされるわけだけれど、
みているいうちに、同性同士だからどうのこうの・・という感覚が薄れてきます。
それは
リコがいう・・
<恋愛の対象に男か女かなんて関係ない>という言葉に集約されるんじゃあないのかな。

リコはハルに興味をもったから声をかけただけ。確かに素直な気持ちなわけよ。
人に関心をもつことが、恋の第一歩だしね。
初めてリコの家にハル招待したとき。(リコのお家はクリーニング屋さんなのよね。なかなかいい感じの家族仲。
さらにおばあちゃんは志茂田景樹 という豪華版…笑)
ハルは、リコに言うのよね。本当に女の子が好きなの?って。
そこで説明されることが
先ほどの一言で、さらに、ものすごく説得力のある言葉が続くの。
聞いているうちに、こだわっている自分の方がかえって変じゃあないかとさえ、思ってくるわ。


さらに、
この映画、あまり強烈なからみはないの。
女性同士の・・それね。
そこが見やすい一つだと思うわ。
キスは2、3回、あるけどね。

終始、淡々とした流れ。
日常生活を追っていくだけなんだけれど、
リコの言動に戸惑いながらハルの中で何かが変わっていく・・そんな様子が
少しづつ見えてきて、本当面白かったわ。


女性に好きと言われて戸惑うハル。
恋人の男と、どうしようもない、関係を続けていくことに疑問を持ちながら
でも別れられない、ある意味だらしないハル。
男が迫ってきたら、なんとなく体を許してしまうハル。
好きってなんだろう。
自分にとって、恋人の存在ってなんだろう。
そんな思いがすごっく伝わってきたわ。満島ひかり・・ちゃん、良かったわ。


やがてハルもリコのことを受け止め、
2人で、仲良くやっていこうと思うけど.

いろいろ、問題も生じてくるのよね、
それはリコの独占欲。
リコは、ハルがすべてだと思っているけれど、ハルの方はもうちょっと、トーンダウンした心境のよう。
それはおおっぴらに
社会に向かって「この子、私の恋人なの!!」と発することができるリコに比べて
まだまだ、女性同士の付き合いに慣れないハルの意識の違いでもあるんじゃあないのかな。


安藤監督の演出は実にリアルだったわね。
食事をする場面ではUPが多いし、
排泄の場面、生理中も含め、そのまま・・映像化していたわ。
確かに生活の一部だし、そこを排除して生活はできないからね。
でも今までそういう箇所が映っている映画は観たことなかったから驚きでもあったかな。
そこまで撮っちゃうんだって・・・ね。
また、ハル演じる満島さんは、恋人との絡みの時、むだ毛処理もしていなかったのよね。
ここは、映画の内容以上に話題にもなっていましたけど、やっぱり凄い。
若い女優さんなのに・・って思ってしまうから。
確かに日常生活で、身だしなみにもちょっと無頓着で(服装はいつもださいパンツ姿だった)
のんびり屋さんのようなキャラだったから、そういう(毛の処理)ことにも
無頓着だったという流れには説得力はあるけどね。




ラストは曖昧。
2人はどうなるのかな。
離れられないと思えば
また近づけばいいだけ。
私はまた近づくと思うけどね。


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チーズと塩と豆    著  角田光代  他

チーズと塩と豆    著  角田光代  他





紀行番組「プレミアム8」に登場する4人の女性作家が、
それぞれヨーロッパの食を求めて旅をする。
そして、その土地を舞台に書く短編小説アンソロジー。
小説は、ドラマ化され、番組に挿入される。
角田光代はバスク地方(スペイン)、
井上荒野はピエモンテ州(イタリア)、
森絵都はブルターニュ地方(フランス)
江國香織はアレンテージョ地方(ポルトガル)。




感想


これは、テレビも一緒になってみていたら
より良かったでしょうね。(ちょっと後悔だけれど、BSだから結局観ることはできなかったわ)
舞台が外国なので素敵な食事や
風景は、イメージとしてはなかなか頭には浮かんでこないのですよね。
それでも映画で得たヨーロッパ地域の知識を
きっとこんな感じなんだろうね・・・と想像力を懸命に働かせて頭に描きました。




「神さまの庭」

最後の時間の記憶が幸福な食事の光景じゃ、なぜ、いけない?

どんなときだって、食事は楽しんでいただきたい・・・。
社会に出て
いろいろ経験してこそ、両親の思いが分かってくるのだと思うわ。

ちゃんとご飯は食べよう・・・うん・・・そうよね☆



「理由」     井上荒野


ミネストローネ。

好きな人がもう治らないかもしれない病にかかっている・・
つらい話だったわ。




「ブレノワール」    森 絵都

絶交中の母親が危篤。
という知らせを受け、ジャンは数年ぶりに母のもとへ。


ブルターニュのしょっぱいクレープ・・食べてみたいですね。
この話が一番好き。
最後はきっとこうなるだろうな・・・と予想がついたけれど、
ウルウルきてしまいました。
母は偉大だったわ。




「アレンテージョ」   江國香織

同性愛の2人。
この話のの感覚は自分には合わなかったかも。


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恋愛小説       著  椰月 美智子

恋愛小説       著  椰月 美智子





23歳のOL美緒は、恋人、猫田健太郎とラブラブ。
しかしひょんなことから元同僚サスケ、犬童早介と関係をもってしまう。
最初はなんていうこともなかった2人だが、そのうちどんどん気があって。




感想


椰月さんらしい、恋愛小説なんだろうな・・・と思う一作。
恋愛小説には綺麗で夢のようなものもあったり、その反対でリアル過ぎて共感しまくるものもある・・・
この小説は、後者。とってもリアル。
でも共感なし・・・かな・・・私は。
そもそも、登場してくる誰にしても好きじゃなかったです。
こういう恋愛手法が今時というのならば、私は古い人間だと思うよ。
今までこうやって恋愛してきたことがなかったので、理解できないわ。
人を好きになってしまうと、理性も道徳もなにもなくなってしまうんだといえば
そうだけれど、どこかその好きに、軽さが目立つのよね。
真剣なの、本当に?
主人公だって23でいい年なんだからもうちょっと、いろいろ考えて行動してよって言いたくなるわ。



恋人も好きだけれど、サスケも好き。
選べないってある意味、わがままだよ。大人なんだし、はっきりさせてから次の段階いこうよ。
だって相手に失礼だしさ。
皆そういう気持ちある場合、かたはつけているんじゃないの?
恋人の健太郎、いい人じゃない?
恋人に、自分の浮気を知られても開き直って付き合うあたり・・・よくわからないな。

このお話、結局どういう結末を迎えるのかは
読んでいくうちにわかってくるの。
時折、ナレーションで、示唆されるからね。
ああ・・2人は結局こういう結末を迎えるのかって。
失った恋って、過去振り返ってみると
ああ・・なんであの時こんなこといったのかなって後悔も込み上げてくるよね。
好きすぎて好きすぎて、
嫉妬したり、いらだったり・・いろんな気持ちが湧いてくるけれど。
それにしても
この美緒の嫉妬は異常じゃない?
サスケの過去の女性(いとこ)にあんなに嫉妬して。
また、サスケもサスケで過去に関係をもった女(ジェロニモ・・・通称。すごい呼び名の女性よね・・笑)
のことを、しゃべったり。
2人とも愚かよね。

恋人もいても浮気したり、
言ってはいけないこと平気でいったり・・
よくわからないわ。

わからないといえば、他のカップル、映子ちゃんと純一君。
純一君の包容力の凄さに驚き。
別の男の子供の父親にはそうそうなれないよね。

「誰もいない無人島で
2人きりだったらよかったね」


20代でこういうこというのかな。
別に周りのだれかが反対しているわけじゃあないのに。
自分たちで自滅しているだけじゃん。
10代ならわかるけれど。
2人きりじゃあ・・・生活はできないよ。
考えようよ。

あと、
結構、
会話中、露骨というか、下品な表現も多いのよね。う~~ん、下品といわないのかな。
下ネタっぽい・・・。
ただ私は会話しないよ、ああいうノリでは。
同僚とああいう会話するのかな。
そうなんだ・・・。
ちょっとのれませんでした。

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