猿の惑星:創世記(ジェネシス) (2011 アメリカ)
RISE OF THE PLANET OF THE APES
監督: ルパート・ワイアット
製作: リック・ジャッファ
アマンダ・シルヴァー
ピーター・チャーニン
ディラン・クラーク
製作総指揮: トーマス・M・ハメル
脚本: リック・ジャッファ
アマンダ・シルヴァー
撮影: アンドリュー・レスニー
プロダクションデ
ザイン: クロード・パレ
衣装デザイン: レネー・エイプリル
編集: コンラッド・バフ
マーク・ゴールドブラット
音楽: パトリック・ドイル
シニア視覚効果監
修: ジョー・レッテリ
出演: ジェームズ・フランコ ウィル・ロッドマン
フリーダ・ピント キャロライン
ジョン・リスゴー チャールズ・ロッドマン
ブライアン・コックス ジョン・ランドン
トム・フェルトン ドッジ
アンディ・サーキス シーザー
デヴィッド・オイェロウォ
タイラー・ラビーン
ジェイミー・ハリス
デヴィッド・ヒューレット
タイ・オルソン
マディソン・ベル
マケンナ・ジョイ
カリン・コノヴァル
テリー・ノタリー
リチャード・ライディングス
アメリカ、サンフランシスコ。
製薬会社の研究所でアルツハイマー治療の研究をする
科学者ウィル・ロッドマン。彼の父親もまたアルツハイマーだった。
あるとき、新薬を投与したチンパンジーの知能が驚異的に発達したことを発見したが
その研究発表中、チンパンジーが暴れ出してしまう。
実は妊娠していたのだ。
プロジェクトは中止。
妊娠していたチンパンジーは殺されたが子供は無事。
ウィルは生まれたばかりの赤ん坊を秘かに引き取ることになってしまう。
シーザーと名付けられたチンパンジーは母親の遺伝を引き継ぎ恐ろしく優秀な脳をもつ
猿へと成長する。
数年後のある日、
ウィルの父を助けようとして隣人とトラブルを起こしまったシーザーは
類人猿保護施設へと送られるが。
感想
あまり期待していなかったのですが面白かったですね。
題名通り、「猿の惑星」シリーズの前章という設定です。
この手の作品では、今年観た、XーMENファースト・ジェネレーションが記憶に新しいところ。
XーMENシリーズの前章として、その後の作品とうまくリンクするように作られており
思わず、ブラボー☆って感激したわけですが
これまた、この猿作品で・・・ブラボー~~~☆を発するとは思ってみなかったです。
「猿の惑星」5作ほど作られているそうですが、私が観ているのは
第1作68年のものだけです。
リアルタイムではないですよ・・・笑
子供の頃、吹き替えで放映されていたTV板を観たのですが、すっごい衝撃でした。
なにせ、今まで映画って美男美女が出てくるものしか観たことがなかったので
こんな(失礼・・・当時はこのお顔が怖かった)猿の顔した人間が
ペラペラしゃべって
さらには、人間狩りしているなんて・・・想像できない世界だったのです。
そしてあのラストだものね。いまだ記憶に残っています。(ちなみに最近TVでも放映されていましたよね)
その1作目に繋がっていくだろうと想像できるのが
この今作、↑猿の惑星:創世記(ジェネシス)。
伏線がうまく張り巡らされているじゃあないですか。
うれしくなってそうきたか!!と思わず手を叩いてしまいましたよ。
この作品については予備知識があまりなかったのも、良い結果を生んだのだと思います。
主役はジェームズフランコで、彼が猿にでもなるかと思っていましたが(バートン作品を連想)
猿自身が主人公だったんですよね。
良かった・・・・笑
このシーザーちゃん。生まれた時はとっても可愛いです。
ミルクを飲む姿なんてキュートでした。
それが年月がたつにつれ、結構大きくなってきて・・・。
確かにあんなに大きくなってしまうと、周りの何も知らない人間たちはちょっと引いてしまいますよね。
力も見るからに強そうに見えるし、怖いな・・・って思います。
知性が高いシーザーなので
成長するにつれ周りの状況をだんだんと理解していきます。
自分の存在がどういうものかってね。
人間が飼っている犬と遭遇した時、自分もペットの一員かとウィルに尋ねたりするのも
自分の扱われ方に不満を感じてきたからですよね。
僕だって人間と同等だ・・・と思っていたのかも(セリフはないのでその目の、仕草から想像)
確かにあんな痛そうな首輪で繋がれていては
利口なシーザーにとっては、屈辱的でもありましょう。
ウィルも本当のことをシーザーに伝えなくてはいけないと思い
彼の出生の秘密を教えたりもしましたが(母親は死んだということ)
そのとき、シーザーはどんな思いでその話に耳を傾けていたのでしょう。
そう・・・この映画ってほとんどしゃべることのない(チンパンジーなので人間の言葉はしゃべらないの。但し
人間の言葉は理解できて、手話も多少できる)
チンバンジー、シーザーに、自然と感情移入してしまう、そんな物語なのです。
主人公の役割を堂々とつとめています。
もちろん、本当のチンパンジーが演技しているのでなく
技術の賜物で、そう見せているのですが(表情は俳優さんのものでそれをCG化しているとか)
本当によくできています。
病気のウィルのお父さんを助けるために、隣人を襲ってしまったシーザー。
彼は施設に送られる羽目になるのですが
その施設はとんでもなくってね。動物を愛情もって、飼育するって感じじゃなく
奴隷のように、扱っていました。可哀そう・・・シーザー。
良く似合うお洋服もそこにいるチンパンジーに脱がされてしまうし、
飼育員のハリポタのマルフォイ…笑、いや、トム・フェルトンに、ひどい言葉を浴びせられて
今までの温室育ちのシーザーにとっては青天の霹靂
でしょう。
あのまずそうなご飯は何よ・・・。それにしてもトム・フェルトンはハリポタに続き、憎まれ役が似合いすぎ。
この施設で徐々にリーダーとしての能力を発揮していく様は見どころ十分。
他のチンパンジーは普通の猿たちなので(そんなに利口ではない)どうやって統制していくかと
思いきや、シーザー、ウィルのところから新薬を盗み、それを活用していくとは
さすがに頭いい!!
仲間の中には、サーカス団にいたオラウータンがいて
その猿は手話ができたのよね。(サーカス団なので人間に訓練されていたのか)
思わずシーザー良かったよ、心通わせる猿がいて!!と友達のように喜んでしまいました。
しかし、洋服脱ぎ捨てたら
どれもみな同じチンパンジーにしか見えないのではないかという疑問も消えるほど
しっかり、一人一人、いや、人猿、人猿、表情や体格が違っていて
これまた判別ができるんですね。まあ、シーザーは目の色が違っていたり
傷があったり、と他の猿とは違った特徴があるのですけどね。
さあ。。。それからは
このチンパンジーたちの大反乱。派手なアクションいっぱい観ることができます。
馬に乗ったチンパンジーも出現☆
自由を求めての、活躍には、観る私は人間側ではあるのですが、応援したくなりますね。
そして
お約束通り、最後には育ての親、ウィルとの
別れが待ち受けています。
思わず涙。まさか、チンパンジーに泣かされるとは。
決別シーンは悲しさと同時に
どこか晴々とした思いを感じさせます。
シーザーのことを考えたらこれがやっぱり一番正しい道だと感じるからかな。
・・・・・・
その後、どう人間が滅びていくのかが
知りたいところではありますが
想像するというだけでも十分な楽しみにもなりますね。
それにしても上映時間
100分ちょいで、無駄を極力省いた作りには好感もてます。
だらけたところが一つもないもの。
華を添える感じで、フリーダ・ピントも良い味だしていました。
ウィルのシーザーに対して扱いに
疑問を投げかけるところなんて
観ているこちらも考えさせられることだったわ。
たしかに科学の進歩のために
何かを利用するというのは一長一短あるのかもしれないよね。
ウィル家の隣人のパイロットのおじさんは
やたら災難に遭遇し
意外と出番が多いなと思っていましたが
最後にこういう風にからんでくるのですね。
確かにそういうストーリーなら
1に続く感じに違和感ないものね・・・・・・・。
ちなみに時間的な関係により
今回は吹き替え。
だから、シーザーが初めて人間の言葉を発する場面は
日本語で。
やめろ~~って・・・笑
考えてみたら、68年の「猿の惑星」時、吹き替えだったし
これはこれで、日本語をしゃべるチンパンジーに久々に遭遇したということで
貴重な経験になりました…笑