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X-MEN2

X-MEN2 (2003  アメリカ)




監督: ブライアン・シンガー
製作: ローレン・シュラー・ドナー
ラルフ・ウィンター
製作総指揮: アヴィ・アラッド
トム・デサント
スタン・リー
ケヴィン・フェイグ
原作: スタン・リー
原案: デヴィッド・ヘイター
ザック・ペン
脚本: マイケル・ドハティ
ダニエル・P・ハリス
ブライアン・シンガー
撮影: ニュートン・トーマス・サイジェル
編集: ジョン・オットマン
エリオット・グレアム
音楽: ジョン・オットマン
出演: パトリック・スチュワート チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)
ヒュー・ジャックマン ローガン(ウルヴァリン)
イアン・マッケラン エリック・レーンシャー(マグニートー)
ハリー・ベリー オロロ・マンロー(ストーム)
ファムケ・ヤンセン ジーン・グレイ
ジェームズ・マースデン スコット・サマーズ(サイクロプス)
レベッカ・ローミン=ステイモス レイブン・ダークホルム(ミスティーク)
アラン・カミング カート・ワグナー(ナイトクロウラー)
アーロン・スタンフォード ジョン・アラダイス(パイロ)
アンナ・パキン マリー・ダンキャント(ローグ)
ブルース・デイヴィソン ケリー上院議員
ブライアン・コックス ウィリアム・ストライカー
ケリー・フー デスストライク
ショーン・アシュモア ボビー・ドレイク(アイスマン)
ケイティ・スチュアート キティ・プライド(シャドウキャット)
ピーター・ウィングフィールド ライマン
コナー・ウィドウズ
コッター・スミス
ロジャー・R・クロス
タイ・オルソン
スティーヴ・ベーシック
ジェームズ・カーク



第2弾。
ミュータントによる大統領暗殺未遂事件が発生する。
人類はミュータントの脅威に改めて恐れおののく。
ミュータントへの生体実験を噂される元陸軍司令官で大富豪のストライカーは
ミュータントを抹殺することを企てていた。




感想


地上波で放映されていたものを今頃鑑賞。
このシリーズは、今年初めて映画館で観て
只今順番通りに鑑賞しているところ。
でも地上波放映をひたすら待つ・・・・身なのでこのあとの作品は一体いつになるでしょう…笑


1より、面白かったわ。
今回は監獄に入っていた
マグニートーがプロフェッサーXのチームに協力するという意外な展開が
興味深かったのよね。
人間がミュータントたちの力を恐れ、
彼らを敵とみなしていく。
いくら、プロフェッサーXたちが人間たちと共存しようと試みても
肝心の人間たちが彼らの声に耳を貸さなかったら
何にもならないものね。

確かに、人と違う力をもった人たちがいるというのは
底知れぬ恐怖を感じるとは思うよ。
映画の中でも
家族の一人がミュータントの力をもっていると知って
偏見の目をもつようになり
結果、警察にミュータントの存在を知らせるというエピソードがあったけれど
そういうのって本当に悲しいよね。
身内に売られちゃうってことなんだものね。

親子だったら最後まで子供を愛して欲しかったわ。
どんな力をもっていてもね。


ローガンの秘密もちょっとだけ明らかになって・・
でもまだまだ消化不良だな…笑



今回の敵となる
元陸軍司令官で大富豪のストライカー。
この人の息子の変わり果てた姿が痛々しかったよ。
彼の息子はミュータントで
以前プロフェッサーXのところにいたんだよね。
でも家族は息子の力を認めることができなくって・・
挙句に息子をあんな姿に改造・・・。



マグニートーの
イアン・マッケランはやっぱり、威厳があるね・・
立ち姿がかっこいいよ。
じいさんだけど・・・・。素敵よ。


ミスティークは今回大活躍だよね。
やっぱり、どんな人間にでも変身できてしまうのは
いろいろと便利。
一番実用てきなんじゃあないのかな・・・。
色っぽい女性に変身して
男を誘惑するところもあったけれど・・・
これって、容姿によって男はよろめくという典型的な事例だよね。
エピソードゼロで、
本当の姿を見せることを恐れていたミスティークのことをふと
思い出してしまったよ。


で・・・今回
まったく予備知識もなかったから
ジーン・グレイがああなることに
心底驚いてしまった・・・
あ~~ん、 スコットが可哀そう。
ジーン、ジーンってくっついていたからね。


こういう仲間の死っていうのがこれからもあるの?どうなの?


また続き楽しみにしています。
いつ見れるかな~~


あ・アラン・カミングの
ナイトクロウラーも楽しかったよ。信心深いところがあって魅力的なキャラ。
いろんな能力があるんだね・・・・
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彼女がその名を知らない鳥たち  著   沼田まほかる

彼女がその名を知らない鳥たち  著   沼田まほかる




八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子。
しかし、ひょんなことから今は、十五歳上の男・陣治と暮らし始めている。
陣治は、下品で、貧相で、地位もお金もない男。
十和子は、そんな彼に激しい嫌悪感を感じている。
そんなある日、十和子は、
「黒崎が行方不明だ」と知らされる。








感想


中盤ぐらいまで、延々と十和子が
同居人、十五歳年上の男・陣治の下劣さを述べるんですね。
その表現の仕方が実になまなましくて
げんなり・・・泣。
かりにも一緒に住んでいる身(そんなに嫌なら離れればいいのに)なのに
これでもか、これでもかと、嫌悪をあらわにし、そのまま言葉にしてしまう十和子。
陣治はとにかく
言われっぱなしなんですよね。
絶対怒ったりしない。
十和子、どうしたんだ~~って
うろうろしている・・・。そりゃあ、うざったくはなるけれど。
自分の同居人としてこういう風貌だったらどうだろう・・・
いちいち、チェック入れられていたらどうだろう・・・と
考えると、・・・やっぱり嫌かもしれない・・・。食事のしかたや
日常生活においての振る舞いも
けっして好感もてるものには感じなかったしね。
でも、客観的な立場でこの2人を観ていたら
女も女だしな・・・と思う所もあって
陣治が可哀想に思えてきてしまう。
そんなにも、見下さなくってもと・・・
彼に、同情心湧いてくるときもありました。


というように、中盤までは大きな展開もなく
あまり面白い物語とは感じなかったし、読むのもきついな・・・(だって、気分良くない表現ばかりだからね)
って思っていました。
物語が動き出すのは
十和子の元恋人、黒崎が
失踪していた・・・という事実が判明したあたりからかな。
そこら辺からは、
面白く読んでいけたように思います。



十和子には
かつて好きだった人がいて(これが、黒崎という男)
そのイメージが、別れた今も残っている分、
傍にいる陣治のことを、見比べていたんですね。
じゃあ、その黒崎って男、
どれほどの人?と思っていたら
物語の途中で正体が判明。
とんでもない、やつだった・・・・笑
それを今まで思っていたって?十和子が?
どうしようもないんじゃないの・・彼女・・・
そう思わない?
となるわけです。


十和子は
黒崎の失踪に陣治はなんらかの関係があると思い始めます。
もしかしたら・・・
彼が殺してしまっているのかも。
自分のことを思うあまり
かつての恋人を殺したんではないかと・・・・推測するんですね。

そんなことを考える中
十和子は、ある男と情事を楽しむようにもなっていました。
黒崎を思い、陣治を蔑む生活の中で
出会ったのが
某デパートの文具売り場に勤めている
水島という男です。
これがまた・・・口先ばかりのどうしようもない男。
黒崎でまんまとだまされたという過去があるにも
かかわらず
十和子は、水島に溺れていくんです。

もしかしたら・・・
陣治は、黒崎に続いて
この水島にも、害を与えるのではないか・・・
いらだつ、十和子・・

さあ~~~どうなるということで
ミステリータッチのお話になっています。

やはり恋愛小説でもあったのでは・・・と最後は思わせるのです。
ラストは・・・自己犠牲愛とでも
言いますか。


とにかく
十和子がダメでしょう。
同じ女性として
どうして、そんなに男に熱を入れるのか、それもたいしたことのない男、
見かけだけの男に・・・それほどまでに・・・と
思わずにはいられません。
いらいらするんですよね。
対して陣治に、
なぜ十和子にそれほどまでの
愛情をそそぐのか・・・それほどの
女性でもないのにと
疑問が湧いてきます。

男と女の関係は
理屈では説明できないってことでしょうか。
ダメ女への
モテない男の一途の愛とでも
なるのでしょうか。


せつないというより・・・
女にも対しても
男に対しても
いらだちを感じるような物語でした。


あ・・・ミステリーも入っていますので
犯人というものは
存在しています。
もしかしたら〇〇〇じゃないのかな・・・というのは
わかる人にはわかると思います。
強引さはありますが・・・



彼女が名前を知らなおphoto_3

MAD探偵 7人の容疑者

MAD探偵 7人の容疑者 (2007)

MAD DETECTIVE
神探


監督: ジョニー・トー
ワイ・カーファイ
製作: ジョニー・トー
ワイ・カーファイ
脚本: オー・キンイー
ワイ・カーファイ
撮影: チェン・チュウキョン
トー・フンモ
音楽: ザヴィエル・ジャモー
フレッド・アヴリル
出演: ラウ・チンワン 元刑事バン(チャン・クワイバン)
ラム・カートン コウ・チーワイ刑事
ケリー・リン バンの幻の妻、元妻チャン・メイワー刑事
アンディ・オン ホー・カーアン刑事
チョン・シウファイ
ラム・シュー
エディ・コー
フローラ・チャン
ジョー・クーク
リー・クォックルン


ジョニー・トー&ワイ・カーファイ監督コンビ作。
西九龍署・刑事課の刑事ホーは
ある事件を捜査協力してもらうために
元刑事のバンの元を訪れる。
彼は特殊な能力を持っていたが
その能力のために、警察をクビになっていたのだ。
事件は・・・
1年半前に失踪したウォン刑事の拳銃が使われた連続殺人事件の捜査だ。
ホーと共に捜査に乗り出したバンは、
ウォン刑事の相棒だったコウ刑事に疑いの目を向ける・・・




感想


ジョニー・トー&ワイ・カーファイ監督コンビ・・・とパッケージにありましたけど、
全然知らない。
過去作品観たら、それもそのはず、未見ばかりだった・・・笑
香港映画、最近では進んで観ていないからしょうがないよね
そんな私が今回選んだのは、パッケージが気になったから。
なんでも、こちら、2007年作だけど今年になってからの劇場公開作。
2007、第64回ヴェネツィア国際映画祭では、コンペティション部門で上映されているし
2007年の第20回東京国際映画祭では日本でも、上映されていたとのこと。
観ている人はきっと観ているんだろうね~~



主演はラウ・チンワン。「忘れえぬ想い」を観ているのでお顔は馴染がありました。
映画の雰囲気は
とっても奇妙・・・・・・・・・笑
難しい映画じゃあないんだけれど、ややっこしい表現方法をしているので
最初は内容に驚くかもしれないと感じました・・・・。
軽くあらすじでも読んでおいた方がいいのかも。



まず、冒頭、
ラウ・チンワン扮する、刑事バンが包丁片手で、
天井からぶら下がったブタをえい~~、や~~と、めった刺ししている・・・
さらに、トランクに自分が入るから階段から落としてくれと言い始める・・
やがて、退官する上司に自分の耳を切ってプレゼントしている・・・


この3つのエピソードを観ただけでは
大丈夫ですか…この人?本当、主役ですか?と心配になっちゃう。


実はこの奇妙な行動の裏には
彼自身のもつ、特殊な能力が隠されているの。



彼は・・
事件現場と同じ状況に自分を置くことで
真犯人を突き止める特殊な能力を持っているわけ。
霊能力者のような人が
亡くなった人の声に耳を傾けるために
自分の体を提供して、まるで、別人が乗り移ったかのようになるシチュエーションになるのを
みたことあるじゃない?
ああいう感じなのかな。

またもう一つの能力として
人間の多面的な人格が形として実際に見えてしまうっていうこと。
実際には他の人には目の前に一人しか見えないのに
彼には、2人や3人と・・複数の人間として見えているわけ。


例えば、見た目は愛想がよくっていい人そうに見える人でも
心が腹黒くてアクドイことを考えているという人がいるとするじゃない?
そうすると彼には、あくどさをもった別キャラの人が背後に潜んでいる風に
見えてくるわけよ。

この特殊な能力のおかげで警察は首になったけど
ある刑事の依頼で某事件を捜査しはじめるというのが
この映画のメインのお話。

事件は
1年半前に失踪したウォン刑事の拳銃が殺人事件に使われたことで
犯人および、ウォン刑事の行方を捜すというもの。
失踪当時、ウォン刑事と相棒だったのが
コウ刑事。

事情を聴くためにコウ刑事に会うと
バン刑事の目には
とんでもないものが見えてしまうの。


コウ刑事のまわりに、7人の人間がいる……笑(いや・・・驚・・の表現の方が正しいか)
つまり、
コウ刑事は非常に複雑な人物である・・彼の中には中に様々な人格が潜んでおり
それが7つもある・・・・・ってことらしいの。
人格って言っても
よく他の映画で見かける、まったく自分が意識していないのにまるっきり別人になってしまうような
特殊なものとは違った感じ。
人間はみんな多面性があると思うけど
ここでは、コウの悪の心が強かったてことかな。
自分が悪いことをしているっていうことは当然意識はしていると思うよ。
ただし映画では七種類全ての性質を紹介してはくれないの・・。
せいぜい、2つ、3つぐらいだったかな。
悪知恵が働きそうな、女性のキャラと、大食いで小心者そうなキャラと、暴力的なキャラと
そんなのがいたような・・・・。


事件そのものの犯人はコウであるのは最初からわかるので
あとは証拠固めをするだけ。

二人は
ウォン刑事の
失踪現場、森にやってきて
現場検証。
バン元刑事は最初言ったように
現場に自分をおくことによって、事件の真相を読むことができるという(霊能力者みたい)
能力があるので
捜査は難しくはないんですよね。


ただ、
この能力は、バン元刑事しか、持っていないということが結構やっかい。
傍から見たら
バン元刑事の行動は尋常なものではないからね~
真実を言っていたとしても
信じられなくなってくる。


その典型的なエピソードが奥さんの件。
バン元刑事は自分を心配する奥さんが傍にいる思っている。
実際自分には見えているし、映像でも出てくる。
しかし、ホー刑事には見えない。
つまり、奥さんの存在は、バン元刑事しか見えない存在であるわけ。
さらに、物語が進んでくると、実際にこの奥さんと思われる人が
ホー刑事の前に現れるわけ。
実はこの人は、元奥さんで、精神的におかしくなったと夫に愛想をつかし
別れてしまっているという存在。
バン刑事だけに見えている奥さんというのは
この現実にいる元奥さんが枝分かれして、優しくなったバージョンのもう一人の
幻奥さんだったわけね。

すみません・・・ややっこしいね。

ホー刑事はこの奥さんのことがあってから
やっぱりこの人は
皆が言うように
気がおかしいだけなのかもしれないと思うようになり
当初、事件を依頼したときの
心境とは、かわり、当然、バン元刑事を観る目も変わってきてしまうのよ。


そうなると、
事件の真相どころではないよね。
相手を信じられなくなっているから。


そして、ホー刑事の心境変化に伴い、
バン元刑事にも、今まで普通の青年だったホー刑事の背後に
もう一人の人間が見え始めるの。
怯えた臆病な少年の姿ね。




さ~~~
どうなるの?

真犯人コウ刑事の
悪の姿は暴かれるの~~


あとは観てのお楽しみ。
ややっこしいのでうまく
文章で説明できなかったかも。
映画観ても
ややこしいよ。


銃撃戦はちゃんとあります。
ラストは
角度ピッタシの銃の構えシーンで
絵になるお姿。

ホー刑事の
変化にも注目。



あ~~~唯一気になったのが
なぜ7人も使ったの?
どうしたって多すぎ。
見えるのはいいけど、
7人もいたら、絵的に笑えてしまう・・・
だってタクシーの中でさえ、
バックに7人乗せてしまうんだよ。
妙な感じよ。

あと耳をプレゼントするところね。
ゴッホをイメージしたと解説に
あったけれど、
観た限りでは
唐突なので違和感あり。
いろんな声を聞きたくないからってことかな。

それ以後
つけ耳しているのよね。



いろんな意味で
不思議な映画。

リメイクあるのかな。

maddotanntei.jpg

恍惚

恍惚  (2003  フランス)


NATHALIE...


監督: アンヌ・フォンテーヌ
製作: アラン・サルド
製作総指揮: クリスティーヌ・ゴズラン
原案: フィリップ・ブラスバン
脚本: アンヌ・フォンテーヌ
ジャック・フィエスキ
フランソワ=オリヴィエ・ルソー
撮影: ジャン=マルク・ファブル
音楽: マイケル・ナイマン
出演: ファニー・アルダン カトリーヌ
エマニュエル・ベアール マルレーヌ
ジェラール・ドパルデュー ベルナール
ウラディミール・ヨルダノフ
ジュディット・マーレ
ロドルフ・ポリー
エヴリーヌ・ダンドリー
オーロル・オートゥイユ




「ドライ・クリーニング」のアンヌ・フォンテーヌ監督作。
人妻カトリーヌはある日、
夫ベルナールの浮気を知る。
翌日、カトリーヌは会員制のクラブで
マルレーヌと出会い、彼女にあるお願いをする。
それは、ベルナールを誘惑し、その内容を逐一報告してほしいということ。
やがてマルレーヌは、2人の関係を事細かに語って聞かせるのだが・・。





感想


「クロエ」の元映画ということで鑑賞。
大筋は同じでしたが
やっぱりフランス映画よね。漂っている雰囲気が違うと感じました。
全体的にこちらの方が大人の世界っていう感じですかね。



リメイクのクロエでは・・・
産婦人科の奥様に対するクロエの感情が
母親に対する思慕が発展して愛情にまで行き着き、形としては
レズっぽいところまで行ってしまっっていたので、
観ている方としては、おおお~~~っていう、驚きに満ちたものを感じずにいられなかったのですが
フランス映画のこちらは
そこまでの派手な関係ではないのですよね。


大人の女性同士の
友情にも似た関係にとどまっていたように思います。


ベアール扮するマルレーヌは、どこかで普通の生活をしている
カトリーヌに羨望の思いがあっただろうし
ファニー・アルダン扮するカトリーヌはカトリーヌで、
性的なものにオープンなマルレーヌの生き方にどこか、
魅惑され、惹きつけられるものがあったのかな・・・と思います。
だからお互い結びつきたい・・・、関わりをもってみたいっていう気持ちもあったんじゃあないのかな。


ナタリーという架空の人物を演じ
夫との情事を逐一報告するマルレーヌ。
カトリーヌはナタリーに嫉妬もし、複雑な感情ももちえていただろうに
あまり、表情にはださず(多少は動揺の影はみえたけど、私とは比べ物にならないくらい
冷静な様だよね)、しら~~~~として受け止めているのはさすが…笑
でも、夫のしたか、していないか・・の浮気にいらいらさせられるより
女性との情事場面をしっかり聞き、夫のすべてを知っているという思いを感じていた方が
精神的にまだまし。。。。とでも思っていたのかも。な~~んて。


それに夫婦関係もいまや、もや~~~~笑・・・とした状態での奥さんにとっては
このマルレーヌの生々しい性の、状況説明は
夫を男と意識するには十分すぎるほどの材料であったのでは。
多少の刺激は
この夫婦、必要だったのかも。
でも、女をあてがうっていう発想はなかなか普通はできないけどね。



この映画の夫は
この女性2人の前では
ほんとうに情けない存在にしか感じなかった・・・・笑


たぶん、しただろう浮気だろうけど、
この夫、そんなに魅力的な存在なんだろうかとさせ、思う・・・・笑


ファニー・アルダンも
エマニュエル・ベアールもともに女性として魅力的だったからね
どうも夫の存在自体がかすんで見えちゃうのよね。

クロエでは
いろんな場面で
ご丁寧に心理状況を説明してくれたけど、こちらはそんなに・・・
だから想像力はかきたてられる。


情事の場面も
クロエでは、ご親切にわざわざ、映像化してくれたりもしているけど
こちらはあくまでも
言葉だけの説明。確かによくよく聞いてみれば
卑猥な言葉の連発。ただし、当事者でなければ、別にね。
女性ならそんなに興奮を覚えるものでもないと思われ・・・…笑
どうも小説の一節を読んでいるような印象にしか覚えないのよね。だから淡々と聞いてしまう。
でも
きっと、当事者なら、なにせ自分の夫のことだし
ああだろうな・・・こうだろうな・・・・と、豊かな発想もわいてくるんだろうね。
すくなくとも愛している夫のことだものね。




クロエではよく見かけた息子も
こちらでは存在薄。
彼女をしっかりお泊りさせているのに
ファニー・アルダン全然気にしないって顔していたものね・・・・・笑
反対に
こちらではファニー・アルダンのお母さんを登場させて
ベアールに対面させていたよね。


いろいろ違うところがあったわ。


そしてもっとも違うのはラスト。


クロエでは、
ストーカーっぽい、恐怖も感じたけど
こちらは
あくまでも静かな幕切れ。



夫婦、2人が歩きながら
手をつなぎだす、流れには、
熟年夫婦のきずなの深さを感じたわね。
言葉はいらないっていう・・大人の関係・・?



ナイマンの曲は
ま・・・あ、
映画の雰囲気にピッタシ・・・・でした。

koukotul.jpg

ちょっとお話

ちょっと映画話。



テネシー・ウイリアムス
いわく

「人生には他のどんなことも起こり得ただろう。それらには全て同等の意味があったはずだ」


これって、いろいろ考えさせられる言葉だよね。

映画の中で使われていたけど・・・

今日

観た映画は

MR.NOBODY

未見購入しました♪


観た人の評判も良かったし
すっごく期待していたの。


あ~~~買って良かった。
「アナとオットー」に続いてお買い上げ~~
両方観た方はわかると思うけど
一部、似たようなシチュエーションもあります。

テーマといい、映像といい、音楽といい、
私の好みそのもの☆

この時点で今年の上位作品。


見直したいので感想はのちほど・・。


DVD出ているので
皆さん是非~~観て☆


あ・・・ここからは
独り言。
ジャレッド・レトの白黒ベスト着用場面での
シーンって
ちょっと、ジムキャリーのエターナル・サンシャインを
想像しない?
って、ジャレットが時折、真面目顔のジムに見えちゃうのは私だけ?
あ・・・・あの冒頭に出てくる100何歳かの爺さんじゃあないよ。
あれはジャレットだってわからないよね。



今日は疲れ気味なので
このくらいで・・・・♪


misuta-no-badhi.jpg

星やどりの声   著  朝井リョウ

星やどりの声   著  朝井リョウ



海辺の小さな街のある喫茶店「星やどり」。
その店を経営する家族の物語。





感想


『桐島、部活やめるってよ』『チア男子!!』の作者の、3作目作品。
ちなみに、私はこの3作目が初読みとなります。

朝井さんといえば・・
大学2年の20歳で新人賞を受賞しデビューした方ですよね。
現役の早稲田の学生さん☆。
若い世代の作家さんだったのでなかなか手を出せずにいましたが
今回は家族小説ということで、年齢が上な私でも楽しめるかなと挑戦。

いや・・・良かったです。
是非是非皆さん、読んでみてくださいな。
家族っていいな・・・って心底思える
優しさにあふれたお話なんですよ。
こういう作品を、若いそれも男性の方がテーマにすることに
感激してしまいました。
こういう感性、大切にしてもらいたいな。


物語は6章からなる連作短編集です。

早坂家は、三男三女の6人兄弟。
父親は4年前に亡くなり、母親が父親の残した海辺の喫茶店「星やどり」を経営している・・・。
この星やどり・・という名の喫茶店は
とっても素敵なお店。

星が見える天窓
ブランコになっている座席
お料理でて特筆すべきは
ビーフシチュー~~


近くにあれば、絶対足を運んでしまいそうなお店です。

子供たちが、それぞれ、年代も性別も違うし、また性格も違うので
様々な悩みを抱えています。


宝石店で働くしっかり者の26歳の、長女、琴美
大学4年生で彼女なしの長男、光彦。
高3の双子の姉小春。
同じく高3、双子の妹るり。
高1の凌馬。
小6の真歩。
そして、母、律子。
亡くなってしまった父親、星則。


それぞれの視点で物語が語られるという形式は
他の作品でもよく見かけられますよね。
椰月さんの「るり姉」なんかも、そうでしたよね.

大学生の光彦は、作者とかぶる分、リアルな姿が描きやすいだろうと思うものの、
高校生の姉妹や
一番上の琴美に関してはしっかり・・女性の心理なのに
きちんと描かれていて驚き~~
女性の読者が読んでいても、違和感なく入り込めるのはさすがだな・・・と思いました。


作者も力を入れたという最終章、琴美さんの告白場面。
泣けました・・・

私は
父親が入院する前、子供たちが寝ているときに
一人ひとりに声をかけるシーンにウルウル。
一人、黙って聞いていた琴美にもウルウル。


父親の思いがわかる分
無理して頑張ってきたんじゃないのかな・・・と思うと
泣けてきます。
知らず知らずのうちに重荷になっていったんだろうな・・・。



それを理解していた母親。


うすうす事情を感じていた兄弟。



生まれ育った環境はとても大切にしたいよね。
思い出と共に。
笑い、泣き、苦しみ、
いろんな場面を見聞きしている家族というものは
どんなものにも代えがたい、大切なものだと思う
でも、子供たちはいつかは一人立ちをしなくてはならない・・
自分たちもまた
新たな家族を作り上げるという役目も担っているのだから・・・
同じ環境で育ってきた兄弟たちなら
心にもっている思いは共通なものに違いない
だからそれを、
新たにつなげていけばいいってことだけ・・・



あ~~~なんて優しい小説なんでしょう。


今後も活躍楽しみにしております。
ちなみに
本の中で使われている写真は
鎌倉・江ノ電風景だと思われますが・違うかな?
そんなイメージを想像しながら
読んでおりました。






ほしやどり

ユリゴコロ    著  沼田  まほかる

ユリゴコロ    著  沼田  まほかる



偶然、押し入れの中から出てきた
ノート。その中に書かれている内容は、本当のことなのか。
誰が書いたのか。





感想


初読みの作者さん。よく新聞の書評で聞かれる題名なので手に取りました。
秘密めいたノートの存在。
手に取った主人公、亮介同様、読んでいる私も
ミステリー的な内容にどんどん惹かれていきました。
しかし、内容はけっして心地よいものではなく・・
次々に人を殺してしまう・・・そんな悲しい運命を背負っている女性と、
その彼女と繋がりをもってしまう男の話でした。


亮介は、それが自分の親ではないかと推測してみるんですね。
そもそも
亮介には、幼いころ感じた疑問があるのです。
母親が入れ違ってしまったのではないかということ・・・。


後半で
ノートの秘密が、きちんと説明されているので
うやむや感はありません。


ユリゴコロは・・・
ノートの書き手である女性が
よりどころ・・・という医者の言葉を聞き間違えたことから出来上がった言葉なのですが
異様なインパクトをもって心に響いてきます。



現在、亮介が抱えている問題も
絡めながら
意外な展開になっており、
最後まで飽きずに読むことができました。


社会的には許されないことをしてきた
ノートの書き手。
普通だったら、その人に対して不愉快な感想をもつに違いないのに
読み進めていくうちに
そういう気持ちが薄れていってしまう不思議な存在でありました。
意外なラストには・・・やはり衝撃を覚えずにはいられなかったです。
心が揺さぶられるっていうのかな・・・。
こういった着地点に
物語をもっていったのね・・・と
感心すらしました。



親としての姿だけでなく
女として、男として、なによりも一人の人間としての
親を知ることができるということは
子どもとしては
どこか、
こそばゆい気もするな・・・とも感じました。
が・・親の立場からしてみれば
知らしておきたい
部分であるのかもしれませんよね。
まして死も近い身ならね。


現実味としては薄いのですが
一種のファンタジーとして受け入れました。
ミステリーというより、
ラブストーリーという部分が強かったですね。

別の作品にも挑戦してみたいです。


yurigokoro.jpg

恋の罪

恋の罪 (2011  日本)



監督: 園子温
製作: 鳥羽乾二郎
大月俊倫
プロデューサー: 千葉善紀
飯塚信弘
企画: 國實瑞惠
脚本: 園子温
撮影: 谷川創平
編集: 伊藤潤一
音楽: 森永泰弘
照明: 金子康博
録音: 渡辺真司
出演: 水野美紀 吉田和子
冨樫真 尾沢美津子
神楽坂恵 菊池いずみ
児嶋一哉 正二
二階堂智 吉田正男
小林竜樹 カオル
五辻真吾 木村一男
深水元基 マティーニ真木
内田慈 土居エリ
町田マリー マリー
岩松了 スーパーの店長
(友情出演)
大方斐紗子 尾沢志津
津田寛治 菊池由紀夫



どしゃぶりの雨の日、渋谷円山町の
ラブホテル街の木造アパートで
無惨に殺された女性の死体が発見される。
捜査に当たるのは、女刑事、吉田和子。
やがて、大学のエリート助教授・美津子と
人気作家の妻・いずみとの関係を知ることになる・・・





感想




園監督、劇場作、今年2作目。「ヒミズ」の受賞で知名度もあがり、~熱帯魚より、劇場入り多かったです。
題材的なものもあるのかな・・・笑、男性陣が多かったな~~。
レディースデイで、左右に人が座るのって久しぶり。やっぱり男性だったよ・・・。


今回は、使われた楽曲、マーラ…!!
前回もクラッシックが使われていたけれど、今回のは、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『ベニスに死す』でも使われていた交響曲第5番なのよね。
とにかく、いろんな意味で濃い場面が続く中、
マーラ流れる場面では気持ちが落ち着くの。
その時だけは、しんみりと女というものについて考えたくなる瞬間でもありました・・・。



それにしても今回も144分の長丁場にもかかわらず、ダレることなくみせる技はさすがです・



映画はチャプター分けしてあり
全部で5パターン。

●菊池いずみ
●城
●尾沢美津子
●魔女っ子クラブ(デリヘルの会社ね)
●おしまい

という項目だったと
思うけど、記憶が定かではないので途中順序が違うかも。
おしまい・・・っていう章(これは確か)っておかしいよね・・・・笑




物語は東電OL殺人事件”にインスパイアされた、監督のオリジナル作品。
監督ならではの世界が今回も炸裂。
東電事件が当時話題になったのは、やっぱり被害者の表の顔と裏の顔のギャップからだと思うのよね。
映画の中でも、3人の女性の表と裏の顔が見えるの。
実際の事件を思わせる人物としては
尾沢美津子という日本文学の助教授の肩書を持つ、エリート女性だと思われます。
体型(やせ形)や、年齢的にもそうでしょう・・・。




今回は題材が題材なので、当然、S☆☆シーンが多いんですよね。これは、致し方ないよね。
私、意味が感じられないエロシーンは好きじゃあないんだけど、この映画の場合は
それ自体が意味があるものだからね、きちんと観るしかないです。でも思った以上に、からみは多かったです。
3人の女性の中では、神楽坂恵さんが一番脱ぎが多かったんじゃあ、ないかな。(実質、主役?)
ムチムチな体なので、見栄えするというか・・・・笑・・・存在感が体にあります。本当胸が大きい・・。
「~~熱帯魚」では、どうして今脱ぐ?と疑問ばかり感じたのだけど、
今回は、あそこまでの体当たり(脱ぎっぷり)がやっぱり物語上、必要だったわけで
よくやったわね・・・と感心さえしちゃいました。勇気はいるよね。
対して、水野さんが裸になる意味はあまり感じられなかったような・・・。
水野さん裸って、話題作りには一番だったと思うけど、映画全体を通してキャラ的なインパクトはあまりなかった
ように思います。刑事の水野さんも、人には言えない秘密、不倫をしているという設定ですが
う~~ん、メインの話(売春の果ての殺人事件ね)にあまり絡んでこないような気がしたんですね。
だから、冒頭のシャワー室シーン→全裸(このときのみ、でもしっかり見せる)も、私は結局物語上、意味があったようには思えなくって。実際、不倫相手とのリアルからみはなく(ちなみに不倫相手は夫の同僚であり、
アンジャッシュの児嶋一哉が演じているの。これにはびっくり~~児島~~~笑)
ほとんど水野さんの一人もだえシーンだったような・・・。
お相手の男性との電話での●☆☆や、
ゴミ捨てにかこつけて車内で男との抱擁。あと、事件現場で寝そべりながら雨水のうたれるとかね・・・。
なにやら、なまめかしい・
他の2人と違って、夫も子供もいる身なので、どうして今の生活に満足できていないのかが一番わかりづらく
感じた方だったように思いました。こういう性癖があるといってしまえばそれまでだけどね・・・・・。
あと、全然子供のいる主婦に見えない~~~~。
物語の最終的なものは、彼女のパートで終わる形であるのだけれど
個人的にはいずみのその後で終わっても良かったかもと思ったりもしました。ゴミ捨て話
(ゴミを捨てに出かけてそのまま、いなくなってしまうという主婦の話)は個人的には
ハッとするお話でもありましたけど。



話が結構、バラバラしちゃったので、
きちんと、物語を整理しながら・・・仕切り直ししますね。


事の発端は・・・

水野さん扮する吉田和子のもとに事件を知らせる電話。
円山町の空き家で死体が発見されます。
死体は
赤いドレスを着せられた上半身だけの死体と
セーラー服を着せられた下半身の膝までの死体。
顔はマネキン顔で手、足もマネキンの合体作。
2体あるけど、どうやら死体は一つということが検視結果でわかります。
部屋の壁には城・・・という文字。
これはあとから重要な言葉となってきます。
しかし、死体がかなり猟奇的・・
みるのもおぞましい・・・・・・泣。


そこから
事件に関与されていたと思われる人物たちに
スポットがあたります。
冒頭で書いた
チャプター通りに進んでいくのです。

まずは
作家の妻、神楽坂恵扮する菊池いずみ。実生活では監督と婚約したという彼女ですよね。
作家の夫の津田さんが強烈・・・・笑
いずみは、夫を献身的に支えているんですよ。服従する妻というのかな、いわれるまま・・・。
夫には、丁寧語。ほめられると素直に「ありがとうございます!!」
夫はピュアなもので・・・・・と、奥さんは言っていますが、これ、ピュアといいます?
異常でしょう…笑
貞淑な女性を妻に求めるという図式は男性陣にはあるのだと思うけど、それって自分だけには
本当の姿を見せてくれるっていう男の優越感に支えられているのだと思っていたのよね。
でもこの夫って、お家でも妻にそれを求めているじゃない?ノータッチっていうのはね・・普通じゃあないよね。
後半で夫の正体がわかるんだけど、意外と普通でビックリしましたよ。
もっと、異常者かと思っていたから・・・・笑
いずみは、家庭でも素敵なお洋服。くだけた部屋着の私とは大違い・・・
やがて退屈な毎日からの脱出にと、パートに出る、いずみ。
しかし仕事は、スーパーの試食コーナ。一流作家の妻といえども、仕事は所詮スーパーの売り場。
その仕事も満足にできない自分にちょっと嫌気。自信喪失。
やがて彼女に転機が。モデルに誘われるんです。だませやすいオーラーというか、世間知らずオーラーが
出ているんでしょうかね。結局はそれってアダルト系の仕事。
あれよ、あれよで言われるまま、深みにはまる、いずみ。
迷いながらも自分の存在価値を再確認。自分の体が意味あるものだと気づくのです。


彼女が鏡を観ながら全裸で、ポーズし、さらには、声を張り上げてスーパーの売り場呼び込みするのが
印象的。押さえつけられていたものを、取り除いた瞬間っていうことですかね。




そんな彼女の前に新たな女性。やがて彼女をデリヘルの世界に誘う女性です。
街頭で立ちんぼする
冨樫真扮する、尾沢美津子。
職業は日本文学を教える助教授。
いずみは美津子に親近感を覚えます。
自分に似ていると感じたのかな。
アダルトの仕事を始めたものの、どこか、今の自分の状態に不安感を感じているいずみ。
どこかで、夫を気にしているんですよね(普通、後ろめたさは感じるでしょう・・・・)
そんな彼女は美津子に答えを求めようとします。
どうしたらいいのかって・・・。
そのとき、美津子が教えたものは・・・

ある詩です。

「 言葉なんかおぼえるんじゃなかった
  日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで
  ぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる   
  ボクはきみの血のなかにたったひとりで帰ってくる  」



この詩、映画の中で何度か出てくるのですが、調べたところによると
田村隆一さんの「言葉のない世界」の中の「帰途」というタイトルの詩の一節。
勉強不足で、初めて聞きました。
しかし、美津子助教授の、この詩の意味合いの講義を
いずみ同様、しっかり聞き入ってしまったら、感動してしまいましたよ。
深い、深い詩だ・・・・と。
肉体ということばに、意味をもたせるのよ・・・ということなんでしょうか。




この美津子。
さすが文学の先生ということで、意味ありげな言葉をいろいろ話します。(監督が詩人ということから
言葉に対してはこだわりがあるみたいですよね。)
中でもキーワードとなるのは「城」という言葉。
これは、カフカの城・・・と関係があるようです。(カフカ読んでいないのでよくわかりません)
なんでも、城のまわりをぐるぐる回っているけど
まだ城の入り口さえみたことがなく、城にはたどり着けないというような内容。
そこで、美津子の過去に話が飛ぶわけです。


美津子と父親との関係は、変わったもの。
父親も有名な文学教授。母親の家柄とどうやら差があったようで婿養子という形で結婚。
母親はいつしか下品な血ということで、自分の夫とその夫と仲の良い娘を、蔑むようになります。
父親は美津子の絵を描いていたりして2人で濃密な時間を過ごしていて仲良しだったようです。
美津子はそんな父親にう~~ん、特別な感情があったみたいですが
父親は、一線までは踏み込まず、彼女の思いを押しとどめ。
そのとき渡されたのがカフカの城・・だったようです。
ちょっと近親相姦のにおい・・です。これは観た私の想像の域です。
美津子は城の入り口をいつも求めていて・・。
最終的に売春という行為に入っていったのも、過去が影響されているのではないかと推測。
母親にいつも見下され、否定されていた自分は
下品という言葉通りに売春へと走っていったものと思われます。
よくわかりませんが・・・。


「愛が無ければお金をとりなさい!!」美津子の言葉にはっとするいずみ。
愛しているのは夫なのだから
他の人とのそれには、金が介在しなくてはいけないのだと・・・。


それでもおじけるいずみに

「わたしのとこまで堕ちてこい!」という美津子。


いや~~~怖いです。このドスの入った声。そもそも美津子って普段と夜の生活とで
メーキャップががらりと変わるのよね。それプラス、ドスの聞いた声だもの。
怖すぎ~~~。流されそうです、この勢いに。


そこから、
怒涛の終盤へ・・・、あんなことにも、こんなことにもなります。
美津子の本心が判明し、
そこはちょっと意外でもありました。


後は劇場で・・。


もちろん、肝心の殺人事件の犯人・・・ちゃんと判明しますよ。
被害者も途中で判明します(これは最初からわかるかな)
事件そのものは、突っ込みどころも多いのですが
焦点は女性の人生そのものだから
あまり深追いはしなくていいのかもしれません。



堕ちて・・・堕ちて・・・堕ちた先に
みえるもの。
いずみにとっては、幸せなものだったのでしょうか。

まあ・・いろいろ思うことも
ありますが
日常生活ではこんなハードな展開は絶対ないとは思われ・・・・笑
誇張された
ドロリとした女世界に
今回は楽しむ余裕を感じながら
鑑賞できました。



あ・・・
たぶん、この映画の最大の名場面は
美津子と、その母親との
お茶飲みシーンだと思います。
壮絶な会話を
じっくり楽しんでいただければ
良いかと・・・



ヒミズはこれ以上に
楽しみ~~


ではでは、おしまい・・・笑


恋の罪

ヤコブへの手紙 

ヤコブへの手紙   (2009   フィンランド)


POSTIA PAPPI JAAKOBILLE
LETTERS TO FATHER JAAKOB


監督: クラウス・ハロ
原案: ヤーナ・マッコネン
脚本: クラウス・ハロ
撮影: トゥオーモ・フートリ
出演: カーリナ・ハザード レイラ
ヘイッキ・ノウシアイネン ヤコブ牧師
ユッカ・ケイノネン 郵便配達人
エスコ・ロイネ




フィンランドの片田舎。
恩赦によって12年ぶりに出所したレイラ・
彼女は所長に勧められ盲目のヤコブ牧師のもとで住み込みで働く。
ヤコブ牧師のもとには毎日多くの相談の手紙が届けられていた。
レイラは、その手紙を読み上げ、ヤコブ牧師の返事を代筆する仕事を任された。
しかしある日
手紙がこなくなってしまう。




感想



地味映画として紹介されていた一本。
登場人物3人(ヤコブ牧師、レイラ、郵便配達人)、舞台もほとんど牧師の家&庭のみ。
さらに75分の上映時間。
これはまさに、地味の王道をいくお話ではないでしょうか。


しかし、余韻が深くかなり気に入りました♪
短い時間ですが
満足度は高いです。
無駄に長い映画があるのに、こうまで、潔くスパッと・・・・余分なものを
切り落として仕上げたことに、拍手を送りたいくらい。


でも濃いんですよね、内容は。


「ヤコブへの手紙」と聞いて、キリスト教に詳しい方ならピンとくるものがあるのかもしれませんよね。
私は、あまり詳しくはないので、全然でしたが。


折しも、私、最近、
子供の学校がらみで、聖書にまつわるお話を聞きました。
いつも祈りましょう~~と最後にはなるので
お祈りもしてきました・・・。
お話の中には、ヤコブも登場。

映画を観た後ですと、ヤコブ、ヤコブと語られるたびに
映画の牧師そのものがちらちら浮かんでくるんですよね。
あのラスト近くのお姿が・・・。


この映画、
宗教がらみのお話ではあるのですが
そういった専門知識がなくとも、
物語の世界観に入っていけると思います。

押しつけがましい話にもなっていませんでしたので
素直に観ることができると思います。




私が一番心打たれたのは
聖職者としての役割を担っているヤコブ牧師、彼自身の変化です。
神の代弁者として、皆に慕われるべき、善人として物語の初めの方
登場しておりました。
盲目であるというハンディーはあるものの、
そのつつましい生活ぶり、人々に救いの手を差し伸べるべく、常に一心に祈っているお姿。
なんて立派なの・・・と思わずにはいられません。

でも逆に、すさんだ過去をもつレイラ(その過去はラストで語られる)にとっては
どこか、彼は偽善者ぽく感じられるのかも。
終始反発をしておりましたね。
確かに、世間から背を向けて生きるものにとっては
こういった牧師のような人を
はいそうですか・・・、立派ですね、と
賛美できないところではありますよね。

世間の荒波にもまれ、神様なんていやあしないんだ・・・ぐらいに思っている人にとっては
受け入れにくい一番の人物であろうかと思います。
出会ったばかりのころ盲目を疑ったのも
分かる気がします。


そんな彼女が心を開くのだろうなという予想はあったものの、
まさか、牧師までがああいう風になってしまうとは。
だからかえって私はここのところに感動を覚えたのです。



ある日手紙が届かなくなるのです。
当たり前に手紙を読んでもらい、
その返事を書いてもらっっていた毎日。
ヤコブにとってそれは生き甲斐であり、人々に必要とされているという一種の誇りでもあり
生きる力でもあったのです。
それがなくなってしまった時のヤコブ牧師のお姿。


あ~~~牧師もまた人間であるんだな・・・と実感した瞬間でした。


完璧な、立派な人なんてどこにもいないのかもしれません。
人間はやっぱり弱いものですから
弱みがあって当然なんです。


ヤコブは
最後、神の召されてしまうのですが、
様々なことに気づき、
一人の人間として生涯をきちんと全うできた・・・ということは
幸せに違いないと思うのです。


最近では
手紙で近況を・・・ということも
なくなっているように感じますが
やっぱり、ぬくもりのある文字の文章は素敵ですよね。
ヤコブ牧師が
何度も何度も手紙を書く人もいるというセリフを
言っておりましたが、
やっぱり、自分の思いを形、文字にするのって
大切なことだと思います。
文章にすることで
自分の心情を
客観的に知ることができるんですものね。



素敵な映画を紹介していただき
本当にありがとう~~~~という感じです。
園作品の前後に感想書いたので
余計心が純粋になったように感じます・・・
そういえば、
「愛のむきだし」でも印象的だった
コリント人への第一の手紙・・・
愛についての箇所ですね。
ここでもまた聞くことができました。

映画はまさに
愛のあふれたものでしたよね。

yakobuhenotegami.jpg

来たれ、野球部    著  鹿島田真希

来たれ、野球部    著  鹿島田真希





頭脳も運動神経も良い、野球部エース、喜多義孝。
彼は幼馴染の宮村奈緒のことが好き。
しかし、10年前に自殺した女子高生の一冊の日記を
みつけたことから、2人の間に異変が・・・。




感想



表紙がアニメタッチで可愛らしい~~
でも鹿島田さんだよ。作風変わったのかしら?
まさか、本当に青春ラブストーリー?
え~~~と疑問を感じながら読み始めたら
やっぱり鹿島田作品でした・・・・笑
文学的です・・・。

これ、こんな風な表紙で紹介したら、勘違いで手を出す人も多いのではないかな。
もちろん、
主人公たちは高校生だし、
片思いから始まり、両思いにもなるのだから
愛もしっかり描いてはいるけれど、
私たちが経験している学生時代の青春劇とは全く別物だと思います。
異質な愛の形かな。
そもそも
こんな思考回路をもった学生は
あまりいないんじゃないのかと・・。
だから当然、感情移入は、なかなかできませんよね。


あらすじを自分でまとめたけれど、
それだけじゃあ、うまく説明できない感じ。



物語の登場人物は4人。
それぞれが語り手となります。

頭脳もスポーツも万能、エース・喜多義孝。
彼が恋焦がれる幼馴染の宮村奈緒。
国語教師で野球部顧問の浅田太介。
音楽教師の小百合。
浅田先生には、自分の学生時代野球部のマネージャーだった可愛らしい奥さんがいます。
奥さんは妊娠中です。



喜多君の気持ちは宮村さんには届いているけど
宮村さん、そっけない感じ。有名人の喜多と自分の立場の違いを考えているのか。
でも好きっていう気持ちはあるみたい・・。
一方の喜多君は
なんで自分の気持ちをわかってくれないのかといらいらするのです。
愛ってなんだろうな・・・とこっちまで考えたくなります。
独占欲や
嫉妬欲が出てくるのも当然だと思います。


正直、
どう感想書いていいかわからないお話なんですよね。
途中から
2人の愛の形は理解をしずらいものに感じるから。


恋愛劇と同時に
見えかくれするのは、死の影。
自殺した女子高生がなぜ死んだのかは明確には語られないし
物語の流れの中で
もう一人の人(ネタバレ、浅田さんの奥さんね)の死の理由も
精神的な病だけでは片づけられないようにも感じます。

そんな死のにおいに引きずられて
喜多もまた・・・。
どういうことなんでしょう?
なぜ彼が?
死は連鎖するのでしょうか。
なぜこのタイミングで。


あ~~~やっぱり、鹿島田作品は
よくわかりません。
今回は学生ものということで読みやすいのですが
時折、文学的な香りのする表現が散りばめられます。
難しい・・・


ところで
題名は
野球部ですが
野球にはまったく関係がないのです。
ただ、喜多君が野球部に属しているだけです。
それもまた
表紙と共に
だまされた感がありますね。




kitare yakyuubu

ミッション:8ミニッツ

ミッション:8ミニッツ (2011  アメリカ)


SOURCE CODE




監督: ダンカン・ジョーンズ
製作: マーク・ゴードン
フィリップ・ルスレ
製作総指揮: ホーク・コッチ
ジェブ・ブロディ
ファブリス・ジャンフェルミ
脚本: ベン・リプリー
撮影: ドン・バージェス
プロダクションデ
ザイン: バリー・チューシッド
衣装デザイン: レネー・エイプリル
編集: ポール・ハーシュ
音楽: クリス・ベーコン
出演: ジェイク・ギレンホール コルター・スティーヴンス大尉
ミシェル・モナハン クリスティーナ・ウォーレン
ヴェラ・ファーミガ コリーン・グッドウィン大尉
ジェフリー・ライト ラトレッジ博士
マイケル・アーデン
キャス・アンヴァー
ラッセル・ピーターズ
スーザン・ベイン

列車の中で目を覚ましたコルター・スティーヴンス。
目の前にいる女性が親しげに話しかけてくるが
彼には見知らぬ人に感じる。
しばらくして列車内で大爆発が起きる。
その後意識を取り戻した彼は
自分が軍の研究室の中にいることを感じる。
やがて彼は、自分がシカゴ郊外での列車爆破事件直前8分間の犠牲者の意識の世界に
入り込むミッションを任されているのだと知る。
列車内を捜索して犯人を特定しなくてはならないのだ。
わずか8分。
徐々に犯人へと迫っていくコルター。
そのうち彼はクリスティーナに恋心を抱く。






感想



スルーしようと思っていたのですが、賛否両論あるようなので
どれどれと、自分の目で確かめに行きました。
わからないところもあるけれど、
私的には面白かったです。
時間を行きつ戻りつの映画って
いろんなバージョンで映画化されているので
どういう切り口で、描かれているのかなということに興味があったのですが
今までとは違う、この作品ならではのオリジナル性がきちんと
あったのが、良かったかな・・と思います。
前作の「月に囚われた男」も
描きつくされた感のある題材でしたが、上手にお話としてまとめていましたよね。
それと同じ印象。
ただし今回はちょっと強引さも感じますが。


こういう映画(過去に戻ってなんとかするって話)は、突き詰めていくと
頭がごちゃごちゃになるので
あまり深くは考えていません・・・・・笑
楽しませてもらえたんじゃない?という感想に行き着けたことで
この映画はオーライと私の中では位置付けています・・・・・・笑
だから
↓これからの私の見方はあくまでも私の見方であって
矛盾点や感違いがあってもいいや~という思いでいますので
あまり責めないでくださいね・・・・笑




今、帰ってから感想書いていますが
しみじみ考えてみると
前作と同じようなものを描いていますよね。
自分はいったい何者か・・・という点。
自分の意志で意味ある生き方をしたいというのが
共通しているところじゃないのかな・・・って思います。
利用されるだけの存在って嫌だものね。



さてさて・・話を映画内容に戻して。

そもそも私、この映画をこういう風に考えていました。

爆発犯をとらえるために
その事故にあった人の意識の中に入り込むジェイク。ここまでは前宣伝されていましたよね。
ジェイクは、捜査の一員であり、このミッションを十分理解しているものであり、
犯人探しのために目星をつけた列車内の様々な人の意識の中に入り込んでいくのかと。
それによってわからなかった犯人が見つかるという
謎解きサスペンス!!・・・・と思っていました。


しかし・・・少し
いや、全然、違っていました。
そのギャップもまた良かった・・・。予期しないストーリーだったから。



ジェイク自身がなぜこのミッションに参加しているのか
わからない状態!!

主演の彼がわからないのなら、当然私たちだってわかりませんよね~~~笑


ジェイク自身は一体、何者なんだろうな・・・・ということに
観ているものはなにより、興味わきます。
任務の方は(犯人探し)
そもそも、爆弾もすぐみつかるし、同じ車両にどうやら犯人が存在する感じで
見つかるのも時間の問題かなという雰囲気がぷんぷんしているので
あまり心配はしていませんでした。


それにしても、ジェイク本来の人物像。
それが意外で、驚き~~。
彼・・・
すでに死んでいるのでした・・・・・半分、死んでいる状態?
いや、意識だけは利用しているので完全な死というわけではないのかな。


彼は意識だけの存在で
このミッションに参加しているのですよ。
映画ではカプセルの中で通信会話をしているイメージですが
それは彼が作り出したイメージでしかないということ。
現実には肉体は寝たきり状態で何も動いていないってことですよね。


彼が捜査できるのは
8分間しかないということで時間は限られています。

ということで
何度も同じシチュエーションが繰り返されます。

可哀そうなことに、結末は必ず爆破→死ということになります。
そのたびに、
もとのカプセル世界に戻ってきます。
何度も同じ苦しみ(苦しいかどうかはわからないが)
恐怖を味わうのはミッションとしても
勘弁願いたいところです。


同じシチュエーションが繰り返されると
ともすれば、またか・・・と思うことにもなりかねないのですが
そこはマンネリ的にはなりませんでしたね。
最初は、たどたどしかったジェイクの行動も
同じシチュエーションの繰り返しだと
学ぶことも多くなってきて。


例えば、飲み物をこぼされてしまうことや、
切符を確認されることや、
列車が10分遅いと、愚痴る客に遭遇するとか・・・
起こりゆるすべてのことを理解しすぎてきているので
対処方法がすべてスマートになっていく・・・・・笑

だから、同じ場面に戻ってきても
観ていて飽きがこないのですよね。学習しているジェイクの能力が素晴らしくって・・・・笑

そういえば、車掌に「不審が乗客はいないか」と尋ねて
「あなたです」とジェイク自身を名指しされるところは笑えてしまったわ(実際、そういう雰囲気の
劇場ではなかったですが・・・・)


今、ジェイク、ジェイクと言っていますが、
彼が列車内での乗客の意識の中に入り込んでいるのを
わかりやすくするために、お顔はジェイクということです。見た目、ジェイクですね。
でも、入り込んでいる人はショーンという、歴史の教師というのを忘れてはいけません(忘れちゃいそうだけどね)
冒頭で鏡にちらりと姿が映りますが(もちろん、鏡に映るのはショーン本人の姿)
列車内の客にとっては、ショーンでしかありません。ややこしいですね。
目の前に座っているクリスティーナにとっても、ショーンでしか、ないのですよね。
意識だけが、ジェイクです。
だからクリスティーナにしてみれば、
あら~~いつもの彼とは違うわ、おかしいわね・・と
わずかな時間での接触ですが、そう感じて会話しているわけですね。
いくらジェイクがクリスティーナに好意をもっていても
クリスティーナ自身はジェイク本人とは最終的に
認識はしないってことです。
まあ・・・完全に乗っ取られる形になるショーンはもっと可哀そうですが。
・・・そんなめんどくさいことは誰も感じませんね・・・・・笑



ということで・・・
犯人は、ミッションを繰り返した果てに、分かります。
この爆破事故自体はすでに起こってしまったことで
なし~~~というわけにはいかないのですが(博士?ミッションを企画しているトップの人が
過去は変えられないとか言っているものね)
この犯人がわかれば、これから起こるであろうテロを未然に防げるということだそうです。
そのとおりに・・・ことはうまくいきました。
軍の人たちも一安心するのですが・・・
物語はこれからが本題。

ミッションの目的が果たされ、
ジェイクはこれからどうなるのか。
どうやら彼はこのミッションが成功したことで
これからも
軍に利用される可能性があるようです。
博士はジェイクの今回の記憶をなくさせ
次のミッションに備えようとまで企てているのです。


ジェイクは、ミッションの中で自分はいったい何者かを
突き止めていました。
すでに自分は死んでいると理解したのです。
意識だけで、生かされているってことに
きっと疑問を感じたのかもしれません。
死んでもなお
国に尽くせなんて・・・。
観ているこちらもなんとかしてあげたい気持ちでいっぱい。


ジェイクの本来の姿があまりにも悲惨・・・・・泣


ジェイクは
コリーン・グッドウィン大尉
にもう一度ミッションに戻してくれるよう懇願します。
8分たったら
生命維持装置を
はずしてくれとも同時に頼んで・・。



彼が再び乗客の前に現れた時、
彼は皆に
幸せな時間を与えます。
現実にはそうでなかった時間。
列車内の一人ひとりが、様々な人生を背負っているはず。
その人たちに
幸せな時間を供給した彼は、
これこそが、自分のミッションだと感じたのかもしれませんよね。



世界は2つ存在する。
現実世界と
架空世界。
ジェイクは現実世界では、死んだけど
架空世界で、ショーンという体で、別の人生を送るのです。
ジェイクは、架空世界で
コリーン・グッドウィン大尉にメールで送ります。
この大尉は架空世界にいる大尉でしょうね。
だから、列車爆発事故そのものが未然に阻止されたという
結果になっているのだと思います。(現実世界では事故は起こっているはず。)
もちろん、そこには、現実世界と同じように
ミッションに利用される、ジェイク自身も存在しているわけです。
ややこしいのですが・・・



邦画の「ルート225」と同じような世界観ですよね。
パラレルワールド(平行世界)とも言いますが
面倒くさいので架空世界と表現しましたが・・・笑



もう一つの世界があるってことを信じたいものとしては
こういうファンタジックな世界観もまたありだと・・・思います。



救いようのない終わり方という方法もありだったとは
思いますが、
別世界で生き続けるという希望をもった終わり方は
嫌いじゃあないです。
昨今の現実が厳しい分、
こういう考え方も
ありかな・・・と思ってしまいますよね。



列車内の人々の
笑顔をストップモーションで切り取った場面は素敵でした。
生きている輝きを感じられたから。

お父さんにジェイクが電話を通じて
語りかける場面もホロリとしますよね。


いろいろ気になるところもあるだろうし
人によっては意見もわかれがちですが、この作品好きでした。
優しい作風が・・・良いです。



すみません・・・細かい部分の追求は勘弁ね・・

ジェイク8minminitu

クロエ

クロエ (2009  アメリカ・カナダ・フランス)

CHLOE


監督: アトム・エゴヤン
製作: ジョー・メジャック
ジェフリー・クリフォード
アイヴァン・ライトマン
製作総指揮: オリヴィエ・クールソン
ロン・ハルパーン
トム・ポロック
ジェイソン・ライトマン
ダニエル・ダビッキ
脚本: エリン・クレシダ・ウィルソン
オリジナル脚本: アンヌ・フォンテーヌ
撮影: ポール・サロッシー
プロダクションデ
ザイン: フィリプ・バーカー
衣装デザイン: デブラ・ハンソン
編集: スーザン・シプトン
音楽: マイケル・ダナ
出演: ジュリアン・ムーア キャサリン・スチュアート
リーアム・ニーソン デビッド・スチュアート
アマンダ・セイフライド クロエ
マックス・シエリオット マイケル・スチュアート
R・H・トムソン
ニーナ・ドブレフ
ミシュー・ヴェラーニ
ジュリー・カーナー
ローラ・デ・カートレット
ナタリー・リジンスカ
ティファニー・ナイト
メイガン・ヘファーン




 ファニー・アルダン、ジェラール・ドパルデュー、エマニュエル・ベアール共演のフランス映画「恍惚」
のリメイク。
大学教授の夫デビッドとひとり息子のマイケルとともに
何不自由ない毎日を送る産婦人科医のキャサリン。
ある日、夫デビッドの浮気を疑い始めたキャサリン。
彼女は、夫の本質が知りたいがため
若く美しい娼婦クロエに夫を誘惑してもらい、その時の夫の反応を探る。
クロエは詳細な報告をキャサリンにし始める。





感想


面白かったです。フランス映画「恍惚」のリメイク版ですが、本家を観ていない分、
私は、楽しめました。
まあ・・あの展開は途中から想像できる範囲ですが(なにせ、アマンダちゃんの目つきが最初から
妖しげなんだもの・・・・笑)
やっぱり、何も情報なしで観た方は絶対に良いです。

アマンダ・セイフライドが
娼婦の役いうことで、大胆にもヌード(ちょびっと)見せていますが
それがまた話題ってことなんでしょうね。
しかし、私は、「マンマ・ミーア!」にしろ、「赤ずきん」にしろ、「ジュリエットからの~~」もありましたっけ?な~~んにも観ていないので(いつかみましょう・・)
イメージとして出来上がっていないの。初見が、娼婦役なんですもの。
(出演作みたら「アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウン」もあったけれど、全然彼女に気づいていません、私)
役に関しての驚き度はないにしろ、魅力的な女性だわ・・・と思わせるものは
ビシバシ感じました。
童顔で可愛らしい雰囲気だけど
やるときはやる!!
あの大きな目で見つめられちゃうと、
ちょっと視線はずしにくいかな・・・・笑・・・と思います。
髪もくりくりして可愛かった☆




何不自由なく暮らしている産婦人科医のキャサリン。
夫は大学教授のデビッド。
この夫の浮気を疑って、娼婦のクロエに、誘惑して~~~と頼むことから
家庭の危機が始まるというお話ですが
お仕事ある身なのに、お暇ね・・・・・・・・キャサリンと思ってしまうのは私だけ…・・笑
仕事忙しかったらそんな余裕ないよね、生きていくだけで精一杯で・・・・・。



夫に女を近付かせてその反応を観るという
いやらしい行為。
さすがにそこまでは普通人の私は思いつきませんが・・・・・笑
夫婦関係も長くなってきた奥様としての心境には
大いにうなづけるものがありました。



まず、子供との関係。
あのくらいの年齢になると難しいよね。
母としては息子の女ともだちも含めて、いろんなことが気になるところだけど、
息子としてはうざったい・・・というところなんでしょうね。(男の子がいないのでわからないが)
でも、あんなに可愛がっていた息子が
あっさりとした反応しか示さなくなってしまうとやっぱり寂しいところだと思うわ。
さらに追い打ちをかけるように
夫にも学生との親密メールが見つかり、
モヤモヤしてくるのも、わからないわけではないよ。
だから女を近付けるって発想は出ないが(何度でもいう・・・)


そもそも
ジュリアン扮するキャサリンの気持ちの中に
年をとってしまった自分へのあせりみたいなものがあったのではないかい・・
まさに更年期?…・・笑
夫との関係も少なくなり、子供にも相手にされなくなり
あせりがわいてきたんだと思うわ。
夫は年をとってもますます魅力的になったと感じるけど(確かに、リーアム・ニーソン素敵☆)
自分はどうよ、って思い始めると
ド~~ンと落ち込むんじゃないの。
女性にはありがちな傾向かもしれないよね。
前向きに生きていればそんなこと思わないけどね。



一方のクロエ。
どの段階からキャサリンへの気持ちがあったのかと
おもえば、やっぱり最初からなのかな。
クロエ自身の過去が語られない分、よくわからないけれど、
ああいう仕事になる前にいろいろ屈折した過去があったように見えるよね。
母親の存在も大いに関係ありそう。
あの大切していた髪飾りもね、意味ありげだったよね。



そう考えていくと
クロエが悪女にはみえなくなってくるから不思議。
ただ純粋に、自分だけを愛してほしかったという思いだけなんだものね。
キャサリンも罪っていったら罪よ。
最初はクロエの思いを拒否っていたけど、
次は自分の方からずんずん、アプローチかけていったものね。
いくら夫に失望したからといって(感違いなんだけどね)
クロエの思いを受け入れちゃあだめだよね。



一時、思いがかなって至福の時を迎えたクロエだけど、
キャサリンに自分がついたウソがばれて・・・。




夫、デビッドとの話し合いの場に
クロエが現れた時はドキドキしちゃいました。
合わす顔がないよね、なにせ、今までの話は
クロエの、一人芝居であるのだから。



すべてのことに気付いたキャサリンは、
夫、デビットに本当のことを打ち明けます。
自分の今までの思いも正直に・・・。


この2人のやりとりには、感動さえ覚えたんだけど、良く考えれば
クロエとの関係まで告白しているんだよね、キャサリン。
勇気あるよね。
女相手の浮気だけど、冷静に聞いたんだね、デビット・・・・・。
すべてを受け入れてそれでもなお、妻を責めないデビット。
すごいよ。女生徒とお酒ぐらい飲んでもそりゃ、許してあげなきゃ、キャサリンって
思ってしまうよ。今まで一度も一線は越えていないというデビットはすごいよ・・・・笑
本当か・・・って疑ってしまうけど、リーアムが真剣そうなので納得したよ。





ラストは
せつない幕切れではあるよね。
しかし、
クロエのあの髪飾り、キャサリンは身につけていたよね。
憎んでいたわけではないんだよね。
でも家族としてはあの髪飾りみせつけられての生活ってどうかな。
とくに息子。クロエと関係あったじゃない?
息子は
母親のとんでもない秘密は知ってしまうわ、
やたら、裸で、廊下にだされるわで・・・とんだ迷惑をこうむったんじゃあないのかな
って思うわ。
これからの成長が心配。

あ・・・
クロエとキャサリンのからみシーンはしっかりありました。
綺麗だけど衝撃的でもあるなあ。



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ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル  (2003  アメリカ)  




監督  アラン・パーカー  
出  ケビン・スペイシー(デビッド・ゲイル)
   ケイト・ウィンスレット(ビッツィー)
  ローラ・リニー(コンスタンス)
   ガブリエル・マン(ザック)



大学教授だったデビッド・ゲイルは、元同僚をレイプ殺人した罪で死刑確定している身。
その死刑が後3日と迫る中、彼は女性記者ビッツィーを呼び寄せ、自分の話を手記にしてくれと、頼み込む。
彼の語る真実とは・・・。初めは犯人と確信していたビッツィーだが、彼の語る内容に冤罪の可能性があるのではないかと感じ始める。そして決定的な証拠をつかんだ彼女は死刑中止のためにゲイルの元に走り出す。




感想   


先週、深夜枠で放映されていたので、再見。
劇場で一度みたきりなので、もう一度見たいと思ったのよね。
何度でもみたいという作品ではないけれど、
サスペンスとしては上質なんだもの。やっぱり見ちゃう。



ケイトもケビンもさすがだね・・・
いや・・一番アッパレはローラ・リニーかな。


当時の感想をあちらから(どこから…笑、HPからね)こちらのブログに引っ張ってきました。



<<

感想  


この映画を観る前に、アラン・パーカー監督の作品「ミッドナイト・エクスプレス」と「ミシシッピー・バーニング」と立て続けに予習も含めて観てみました。
両作品とも非常に見応えがありましたので、この作品も期待していました。
予想どおり、上質のサスペンス・ミステリー
になっていたとは思いますが、
ちょっと議論をかもし出す結末には、作品の好みが左右されるところかもしれませんね。
監督自身も議論を巻き起こすことを期待しているようですね。
デビッド・ゲイルが犯人かどうか・・・、真犯人は誰か・・・という謎。これが、2転、3転するのですから、ミス
テリーとしては満足いくと思うんです。
そのバックグラウンドにあるのは、死刑廃止論というわけで、
本当はそのこと自体を注目してあげないといけないんだと思います。なかなか死刑制度について議論するっていうのは難しいと思うんですけどね。


彼が語る人生。そこには大学教授という恵まれた環境に身を置きながら、ずるずると転落して行ってしまう哀れな自分の姿がありました。発端は嘘のレイプ事件です。学生が落第した腹いせにゲイルを落としいれたのです。でも誘惑されて、関係を結んでしまったのは事実。
普段の理性的な彼なら、拒否できたのに、お酒を飲んでいたゆえに本能の方が先だってしまったのですね。
さらにそれが原因で妻子も職も失い、アルコールに依存していってしまう。ここまでの告白を聞いていて、なんだか彼に同情心が芽生えてきてね。案外弱い人間だと知ると、かわいそうでね。彼の子供に対しての接し方が、とっても愛情満ちて描かれていた分
別れのシーンがつらく、つらく感じられました。
そんなやさしい心根を持った人が犯罪・・・?、やはり冤罪だよと私も感じ始めましたね。
彼・・・犯罪者というレッテルを貼られて、(冤罪ですけどね)社会から後ろ指さされるような立場になったからこそ、元々支持していた
死刑廃止論に入れ込んでいくのかな・・・って。 
      (以下ネタバレになります)



彼も同僚のコンスタンスも、自分の死を何か意味あるものにしたいって思ったゆえの決断でしたよね。
でもそれって、生を自ら放棄した考えなので、私的には、結末には賛同できないですね。
死にたいっていう願望も見え隠れしていないかな・・・って気もします。死刑制度反対を唱えているなら、命の重さを人一倍考えて
いるはずですよね。それが自己犠牲で、他の何人かが救えるかもしれないっていう発想に展開していくのは、飛躍しすぎじゃあないかしら。
そこまでやったら、何でもありっていうことになってしまわないかって。
死刑制度に議論をかもしだすっていう意味では、効果があったとは思いますが。安易な裁判制度、事実をゆがめていくことの恐ろしさに、1石投じなくてはいけないっていう気持ちはわかるけど、そこまでしなくてはいけないほど厚い壁があるのかしら~。
例えそうだとしても、方法はいくらでもあるはず。 満足感得るのは、死んだ二人だけだと思いますよ。
これに加担している弁護士やカーボーイ。この人達の心理も理解できない所です。やってはいけない最低限ルールってものがあるでしょ。
特にカーボーイ。コンスタンスのこと好き?だったんじゃあないの・・・。あんな姿になった彼女見て、なんとも思わないかな。それは
ゲイルにも言えるんだけどね。 活動家はそこまでやってこそ、真の信者ってことだろうけど、ついてはいけないところはありますね。   
彼の生き方ですから、本人が納得すればそれでいいとは思いますが、言葉でわからなければ、行動あるのみ・・・、っていっても
ケース・バイ・ケース。この行動は、やはりどうかな・・・と思いました。
この真実を突きつけられたビッツィーが、痛々しかったですね。彼女、彼らの自己満足な考えに、かなり心に傷を負ったはずだから。
なぜ、彼女でなければいけなかったのか、もう少し説明が欲しかった気もします。     
この映画ではケビン・スペイシーの演技が素晴らしいですよ。幸せな自分から段段と孤独な自分に移り変わっていく様。最後は悟りを開いた
ような穏やかな顔。本当に彼の生き様を全身で演じているのがひしひしと伝わってきて、リアルでしたね。
ケイトの真実を知るたびの驚愕した顔は、まさに観客の気持ちそのもの。ラストでは思わず、一緒になって、オオ~と声を押し殺して
泣いてしまいそうになりましたよ。カーボーイのおじさんが、最初から謎の人物として出てくるんですが、彼・・・最初、マルホの
カーボーイのおじさんかと思ちゃいました。かなり怪しかったです。これもラストに結びつく伏線の1つなんでしょうね。
告白場面から回想場面に移る度に、映り込む映像(サブリミナル効果?)が、ちょっとホラーぽい雰囲気なんですよね。
凝っっているな~と思ってしまいました。音楽ですが、ラストにプッチーニーのオペラを持ってきています。
トゥーランドットです。
ミステリーにも合うんですよね、オペラが。「ゴッドファーザーⅢ」にもマスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナが使われていましたね。
このオペラの内容とストーリーがリンクするあたりの演出はいいですね。音楽にも手を抜かないなっていう姿勢は
好みなんですよね。







以上。




再見して再び哲学者ゲイルの言葉をいろいろ聞いたりしたんだけど
聞けば聞くほど、最後に待ち受けている伏線にも繋がるようでね。重みを感じたわ。
ときどきぼそっと重要なこと言うのよね・
信念持った生き方って、なかなかできないよね。




ライフオブデビットゲイルイ



ブルーバレンタイン

ブルーバレンタイン  (2010   アメリカ)


BLUE VALENTINE



監督: デレク・シアンフランス
製作: ジェイミー・パトリコフ
リネット・ハウエル
アレックス・オルロフスキー
製作総指揮: ダグ・ダイ
ジャック・レクナー
スコット・オスマン
ライアン・ゴズリング
ミシェル・ウィリアムズ
脚本: デレク・シアンフランス
ジョーイ・カーティス
カミ・デラヴィン
撮影: アンドリー・パレーク
プロダクションデ
ザイン: インバル・ワインバーグ
衣装デザイン: エリン・ベナッチ
編集: ジム・ヘルトン
ロン・パテイン
音楽: グリズリー・ベア
音楽監修: ジョー・ラッジ
出演: ライアン・ゴズリング ディーン
ミシェル・ウィリアムズ シンディ
フェイス・ワディッカ フランキー
マイク・ヴォーゲル ボビー
ジョン・ドーマン ジェリー



結婚7年目の夫婦、ディーンとシンディ。
娘と一緒に暮らしながらも2人の間の溝は深まっていた。
病院で忙しく働くシンディと
朝から酒を飲み、まともな仕事に就こうとしないディーン。
やがてディーンは、危機に陥った夫婦関係を修復すべく、シンディをラブホテルへと誘う・・・






感想


ちょっと前に観たのだけど
なかなか感想が書けない状態でした。なんだか、心が痛くなる思いでね。
私は、恋愛映画って大好きなんだけれど、
それはどこかで現実にはない何かを感じられるからだと思っているからなのね。
悲劇でも、ハッピーエンドでも、とにかくそれは、物語の中でのお話でとどまることが
多いじゃない?現実的に同じことが起こるかと言われたらたいてい、それは無理って
答えると思うし。
いがみ合っていた男女がハッピーになったら
その状態で物語は終結。その後どうなるかなんて気にしたりしないと思うのよね。
ハッピーで良かった!!気分よし・・・の状態で映画観終わるだけ。
かりに悲劇なラストなら、ちょっとは落ち込むけどそれでも映画だから・・・と割り切れることもできるよね。
でも、この映画のように
ほぼ現実の世界と同じような出来事(感情的な部分で)がつづられている物語を観ると
ドカ~~ン、ヒエ~~と思ってしまう。
もちろん、この2人のように結婚生活を壊してしまった過去があるわけでは
ないけれど、映画で描かれている感情的なすれ違いについては
誰でもが一度は経験しているんじゃないのかな。


この映画における、 ディーン と シンディ、2人のカップルに流れる微妙な空気。
例えば夫婦げんかしているとき、
彼氏と喧嘩しているとき、
会話が妙にとげとげしていて、かみ合わなくなっていて
あ・・私たちは今、まずい状態にいるんだな・・・っていう状況とまさに同じものだよね。

2人の想い出の曲として現代シーンと、過去シーンで印象的に流れていた音楽だって
受け取る当人たちの意識が違っていれば、まるっきり別物になるという残酷さ。

そりゃあ、
若い時はラブラブ状態で聞いた曲は、耳に優しく、胸も高鳴り、愛の象徴のように思えるでしょう。
でもね・・・やっぱり持続しないんだよね、そういうものは、熱すぎる思いは。
とくに結婚という現実生活を送ってしまうと、若いころの愛は、トーンダウンしていくと思うし。
好きなときは気にならなかった癖も、年月たつと不快に思えてしまうのと一緒…笑
もちろん、トーンダウンしたからといって、愛はなくなったわけでなく
違った形に変化していく?そういうモノじゃない?


誰でも多少の違いはあるにしろ、同じような変化をたどってはいくと思うけど
それでも、このカップルのように別れを迎えちゃう・・って
人ばかりではないのも現実。


じゃあ・・・なんでだろう・・・
なんでこの2人はダメなんだろう。
やっぱりそこを考えてしまうかな。
若い頃が幸せだった映像が映る分、またあんなに子どもを可愛がる映像が映る分、
なぜダメなんだろうって思ってしまう・・


価値観が違っているっていうのは最初からわかっていたこと・・・。
この2人、結婚に関してはバタバタ・・・と急ぎ過ぎた感はあるよね。
そもそも、言い寄っていいったのはディーンの方でシンディはイマイチ乗り切れない所からのスタートだったよね。
押しの一手って感じ。でもそのうち、彼女の方も、今までにないタイプと思ったのか
いつも以上に気持ちが盛り上がっていって
結果、ラブラブに。

そして
子供ができた・・
それもディーンじゃなく、他の人の子供。

そこを承知で、結婚を申し出るディーン の懐の大きさに
さらに、自分への愛をシンディ、感じたのかもしれないよね。
逆をかえせば、それが一生、彼女の負い目にもなっていったのだけどね。
かりに、子供ができていなかったら、どうしただろう・・・
自分はそのまま、ディーンと結婚まで行きつけたのだろうかって、
結婚してから、きっと、振り返ることがあったのかもしれないよね。


どっちが悪いっていうわけではないので
難しいと思うな。スタートが急ぎ過ぎたからというのは、結果論であって、全ての原因ではないと思うし。
子供に関しては、まったく関係はないとはいえないけど、それがすべての原因じゃあないと思うし。


向上心のあるシンディからすれば、マイペースで、暮らすディーンははいらいらする旦那さん
かもしれないけれど、
観た限り家庭を崩壊させるほどの、グータラぶりでもないので、人によっては(奥さんによっては)
それはそれで、いい旦那だわ・・と思って生活が成り立っていくのかもしれないよね。


結局、
シンディが、許せなくなったんだと思うよ、旦那さんのディーンの存在を。
これはもう、可哀そうだけど、無理だよね。
日本だったら、この程度って言ったらおかしいけど、
我慢する人はいっぱいいるし、
普通は、親戚とか親とか子供とか
すべてを考えていろいろ考慮してなかなか決断できないところではあると思うけど
きっと、あちらのお国では、本人の感情そのままの行動につながるんだろうね。



しょうがないよね・・・と思ってしまうところに
この物語のかなしさがあるんだと思うわ。
そしてそれを受け入れてしまえるそんな自分を感じて
ますます、落ち込んでしまうよ。



我慢しなさいなんて、人様の家庭にとてもとても言えないよね・・・・・笑
自分の家庭で精いっぱいだし・・・・笑

カップルでルンルンで観る気分映画じゃないことだけは
確かだよね。


それにしても
ライアン・ゴズリング と ミシェル・ウィリアムズ。
現代パートでは、しっかり生活に疲れた2人を演じていて驚いたわ。
とくに
ライアン。どうしたのよ~~~、その頭・・・・。
久しぶりで驚いたわ。


シンディ・・・子供が出来ちゃったっていうことだけど、
経験多すぎじゃない?。付き合っていた男に関しても(子供の父)誠意のない、いい加減な奴だったし、
生き方自体、立派だとは思えなかったな。
医者になるという道に進んでいるからえらいわ~~っていう風には思えなかったです。


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君に届け

君に届け    (2010  日本)


監督: 熊澤尚人
製作: 大山昌作
鳥嶋和彦
島谷能成
村上博保
平井文宏
畠中達郎
阿佐美弘恭
石川光久
鳥羽乾二郎
プロデューサー: 野間清恵
山本章
エグゼクティブプ
ロデューサー: 奥田誠治
シニアプロデュー
サー: 菅沼直樹
製作指揮: 宮崎洋
企画プロデュース: 佐藤貴博
原作: 椎名軽穂
『君に届け』(集英社『別冊マーガレット』連載)
脚本: 根津理香
熊澤尚人
脚本協力: まなべゆきこ
撮影: 藤井昌之
美術: 橋本優
衣装: 宮本まさ江
編集: 高橋信之
音楽: 安川午朗
音楽プロデューサ
ー: 平川智司
音響効果: 北田雅也
主題歌: flumpool
『君に届け』
VFXスーパーバ
イザー: 田中貴志
スクリプター: 赤澤環
ヘアメイク: 持丸あかね
照明: 舘野秀樹
装飾: 鈴村高正
録音: 滝沢修
助監督: 橋本光二郎
スペシャルサンク
ス: 鈴木光司
高橋洋
中田秀夫
伊野尾理枝
出演: 多部未華子 黒沼爽子
三浦春馬 風早翔太
蓮佛美沙子 吉田千鶴
桐谷美玲 胡桃沢梅
夏菜 矢野あやね
青山ハル 真田龍
金井勇太 城ノ内宗一
東亜優
近野成美
松山愛里
広瀬斗史輝
山崎将平
松平千里
森村亜理紗
吉田桂子
山口龍人
ARATA 新井一市
富田靖子 黒沼陽子
(特別出演)
勝村政信 黒沼喜多夫





 椎名軽穂の大ヒット少女コミックの映画化。
高校1年生の黒沼爽子は
見た目が貞子に似てることから
すっかり怖がられ、クラスから浮いた状態。
一方、クラスメイトの風早翔太はクラスの人気者。
爽子にも優しく声を掛けてくれる。
風早のおかげで千鶴&あやねとやがて親しくなる爽子。
しかし、あるうわさが流れ始め・・・。





感想


TV録画で観ました。カットも多かったよね、きっと。
でも良かったな。原作は未読なので、原作派にすればいろいろと文句もでることだろうけれど、
私的にはOKでした。
だって、多部ちゃんが可愛いんだもん!!
性格的に可愛いのよ。見た目はけっして美人さんっていう風には感じないんだけど、
親しみやすい、可愛さはあるよね。
人の見ていない所で、さりげなく良いことをする・・・そんなけなげな姿に
お母さん世代としては、いとおしくなっちゃう。
貞子っていわれていたけど、どこが・・・?まあ、ちょっとぼそぼそしていて
陰気な雰囲気がそう思わせるんだけど、それほど怖い容姿ではないよね。


そんな彼女のことをず~~~と遠くから見守っている
まさに爽やかを絵に描いた少年・・・・笑、三浦春馬演じる風早翔太君。
個人的には爽やか過ぎて、逆に、面白みがないんじゃないと思ってしまったところもあるよ。
誰にでも優しいし、リーダーシップはあるし、いい子を絵にかいたような少年。
確かに、娘の母親だったら安心してお付き合いを認めることができるかもしれないよね。
私がもし、この世代だったら、もうちょっと、陰りのある少年の方が魅力的に思うけれど・・・笑
普段明るいけど、ちょっとしたところに孤独の影を引きずっているとかさ。
付き合うと面倒かな…笑


題名通り、思いを伝えるのができるかどうかが、このお話のテーマ。
それは友情でも恋愛でも同じこと。
思っていることはゆっくりでもいいから
ちゃんと伝えないといけないよね。

この2人相思相愛な雰囲気なんだけど
どちらもはっきりとそれを口にできないんだよね。
しだいに、あせりを感じてくる風早君が最後の方で好き・・・付き合いたい・・・って口にするんだけど
自信のない爽子ちゃんは、いい返事をしてあげられないの。
親に大切に育てられた爽子ちゃん。
親にも気を使って。
なんだか、いろんな面でわかるな~~~と思ってしまったよ。

お父さんが爽子ちゃんをすっごっく大切にしている気持ちも
これまたよくわかるよ・・・。


このお話
恋愛ばかりでなく、中盤までは、友情話がメインになっているの。
女性同士の友情なんて・・と思わず
しっかり観るといいわよ。
意外と感動するのよ、これが。




風早君をめぐって恋敵が現れいじわるをするというエピもあるけれど、
全体を通して
皆、優しい人が多かったみたい。
悪いことをすれば、ちゃんとそれを認めて
正しているからね。
いじめとか・・・そういう雰囲気も皆無。


とにかく、観ていて気分がいい作品。
少女マンガが原作というのもあるけれど、
こういう作品をこの年になって素直に観ることができる自分を
大切にしたいと思うこのごろよ・・・・・笑


kiminitodoke1.jpg
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みみこ

  • Author:みみこ
  • レイフ・ファインズ好き
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