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偽りなき者

偽りなき者   (2012  デンマーク )

JAGTEN
THE HUNT
(原題:JAGTEN)(英題:The Hunt)

監督  トマス・ヴィンターベア
製作  シセ・グラム・ヨルゲンセン
    モーテン・カウフマン
脚本  トマス・ヴィンターベア
    トビアス・リンホルム
撮影  シャルロッテ・ブルース・クリステンセン
編集  ヤヌス・ビレスコフ=ヤンセン
    アンネ・オーステルード
音楽  ニコライ・イーグルンド
出演  マッツ・ミケルセン    ルーカス
    トマス・ボー・ラーセン  テオ
    アニカ・ヴィタコプ    クララ
    ラセ・フォーゲルストラム マルクス
    スーセ・ウォルド     グレテ
    ラース・ランゼ      ブルーン
    アサンドラ・ラパポルト



幼稚園教諭のルーカス(マッツ・ミケルセン)は子供に人気者。
離婚経験者で、息子と暮らすことをのぞいんでいる。
友人も多く穏やかな生活を送っていたのだが
ある日
幼稚園の女の子、友人の娘であるクララの一言から
性的虐待をしたと疑いをかけられてしまう。
無実を訴えようにも
世間の目は厳しく・・・。



感想


怖い怖いよ~~~
人間って怖い
集団って怖い
マッツ可哀そう・・・・・。

邦画「それでもボクはやってない」と同じ冤罪ものでした。


英題は狩り・・ということで
彼らがいつも楽しんでいた
狩り行為(動物を撃つ)が
そのまま、対象物が逆転。人間になってしまった!!・・という意味合いから来ているみたいですね。
ルーカス自身が獲物になって、この、町の人から総攻撃受けるっていう、展開です。



まず、ほんの些細な一言から、不幸が始まるの。
この幼稚園児のクララちゃん、マッツ演じるルーカスのことが大好きなのね。
チュ~~もしちゃうし、ハートのブロック?飾り物なんかも送っちゃったりして
好意をさりげなく、しめしちゃう。
でも、大人のマッツはきちんと、諭したりしちゃったから(これは別の男の子にあげてね、とかキスは
唇はダメだよ・・とか⇒これはこれで、生真面目過ぎる言葉だったかもしれないね)
クララちゃん子供だけど立場なくって、プイ・・・としちゃう。子供だけど女なんだよね。
(私の女心傷つけて・・と思ったかどうか知らないけど、心の中が悶々としちゃうわけよ)
それであんな一言。
大人が勘繰るような、意味深なことを園長先生に話しちゃう。
まあ、多少おませさんで、好意心旺盛、想像力豊かなこともあったんだろうけれど、
普通は言わないだろうね。
色んなこと理解できる大人としては
「オイオイ、この子、ちょっと待った!!!だよ」って感じで観ていましたよ。
ただ、クララちゃん自身、ものすごい悪気があるっていうわけではなかったってことは
理解はできるけどね。(某映画、ケビンのような悪の子ではないからね)
(そもそも、クララのお兄ちゃんもさ、エロ写真を自分の妹に見せたりしちゃあダメだよね・・・)
子供だから
記憶のすり替えみたいなこともあったりしたかもね。もはや何が現実かわからなくなっているのかも。
後日、カウンセラーに尋問されていたじゃない?
大人の言葉になんとな~~く、流されちゃって、
話が都合よく作られちゃったっていう感じ。
そう・・・
子供の一言に
周りが振り回させすぎたんじゃあないのかなって思ったわ。
あの、園長も、もうちょっと事を慎重にあつかった方が良かったんじゃあないのかな。
デンマークのことわざに
子供と酔っ払いは嘘をつかないっていうのがあるようだから、
子供=純粋、けがれない・・っていう認識が大きかったのかもね。
もう少し、ルーカスに事情を問いただせば良かったのにね。


一旦、火がついてしまうと、なかなかこの手の問題(幼児への性犯罪)は
収まりがつかないよね。
子供が違う違う
あれは嘘なんだよ・・・て言っても(事実クララちゃんも途中から、あれは違うんだよ・・って言っているのよね)、
「嘘だと思いたいのね、忘れたいのね、そうよね、嫌な記憶だものね」・・・と
勝手にこれまた、周りが、わかったようなふりで、理解しちゃう。
そもそも、こういう、性にまつわる話題は
明らかにしなくてもいいよ・・・、
語らなくてもどうなったかわかるんだよ・・・みたいな雰囲気が漂ってしまいがちだよね。
まして対象が子供だとなおさらだよね。
もしこんな事態に陥ったら
どうしよう・・・・
自分の身、ましてや家族が陥ったらどうしよう・・・と
考えることも多くてどうしても
映画は真剣になって観てしまったわ。
最終的にどういう決着がつくのか、知りたい気持ちでいっぱいになるものね。


映画では・・・
ルーカスは仲間から排除される。
口もきかない
変態と呼び、
殴るわ、店に入れないわ、と
散々な扱いをされていました。
町の人々にとっては、犯罪者という認識だから
そうされちゃうのも、致し方が無いのかもしれないとは思うけれど
それにしてもものすごく、攻撃的。
「リトルチルドレン」でも、性犯罪者に対する周りの反応がどんな感じか描かれていたけど
(こちらは実際過去やっていたんだけど)
こちらは無実だよ、無実!!
それなのに、容赦ない暴力も与えられるから、観ていて理不尽で・・・・涙。
普段善良な人々が怒ると本当に恐ろしい・・・ね。
観ている私たちは
彼が無実だと知っているし、真相もわかっているので
いらいらしっぱなしになりますよね。
真相を知らないで、ただこういう情報だけだったら
どうかな・・・。
怖くてちょっとその人を、遠ざけてしまうっていうことはあるかもしれないね。
自分が幼い子供を持っていたらかまえてしまうかも。




ルーカスを疎外する人ばかりかと思いきや
味方はいるわけ。
息子のマルクスは、父さんはそんな人じゃないとっていって
彼を守るの。
うれしかったわ・・・。離婚して離れている息子だから、周りの意見に流されるかと思いきや
自分の父親を信じて、家にまで会いに来るとは・・・・涙が出そうになりましたよ。
母親にはいろいろ言われたんだろうね。
また、このマルクスの名付け親の友達も
ルーカスを支援してくれていて・・・・。
全くの、理解者なしではなかったのは救いでした。
やがて警察の逮捕されて、
グレーのままみたいだったけど
決定的な証拠もないので
釈放。
そのあとに
なぜ、彼の家に、石を投げたり
ワンコを殺したりするかな・・・・。
誰よ。
やはり周りは納得いかないってことなのか・・・
幼稚園のその他の子は、皆、思い違いしていたってわかったんじゃない?
まだ疑いの気持は残っているってことだろうけれど、
犬には罪ないじゃん。


ルーカスは
犬も殺され
絶望的になるけど、それでも
負けないぞ・・・と気持ちを奮い立たせます
そして…クリスマスの日。
教会に行くのです。


もう・・・・彼の勇気に涙が出そう。
自分はやっていないからこそ、
堂々と神様の前に立てるんですよね。
あの、友人テオを見つめる目には
揺るぎない決意があらわれ・・・・。
(前半でルーカスは、嘘を言うときは目が泳ぐみたいなことを言っていたので
これが伏線になっていますよね、この時の教会でのルーカスの視線は
決意の表れだもの)

いかに疑いをかけられ
変態とののしられても
屈しない勇気。
逃げ出さない彼。私なら逃げ出したかも・・・・・。


結局
このクリスマスの一件からテオとは理解を深めた模様
誤解が解けたのかな。


場面はそれから、月日がたったのを感じさせ、
皆が平和に
談笑し、マルクスが初めて銃を持つことができる祝いの場面にうつるんだけど・・・



え~~~~~、あんなにひどいことされたのに
ルーカス、この町で、この人たちと、今まで通りに絆を深めていくなんて
凄すぎ。
私なら、こんなひどい扱いをされた土地なら絶対に嫌だな。
そしてクララに対しても。
前と同じように接することができる
ルーカス。相変わらず無邪気なクララちゃんだけど、
なんのわだかまりもなく
抱っこできる
ルーカスの
心の広さに驚きました。
私なら関わりたくな・・この子と思っちゃうかも。


で・・・ラスト。
事は終わってはいないみたいですね。
これはルーカスの幻か
はたまた現実か。
どちらにしても
一見、事件はおさまったように思えても
なんらかのわだかまりが残っている様子。
人間は怖いってことかな。
いろんな思いは簡単には消えないのね。

(マルクスは、スカーレット・ヨハンソンに似ていたよ・・男だよ…笑)


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声をかくす人

声をかくす人   (2011  アメリカ)

THE CONSPIRATOR


監督: ロバート・レッドフォード
製作: ロバート・レッドフォード
グレッグ・シャピロ
ビル・ホールダーマン
ブライアン・フォーク
ロバート・ストーン
製作総指揮: ジョー・リケッツ
ジェレマイア・サミュエルズ
ウェブスター・ストーン
原案: ジェームズ・ソロモン
グレゴリー・バーンスタイン
脚本: ジェームズ・ソロモン
撮影: ニュートン・トーマス・サイジェル
プロダクションデ
ザイン: カリーナ・イワノフ
衣装デザイン: ルイーズ・フログリー
編集: クレイグ・マッケイ
音楽: マーク・アイシャム
出演: ジェームズ・マカヴォイ フレデリック・エイキン
ロビン・ライト メアリー・サラット
ケヴィン・クライン エドウィン・M・スタントン陸軍長官
エヴァン・レイチェル・ウッド アンナ・サラット
ダニー・ヒューストン ジョセフ・ホルト総監(検察)
ジャスティン・ロング ニコラス・ベイカー
アレクシス・ブレデル サラ
ジョニー・シモンズ ジョン・サラット
コルム・ミーニイ デヴィッド・ハンター
トム・ウィルキンソン リヴァディ・ジョンソン上院議員(元司法長官)
ジェームズ・バッジ・デール
トビー・ケベル
ジョナサン・グロフ
スティーヴン・ルート
ジョン・カラム
ノーマン・リーダス



リンカーン大統領の暗殺に関わったとしてアメリカで女性として初めて死刑に処せられたメアリー・サラットの史実を基に映画化。
南北戦争が終結。舞台は1865年。
リンカーン大統領が南軍の残党によって暗殺される。
主犯は射殺されたが
共犯として数人が逮捕される。その中に一人の女性がいた。
名前はメアリー・サラット。
下宿屋の女主人だ。
彼女の弁護を頼まれたのは、元北軍大尉のフレデリック・エイキン。
最初はしぶしぶだった彼だが
彼女の無実を確信し始めたころから、弁護に力が入るのだが・・・。



感想


ロバート・レッドフォード監督作。
お元気かな、レッドフォード。
彼の作品って真摯な作りなのよね、好き。社会派の作品多いよね。
史実に基づいて忠実に描かれた法廷劇ということで
派手さはないけど、見応えはありました。
俳優陣も豪華で
熱演でしたよ。
リンカーン題材の映画ってこのところ多い気がするけれど、
その中ではたぶん、地味な公開作品だったんじゃあないのかなと推測。
邦題も関係しているんじゃあないのかな。
これだけ聞いたらどういう話かまったくわからないものね。
○○○の人…っていう形
多くないですかね。
愛を読む人とか、扉をたたく人・・・な~~んていうのもあったしね。

観終わってみると
この、声をかくす人っていうのは、こういうことだったのかな!!と
なんとなくわかるけれど、
映画見る前としては
どうにも、そそられるような邦題に感じられない気がするわ。
かといって、原題は、共謀者ということだそうで、これはこれで、小難しい感じになるよね。
あ~~難しいね・・・・・笑



内容はあらすじのとおりで
ミステリー的なつくりにはなっていないの。
つまり、
大どんでん返しというものは用意はされていないわけよね。
共犯者と思われる女性の無実を証明しようと
とある弁護士が奮闘するんだけれど、
結局、死刑になってしまうというどうにも救いようがない話。
結論ありきの裁判であるということが重要なポイントなの。


リンカーンが暗殺された直後の裁判。
まだまだ民衆の中には南軍、北軍のわだかまりがくすぶっているわけよね。

もちろん、ジェームズ・マカヴォイ扮するエイキン弁護士も
元北軍兵士ということもあって、最初はこの弁護に乗り気ではないのよね。
でも彼女に対する裁判の状況・・・

○被告が民間人にもかかわらず、一般の法廷ではなく軍法会議にかけられている・・・
○被告が一貫して無実を訴えている・・


というようなことから
持ち前の正義感、弁護士としての本来の姿が、じわじわ彼の中で
熱いものとして生まれてくる・・・
ジェームズ・マカヴォイ がね、
しだいにまなざしが
熱くなってくるわけなんだけど、こういうキラキラした正義感がものすごくに似合うんだよね。
今回はセクシー目線でなく、硬派な目線だけど
やはり目の輝きが良くって・・・。
それだけでバッチシ釘付け・・。


対する被告人に扮する ロビン・ライト 。
彼女のゆるぎない姿も印象的
彼女が隠したかったというのは
息子に関することで、(この辺りは意外性はないものの)
わからなくはない心情であるよね。


それにしても
ひどい裁判だ。
証人さえ平気で意見覆したり、うそをついているしね
要は一刻も早く
事にけりをつけたいっていう周りの風潮なわけ。
真実はこの際どうでも
良いってことなのよね。


これは、時代的なものとして片づけるのではなく
ものすごく怖いことだと
認識しなくては駄目だよね。
どんなときも、法は平等であり、裁判を受けるときには
どんな権力にも屈してはいけないっていうのが根本なんだから。
それがこのリンカーンに関する事件で起きたっていうことが一番問題視することで
あるんだろうね。


世界史には疎いけれど
今回のこういった映画を見ると学ぶことがいっぱいあって勉強になるわ。
不条理はいつの時代にも起きているんだねって・・・


ラスト
人身保護令状がとれて
メアリー・サラットが死刑を免れるかと思いきや
エイキンが外に処刑の道具を発見
それが4本も
なぜ4つ・・・

ここは衝撃でした。
こうなるだろうな・・・とわかっていても
衝撃だったな・

さらに、
絞首刑の様も容赦なく、描かれており・・・・泣


<戦時には法は沈黙する>

この言葉は怖い響きだよね。
どんなときにも
法は生きなくてはならないのにね。





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サファイア   著  湊  かなえ

サファイア    著   湊  かなえ



宝石にまつわる
短編集
「サファイア」と「ガーネット」は連作



感想



「真珠」・・・・
主婦林田万砂子の話を聞く平田篤志。
林田は連続放火事件の容疑者で平田は、「元ムーンスター社のお客様室長」という間柄だ。
事件の真相とは・・。

☆読んでいくうちに、話の流れがわかるという感じで、最初はこの2人の関係も??。
時折、昔話に話が及ぶけど、その話が面白かったな。いろいろな過去があるようで・・・。
事件の鍵を握るのはムーンスター社の「ムーンラビット  イチゴ味」なんだけれどね。
最後にはそういうことかというオチがあるの。まあ、私には、こだわる理由がよくわからないのが本音だけどね。


「ルビー」・・・実家の隣に出来た老人福祉施設。そこで暮らす、「おいちゃん」との交流について
主人公、私は、妹から話を聞く・・・。


☆まあまあかな。
普通。「情熱の薔薇事件」ってすごい名前だよね


「ダイヤモンド」・・・・お見合いパーティーで山城美和と知り合った古谷。
彼女との結婚を考え始める。
彼は、彼女のために多額の資金援助もしていた。
ある日、一匹のスズメを助けるのだが・・・。

☆この短編集の中では一番面白かったです
鶴の恩返しじゃなく
雀の恩返し・・・・笑
若い女性にだまされる中年男性という図式は目新しくないものの
昔話をからめていて、興味深かったわ。
なにより最後のオチ。
う~~ん、面白いね
彼の妄想か、はたまた現実か。
まあ、現実っていうこともないだろうから
思い込みってことか。
どう解釈してもいいから、楽しいよね。


「猫目石」・・・大槻真由子はマンションの隣室の坂口が飼い猫エリを探しているのに出くわす。


☆人様の家には干渉しないこと。
だよね・・・・・・



「ムーンストーン」・・・私の夫は、市会議員から県会議員への転身を目指していたが失敗。
その頃から夫のDVは始まった・・
はずみで、夫を殺してしまう私。
弁護に訪れたのは昔の友だった。


☆これは2番目に面白い・・・♪
友人との過去の出来ごと。
2人の人間関係はそんな感じなのね・・・と読み進んでいたところで
あっというオチ。
うん、そうか。


「サファイア」・・・紺野真美は、大学1年の終わり、旅先で中瀬修一と出会う。
付き合い始める2人。
20歳の誕生日に欲しいものを尋ねられた真美は指輪と答える。
しかし、中瀬は待ち合わせの場所に現れなかった。

☆せつない話だね。
世の中、こういうサギはあるんだよね


「ガーネット」・・・サファイアの連作。
中瀬を亡くした真美。
その後、就職。
やがて小説を書き始めるが。


☆後半、ちょっと感動してしまった・・・
人生いろいろな繋がりがあるんだね。
長編小説「墓標」は、
湊さんの「告白」を想像させるよね
作品の中で、この「墓標」に関して、発表した作者に対する読者からの辛辣な評価・・・というのが
つらつらと載っていたけど
これは、湊さん自身とかぶるようなシュチュエーションでしたよね。
「告白」を発表したときの反響も、この作品のおける内容の様なものが
多かったのかな・・・・・




短編集と言うことで読みやすいかな。
複数の視点からみていくという
今までの湊さんの書き方とは違った形だったけれど、
やっぱり、上手。
サクサク読めて、楽しかったです。




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ミヒャエル

 ミヒャエル<未> (2011  オーストリア)

MICHAEL


監督: マルクス・シュラインツァー
製作: ニコラウス・ゲイハルター
マルクス・グラザー
ミヒャエル・キッツベルガー
ウォルフガング・ヴィダーホーファー
製作総指揮: ミヒャエル・キッツベルガー
脚本: マルクス・シュラインツァー
撮影: ゲラルト・ケルクレッツ
編集: ウォルフガング・ヴィダーホーファー
出演: ミヒャエル・フイト
ダヴィド・ラウヘンベルガー
クリスティーネ・カイン



35歳の独身男ミヒャエル。
保険会社勤務。
地味な暮らしを送っている。
しかし、彼には秘密があった。
家の一室に10歳の少年ウォルフガングを軟禁しているのだ。



感想

映画祭で公開されていたもの。
監督はミヒャエル・ハネケのキャスティング・ディレクターを勤めたマルクス・シュラインツァーという人。
初監督作品ですね。
これは、感想は短めの方がいいかな。
こんな映画だしね。
主人公は異常性愛者。
子供誘拐しているし・・。
とんでもない変態なわけ。

映画は加害者の視線で、ただそういう生活を淡々と描いているのみ。
会話はあまりないかな・・とくに2人の関係においては。
露骨な描写はなし(ほとんど)
まじめな昼の顔と
家に帰ってからの生活。
いろいろな情報なしにみれば
一見、普通の親子の生活に見えるんだけど、
時折、違和感部分があるのでなんとなく想像できるんだよね、2人の関係は。

そんな、あまり気分のよくない映画なわけだけど。

社会的に
真面目に生活していると
この人、変わった人なのねということには
気付かないものなんだよね。
人って本当、見かけだけではわからないね。
ただ、ちょっととっつきににくいところあるから
何やら怪しい・・・と、人間観察鋭い人なら、ピンとくるのかな。
でも、逆に、とっつきにくい人が皆、異常者だというわけではないしね。


流れる音楽は
「サニー」
実は、前に観た、青春ものの、韓国映画でも
メイン曲がサニーだったのよね(題名もそのまま「サニー」)
あの感動作と
同じ曲が流れるのは驚いたわ。



主人公が
ゴーカート場へ出かけるのは
あの少年のために、友達を連れてこようと考えたからなんだよね。
でもまた誘拐するってことでしょ。怖いな。


あの主人公が亡くなって
神父さんだっけ?
死を悼んでいたけど、
彼の周りの人は本当の彼がどんな人か知らないから、
純粋に悲しみに暮れていたってことだよね。
いや~~身内がああいう真相知ったら
驚きというかショックだろうね。
人間って本当
表面だけではわからないこといっぱいあるんだよね。
極力、主人公側の感想にしてみたよ。
別の方まで思考すると、気分は良くないし、とんでもないからね。

ところで
見た人しか分からないだろうけれど
主人公が、映画かな、ドラマのセリフをまねて
夕食時に突然、変な行動するよね。
あのときの、少年のリアクション、素早かったし、ナイスな感じだったよね。
なんか、あのタイミングが微妙に印象に残るな・・・。


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チキンとプラム ~あるバイオリン弾き、最後の夢~ 

チキンとプラム ~あるバイオリン弾き、最後の夢~   (2011  フランス・ドイツ・ベルギー)

POULET AUX PRUNES
CHICKEN WITH PLUMS


叶わなかった愛が、いちばん美しい。


監督: マルジャン・サトラピ
ヴァンサン・パロノー
製作: ヘンガメ・パナヒ
原作: マルジャン・サトラピ
『鶏のプラム煮』(小学館集英社プロダクション刊)
撮影: クリストフ・ボーカルヌ
プロダクションデ
ザイン: ウド・クラマー
衣装デザイン: マデリーン・フォンテーヌ
編集: ステファヌ・ローシュ
音楽: オリヴィエ・ベルネ
出演: マチュー・アマルリック ナセル・アリ
エドゥアール・ベール アズラエル
マリア・デ・メディロス ファランギース
ゴルシフテ・ファラハニ イラーヌ
キアラ・マストロヤンニ リリ(成人後)
イザベラ・ロッセリーニ パルヴィーン
エリック・カラヴァカ
ジャメル・ドゥブーズ



イラン出身の女流監督マルジャン・サトラピが、自身初の実写作品に挑んだコメディ・ドラマ。
天才音楽家のナセル・アリは
大切なバイオリンを妻に壊されてしまう。
絶望した彼は死ぬことに・・・・。
死に向けての8日間が始まる・・


感想


予備知識もなく鑑賞したわけですが、こんな内容とは・・・・。
題材的には避けたかったです・・。
バイオリンを壊されてしまったことがきかっけで
主人公ナセルは寝室にこもって
死を決意。
つまり、自殺の意向・・・・。
この映画は死ぬまでの8日間における主人公の走馬灯のようなものですね。
子も妻もいるけど、死にたいと思う主人公。
妻,子,その後のことはまったくもって主人公責任なし。


いくら、大事なバイオリンを壊されたからと言って
死ぬってどうよ・・・、
妻に対して
子に対しての責任感ゼロって。
この主人公に共感をもつってということ自体、まず難しいんじゃないかな。
彼が芸術家で、普通人とは違うといっても
やはり厳しい部分はあると思います。
ただ、マチュー・アマルリックが演じているという点、
ところどころでアニメ映像や、ファンタジックな演出がある点などを
考えて
ものすごい嫌悪感までには
至らないのではないのかな・・・と思いますが、どうでしょうかね~~~笑
なんとかギリギリで
受け入れようと思えるのではないかと・・・・。
芸術家は一般家庭においての父親はのぞむべきではない・・・・ということを
頭に叩き込んでおかないといけないですね。


自分が死ぬまでの8日間。
最初は
列車にひかれるとか、拳銃で頭打つとか・・・自殺の方法をいろいろ考えるわけですよ。
笑えないけど、笑うしかないかな・・・・。シュールな感じ。
2日目、3日目・・・となると、
子供のこととか、過去のこととかいろいろ考えるわけ。
彼には子供が2人いるわけだけど、
自分が死んだあと
長女や息子が未来でどうなるのか・・・
な~~んてことが、オモシロおかしく描かれるのよね。
長女は
酒とタバコとギャンブルで若くして亡くなる・・・
一方、長男は
アメリカにわたって、家族を築く・・・
すご==い、ダラダラした家族が
これも、面白おかしく描かれるの。
4日目あたりから
妻の存在がクローズUP。
妻は夫を愛しているんだけど
夫本人は、その気なし。
愛情は後から生まれてくるというものと思うが
結局、結婚しても
夫はそんな気がないみたいで・・・。
好物の
鶏のプラム煮を作った奥さんに対して
おまえのことは
愛したことなど一度もないと言い切る夫。
ヴァイオリンを壊したことも許さないという夫。
これを観る限り
ひどい夫だと、
やっぱり思うわね。
そして
5日目。
母の死亡の日をおもいだす・・・
6日目
アズラエルという
”死の天使”が現れる・・・
7日目
8日目
”イラーヌ”との思い出。


後半は
「叶わなかった愛が、いちばん美しい」とうコピーそのものの、
愛するイラーヌ(ゴルシフテ・ファラハニ)との
出会いと再会が語られる・・・・。

このイラーヌが素敵。
さすが思い出の女性と言うことだけはあるわ。
美しい・・。



正直
中盤までは
この物語、主人公に感情移入出来ない分、なんだかな・・・という
思いで観ていた部分があったのですが
後半数十分ですかね、
主人公とかつての恋人の
回想場面が一気に流されるところで・・・・
じわじわ・・・
私、きちゃいました。

叶わなかった恋・・・
そうなんですよね。
それがあるからこそ、音楽を生きがいとし
今までやってこれた主人公だったんだとここにきて
感じるわけ・・・。映像でみせられて
ハッとするわけ。
叶わなかったから
思い出が美化されているってわかっているけど・・・・。
それでも
人生における
唯一の愛すべき思い出だと
信じて生きてきた主人公が
けなげでもあるんじゃないかと思えてくる。
だって、普通、そこまで一筋でいられるってないでしょう。
だから
その思いが託されたヴァイオリンが無くなったと知り
現世に未練なく去ってしまうという生き方をする。
誰がこんな感覚を持てるの!!
彼だからそんな感覚を持つんだよね。
ある意味
究極のわがままですけど、
本人にしてみれば、
わが道を行くって感じの人生であったのかな…と思い、
それって幸せでもあるのかな・・・って思っちゃいました。


再会のあと
一人
涙ぐむ元カノの姿にも
これまた、
言いようのない思いを感じましたよ。
元カノもそうだし
奥さんもそうだけど、
それぞれが、言えない感情を心に押し殺して
何十年も生きていたのかな…と思うと
これっまた、ジワジワくるしね。


そんな女性の気持を知ってか知らずの
主人公の
わがままさが、
いらだちとともに、
ある意味
アッパレ・・と思えてしまうのは
ファンタジックな
映画ゆえなのかな・・・・と思いました。


好みがわかれる映画かな・・・


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今後

今後ですが・・・

映画感想に関しては
あまりないと思います。

存在アピールはしていきますが
休み休みで・・・。

また
ひょっこり
他には遊びにはいくつもりです。


微妙な表現で申しわけありませんが
なかなか
やめます!!とスッパッと言い切れない部分もありまして
しばらくこの調子でいきたいと思います。
ちなみに私は元気です♪

よろしくお願いします・・・

白ゆき姫殺人事件  著  湊 かなえ

白ゆき姫殺人事件  著  湊 かなえ




美人会社員が惨殺された。
犯人と思われる女性が判明。
彼女の同僚、同級生、家族・・・それぞれの
告白が語られる・・



感想



いや~~~人間って怖いね。
人間って裏や表がやっぱりあるんだよね。
信じていた親友だって
同僚だって
どんなふうに自分を思っているかなんて・・・・わからないんだよ。
上辺だけいいこと言っていたって
裏では心では
どんな風に思っているか。
いつもながら湊さんの描く世界は
人間のいや~~~な面ばかりがこれでもか、これでもかと描かれていくよね。

それにしても
殺し方
残忍すぎないかい。
最終的に犯人がわかるし
動機もわかるけど、
ここまで、残酷に殺さなくても・・・って思っちゃう。
女性の殺人者って、思いきったことしがちなのかな。


今回のこの本の構成は
新しい試みかな。
週刊誌やツイッターというものが
効果的に使われているの。
それぞれの告白文のあとに
それでは、最後の記事を観てね・・・・という
注意書きがあるので
いちいちページ後半を見直さなきゃあいけないのが面倒でもあるんだけどね。
これが今の世の中の姿なんだよ・・・とでも
言っているようで
本の内容以上に
いや~~な印象をもつかもしれないね。

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ルビー・スパークス

ルビー・スパークス (2012  アメリカ)

RUBY SPARKS


監督: ジョナサン・デイトン
ヴァレリー・ファリス
製作: アルバート・バーガー
ロン・イェルザ
製作総指揮: ロバート・グラフ
ゾーイ・カザン
ポール・ダノ
脚本: ゾーイ・カザン
撮影: マシュー・リバティーク
プロダクションデ
ザイン: ジュディ・ベッカー
衣装デザイン: ナンシー・スタイナー
編集: パメラ・マーティン
音楽: ニック・ウラタ
音楽監修: ダン・ウィルコックス
出演: ポール・ダノ カルヴィン
ゾーイ・カザン ルビー
アントニオ・バンデラス モート
アネット・ベニング ガートルード
スティーヴ・クーガン ラングドン
エリオット・グールド ローゼンタール博士
クリス・メッシーナ ハリー
アーシフ・マンドヴィ
トニ・トラックス
デボラ・アン・ウォール
アリア・ショウカット

 若くして華々しいデビューを飾った小説家のカルヴィン。
でもその後はスランプ。
あるとき
理想の女の子“ルビー・スパークス”をヒロインにした小説を書き始める。
すると突然、現実の世界で彼の前にルビーが現れる。
2人で同棲し始めるのだが・・・。




感想


部分部分で、似たような設定は過去にいくつかあったかな・・・とは思うものの、
出演者の魅力もあって、楽しく鑑賞できました。

これは、主人公が男性で
男の願望がそのまま・・・という形でもあったので
男女で感想も違ってくるかもしれないですよね。


この映画を観て
恋愛って
相手の感情を左右できないから、逆に
魅力的なのかも・・・と思ってしまいました。
個々の感情はその人独自のものだものね。
操っちゃあ、やっぱりダメなんだよね。

ポール・ダノ演じる
カルヴィンが、創作した女性が
彼の前に現実に現れたという設定。
つまり小説で彼女の性格や容姿を
自由に設定できるっていう点が、ポイントであるんだよね。
これって、よ~~く考えてみればすっごく怖いことだよ。
フランス語が堪能である・・・と一文加えれば、そのとおりになる彼女。
また、カルヴィンなしでは、生きていけない・・・と書けば
そのとおり、彼にべたべたの彼女として現実に登場してくる・・・。


都合の良い女性になるって、わけね。
でも、それは怖い・・・怖いんだよね。



自然が一番。


安易な恋愛は存在しないってことを
肝に銘じないとね


でも恋愛って
難しいからこそ挑戦しがいがあると思うし、
いい意味でも悪い意味でも
思い出も多くなるし、
なにより、
生きている~~~って実感を味わえることだと思うから
恐れずバンバンやって欲しいもんだよね。


映画は
前半はコメディー路線。
お兄さんに主人公が
これこれ、こういう事情で、小説の彼女が現実に現れた!!!と
説明するあたり(部屋に招き入れる・・・)ところは、面白かったな。
確かに、現実に現れたら
そりゃ・・・身内としては
あ、おまえ頭おかしいんじゃあないの・・・って思うよね。



後半からは
カルヴィンが、ルビーにろいろな感情を持ち始め、
自分の小説の中で、
彼女の性格設定を、自分の都合の良い風に変えてしまうの・・・、
やや、ダークな路線に変わってくるの。
身勝手になってしまうんだよね。




この後半部分は映画におけるメッセージ的なもの。
この部分をうけて
主人公が成長していくっていう展開になっていくわけですよね。
ただ、そのために
ルビーに、
君が小説における創作物であるという事実を告げ、
創作物であるという証拠をみせるために、
「脱ぎながら歌を歌え、
カルヴィンが天才だとほめたたえよ、
犬の真似をしろ、
指をならせ・・・」

などなどと、小説に書かせ⇒彼女に実行させる・・・っていう
シチュエーションが
まあ・・・観ている女性としては
気分は良くなかったし、つらかった部分でしたね。
酷い奴だと・・・・・。

・・・彼が自分の間違いに気付くには
これほどの行動をしなくてはいけないのかな・・・とは思いますけど
視覚的には気分が良くないですよ。


ラストは
やはり・・・そうかという感じ。
こういう終わりにしなくては
ルビーという女性が可哀そうでもあるしね。



ルビー役のズーイ・カザンは
エリア・カザンの孫。
今回の映画の脚本を担当しています。
またポールとは恋人同士だって。
ごちそうさま・・・・♪いいな若いって。

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エルム街の悪夢  (2010)

エルム街の悪夢  (2010)
A NIGHTMARE ON ELM STREET

監督: サミュエル・ベイヤー
製作: マイケル・ベイ
アンドリュー・フォーム
ブラッド・フラー
製作総指揮: マイク・ドレイク
ロバート・シェイ
マイケル・リン
リチャード・ブレナー
ウォルター・ハマダ
デイヴ・ノイスタッター
キャラクター創造: ウェス・クレイヴン
原案: ウェズリー・ストリック
脚本: ウェズリー・ストリック
エリック・ハイセラー
撮影: ジェフ・カッター
プロダクションデ
ザイン: パトリック・ラム
衣装デザイン: マリ=アン・セオ
編集: グレン・スキャントルベリー
音楽: スティーヴ・ジャブロンスキー
出演: ジャッキー・アール・ヘイリー フレディ・クルーガー
カイル・ガルナー クエンティン
ルーニー・マーラ ナンシー
ケイティ・キャシディ クリス
トーマス・デッカー ジェシー
ケラン・ラッツ ディーン
クランシー・ブラウン
コニー・ブリットン
リア・モーテンセン
クリスチャン・ストールティ



有名なので
あらすじ省略。


感想


フレディは
ジャッキー・アール・ヘイリーだった。
あの、リトルチルドレンだったけ。
あの映画の彼。
そうか・・・・こういう役か。

ナンシーは
ルーニー・マーラ。
このあと
ソーシャル・ネットワークと
ドラゴン~~の映画に続くんだよね。
化粧していないから
わかんなかったよ。


内容は
とくに。
新鮮みなし。


ジョニーみたいな
カッコイイ人いなかったな・・・
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