そして父になる
そして父になる(2013)
監督:
是枝裕和
製作:
亀山千広
畠中達郎
依田巽
エグゼクティブプ
ロデューサー:
小川泰
原田知明
小竹里美
プロデューサー:
松崎薫
田口聖
アソシエイトプロ
デューサー:
大澤恵
脚本:
是枝裕和
撮影:
瀧本幹也
美術:
三ツ松けいこ
衣裳:
黒澤和子
編集:
是枝裕和
キャスティング:
田端利江
スクリプター:
冨田美穂
照明:
藤井稔恭
録音:
弦巻裕
出演:
福山雅治
(野々宮良多)
尾野真千子
(野々宮みどり)
真木よう子
(斎木ゆかり)
リリー・フランキー
(斎木雄大)
二宮慶多
(野々宮慶多)
横升火玄
(斎木琉晴)
中村ゆり
高橋和也
田中哲司
井浦新
風吹ジュン
野々宮のぶ子
國村隼
上山一至
樹木希林
石関里子
夏八木勲
勝ち組人生を歩んできた大手建設会社のエリート社員、野々宮良多は
妻みどりとの間に6歳になる息子・慶多がいる。
小学校受験を迎えるそんな時期
一本の電話が入る。
病院からだ。
息子、慶多が赤ん坊の時に取り違えられていたのだ・・・
相手は群馬で小さな電器店を営む、斎木雄大とゆかり夫婦。息子の名は、琉晴。
両夫婦は迷いながらも
お互いの息子を交換する方向で動き出すのだが…。
感想
カンヌ国際映画祭審査委員賞作品とういことで
公開を楽しみにしていました。
是枝監督作の劇場鑑賞は「誰も知らない」に続いてです。
今回のテーマは、興味深く感じていたので、是非とも劇場で・・・と思っていました。
題名通り、今回は、父親のあり方について考えさせられる作品でしたね。
・・子供取り違え・・・。
私がこの種の内容を初めて知ったというか、身近に感じたのは
百恵ちゃんの「赤い運命」を観た時。
有名なドラマだと思っているのですけど・・古いか・・笑、
こんな理不尽なことってないよね、どうするんだろうね・・・・と子供心に
衝撃的で、ドキドキ。自分の親が本物で良かったと本気で思いましたよ。(ドラマは波乱万丈で印象的)
今回は、それから数十年たっているので、当然、親・・・という立場で
この種の内容を考えることになりました。
この監督だからこそ、だと思うけど
それぞれの立場の
心理描写がとっても丁寧で、感情移入しやすかったです。
(ただし、看護師に関しては、心の闇を推測するのが嫌になるほど、ムッとしたので、
気持は入り込まなかったです。だって、あまりにも自分勝手な行為だから)
やはり子供の場面に関しては、心に響くものが多かったですね。
監督の演出は
<子どもたちに台本を渡さず、口頭で状況を教える。「言わされた感覚が残らないように」と、ゲームをしているような流れで、意識を監督ではなく共演者に向かわせている>(共同)と
聞いていますけど、この演出はやはり素晴らしい・・・・。
この手法は充分映画に反映されていて
観る人を作品に中に惹きつけるだけの魅力になっていました。
子供のあんな姿、こんな姿を
いろいろ観ることになるのですが
どれも、そうだろうな・・・そういう反応だろうな・・・と
納得でき、親の自分だからこそ、よけいグットきてしまいました。
その子供たちに対する
親の対応も、とくに父親においてですが
あ・・・これはまずいよ、福山さん・と思われる部分を当然感じましたけど
父親側、男性側から見たらどうなのかな・・。
仕事一筋なお父さんなら
福山さんみたいな状態も理解できると思うのか、いや、そうじゃないと思うのか・・・
お聞きしたいところ。
私としてはああいう夫は苦手だな・・・・・・。
なんか堅苦しそう・・・。
目指す方向も、かなり高いし、疲れてしまうような気が・・・・。
夫、福山さんが、取り違えを知って、出てしまう言葉、「やっぱり、そういうことか」
この言葉衝撃的ですね。
思わず出てしまったんでしょうけど。
私ならその場で、夫を問い詰めていたかもしれませんね。
「やっぱり」てどういうこと?
妻側からしたら、すっごく嫌な気分になると思うから。
そういえば、初めて相手側の家の訪問した時の
福山さんの反応も、「ああ・・・言うだろうな・・・」と推測できる
言葉でしたよね。
どういう家庭環境かというのは誰が観ても、わかるような
対照的な二家族。
福山側からみれば、ガサツな家庭って映っていたかもしれない電器店夫妻だったけど
子供に対する愛情に関しては
全然負けてはいなかったと思います。
むしろ、
父親という面では、福山さんよりもまさっていた点は多いですよね。
子どもが何を望んでいて
何を欲しているのかというのを
即座にくみ取る能力は、リリーさんの方が勝っていたもの。
(お風呂で沈みがちな慶多に水遊びもちかける姿なんて、優しさにあふれていたものね・・・)
仕事面では、福山さん、ノリにのっていて、能力的にもかなりのものがあるのだろうから
評価としては高いのだと思いますよ。
でも、家に帰って父親としての
存在としてはどうか・・となるとまた別問題だからね。
家庭での評価は家族、いわゆる妻や子がするわけだから
彼らにとっては、どういう位置づけなのかというと、ちょっと微妙かもしれなかったですよね。
別に子どもと、時間をつくっていっぱい遊べと言っているわけじゃあないけど
子ども側に立って
もうちょっと考えてくれないと、子が可哀そうだし。
それゆえ、福山さん家の慶多君が
優しくって父親思いなのが、
いじらしく感じられてね、泣けるのよね。
お父さんが褒めてくれるからピアノやるとか、
もう・・お父さんに対する思いが全身から溢れていたじゃない?
きらわれたくないな…愛されたいな・・・と思うからこそ
お父さん=福山さんの言う通りに、勉強頑張っているのだろうし
ミッション(電器店の家に泊りに行く・・・)と言われる行動も素直に受けいれ
頑張っていたんだろうと思うのよね~~~。
ところで
映画では
2組の家庭の
しつけ、教育に対しての違いなどが
実に細かく描かれていましたね。
ささいな部分にもその違いがはっきりと・・・・。
ストローをつぶして飲む斎木家の子。
はしの持ち方もイマイチ。
バンドエイドでしたっけ、それ一つに対する呼び名も家庭が違えば、違う。
お風呂は父子、皆で一緒。
怪我をしても、大したことなければ、それは重要しない・・・
いたずらも日常茶飯事だろうしね。
対して、
野々宮家は、規則正しい生活
なんでも一人でこなすような指導。
福山さん自身のようになるべく、勝ち抜け~~勝ち抜け~~~の精神を
徹底的に子に教え込もうとしていたものね・・。
こうまで、生活環境が違ってきている場合
すでに6年もそれぞれの環境に馴染んでしまっている子供にとっては
交換っていうことは
そうそう簡単なことじゃあないわ。
いくら、交換は早い方がいいとか
子供は環境になじむとか、一般論で言われても
子供側からしたらストレスが相当のものだと思うしね。
子供たちの交換を実施して
最初のころ
歪だった野々村家だったけど、
時間がたち、多少なりとも
いい親子になりえたかな…と思った時がありましたよね。
そう、ちょうど、マンションの一室でキャンプをし始めた時ね。
電器店の息子だった、琉晴君も福山さんを親と認めはじめたのかな・・・・・・と思ったけれども
実は琉晴君、前のパパ、ママのところに帰りたがっていた…本音はそうだった・・
星に願っていたのは本当のパパやママのこと。
子供は、今までに受けた愛情の深さを覚えていたってことなのかな。
泣けちゃいました。
血の濃さと、育ててきた年月。
難しいよね。
自分の血が流れているという事実はやはり重いとは思うけど(自分に容姿が似ている子供というのは
愛おしいと思うし)
それまで愛情を捧げてきた子どもを
だからといって、簡単に忘れられるものじゃぁない・・・もの。
(苦労して育ててきたことで、充分自分の思いが宿っているので
それもまた愛おしい・・・ものね)
母親に対して良く言われるのは
子供を育てていく中で自分も母親として成長していくっていうこと。
産むだけでは母親とはいえないということ。
父親は産んでいない分
なかなか父親という実感がつかみにくいとは思うけれど
これも育てていく年月と共に、だんだんと成長していけるんだと思うのよね。
父親になっていくんだよね・・・。
親として
子どもといつも真剣に向き合いたいわ・・・
そう、思える一本でした。
やっぱり、期待したとおり
いい作品でした♪
それにしても
子役、素晴らしかったですよね。
電器店の末っ子、
あの無邪気さ
とっても可愛かったわ。

監督:
是枝裕和
製作:
亀山千広
畠中達郎
依田巽
エグゼクティブプ
ロデューサー:
小川泰
原田知明
小竹里美
プロデューサー:
松崎薫
田口聖
アソシエイトプロ
デューサー:
大澤恵
脚本:
是枝裕和
撮影:
瀧本幹也
美術:
三ツ松けいこ
衣裳:
黒澤和子
編集:
是枝裕和
キャスティング:
田端利江
スクリプター:
冨田美穂
照明:
藤井稔恭
録音:
弦巻裕
出演:
福山雅治
(野々宮良多)
尾野真千子
(野々宮みどり)
真木よう子
(斎木ゆかり)
リリー・フランキー
(斎木雄大)
二宮慶多
(野々宮慶多)
横升火玄
(斎木琉晴)
中村ゆり
高橋和也
田中哲司
井浦新
風吹ジュン
野々宮のぶ子
國村隼
上山一至
樹木希林
石関里子
夏八木勲
勝ち組人生を歩んできた大手建設会社のエリート社員、野々宮良多は
妻みどりとの間に6歳になる息子・慶多がいる。
小学校受験を迎えるそんな時期
一本の電話が入る。
病院からだ。
息子、慶多が赤ん坊の時に取り違えられていたのだ・・・
相手は群馬で小さな電器店を営む、斎木雄大とゆかり夫婦。息子の名は、琉晴。
両夫婦は迷いながらも
お互いの息子を交換する方向で動き出すのだが…。
感想
カンヌ国際映画祭審査委員賞作品とういことで
公開を楽しみにしていました。
是枝監督作の劇場鑑賞は「誰も知らない」に続いてです。
今回のテーマは、興味深く感じていたので、是非とも劇場で・・・と思っていました。
題名通り、今回は、父親のあり方について考えさせられる作品でしたね。
・・子供取り違え・・・。
私がこの種の内容を初めて知ったというか、身近に感じたのは
百恵ちゃんの「赤い運命」を観た時。
有名なドラマだと思っているのですけど・・古いか・・笑、
こんな理不尽なことってないよね、どうするんだろうね・・・・と子供心に
衝撃的で、ドキドキ。自分の親が本物で良かったと本気で思いましたよ。(ドラマは波乱万丈で印象的)
今回は、それから数十年たっているので、当然、親・・・という立場で
この種の内容を考えることになりました。
この監督だからこそ、だと思うけど
それぞれの立場の
心理描写がとっても丁寧で、感情移入しやすかったです。
(ただし、看護師に関しては、心の闇を推測するのが嫌になるほど、ムッとしたので、
気持は入り込まなかったです。だって、あまりにも自分勝手な行為だから)
やはり子供の場面に関しては、心に響くものが多かったですね。
監督の演出は
<子どもたちに台本を渡さず、口頭で状況を教える。「言わされた感覚が残らないように」と、ゲームをしているような流れで、意識を監督ではなく共演者に向かわせている>(共同)と
聞いていますけど、この演出はやはり素晴らしい・・・・。
この手法は充分映画に反映されていて
観る人を作品に中に惹きつけるだけの魅力になっていました。
子供のあんな姿、こんな姿を
いろいろ観ることになるのですが
どれも、そうだろうな・・・そういう反応だろうな・・・と
納得でき、親の自分だからこそ、よけいグットきてしまいました。
その子供たちに対する
親の対応も、とくに父親においてですが
あ・・・これはまずいよ、福山さん・と思われる部分を当然感じましたけど
父親側、男性側から見たらどうなのかな・・。
仕事一筋なお父さんなら
福山さんみたいな状態も理解できると思うのか、いや、そうじゃないと思うのか・・・
お聞きしたいところ。
私としてはああいう夫は苦手だな・・・・・・。
なんか堅苦しそう・・・。
目指す方向も、かなり高いし、疲れてしまうような気が・・・・。
夫、福山さんが、取り違えを知って、出てしまう言葉、「やっぱり、そういうことか」
この言葉衝撃的ですね。
思わず出てしまったんでしょうけど。
私ならその場で、夫を問い詰めていたかもしれませんね。
「やっぱり」てどういうこと?
妻側からしたら、すっごく嫌な気分になると思うから。
そういえば、初めて相手側の家の訪問した時の
福山さんの反応も、「ああ・・・言うだろうな・・・」と推測できる
言葉でしたよね。
どういう家庭環境かというのは誰が観ても、わかるような
対照的な二家族。
福山側からみれば、ガサツな家庭って映っていたかもしれない電器店夫妻だったけど
子供に対する愛情に関しては
全然負けてはいなかったと思います。
むしろ、
父親という面では、福山さんよりもまさっていた点は多いですよね。
子どもが何を望んでいて
何を欲しているのかというのを
即座にくみ取る能力は、リリーさんの方が勝っていたもの。
(お風呂で沈みがちな慶多に水遊びもちかける姿なんて、優しさにあふれていたものね・・・)
仕事面では、福山さん、ノリにのっていて、能力的にもかなりのものがあるのだろうから
評価としては高いのだと思いますよ。
でも、家に帰って父親としての
存在としてはどうか・・となるとまた別問題だからね。
家庭での評価は家族、いわゆる妻や子がするわけだから
彼らにとっては、どういう位置づけなのかというと、ちょっと微妙かもしれなかったですよね。
別に子どもと、時間をつくっていっぱい遊べと言っているわけじゃあないけど
子ども側に立って
もうちょっと考えてくれないと、子が可哀そうだし。
それゆえ、福山さん家の慶多君が
優しくって父親思いなのが、
いじらしく感じられてね、泣けるのよね。
お父さんが褒めてくれるからピアノやるとか、
もう・・お父さんに対する思いが全身から溢れていたじゃない?
きらわれたくないな…愛されたいな・・・と思うからこそ
お父さん=福山さんの言う通りに、勉強頑張っているのだろうし
ミッション(電器店の家に泊りに行く・・・)と言われる行動も素直に受けいれ
頑張っていたんだろうと思うのよね~~~。
ところで
映画では
2組の家庭の
しつけ、教育に対しての違いなどが
実に細かく描かれていましたね。
ささいな部分にもその違いがはっきりと・・・・。
ストローをつぶして飲む斎木家の子。
はしの持ち方もイマイチ。
バンドエイドでしたっけ、それ一つに対する呼び名も家庭が違えば、違う。
お風呂は父子、皆で一緒。
怪我をしても、大したことなければ、それは重要しない・・・
いたずらも日常茶飯事だろうしね。
対して、
野々宮家は、規則正しい生活
なんでも一人でこなすような指導。
福山さん自身のようになるべく、勝ち抜け~~勝ち抜け~~~の精神を
徹底的に子に教え込もうとしていたものね・・。
こうまで、生活環境が違ってきている場合
すでに6年もそれぞれの環境に馴染んでしまっている子供にとっては
交換っていうことは
そうそう簡単なことじゃあないわ。
いくら、交換は早い方がいいとか
子供は環境になじむとか、一般論で言われても
子供側からしたらストレスが相当のものだと思うしね。
子供たちの交換を実施して
最初のころ
歪だった野々村家だったけど、
時間がたち、多少なりとも
いい親子になりえたかな…と思った時がありましたよね。
そう、ちょうど、マンションの一室でキャンプをし始めた時ね。
電器店の息子だった、琉晴君も福山さんを親と認めはじめたのかな・・・・・・と思ったけれども
実は琉晴君、前のパパ、ママのところに帰りたがっていた…本音はそうだった・・
星に願っていたのは本当のパパやママのこと。
子供は、今までに受けた愛情の深さを覚えていたってことなのかな。
泣けちゃいました。
血の濃さと、育ててきた年月。
難しいよね。
自分の血が流れているという事実はやはり重いとは思うけど(自分に容姿が似ている子供というのは
愛おしいと思うし)
それまで愛情を捧げてきた子どもを
だからといって、簡単に忘れられるものじゃぁない・・・もの。
(苦労して育ててきたことで、充分自分の思いが宿っているので
それもまた愛おしい・・・ものね)
母親に対して良く言われるのは
子供を育てていく中で自分も母親として成長していくっていうこと。
産むだけでは母親とはいえないということ。
父親は産んでいない分
なかなか父親という実感がつかみにくいとは思うけれど
これも育てていく年月と共に、だんだんと成長していけるんだと思うのよね。
父親になっていくんだよね・・・。
親として
子どもといつも真剣に向き合いたいわ・・・
そう、思える一本でした。
やっぱり、期待したとおり
いい作品でした♪
それにしても
子役、素晴らしかったですよね。
電器店の末っ子、
あの無邪気さ
とっても可愛かったわ。

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