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アルバート氏の人生

アルバート氏の人生 (2011 アイルランド )


ALBERT NOBBS
アルバート・ノッブス(第24回東京国際映画祭)

監督
ロドリゴ・ガルシア
製作:
グレン・クローズ
ボニー・カーティス
ジュリー・リン
アラン・モロニー
原作:
ジョージ・ムーア
脚本:
ガブリエラ・プレコップ
ジョン・バンヴィル
グレン・クローズ
撮影:
マイケル・マクドノー
プロダクションデ
ザイン:
パトリツィア・フォン・ブランデンスタ
イン
衣装デザイン:
ピエール=イヴ・ゲロー
編集:
スティーヴン・ワイズバーグ
音楽:
ブライアン・バーン
出演:
グレン・クローズ
アルバート・ノッブス
ミア・ワシコウスカ
ヘレン・ドウズ
アーロン・ジョンソン
ジョー・マキンス
ジャネット・マクティア
ヒューバート・ペイジ
ブレンダン・グリーソン
ホロラン医師
ジョナサン・リス・マイヤーズ
ヤレル子爵
ポーリーン・コリンズ
ベイカー夫人
ブロナー・ギャラガー
キャスリーン
ブレンダ・フリッカー
ポーリー
アントニア・キャンベル=ヒューズ
マリア・ドイル・ケネディ
マーク・ウィリアムズ
セリーナ・ブラバゾン
マイケル・マケルハットン
ケネス・コラード



 グレン・クローズがかつてオフ・ブロードウェイで主演した舞台を、自らの脚本、製作、主演で映画化。
19世紀のアイルランド。
長年モリソンズホテルで働くアルバート氏。
彼はベテラン・ウェイター。
しかし彼には秘密があった。
彼は、アルバート氏は女性だったのだ。
そんなある日、自分らしく生きるヒューバートと出会い、
彼女の心に大きな変化が訪れる…。


感想

グレンクローズが男性として生きる話ということだけは
知ってたので映画の冒頭で彼女が出てきても
そういう目線で観ていたわけです。
だからか、見るからに、男らしい~~~という風貌には感じられなかったけど
何も知らない人から見れば
男だ・・って感じるかもしれないですよね。
上手にメイクされていて、
女性的な部分はあまりみせていなかったからね。
でも何より
驚いたのは途中で現れた塗装工の方(男)。
ヒューバート・ペイジね。
演じていたのはジャネット・マクティアって方なんだけど
この方は女性。でも体が大きく、余計な予備知識も、演じる女優さんの名前も知らなかった私は
ものすごく驚きました。
アルバート氏だって最初はまんまとだまされていたわけだしね。
仕事上、同室した日に、
アルバートが女性だとヒューバートに知られてしまい
困ったアルバートだけど。
実は僕も女だよ・・・ってアルバートの前で胸をバボ~~ンとさらけだしたときの
衝撃度は半端ないですよ。
胸も大きくてすごい。


ヒューバート・ペイジは
私生活でも女性と暮らしていて夫婦という生活を作りあげていたの。
ということは
ヒューバートの方は、女性的な生き方をするより
男性として生きるのが自分の本来の性であると思っていただろうし、
女性と暮らしていたわけだから、恋愛対象も、女というわけだよね。
だけど、
このアルバート氏の場合
生い立ちをきいてみると
貧困ゆえ、一人で生計をたてていくには、男として生きていく方が良かったという
ことだったので
ヒューバートとはちょっと違うような気がしたのよね。
自分の性は女性でなく男性だ・・・という強い思いから選択したのではなく
しょうがなく男性として生きた、生きるために致し方なかった・・・ということだったのだろうね。
ただ、幼い時、男性に乱暴されたとも言っていたので
男性を傍に置くということはできなかったのかな・・・。
彼が(彼女が?)
仕事をリタイアした後の選択として
同じ職場で働くメイドのミア・ワシコウスカ演じるヘレン・ドウズを選んでいたのは
ちょっと意外。
女性だったというより
若い子だったという選択が。
肉体的にどうしたいああしたいということでなく
孤独感を癒してくれる人を探していた・・・。
で・・それは男でなく女でしかなかった・・・。
アルバート氏は、
いつも母親の写真を胸に抱いていたのよね。
母を恋しがり
求めていたっていうことだよね。
普通に恋愛したこともなかったんだろうね。
そもそも人を愛することさえがどういうものかも
わからなかったのかもしれない・・・・・・・・。
だけど幸せそうなヒューバートみたいな生活は送りたい・・・
ヘレンにこだわる気持ちは
若い女性への憧れからかも
しれないな・・・・って思いました。
自分の手で幸せにしてあげたいという思い・・
苦労した自分をみているような感じで自分の手もとにおきたいと思ったのかも。
そこに男とか女とか
そういう性的な部分はなかったのかもしれないよね。

ヘレンは
どうしようもない男だけど、情熱的に、愛をかたるジョー・マキンスに
気持が傾くばかり。年取っていて
冷静なふるまいのアルバートには、なかなか気持は向かない・・・
しょうがないと思う・・・
若い女性としてはどうしてもイケメン
口が上手い男性にむかってしまう・・・


結局
ジョーは、だらしない男だったわけだけどね。
しょうもないな・・アーロン・ジョンソン!!


ラストは
せつないね
ああいう最後で。
あっけなく
アルバート氏は亡くなってしまうの。
彼の彼女の人生って
一体なんだろうと考えると
どうにも、せつなくなってしまう・
仕事だけして
夢だった、自分の店を持つこともできないで
一生を終えてしまうという人生。
でも最後は自分の意思を貫いたってことだから
満足感はあったのかな。
言いたいことを言えて
満足はしたんだと思う・・・
彼女なりに・・。



この頃の社会状況はよくわからなく
どうして女性として生きるわけにはいかなかったんだろう・・・
女子として成功している人もいるのに
やっぱり貧しいとダメだったんだろうか・・・・
といろいろ考えてしまいました。


悲しいお話で
気持ちは晴々しませんね。

ジョナサン・リス・マイヤーズ
チョイ役でわからなかった・・・・



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ロスト・メモリー

ロスト・メモリー  (2012  ドイツ)

DU HAST ES VERSPROCHEN
FORGOTTEN

監督:
アレックス・シュミット
製作:
シュテファン・シューバート
ラルフ・シュヴィンゲル
イュディス・ウージャン
脚本:
アレックス・シュミット
ヴァレンティン・メロイツァ
撮影:
ウェディゴ・フォン・シュルツェンドー

編集:
アンドレアス・ラトケ
音楽:
マリアン・ルクス
出演:
ミナ・タンデル
ラウラ・デ・ブーア
カタリナ・タルバッハ
マックス・リーメルト
クレーメンス・シック
トーマス・サルバッハー




親友だったハンナとクラリッサ.
毎年、それぞれの両親とともに小さな島で夏を過ごしていた。
25年後。
主任の医者として働くハンナ。
その病院に、睡眠薬の過剰摂取でクラリッサが担ぎ込まれてくる。
再び、再会した2人。
2人、友情を確かめ合いながら、幼いころ遊んだ思い出の地、島へ
ハンナの娘を連れて遊びにいくことにした。
あるとき写真をみて、気付いた。
もう一人女の子がいる。マリアという少女。
しかし、ハンナはその子に覚えがない。
マリアは子供のころに失踪しており、いまだに行方不明であるのだ





感想


ドイツのサスペンス。
ビデオ屋さんでパッケージが気になったのでレンタル・
当然予備知識なし。

知らない女優さんばかりだったけど
あちらの方は美人で素敵。


これ面白いね
ラストまでみると
おお~~~って
思うよ。

本当、後悔先に立たず・・だよね


マリアという少女は一体だれ・・・ということなんだけどね。
感じとしてはホラー系になりそうな雰囲気だけど
しっかりサスペンス。

これは復讐劇でした・・



以下ネタバレ・・・未見の人は読まない方が良いよ


どう考えても
ハンナが悪いでしょう。
子供のいたずらではすまされない。
度を越していますね・・
友達なのに
あんな仕打ちをして・・・
マリアを穴に落としてそのままなんだよ・・・
友達だと信じていたのに
ひどい仕打ち。

マリアはその後、精神病院に行き、
そこで看護師だっけ?襲われて、子どもまでできちゃって、人生どん底に。


つまり、
最初にハンナの病院にやってきた
クラリッサは、本人じゃあないってこと。
マリアがクラリッサになりすましていたんだね。
当然、クラリッサは殺されている。
彼女もハンナとともに、マリアを穴に落として逃げた共犯者だからね。


この事実は最後になってから
明らかになるので
こりゃ、驚いた・・・・ってことになるわけ。
上手くできているよね。


しかし、これだけでは
過去にもそんな感じの作品あったよね・・・だけで
終わるんだけど
それだけでなくまだ恐ろしいことが描かれるの。


ハンナはマリアの復讐の結果
マリアと同じように精神病院行きになる可能性。
マリアはハンナの夫を奪い、
ハンナの子の義母となるみたいなんだけど・・

つまり、ハンナの人生そのものを乗っ取ったって感じよ。


だけど・・・・
ハンナの子どもは・・・
それで良かったなんて思っていないわけ
むしろ、自分のもとから、母親を奪った女、マリアを恨んだいるわけ。
だから
あのラストショットの顔になるんだよね
怖い・・怖いよ。

復讐はまだまだ続く・・・という予感

背筋がぞくぞくするお話でした。


映像が綺麗なので
恐ろしい話だけど見入っちゃいます。

子供って
やっぱり残酷な一面持ってるんだよね。
友達だよ・・・と思っていても
相手はそれほどでもなかったんだね。
やっぱりハンナが悪いよ
そもそも
穴に落としたことも忘れて
マリアの存在そのものも忘れて・・・って
人間としてどうよ・・・って思いは、あるわ。
罪悪感から
記憶を消したのかもしれないけど、
マリアが可哀そうだよね。


自業自得だよね、やっぱり。


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脳男

脳男( 2013  日本)



監督:
瀧本智行
製作:
藤本鈴子
由里敬三
藤島ジュリーK.
市川南
藤門浩之
伊藤和明
入江祥雄
松田陽三
宮本直人
製作指揮:
城朋子
エグゼクティブプ
プロデューサー:
奥田誠治
プロデューサー:
椋樹弘尚
有重陽一
企画プロデュース:
石田雄治
藤村直人
原作:
首藤瓜於
『脳男』(講談社刊)
脚本:
真辺克彦
成島出
撮影:
橋本桂二
市川修
永森芳伸
美術:
丸尾知行
撮影監督:
栗田豊通
衣装:
宮本まさ江
編集:
高橋信之
キャスティング:
杉野剛
音響効果:
大河原将
音楽:
今堀恒雄
ガブリエル・ロベルト
音楽プロデューサ
金橋豊彦
主題歌:
キング・クリムゾン
『21世紀のスキッツォイド・マン』


ヘアメイク:
細倉明日歌
記録:
柳沼由加里
照明:
鈴木秀幸
製作担当:
白石治
操演:
関山和昭
装飾:
藤田徹
録音:
藤丸和徳
助監督:
権野元
出演:
生田斗真
鈴木一郎(入陶大威)
松雪泰子
鷲谷真梨子
江口洋介
茶屋刑事
二階堂ふみ
緑川紀尚
太田莉菜
水沢ゆりあ
大和田健介
広野
染谷将太
志村
緒方明
山崎ハコ
大山うさぎ
池谷のぶえ
勝矢
菊地廣隆
永倉大輔
田中耕二
川口真五
岡雅史
出口哲也
後藤健
甲本雅裕
空身
光石研
黒田雄高
小澤征悦
伊能
石橋蓮司
藍沢
夏八木勲
入陶倫行




第46回江戸川乱歩賞に輝いた首藤瓜於の同名ベストセラー・ミステリーの映画化。
無差別連続爆破事件が発生。
爆弾魔・緑川のアジトをみつけ、かけつけた茶屋刑事。
そこには、共犯者と見られる男、鈴木がいた。
精神科医・鷲谷真梨子は、鈴木を精神鑑定する。
しかし彼は、感情を一切表に出さない男だった。
興味をもった鷲谷は彼の過去を調べ始める。



感想


脳男?すごい妙な名前。
そういえばハサミ男っていう映画もあったな~~

これも全然知識なしの映画だったけど、「地獄~~」に出ていて二階堂ふみが
また出演ということでチェックしてみました。
まあ・・・無表情の生田斗真も気になったわけですけど・・・・笑


脳男の名前の由来。
生田斗真演じる鈴木一郎(入陶大威)の
生い立ちが説明される所は面白く鑑賞。
興味深いよね。
漫画チックではあるけど、
実際いたら空恐ろしいって感じ
本当の両親はひき逃げにあって死亡。
おじい様が引き取ったっていう設定だけど
そのおじい様は夏八木勲。
夏八木さん沢山の映画に出演していますね。
それゆえもっと活躍してほしかった。
残念です。


この脳男、感情を一切持たなく、脳だけで生きているっていう男。
人並に暮らせるのは、学習させたから・・っていうことなんですね

「おかあさんは髭が生えていません」
精神科医の松雪さんとのやりとりの中で
この
髭の箇所が面白かったわ。確かにこんな回答、平然と普通人間はできないよね
精神分析の過程もなるほどと思わせて
見ごたえありました


ただ
残酷度が結構きつくてつらい・・
バンバン人が残酷に死んでいくし・・・
子供が犠牲になるエピソードもみていてつらいものだし
気分はよくないかな。
脇の人物も次から次へだよ。
江口洋介の同僚たちもいとも簡単に・・・
やられすぎ。
爆弾は迫力あったけど、そこまでやらなくてもという思いは湧いてきます


そもそも
この爆弾犯
二階堂ふみが首謀者なんだけど、よくわからない人物でね
殺すのが好き・・・っていうことだろうけど
もっと彼女がなぜこんなになっちゃったの・・・?も教えてほしかったわ
これじゃあ、ただのいっちゃっている人。

ちなみに
二階堂さん、レズだった・・・・驚
お相手は松田龍平さんの奥さんなのね。

そうそう
染谷さんも出演
「ヒミズ」コンビ
悪の経典でも出ていたけど
この手の話ばかりじゃあ、かわいそうな感じ。

染谷さんは
松雪さんの患者さんってことね。
しかし
松雪さん
自分の弟を殺した
男(それが染谷さんなのよ・・・・驚)
の、社会更生を手助けしたりするなんて
ちょっと無謀だと思うな・・・
絶対無理でしょう



ラストに
その染谷さん
実は・・・っていう展開には正直驚いた部分は
あったけどあれって、残酷な仕打ちでもあるよね
だって
結局、更生してはいなかったってことになるから。
性癖は治っていなかったんだね。

脳男って
デスノートと似たような感じで
世の中の悪人を抹殺する・・・っていう使命をもっているみたい。
続編が作れそうな設定だけど
かなりの悪人を用意しないといけないと思うと
続きは難しいよね。


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朝井  リョウ   著   世界地図の下書き

世界地図の下書き   著  朝井リョウ


児童養護施設で暮らす
子どもたちの話




感想


直木賞受賞後第一作の作品。
「情熱大陸」で紹介されていたときから楽しみにしていました。
表紙はスタジオジブリ。絵から漂う、ほんわかした雰囲気とは違い
主人公たちの置かれている状況は厳しいものでした。

児童養護施設が舞台のこの作品。
ここにいる子供たちは、なんらかの事情で親から離れて暮らしています。
学校でのいじめ、
親からの虐待
抱えている問題は深刻。


事故で両親を亡くした太輔
淳也、美保子、麻利の4人の小学生と
高校生の佐緒里。
5人それぞれの過去
現代がしだいに明らかになっていきます。



朝井さんが小学生をメインに描くっていうことが
まず新たな挑戦であるのかなあ。
今までは
等身大の若者が多かったので
自分が見聞きしてきた経験、体験が織り込まれていた部分が
多分にあっただろうけれど
今回のように、児童養護施設となると、まったく未知の世界になってくると思います。


これは子供たちに対しての
メッセージなんでしょうね。
苦しかったら
「逃げればいいんだよ」
そういう方法もありだよ・・・ということ。



4人の子供たちは
ラストに向かって
あるイベントを企てます。
大学進学が夢に終わった佐緒里のために
ランタンに願いを託して空に飛ばす「蛍祭り」を復活させようとする


重松さんの
描くような小説にちょっと似ているような題材ですが
重松さんの方が
ドカンと重いような気がします。
若い作者の
子どもたちに対する愛情が
前面にでた
作品だったかと思います。

世界は広いんだってこと
一部で嫌な目に合っていても
どこかに救いのある場所があるってこと。
だから、生きよう・・・
そんなことを感じさせる作品でした。





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地獄でなぜ悪い

地獄でなぜ悪い  (2013  日本)

監督: 園子温
アクション監督: カラサワイサオ
エグゼクティブプ
ロデューサー: 森山敦
プロデューサー: 鈴木剛
松野拓行
脚本: 園子温
撮影: 山本英夫
美術: 稲垣尚夫
編集: 伊藤潤一
音響効果: 齊藤昌利
音楽: 園子温
井内啓二
坂本秀一
主題歌: 星野源
『地獄でなぜ悪い』
スクリプター: 貞木優子
残酷効果: 石野大雅
照明: 小野晃
装飾: 山田好男
特殊造形: 石野大雅
録音: 小宮元
助監督: 木ノ本豪

出演: 國村隼 武藤大三
堤真一 池上純
長谷川博己 平田鈍
星野源 橋本公次
二階堂ふみ 武藤ミツコ
友近 武藤しずえ
坂口拓
板尾創路
石井勇気
春木美香
ペ・ジョンミョン
尾上寛之
永岡佑
北村昭博
神楽坂恵
黒田大輔
波岡一喜
ぼくもとさきこ
深水元基
諏訪太朗
本城丸裕
山中アラタ
市オオミヤ
土平ドンペイ
仁村俊祐
清水智史
菊地英之
橋本まつり
皆川尚義
山本亨
野中隆光
中泉英雄
児玉拓郎
原菜乃華
中山龍也
小川光樹
青木美香
つぐみ
高橋ヨシキ
江戸川卍丸
坂東工
河原健二
笠原紳司
コトウロレナ
尾畑美依奈
今村美乃
吉牟田眞奈
福田温子
伊藤凌
川村悠椰
安田彩奈
三宅史
内田純
西原信裕
千葉一磨
西本銀二郎
三村和敬
米本来輝
高澤父母道
松下美優
内藤トモヤ
吉田エマ
渡邉達也
八田浩司
吉田侑生
河野マサユキ
山中達矢
成海璃子
(友情出演)
でんでん
(友情出演)
岩井志麻子
(友情出演)
水道橋博士
(友情出演)
ミッキー・カーチス
(特別出演)
江波杏子
(特別出演)
石丸謙二郎
渡辺哲




園子温監督が20年前に手がけたオリジナル脚本を基に、自らの自主映画時代の経験を盛り込みつつ
作った作品。
ヤクザの組長・武藤は、獄中にいる妻・しずえの夢を叶えようとしていた
彼女の夢は
娘、ミツコの映画を見ること。
そこで武藤は、ヤクザたちを使って自主映画を作ることにする。
男と駆け落ちしていたミツコを見つけ出し
映画監督だという駆け落ち相手の橋本公次に、映画製作を命令。
しかし、公次は行きずりの男で恋人でも、監督でもなんでもない。
困った公次は、自主映画集団“ファック・ボンバーズ”を率いる永遠の映画青年、平田たちに
協力を頼むのだが




感想

前作の「希望の国」は未見でしたので久々の園子温監督作品♪
前作、前々作の「ヒミズ」が
社会状況を意識して作った作品(放射能、地震関連)だったので
前からの園作品を観ていた人にとっては
若干、おとなしさを感じたかもしれないけど、
今回は、また元に戻った感があるかな・・・。
完全にエンタメに徹した作品。
とはいっても
万人が好む作品というわけじゃなく
監督の好きな世界が炸裂してパワー全開、誰にも何も言わせない
そんな作品に仕上がっていました・・・・笑

もう何を語っていいかわからないくらいの
最初から最後までハイテンションで突っ走り、
ラストの抗争劇に至っては
これでもか、これでもかの
まさに、マシンガンような、凄まじい光景が広がっておりました。


今回はエロ少なめ、グロ多し・・・・でした。


冒頭が
「全力歯ぎしりレッツゴ~~♪」という陽気な歯磨きCMから始まるのですが
これ、唐突なので、最初、映画館の宣伝広告かと思いましたよ。
実は始まっていたんですね~~~笑


内容は、荒唐無稽なので
ツッコミをいちいち入れていっても意味が無い感じです。
素直に受け入れるしかないでしょうね。

敵対するやくざ組織、映画を愛する若者集団・・・
始まりは10年前、二つの世界をかわるがわる描き
最終的に
映画を作るという目的に向かってこの全く別世界の2つが
1つになっていくという流れです。
やくざの抗争を映画にしてしまえ~~~ってことなんですよね。



それにしても↑の出演者、多いこと、多いこと。
ワンシーン出演の人も多かったので贅沢な配役でしたね。
過去作品で馴染の、でんでんや、神楽坂恵なども出演してましたが(そうそう、ちらりと、
つぐみも赤い着物で出演していましたね、懐かしいな・・・)、しつこくなく
控えめな出方だったので鼻につきませんでした。
今回はやくざ側から、堤さん、 國村隼さん、
映画バカとして、 長谷川博己さん、
そのやくざの娘( 國村隼と友近さんの娘役) 二階堂ふみさん、
二階堂さんの恋人のふりをした、 星野源さん、
この辺りが、物語をメインで引っ張っていったって、感じですかね。
出番も多かったですしね。


そうね・・・
印象としては
最初から血がどばっと~~~、
惜しみなく、流れていましたね
友近が包丁片手にやくざを追いまわすシーンでは
グサグサ、バシバシが半端なかったですものね。

でもなにより、前半では、ミツコ(まだ子役のミツコね、この子は女優で、コマーシャルの
歯みがきシーンに出ているのよね)が、真っ赤な部屋を
滑って流れていくシーンが、インパクト大。
真っ白なドレスと血の海のコントラストが強烈です。

このシーン
後半の
ミツコが成長し、二階堂さんになってからも同じように
あるのですが、なんだか、ノスタルジー感じてしまいました。


そう、
正直
とんでもない映画で、愚かしいな・・・と思う展開なんですけど
その中で
泣けたりもします・・・・笑
なんで泣けてくるのかわからないけど。
ミツコと、公次 の関係性に感じるものがあったのか
堤さんとミツコとの関係性に感じるものがあったのか、
よくわからないけど、
なぜか、ぐわ~~とくるところもありました。


あと、
個人的には
キスについての
シーンや会話が好きだったかな。
二階堂さんの、別れた恋人との、あの、血だらけキスシーンとか、
長谷川さんが
成海さんに向かってキスについてのこだわりを話すシーンとか
好き。
映画スタッフの2人も何気に可愛らしくキスしていたし、
最後の、片手飛び散り状態の公次とミツコのキスシーンも
忘れられなかったし・・・と
・・・どれも
良かったです。



女は強い
ミツコは強い。
男はいつもやられっぱなし。
「愛のむきだし」の女の子も強かったしな~~~



蒲田行進曲を思いださせるシーンもあったりして
映画が好きな人が
好きなようにつくった作品のように感じました。

ストレス解消になる
映画かと思いますが
どうでしょう・・笑


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ブラインドネス 

ブラインドネス  (2008  日本/ブラジル/カナダ  )


BLINDNESS


監督:
フェルナンド・メイレレス
製作:
ニヴ・フィッチマン
アルドレア・バラタ・ヒベイロ
酒井園子
製作総指揮:
ゲイル・イーガン
サイモン・チャニング・ウィリアムズ
原作:
ジョゼ・サラマーゴ
『白の闇』(日本放送出版協会刊)
脚本:
ドン・マッケラー
撮影:
セザール・シャローン
プロダクションデ
ザイン:
トゥレ・ペヤク
衣装デザイン:
レネー・エイプリル
編集:
ダニエル・レゼンデ
音楽:
マルコ・アントニオ・ギマランイス
出演:
ジュリアン・ムーア
医者の妻
マーク・ラファロ
医者
アリシー・ブラガ
サングラスの娘
伊勢谷友介
最初に失明した男
木村佳乃
最初に失明した男の妻
ドン・マッケラー
泥棒
モーリー・チェイキン
会計士
ミッチェル・ナイ
少年
ダニー・グローヴァー
黒い眼帯の老人
ガエル・ガルシア・ベルナル
バーテンダー/第三病棟の王


ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説『白の闇』の映画化
 ある日、車を運転していた日本人の男が突然視力を失う。
その後、同様の患者が各地で発生・・
政府は患者たちを隔離病棟へと強制収容していくのだが




感想


単なるパニックムービーかと思っていたけど
思った以上に奥が深そうな作品。
派手な映画ではなかったけれど、面白かったです。

ある日突然、目が見えなくなる人が出現。
その男にかかわった人は次から次へと同じ病を発生させるのです。

最初のその男は
日本人の伊勢谷さん。奥さんは木村さん。
日本人も参加している作品なんですよね。
個人的には違和感感じなかったかな。夫婦っていう感じは漂っていたし。

眼科医のマーク・ラファロ
彼も、診察したことで伝染しちゃったみたい。ある朝、起きたら目が見えなくなっているのよね。
怖い・・。
なぜか、その妻、ムーアは感染せず、目が見えるんだけど、
目の見えなくなった夫のために収容所へ一緒に入り込む。



原因不明な病気ということで
とりあえず、収容所に閉じ込めてしまえ~~っていうのも
強引な話だと思うし、
第一目が見えない人ばかりがその中に押し込められても
生活なんて、不便でしょうがないのに・・・何考えているのかね、と
率直なところ思ってしまうわ。
でも
どう対処していけばいいのかわからない人々にとっては
(だって、原因不明で、すぐさま、伝染しちゃうみたいだし・・・)
臭いものには蓋・・・の流れで、世の中から、見えないところに
押しやってしまうってことなんだろうね。


そもそも
このお話は
寓話的な要素が入っている感じ。
矛盾点や強引さのある設定と言うのも
従来のパニック映画とは、違った描き方で
人間の本質を表そうとしているからなんだろうね。



見えない集団の中に
一人入り込む見える女性、ムーア。
非常に興味深い存在であったわ。
狭い収容所の世界では、みえないっていうことが普通の世界。
みえるっていうことは、皆が知らなくてすんでいることを
一人知ってしまうっていうことでもあるでしょう。
奥さんとしては、他と違うっていうことで
最初は優位にたっていたかと思うけど
そのうち、背負っている重さや、一人なんとかしなければいけないという思いが湧いてきて
目が見えるという状態自体が、辛い部分でもあったんじゃあないのかな・・って思うわ。
それに旦那さんとの関係も微妙な感じになってきて
とうとう、旦那さんは別の女性と関係も結んでしまったりするしね。


また収容所での
ガエル・ガルシア・ベルナルの存在。
第三病棟の王・・・・・ね。
極限状態になっても
金銭や、性にこだわるというのも、人間だからこそなのか。
現世の仕組みや習慣から抜け出せないのか、そういうことにこだわることで
今までと同じ生きている感を味わっているのか、わからないけど、
あの独裁者的な世界観はみていて不快だったよね
とくに、女性を差し出せ・・・・的な流れは、ショック。

収容所を出てからも
まあ、いろいろあったわけだけど・・・。

やっぱり、私は
ラストが心に焼きついたわ。
こういったラスト・・・なんだな~~って。
なぜムーアだけが
目が見えたのか。
そして
今度は本当にムーアの番なのか。

いろいろ考えるべきことが
あるんだろうけど、
ちょっと難しかったかな。

ただ、モヤモヤしたものが残る
幕切れではあったような気がする・・・


「ミスト」をみたときと
似た感覚でした

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  • レイフ・ファインズ好き
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