かなり前に観た映画の感想ですが
倉庫にあったので
UPします。
ある秘密 (2007 フランス)
UN SECRET
A SECRET
監督: クロード・ミレール
原作: フィリップ・グランベール
『ある秘密』(新潮クレスト・ブックス刊)
脚本: クロード・ミレール
ナタリー・カルテール
撮影: ジェラール・ド・バティスタ
編集: ヴェロニク・ランジュ
音楽: ズビグニエフ・プレイスネル
出演: セシル・ドゥ・フランス タニア
リュディヴィーヌ・サニエ アンナ
マチュー・アマルリック フランソワ
ジュリー・ドパルデュー ルイーズ
パトリック・ブリュエル マキシム
ナタリー・ブトゥフ
イヴ・ヴェルフーヴァン
イヴ・ジャック
ヴァランタン・ヴィグール
カンタン・デュビュイ
フィリップ・グランベールの自伝的同名ベストセラーの映画化。
ひとりっ子の病弱な少年フランソワ。
彼はスポーツ万能の父親からうとまれていると感じていた。
フランスワはそんな自分が嫌で、彼とは正反対の幻の兄を想像していた。
しかし、近くにいるおばさんから
ある秘密を聞いてしまう。兄は存在していたのだ・・・。
感想
予備知識なしで鑑賞だったので
こういう展開か・・・と驚いてしまったわ。
ホロコーストものだったのね。
この作品は始まりからきちんと観ていないと
ちょっとわからなくなるかも。だから絶対寝ちゃあだめ・・・・。
冒頭は
ひ弱な男の子と、美しい母親がプールでくつろぐ場面。
(父親はテニスをしている最中みたいだけど、どうも息子とはしっくりきていない感じ。)
で・・、母親は美しいホームで飛び込み台からジャンプする。
これが見事な体ラインで、おもわず見とれてしまう。
対して、この男の子は、プールにもちょこっと入るぐらいですぐに上がっちゃって
なんだか・・・暗い感じなのよね。
両親は2人ともスポーツ万能みたいだから
期待にこたえられないがために、苦悩しているのかな・・・な~んて推測。
そんなこと考えていると
場面は今度はモノトーンになり、マチュー・アマルリックが・・・。
うん?
さっきの男の子とマチューは同一人物?
どうやら、モノトーン、マチューは、現代(1985年)で彼が回想シーンで
子供のころを思い出しているとわかってくるの。
回想場面・・・昔のシーンがカラーで
現代がモノクロって面白いよね・・・。
彼は幼児期を思いだしている。
マチュー・アマルリック扮する フランソワはどういった幼少期を過ごしたのか。
物語はこれらどんどん深くなっていくんだけど。
これからは観た人だけ。
フランソワの父マキシムと母タニアは、戦争前、それぞれ別の相手と結婚していたのよね。
マキシムは昔、アンナと結婚していたの。
アンナと、
タニアの夫ロベールは兄妹だったのよね。
父、マキシムはアンナとの結婚式で初めて出会ったタニアに一目で惹かれちゃうの。
でもマキシム&アンナの夫婦生活はちゃんとできていて
マキシムとアンナの間にそのうち息子シモンが生まれる。
シモンは父親に似てスポーツが得意であったことから、マキシムはシモンを溺愛しちゃいます。
そんな夫婦だけど
マキシムの心の中には
ず~~と、タニアへの想いがあり、
そのうち
その想いにアンナも気付いてしまうのよ。
妻が知ってしまう夫の秘密。
夫は自分より好きな女がいたのね。(この時点では心の中だけだけど)
ポイントは
アンナを演じている
リュディヴィーヌ・サニエの決断ですよね。
夫が別の女性に気があるっていうことを
感じとってしまった本妻の思いとは・・・・。
夫への復讐だったのかな
夫が大事にしていた息子(優秀な息子だった)を
巻き込んでまでも
自分はユダヤ人だと言い切って
そのまま帰らなくなってしまった親子。
夫は悔やむだろうね。
自分のせいで妻子がいなくなってしまったと。
のちのち、好きだった女性と一緒に
なったけれど
その女性との間に生まれた子⇒フランソワね、
は、夫とはあまり、似ていなく、スポーツは苦手だったというのも皮肉。
別の女性を愛してしまった
悲劇でもあるのかな。