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横道世之介

横道世之介(2012  日本)


監督: 沖田修一
製作: 鳥羽乾二郎
小崎宏
川城和実
広田勝己
畠中達郎
小林栄太朗
百武弘二
平尾隆弘
北川直樹
井澤昌平
羽白勝
中原研一
川邊健太郎
製作総指揮: 佐藤直樹
エグゼクティブプ
ロデューサー: 由里敬三
プロデューサー: 西ヶ谷寿一
山崎康史
ラインプロデュー
サー: 金森保
共同プロデューサ
ー: 西宮由貴
宮脇祐介
原作: 吉田修一
『横道世之介』(毎日新聞社刊)
脚本: 沖田修一
前田司郎
撮影: 近藤龍人
美術: 安宅紀史
衣裳: 纐纈春樹
編集: 佐藤崇
音響効果: 齋藤昌利
音楽: 高田漣
主題歌: ASIAN KUNG-FU GENERATION
『今を生きて』
VFXスーパーバ
イザー: オダイッセイ
スクリプター: 田口良子
ヘアメイク: 田中マリ子
照明: 藤井勇
録音: 矢野正人
助監督: 海野敦

出演: 高良健吾 横道世之介
吉高由里子 与謝野祥子
池松壮亮 倉持一平
伊藤歩 片瀬千春
綾野剛 加藤雄介
朝倉あき 阿久津唯
黒川芽以 大崎さくら
柄本佑 小沢
佐津川愛美 戸井睦美
大水洋介 石田健次
田中こなつ 清寺由紀江
江口のりこ 小暮京子
黒田大輔 川上清志
眞島秀和 加藤の相方
ムロツヨシ 前原
渋川清彦 飯田
広岡由里子 お手伝いさん
蕨野友也
家入彬
田村健太郎
肥野竜也
奈良木未羽
大河原優太
大橋一三
藤夏子
井上肇
大崎由利子
宇野祥平
堀内敬子 与謝野佳織
井浦新 室田恵介
國村隼 与謝野広
きたろう 横道洋造
余貴美子 横道多恵子



大学進学のため田舎から上京してきた
青年“横道世之介”の青春の日々。




感想


観よう観ようと思っていたのだけどなかなか時間がとれなくって、今頃に。
長かったけど・・・
本のイメージ通りで
とても良かったです。
そもそも、結末を知っているので
物語のところどころでかわす会話で
すでにウルウル。

たとえば、世之介のおばあちゃんが死んだ直後、高校時代の同級生の女の子と
会話するシーン。
祖母の死で自分の母親はすごく泣いていたけど
もし自分が(世之介)死んでしまったら
皆は同じように泣くかな~~~っていうセリフ・・・
う~~ん、きつい。
女の子は、世之介なら、笑って送るよ・・・
な~~んて言っていたけど
私はその時点でウルウルよ。


さらに、
世之介が母親に電話をする場面があるの。
とくに用がないんだけど
きっと物さみしくなって母親に電話してしまうんだよね。
そんな、親を思う世之介の、何気ないシーンで
もうウルウル。

だって~~
こんな素朴でいいやつの世之介がだよ・・・
嫌だよ、嫌だよ~~~っていう気分になっちゃうのよね。


お嬢様の吉高ちゃんも
嫌みなくっていい感じでした
雪に喜びながらの
2人のキスシーンのすてきなこと。
ショットが上からでだんだん遠ざかっていくところなんて
美しかったな~~


そして
大学の同級生には
池松壮亮
知らなかった・・・・彼だなんて。

てっきりバカリズムかと・・・・笑

お風呂場で
初めての告白。
世之介に彼女のこと話すわけだけど
あの
自然な会話は何?上手いね~~~
いかにも・・・・ありそうな大学生像だよ。


本の感想にも書いたけれど
青春時代が
80年代なのでやっぱり、自分の思い出も重なって
非常にノスタルジーな気分に浸ることができます。
う~~ん、あの時代はいいわ・・・。


本と同じように
世之介と青春時代を過ごした彼らの
今の姿も
映画では映ります。

あ~~~世之介ってやつがいたんだよね・・・と
彼らは思いだすんだけど。



ふと、
こんなこと思いました。
大学生時代で印象に残った人がいて
でも結局、卒業して社会人になって結婚してしまうと
しばらく
疎遠になってしまう時期があったりするんだよね。
いろいろ自分たちのことで忙しいから。
もちろん忘れてはいないけど
だからといって、人生同じように寄り添っていきるわけではないよね
そして
確かに
あの幸せな時間、誰かと一緒にいたという記憶だけは
みな持っているわけ。
誰にでもあるよね
そういうの。


人の記憶に残るような人物で
ありたいよね・・・
と、
思うこの頃。

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彼が通る不思議なコースを私も    著  白石一文

彼が通る不思議なコースを私も    著  白石一文



不思議な出会いをした2人。
彼女の人生は林太郎との出会いで大きく変わる



感想

白石さんはいつも
生きる事の意味、死ぬことの意味について
哲学的なことを主人公に述べさせる⇒というか作者の考えそのもの・・だと思うが
ことが多くて
今回も根底にはそういうものが一貫して流れているんだけど
新たな挑戦として教育問題にも踏み込んできたな・・・・という印象の作品。


男女関係のドロドロや
濃厚の性描写などは影をひそめ
林太郎の教育への情熱を一番に感じる作品に仕上がっていて
いるので、
そちらに興味がある人は読んでみる価値があるんじゃあないのかなと思います。

とはいうものの、
林太郎のもつ不思議な能力⇒人の寿命が予知できる
という要素と
この林太郎と出会い、結婚する彼女と様々なエピソードも加わるので
話の内容としては盛りだくさん。
不思議な能力は
ところどころにでてくるけれど、現実離れしてついていけない…と思うほど
ひどいものではなく、
逆にそういうこともあるだろうね・・・と納得できる要素となっているので
それほど、違和感はないはず(と思う・・・笑)

出だしはこう・・・

友人がビルから飛び降りようとしている現場で、
霧子はこの椿林太郎という不思議な男と出会う。

同級生によると
彼は秀才と呼ばれる男で
教職にこだわって、大学進学をしたという・・・
出会った
当初、彼は小学校の教師。

とくに彼は学習に落ち着きのないような子供に
力を入れているようだった。

過去を聞くと彼もまた
学習能力に障害を持っていた時期があったとのこと。
だからなのか・・・
全ての子供に・・・
平等に教育を受けさせてあげたいという思いが強い。
また、親の都合で満足な教育状況が整っていない子どもにも
救いの手を差し伸べようとしていた。

こんな感じの流れなので
ついていけない内容ではないでしょう・・・・
むしろ興味ひかれるでしょう~~~

林太郎は
またいろんなことを言っていました。

人は死ぬことは逃れられないが
だからといって
不幸な死を迎えてはならない・・・
自分は人生生きてよかったと思って死んで行って欲しいということなんだろうね。
そして
人が生きる気持ちをもつためには
つまり自殺とかしないで
生き続けて行くためには
まずは
自分自身を大好きだと思うことだと言うんですよね
夢や希望があるから
生き続けるんだ・・・ということではなく
自分が一番好きだという気持ちが
あれば
その大好きな自分を失わないために
とにかく生きよう…という気持ちにつながるんだという主張。

今回もガツンときます

そして
死は終わりではないと…言い放つ林太郎。

後半になると
林太郎は
教師をやめ
塾を開き
人望も勝ち取り
やがては議員に・・・と
トントン拍子で出世して、出来過ぎ感はありますが
それも大目にみましょう・・・

その彼に寄り添うように人生をおくる霧子。

相手によって霧子の人生も大きく変わります。


ラストは
え・・・そういうこと・・なの?
とある意味
驚かされます。

ネタバレ


つまり
夢だったのね・・・という感じで。
でも
拍子抜けはしなく
それでも
こういう人生をみせてくれてありがとうと思える作品

霧子は
実際
どんな人生を歩んでいくのかな

かれgはとおつ994


ブルーラグーン

ブルーラグーン(1991  アメリカ)
RETURN TO THE BLUE LAGOON
監督:
ウィリアム・A・グレアム
製作:
ウィリアム・A・グレアム
製作総指揮:
ランダル・クレイザー
原作:
ヘンリー・ドヴィア・スタックプール
脚本:
レスリー・スティーヴンス
撮影:
ロバート・ステッドマン
音楽:
ベイジル・ポールドゥリス
出演:
ミラ・ジョヴォヴィッチ
ブライアン・クラウズ
リサ・ペリカン
ピーター・ヒアー
ナナ・コバーン
コートニー・バリラ
ギャレット・ラトリフ・ヘンソン

無人島で
暮らす男女☆


感想   

暑いのでこれ観ました・・・笑

地上波深夜でやるとは思わなかったな・・・
'80年にブルック・シールズ主演で製作された「青い珊瑚礁」の続編。
一応青い~~は観ているけど・・・。

ということで
冒頭の親2人の1人はブルックですね。
なんか可哀そう・・
死んじゃている姿だよ



説明するまでもない内容だけど・・・。

ミラちゃん出てくるのは後半から。

前半は
子どもを預かった乗組員のママさんの活躍がメイン。
ブルックの子どもを助けるんだよね・・・とある船が。
でも船内でコレラが発生していたとかで
このママさんは自分の子ども(女)と
ブルックが残した子ども(男)をかかえて
小舟で脱出。
でもその小舟が漂流しちゃって・・・
元の、ブルックたちがいた無人島に流れついちゃう筋書き(またかい・・・笑)

前半は
この子どもたちが可愛いので
癒されます。
海もきれいだし
なんだか楽しそうだし、
無人島なのに、食べ物とかいろいろ豊かだし・・
原住民はいるみたいだけど襲ってこないし・・・笑
穏やかでした・・

後半は
このママさんが亡くなって
思春期になった子どもたちがメイン。
ちなみに、想像の範囲内の流れ・・・笑
でもエロっぽくないです・・・

ミラちゃん、若い~~
目が青い~~
スタイルいい~~
って感じ。

ちなみに、遠い昔にも観ているので、鑑賞は2度め。
さらに
同じ路線のパラダイスも
実は、制覇。フィービー好きだったので。
何気に、こんなのも観ます。


暑いときは
何も考えないような作品もいいな・・・・笑
ぶるーらぐーん20140721-2

あ・・・
これとは別に
素敵な作品もいくつか観ていますが
感想書く気力がわかないので
次回に・・・・笑


暑いので
皆様

体調崩さないように~~~☆

父の秘密 

父の秘密   (2012  メキシコ)
DESPUES DE LUCIA
AFTER LUCIA


監督:
ミシェル・フランコ
製作:
ミシェル・フランコ
マルコ・ポロ・コンスタンドセ
エリアス・メナッセ
フェルナンド・ロフサール
アレクシス・フリドマン
脚本:
ミシェル・フランコ
撮影:
チューイ・チャベス
出演:
テッサ・イア
(アレハンドラ)
エルナン・メンドーサ
(ロベルト)


第65回カンヌ国際映画祭“ある視点”部門グランプリ作品。

 愛する母ルシアを交通事故で失ったことで
娘のアレハンドラと父のロベルトは
新しい土地、メキシコ・シティに引っ越す。
心機一転だ。
しかし父、ロベルトは深い喪失感を抱えており、なかなか立ち直れない。
一方アレハンドラは新しい学校で
友達と良い関係を築いていたが、ひとつの事件をきっかけに激しいイジメの対象に・・・。

そんなある日、
修学旅行先で
アレハンドラは、行方不明になってしまう。



感想


パッケージと題名の「父の秘密」に惹かれてみました。

父の秘密というよりは、娘の秘密という感じで・・・・、
ちょっと邦題とは違ったイメージだったかな。

映画は、娘の隠された私生活・・・・がほとんどだから
邦題はミスリードになっちゃうかな・・・って思います。

ただ
観終わった後に考えてみると
ラストで父親が起こした行動は・・・秘密なわけですし、
そもそも
この家族の母親の事故死にも何が秘密が隠されている感じで(だれが運転していたのかとか
娘が関わっていたのかとは・・・ちょっと不明)
そういうものをひっくるめて、これらを、父親に秘密としているのかな・・・・と
考えましたが、実際どうなんでしょうね。

ちなみに
原題は「AFTER LUCIA」で、全然違います・・・・笑
「ルシア」⇒は、スペイン語で「光」であり
同時に、亡くなった妻の名前でもあります。
つまり
家族内の光的な存在でもあった母親を亡くした、父・娘のその後を描いた作品という
わけです。


とまあ・・・前置きはこのくらいで。

映画は
淡々として、重苦しい感じです。
新しい土地に引っ越してきた娘を待っていたのは
陰湿ないじめであり
その描写が延々と続くからです。
父親はそんな娘の状況を把握できません
自分の悲しみで、いっぱいだから。

この娘自体、
軽はずみな行動が多いんじゃあないのかな・・・とは思います。
(薬もやっちゃったし、クラスの彼氏と成りゆきとはいえ・・やっちゃったし・・)
そもそも、
こんなやつらとは友達にならなければいいのに・・・。
でも、一番いけないのは、いじめる側。
最初は同じノリで、仲良しに見えても
ちょっと、むかっときたり、いらっとすると
すぐに集団でいじめを開始する・・・
なんて、いやらしい人たち。
アレハンドラに対して、女性特有の、嫉妬もあったのだろうけれど
何でいままで仲良くしていたのに
ああも、手のひらかえすように
いじめ始めちゃうんだろう。
それが人間の恐ろしさなのかな。


集団で一人を標的にして
陰湿な行為をする彼ら・・・
いや~~、みていて不愉快で、気分悪くなります。
女性だから
いじめの仕方も
性的なものがあって⇒強姦・・・
目を覆いたくなりますよね(ただし、直接的な描写はなし。

そんな状態なのに父親は・・・・気づかない。
妻を亡くした悲しみでいっぱいだから・・・


みてあげなよ・・・お父さん・・・ってつぶやきたくなっちゃった。

そして
ある日、娘はいなくなってしまう・・・

映画は
後味も悪く、
もう一度観たいという気には絶対ならない・・・。


ラストは
あ…という間に
事が終ってしまって
ちょっとコメントに困る感じでもあります
しかし怖い・・・



波の音だけがリアルに聞こえるんですよね。



この映画を観て
前に観た
「プリズナーズ」を思い出しました。


誰が何と言っても
おさまらない
怒りがある場合、
人間は、感情優先で動いてしまう・・・


それもわからなくないかな・・・・。
落ち着いて
落ち着いて
冷静に考えてよ・・


なんて
悠長なこといっていられないのが、現状かもしれませんよね。


それが
人間なのかもしれないし・・・


は~~~~
思わず
ため息もらしたくなる作品でした


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わたしはロランス

わたしはロランス(2012  カナダ・フランス)
LAURENCE ANYWAYS


監督:
グザヴィエ・ドラン
製作:
リズ・ラフォンティーヌ
脚本:
グザヴィエ・ドラン
撮影:
イヴ・ベランジェ
美術:
アン・プリチャード
衣装:
グザヴィエ・ドラン
編集:
グザヴィエ・ドラン
音楽:
ノイア
出演:
メルヴィル・プポー
(ロランス・アリア)
スザンヌ・クレマン
(フレッド・ベレール)
ナタリー・バイ
(ジュリエンヌ・アリア)
モニア・ショクリ
(スージー・アームグレン)
イヴ・ジャック
(ソフィー・フォシェ)
カトリーヌ・ベジャン

 モントリオール在住の国語教師ロランス。
彼は30歳の誕生日に恋人フレッドに
ある秘密を打ち明ける。
自分の本来の姿は女である・・・と・

戸惑う
フレッドだったが、ロランスの気持ちを受け止め彼に協力するのだが・・・


感想

グザヴィエ・ドラン監督の3作品目。
前2作も感想UPしたけど
やっぱりこれが一番好き。
最初に鑑賞したので、インパクトが大きかったのと
感情移入しやすかったから・・・。
168分の長い映画だけれど
中だるみもせず鑑賞できたのも良かったわ。


性同一性障害のロランスと彼を愛するフレッドの
10年に及ぶ、恋愛劇。
どちらかというと、ロランスより
このフレッド側の心の揺れが
痛くて痛くて、どっぷりつかってしまいました。


構成としては
作家として成功したロランスが過去の話をインタビュー相手に語っていく・・・形です。
ロランスの現在はかなり成功しているご様子。

そもそも
出会いは
男性であるロランスと
女性であるフレッドとして・・・。
フレッドは当然、異性として、ロランスを知り
恋をしたんだと思うんですよね。


それがある日・・・
ロランスが
自分のありのままの姿で生きたいと言って・・・・
女装し始めてしまうの。

私は難しことはわからないんだけれど
ロランスは、女性という姿になりたいと思うものの・・
恋愛対象は男性でなく、女性であり、
関係も女性とできるみたいですよね。

男性女性という性別で恋愛するんじゃなく
フレッド個人を愛していると表現するのが良いのか・・・

でもフレッドとしては、
女性の姿をしたロランスを認めて愛していくというのは
なかなか困難なようで・・・
最初は
彼のために、彼が女性として生きやすいように、協力はするものの、
やっぱり、ストレスがたまってくるみたいで・・・。

中盤
喫茶店でフレッドが怒りを爆発させるシーンがあるんですよ。
女装しているロランスを、店員が
興味本位で、無駄に話しかけるから
一気にカ~~~とフレッドきちゃうのよ。

「彼氏のかつらを買ったことある?」・・・そりゃあ・・ないわ・・・笑
彼のシャツとか、パンツとかを彼女としてみたてたとしても
彼氏のために、女ものをみたてるのは
そりゃあ・・・複雑な心境だし、ストレスもたまるでしょう・・・よ。

私は、ロランスずるいとさえ、思っちゃう時があったわ。

「きみがのぞむものはなんでもあげる・・
何をのぞんでいる・・」って、ロランスが、フレッドを問い詰めていたけど、
そう簡単には説明できないよね・・・
ロランス・・・
結構、(押せ押せ・・・で
自分の感情をぶつけていて、
フレッドの方も、負けじと、途中からはどんどん感情ぶつけあってきて・・・
それが、
みていて、
限りなくせつない・・・・よ。
愛していても
どうにもうまくいかない現実を、嫌というほど見せつけられている感じだからね

フレッドが
見た目は気にしない
世間も気にしないと思うように努力してもしても・・・・
彼女の中に備わった、男性像…女性像・・という価値観が
完全には消えなかったんじゃあないのかな。
ロランスの言うように、生きようと思っても
フレッドはできない・・・

普通の恋愛における別れと同じように
価値観の相違っていうことかもしれないよね・・・

だからこの映画は
性同一性障害を扱っているけれど
基本的には
シンプルな恋愛劇でもあるんじゃあないのかな・・・って思うわ。

「わたしが女にならなくても、2人は終わっていた」と
別れた後再びバーで再会したロランスがフレッドに言うセリフが
あるんだけれど、
そういう言葉・・・非常にせつないよね・・・
って、この状況下で、ロランス、言わないでくれ~~~って思っちゃたよ。

女、男・・なんてこだわりは
2人の愛が本物ならば乗り越えられた・・・とロランスは思っているんだろうね。
でも、ロランスにとっては、自分が女性でいることは、そんな特別なことでないと考えていても
(自分が女装して、皆の前に出ていける
だけの勇気があるんだから強い人だと思うよ)
フレッドにとっては彼の姿が女というのは
2人の愛の根底を揺るがすくらい、重要な部分で、あったんだろうと思うよ。

将来のこととか、
子どものこととか・・・
女性としては世間体(こういういい方、いやかもしれないけど)を
考えちゃうのも分かる気がするし・・・。


ラストカットが
2人が出会った場面の魅力的な
プポーのウィンクシーンで終わるんだけれど、
すべてを知ってからの
こういった、始まりのシーンをみせつけられると
観ているものとしては
せつなさ…マックスだよ。
その後に待ち受ける
彼らの恋愛アップダウンを知っているからね~~



人を愛するというのは
性別でわけへだてるということでなく・・・・
その人そのものを愛する

言葉にすれば
簡単だけれど
待ち受ける現実は厳しいし・・
乗り越えるのは大変よね。

音楽も
映像も
とっても素敵なので
是非
この目で確認してみてくださいね
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刑事の約束    著  薬丸  岳

刑事の約束    著  薬丸  岳



刑事のまなざし』に続く、夏目シリーズ短編集第二弾!
「無縁」(「小説現代」2012年12月号)
「不惑」(『デッド・オア・アライヴ』)
「被疑者死亡」(「小説現代」2013年8月号)
「終の住処」(「小説現代」2014年1月号)
「刑事の約束」(書き下ろし)


感想

今回の
夏目刑事の活躍
どのお話もすべて良かったです。
短いお話の中に
重いドラマが含まれていました。


薬丸さんの作品には
いつもドラマがありますよね
人間がしっかり描かれているというか。
犯罪者とか被害者というくくりだけでなく
事件の背後に見え隠れする
真実をしっかり描いてくれるので
そういう姿勢が好きです。
そうはいっても、重くて、考えさせるもの多いんですけどね。


最終章の
「刑事の約束」は
まなざしで
描かれている
「オムライス」の少年のその後の話です。
夏目さんの娘のその後も描かれます。
娘さんの状況に進展がみえたのは素直にうれしかったのですが
その後に待ち受ける現実は
いろいろ大変だと思います。
オムライスの少年の心の叫びもつらかったですね。
でも
読後感は
悪くありませんでした
希望を感じるからかな

「終の住処」も
親子の情愛に
胸がつまりました
認知症になっても
桐のタンスを愛するおばあさんの姿に
うるうるきます。
いつまでたっても親は親であるんだな・・・。

けいじのやくそく218878-1

椎名桔平主演で
『刑事のまなざし』はドラマ化されたみたいだけど
みていないんですよね
残念



あの頃、君を追いかけた

あの頃、君を追いかけた (2011    台湾)

那些年,我們一起追的女孩
YOU ARE THE APPLE OF MY EYE

監督:
ギデンズ・コー
製作総指揮:
アンジー・チャイ
原作:
ギデンズ・コー
脚本:
ギデンズ・コー
撮影:
チョウ・イーシェン
音楽:
クリス・ホウ
出演:
クー・チェンドン
(コー・チントン/コートン)
ミシェル・チェン
(シェン・チアイー)
スティーヴン・ハオ
(シエ・ミンハ)
イェン・シェンユー
(シュー・ボーチュン)
チュアン・ハオチュアン
(ツァオ・グオション)
ツァイ・チャンシェン
(リャオ・インホン)
フー・チアウェイ
(フー・チアウェイ)


台湾の人気作家ギデンズ・コーの自伝的小説を原作者自ら監督を務めて映画化。

1994年、台湾中西部の町、彰化(しょうか)。
高校生のコートンは、友達と馬鹿なことばかり。
一方、クラスの優等生チアイーは
そんな彼を叱ったり、呆れたりしていたが
在る出来事をきっかけに、気持ちに変化が起きる。
やがて別々の大学に進み、離れ離れとなるが・・・




感想


台湾映画・・久しぶり~~だわ
そもそも、台湾の青春映画って
「藍色夏恋」以来かも・・・。

この手の映画は、やっぱり、自分自身の青春時代も思い出したりできるので
観ていてキュン・・・とします。
良いですね・・さわやかで。
まあ、こんな素敵な想い出など
なかなかなかったんですけど・・・・・笑



台湾の大学入試って
卒業してから・・・あるんですね。


優等生の彼女
落ちこぼれの彼氏・・

人生に無駄になることはないといって
一生懸命勉学にいそしむ彼女。
一方の彼の方は、授業態度もふまじめで、好き放題で今の時を過ごしている・・・

男性の方が観たらどうなのかな。
高校の男の子って、そういうものよ・・・・・って
より身近に感じるのかな。
下ネタも多いんだけど、その感覚、ノリ・・・は、女性では理解できない部分だからね。
でも観ていて不快感はなかったけど。
元気いっぱいなのね・・・って思っただけで・・・・笑


彼女が彼のふとした優しさ(忘れた教科書を貸してくれて、自分が罰を受けた・・・)から
妙に気になる存在になり・・・

彼のもつ、幼稚さが、次第にいとおしくなり・・・・
面倒見たくなり・・・


・・・と、彼女がだんだんと彼に惹かれていく様子、良かったですよ。
あ~~~わかるな・・・・・って思いながら微笑ましく観ていました。

彼が坊主になって彼女もポニーテールになるところなんか・・・
彼女の心情がわかってしまい、なんて可愛らしいんだ・・・って思っちゃいました。

私は女性だから
高校生の女の子の気持ちはよくわかったんだけど、
高校生の彼にとっては
彼女の気持ち・・・を推測するのは、
ハードル高すぎだよね。
同い年の場合、女の子の方が精神年齢高くなるのはしょうがないし・・・・。

グループ交際どまりになってしまって
なかなか前に進まなかった感じだったけど
あれで、
男の子の方が、ちょっと強引にグワ~~ンと迫ったり・・・笑
気の効いた言葉の1つでも言っていたら
その後の付き合い方もまた
かわっていたかもしれないよね。
彼は、自分は彼女のことが好きで、追いかけさせてよ・・・・みたいな
考え方だったけど、
彼女の方は聞いてほしかったんじゃあないのかな、自分の気持ち。
「お前は俺のことをどう思っている?」って・
はっきり聞いてほしかったんだと思うよ。


こういう形であったからこそ、
いい想い出が2人に残ったんじゃあないのかなとは思うけど。
かりに、付き合って、ドロドロ、ボロボロになって別れた2人になっていたら
数年後、結婚式には呼べないと思うからね。

未熟だったからこそ、せつなくって
キラキラした想い出になっていったんだろうしね。


世の中の
いろんなものに
もまれてしまった私なんかにしてみれば
こういう青春映画は
心が洗われますわ。


ラストの
結婚式に場面・・・
観た人それぞれ、いろんな思いを抱くんじゃあないのかな。
もしもあのときこうしていれば・・・・・・的な
映像だったので
自分自身の過去を引き合いに出しちゃうかもね。


監督の自伝的な話って聞いたけど、
素敵な想い出をもっていて、
かつ作品に仕上げちゃうなんて
幸せな方だな・・・って思いました。

あ・・・
主人公の男の子
裸で家庭生活していたけど、男の子のいる家庭って
実際どうなのかな。
母親は関係なく、結構開けっ広げのかな。
いや・・・・こんな生活習慣は、この映画だけだよね・・・・・笑



あこころきみをanokoro

代償  著  伊岡  瞬

代償  著  伊岡  瞬


圭輔は火事で両親をなくす。
遠縁の親子に世話になることになる圭輔。
同じ年の達也、継母の道子。
しかし、達也も道子もとんでもない人だった・・・


感想


新聞の書評でみつけて、初めての作家さんでしたけど読んでみました。


ミステリーです。
面白かったのですが
気分悪~~~~です・・・・・笑


それは、胸糞悪い、登場人物がいたからですね。



まず・・・
達也・・とんでもない悪です。
小学生から性格ねじれています。
継母の道子と、関係しています・・・・驚

自分では手を下さず悪いことばかりするんですよ。
逃げ道を用意しているんですよね。
俺は関係ないって・・・。
相手に精神的なダメージを与えて
その姿をみることを、喜びとしている奴です。
相手の幸せをみると、むかつくみたい。

中学生を卒業するまで
粗悪な達也との関係は続くのですが
知り合った友達
によって、助け出されます。


やがて圭輔は弁護士となり在る事件の容疑者である
達也と再び出会うことになります。

後半は
事件の真相解明。
二転三転します。


結局悪い奴は
それなりの報復を受けるってことですが
こいつの(失礼、達也ね)犯した数々の行為が
もう・・・・むかむかしていたので
早くどうにかしてほしかったです。


圭輔の母親にも手を出していたんでしょ?
そんな小学生ってどうよ・・
また中学に入学してからであった女の子
結局、暴行されて、転校してあげくに
早死にで、むくわれないわ。

圭輔のあの家庭環境で
やがて弁護士にまでなるって言うのは
ちょっと無理じゃないか・・・って思うけど(勉強はできたけど、
実際、大変だよね)
お話としては、立場が違っての再会は面白かったですね。

ちょっと説明的な部分が多くて
あれよあれよ…の間に、ことが起きてしまっているって
印象でした。
一気読みできる作品ですよね。

代書9784041107102
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  • Author:みみこ
  • レイフ・ファインズ好き
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