怒り(2016)
上映時間 141分
製作国 日本
監督: 李相日
製作: 市川南
エグゼクティブプ
ロデューサー: 山内章弘
プロデューサー: 臼井真之介
ラインプロデュー
サー: 鈴木嘉弘
共同製作: 中村理一郎
弓矢政法
川村龍夫
高橋誠
松田陽三
吉村治
吉川英作
水野道訓
荒波修
井戸義郎
企画・プロデュー
ス: 川村元気
原作: 吉田修一
『怒り』(中央公論新社刊)
脚本: 李相日
撮影: 笠松則通
美術: 都築雄二
坂原文子
編集: 今井剛
キャスティング: 田端利江
音楽: 坂本龍一
音楽プロデューサ
ー: 杉田寿宏
サウンドエフェク
ト: 北田雅也
スクリプター: 杉本友美
ヘアメイク: 豊川京子
衣裳デザイン: 小川久美子
照明: 中村裕樹
録音: 白取貢
助監督: 竹田正明
プロダクション統
括: 佐藤毅
出演: 渡辺謙 槙洋平
森山未來 田中信吾
松山ケンイチ 田代哲也
綾野剛 大西直人
広瀬すず 小宮山泉
佐久本宝 知念辰哉
ピエール瀧 南條邦久
三浦貴大 北見壮介
高畑充希 薫
原日出子 藤田貴子
池脇千鶴 明日香
宮崎あおい 槙愛子
妻夫木聡 藤田優馬
「悪人」の李相日監督が再び吉田修一の小説を原作に、実力派俳優陣の豪華共演で贈るヒューマン・ミステリー・サスペンス。残忍な殺人事件が発生し、犯人が逃亡して1年後、千葉・東京・沖縄に現われた前歴不詳の若い男3人が、やがてその土地で新たな愛を育んでいく中、真犯人を巡る謎と犯人ではとの疑念が思わぬ波紋を周囲に広げることで生じるそれぞれの葛藤のドラマを描き出す。出演は渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮崎あおい、妻夫木聡。
八王子で残忍な夫婦殺人事件が起こるが、犯人の行方は杳として知れず、整形して日本のどこかで一般の市民に紛れて逃亡生活を送っていると見られていた。事件から1年後、千葉・東京・沖縄に素性の知れない3人の青年が現われる。歌舞伎町の風俗店で働いているところを発見され、千葉の漁港で働く父・洋平に連れ戻された愛子。漁港にふらりと現われ働き始めた青年・田代と恋に落ちるが…。東京の大手通信会社に勤めるゲイの優馬は、クラブで出会った直人を気に入り家に連れ帰るが…。母に連れられ、東京から沖縄の離島に引っ越してきた高校生の泉は、無人島に1人で住みついている謎めいたバックパッカー田中に心惹かれていくが…。そんな中、TVでは1年前の事件に関して逃亡中の犯人の情報を求める公開捜査番組が放送されていたのだが…。
<allcinemaより引用>
感想
こういう映画で面白かったという感想をもってしまうのは
不謹慎ではあるけれど、
ぐ~~とひき込まれて見ごたえあったという点ではやっぱり第一声でそういう言葉が出てきてしまうわ。
もちろん、きつい場面も多いし
やりきれない部分もあるので
けっして楽しい時間ではなかったけど、観て良かった作品でした。
いろいろ考えさせられることも多かったしね。
俳優さんみなさん熱演でしたよね。
この映画の配役が発表されたとき、あまりの豪華さに驚いたもの(笑)
主役級の人がバンバン出演しているんだものね。
物語は一つの事件をめぐる
それぞれの人間模様。
サスペンスといよりは、ヒューマンストーリーでした。
事件そのものが
異様だったので
(「怒り」という文字が血で描かれていた・・)
それってどうして?
どういう心境であんな風に?
という疑問は
最後に犯人がわかったあとも
悶々とするところはありました。
世の中全てに怒りを持っているって片づけてしまえば簡単だったけれど、
やっぱり、親切にしてくれた奥さんを殺すって一般的に理解できない範囲だろうし、奥さんに見下されているから衝動的に
走ったのかと解釈しても、だからってあんなに残忍に?とわけわからないところなんですよね。
まあ、この映画はそこが主題でなくあくまでも
「信じることの難しさ」がメインなので、そこにこだわってしまったら、いけないというのは重々わかったゆえでの
あえての感想です。
そして問題の3つのお話ですよね。
どれも、違ったシチュエーションで、私だったらどうかな・・・・という思いをそれぞれのストーリー上で感じました。
東京編。
ゲイカップルのお話。ゲイ同士という形ではありましたけれど、人が人を思う気持ち、
この2人は本物だったと思うので真剣に入り込むことができました。ちなみにここまでやったのね・・・という驚きは
ありましたけれど。妻夫木君があんなこんな~~~と。
妻夫木君の立場、わかるな~~。あの状況で綾野君を信じるって難しいでしょ?ほくろまであるし~~(笑)似すぎ。
綾野君が過去を話さなかったのは、やっぱり余命の問題があるからなんじゃあないのかな。
負担になりたくないという気持ち。そういうことあとからいろいろわかったあとで、二人のお墓に関する会話とか
妻夫木君の母親に対する綾野君の態度とか、を遡って考えると、せつなさで胸が締め付けられますよね~~
あとからぐっとくるストーリーでした。
千葉編。
あおいちゃんかな・・・この物語は。ちょっと人とは違う愛子を上手に演じていたと思います。
可愛かったです。物語は良い方向に向かったので(唯一)ほっとしました。
だけど、なんで松山君逃げるかな~~~。事情があるにしろ、もっと愛子に信じてくれって訴えればよいのに。
こそこそしすぎだよ。綾野君とは事情が違うから、そう思いました。
沖縄編
ここは、沖縄少年が不憫で・・・・。
すずちゃんも、被害者だから可哀想なんだけれど、沖縄少年が追い詰められるところが
より一層不憫で。信じていたものに裏切られるって、相当のショックだろうなって。気持ちがわかるかな~~
信じられない気持ち
信じて裏切られる気持ち・・
人として誰かとかかわって生活していくってことは
そういう葛藤する気持ちって
たくさんあるものね。
感情もたなく、人に関心もたなかったら
そんなこと必要ないわけだしね。
最近は
信じるっていう前提より
疑ってかかるっていうことのほうが
よいのかもって思える世の中になっているような気がするから
余計
この映画のテーマはこたえましたわ
邦画も頑張っているよね