寝ても覚めても (2018 邦画)
監督: 濱口竜介
脚本:田中幸子、濱口竜介
原作:「寝ても覚めても」柴崎友香(河出書房新社刊)
東京。
丸子亮平は勤務先の会議室へコーヒーを届けに来た泉谷朝子と出会う。
ぎこちない態度をとる朝子に惹かれていく亮平。真っ直ぐに想いを伝える亮平に、戸惑いながら朝子も惹かれていく。
しかし、朝子には亮平に告げられない秘密があった。
亮平は、2年前に朝子が大阪に住んでいた時、運命的な恋に落ちた恋人・鳥居麦に顔がそっくりだったのだ――。
5年後。
亮平と朝子は共に暮らし、亮平の会社の同僚・串橋や、
朝子とルームシェアをしていたマヤと時々食事を4人で摂るなど、平穏だけど満たされた日々を過ごしていた。
ある日、亮平と朝子は出掛けた先で大阪時代の朝子の友人・春代と出会う。
7年ぶりの再会。
2年前に別れも告げずに麦の行方が分からなくなって以来、
大阪で親しかった春代も、麦の遠縁だった岡崎とも疎遠になっていた。
その麦が、現在はモデルとなって注目されていることを朝子は知る。
亮平との穏やかな生活を過ごしていた朝子に、麦の行方を知ることは小さなショックを与えた。
一緒にいるといつも不安で、でも好きにならずにいられなかった麦との時間。
ささやかだけれど、いつも温かく包み、安心を与えてくれる亮平との時間。
朝子の中で気持ちの整理はついていたはずだった……。
【出演】
東出昌大 唐田えりか 瀬戸康史 山下リオ 伊藤沙莉 渡辺大知(黒猫チェルシー)/仲本工事/田中美佐子
<amazonnより、あらすじ引用>
感想
主演二人の、あんなこと、こんなことがあった作品なので、なかなかに
正統な評価されないのかも、しれないですよね。どうにもこうにも、頭をよぎってしまうしね。
なにせ、まんま二人の恋愛映画だもん(笑)
ということで、そういう現実のめんどくさい関係はなしにしての、感想としては、面白かったです
ただし、共感とは別物という感じで・・・・(笑)
これ、主人公朝子に、共感はしずらいですよね(行動について・・・)。まあ、多少女性として、わからなくはない・・・という部分はあるものの
う~~ん、やはり、おいおい、それはないよな~~~って同じ女性でも思ってしまうもの。
だからお友達の山下リオちゃんとか(東京でのお友達) 伊藤沙莉ちゃん(大阪時代のお友達)の言い分というか
劇中でのセリフなんかの方が、そうだよね~~~、そう言っちゃうよね・・と変にすと~~んと、腑に落ちたものね
原作は未読だけど、どうなのかなあ。震災の描写とか友人の病気なんかも原作通りなのかしら。
そこの分が、変に気になってしまったかなあ。
元カレの麦(ばく)、いやいや、まったく、惹かれないねえ・・・私はと思った次第。
例えそれが、東出さんという容姿でなくとも。そもそも、東出さんの容姿には惹かれん(笑)
だから、寝ても覚めても・・・この人に?そうなんだ・・と、一歩引いた感じでみてしまうところ多かったです。
亮平は、ものすごく性格いいよね。
だって、朝子が自分と似た人と過去に出会っていたから、自分と付き合うようになったかもって
薄々わかっていたわけでしょ?
朝子がこうこうこういう理由で、付き合い始めたって告白した時、お皿、ふきふきした時だね。
そんなのわかっていたって、言ってたもんねえ。
それでも、朝子との出会いのきかっけになったのだから、許すというか、気にならないって。
まあ、普通、言えないわ・・そんなこと(笑)
ちょっとは、複雑な気分ではあったろうけど、それも隠していたかもしれないけれど、言えません。
そんなに寛容な男っているのかなあ。でも、似たような容姿に惹かれるって
そういう事例はあるのかあ~~(私はないけど)。好みって統一はしているもんなあ。
しかし、そんな亮平も。
突然現れた麦の手を取って、す~~~と、タクシーに乗り込む朝子・・・・を、(これはビックリ・・・・(笑))みてしまっては、
その後、なかなか、許せなかったのは、当然としては当然。
麦と逃避行している最中
山下リオちゃんにさあ、「荷物なんか捨てていいよ、戻らないから」とまあ、
大見え切っているのに、まあ、のこのこ、戻ってきて・・・・(笑)
麦と別れる時も、いかれへん・・・・
そうか、じゃあ、バイバイ・・・って、なんで~~~~と、その流れに、思ってしまったわ。
あまりにも唐突だし
軽いし・・・。
そこに愛はあるんかい・・って、大地真央なら絶対言っている・・・(笑)
そういう意味では本当、そういう、理解に苦しむ描写も多かったけど
でも、面白かったのよね。
それって、見終わった後、ああだ、こうだと、言い合えることがあるからだと思うのよね。
他人の感想も気になってしまうからなのかなって思ったかな
なんていうのか、そもそも、このお話自体、ふわ~~としていて
現実味あるようなないような、どこか、ファンタジックな、そんな印象の作品だったかなあ。
つまらないわけでなく
むしろ、見入ってしまう要素がたくさん詰まっていて、癖になるっていうか。
麦っていう存在、なんだか、現実にはいないようなそんな雰囲気だったし。
朝子も、何考えているかわからなく、無表情で、ぽつり、ぽつりだし。
そこが演技ダメ~~って指摘されているところなんだろうけど、逆に、わからないな・・・この人?という
妙な気分にもなっていたような気もするわ。
結局さあ、人を好きになるって理屈ではないから
私が、おいおい!!、ないない!!、と、いう事柄すべてにおいても、それは
私の価値観のみであって。人によってはそれはあり・・・ということなんだということなんだろうかなあ。
朝子は、自分の感情に素直に行動しているわけで、麦もそういう意味では、同じ部類なわけで。
だからこそ、前半の相性、抜群の二人が存在しているわけだろうねえ。
で、朝子はきっと、亮平によって、一段違う世界にいったんだよ。
やはり、麦っていうのは、幻じゃあないの?
いわゆる、朝子が生み出した理想の男、的なねえ・・・
亮平は、現実的に地に足付けた生活していて、とてもリアルなものを感じていたけど、
麦にはなかったし。まあ、恋は、ある意味、ふわふわした、世界での出来事のようなものだから
いろいろあって、朝子は現実の世界にも戻ったっていうことよねえ。
まあ、戻ってきてそれを受け入れる亮平も
それはそれで、今後大変だとは思うけど。
ラストのセリフ。
2人で川をみているとき、のね
亮平は汚いと
朝子は、きれいと・・。
それでも生活していくんだって…思った・・・けど。
また違った関係性になるよね・・・