明日、君がいない
明日、君がいない (2006 オーストラリア)
監督: ムラーリ・K・タルリ
製作: ニック・マシューズ
ケント・スミス
ムラーリ・K・タルリ
製作総指揮: ジーン・エンジェラ
ゲイリー・ハミルトン
スティーヴン・ノリス
ニック・セルス
ディーン・オフラハーティ
脚本: ムラーリ・K・タルリ
撮影: ニック・マシューズ
音楽: マーク・チャンズ
出演: テリーサ・パーマー メロディ
ジョエル・マッケンジー ショーン
クレメンティーヌ・メラー ケリー
チャールズ・ベアード スティーヴン
サム・ハリス ルーク
フランク・スウィート マーカス
マルニ・スパイレイン サラ
成績優秀な高校生マーカス・・・一流弁護士の父親を尊敬している彼。
両親の期待に応えたいという思いから、日々ストレスをかかえる毎日。
彼の妹メロディ・・・・動物を愛し子どもを愛する心優しい女の子。
両親は兄ばかりを可愛がると思い、疎外感を感じていた。
そして、誰にもいえない秘密をかかえることに・・・。
スポーツマンのルーク・・・“学校は弱肉強食のジャングルだ”という価値観。
勉強なんか何の意味もない・・・・。弱いものを平気でいじめる・・・。
でも彼も誰にもいえない秘密をかかえている。
イギリスから移住してきた片脚が悪いスティーヴン・・・彼は生まれつき尿道が2つあり
自分でもわからないうちに漏らしてしまう。そのためいじめの対象に。
でも両親たちには心配かけまいと秘密にしている。
長髪でゲイのショーン・・・・ゲイを公表することで学校では
いじめの対象に。家族からも理解を得られていない孤独感でいっぱい。
結婚を夢見るサラ・・・・ルークの恋人。でも
ルークの心がわからず、いつも不安。
感想 ムラーリ・K・タルリ監督のデビュー作。
この作品を制作した過程が紹介されていました。
・・・友人を自殺で失った半年後、自らも人生に絶望して自殺の道を選ぶが、幸いにも一命を取り留めたのをきっかけに、弱冠19歳で本作の製作に取り組み、2年の歳月をかけて完成・・・・
映画を観終わって、↑の事実を知り、
メッセージ性の強い映画なのは、こういうわけがあったからなのね・・・とあらためて
感じました。
同じように、大切な人を突然失ってしまった経験がある人ならば
より一層、衝撃度の大きい、忘れられない作品になると思います。
自分の思いと照らし合わせて、複雑な心境になるのではないかな・・・
映画は、ただ、黙ってふと、人一人がいなくなってしまうことを淡々と描いていました。
登場人物6人がそれぞれに悩みをかかえています。
インタビュー形式でその内容が語られます。
人には言えない悩み・・
皆が孤独感でいっぱいです。
誰が結局結論を出すのだろう・・・・。
映画は冒頭に誰かが死んでしまうという
結論をだして・・そこから遡った形で展開されていくので
否応無しにも、誰が死んでしまうのだろう・・・・という部分を気にかけながら
映画を観ることとなってしまいます。
でも、途中から気付いてしまいました。
・・・意外な人物なんだろうと。
でもこの意外な人物にしたことにこの映画の意味=強いメッセージが
あるんでしょうね。
いつでもそうですが、
自殺をすることの理由は
他人が判断できるものではないと思います。
他人から見て、その人がかかえている悩みの大きさって
判断できないから。
ある人にとっては大きいな事でも
また別に人にとってはたいしたことでもなかったり・・
乗越えられる事柄はその人、その人で違ってくると思うから・・・
そして、一番の分かれ目は、命に対しての、生きることに対しての
本人の意識の問題だと思います。
でも、思春期って一番の揺れどころ。
もう少し待ってみたら
また別の道が開けるかもしれないのに、
自分にとってはこの時期、この瞬間が、人生の全てであり、
すぐに結論だしてしまわないといけないような錯覚に陥ってしまうんですよね。
潔癖であり、純粋であり・・無邪気であり、
幼くあり、駆け引きなしで・・・
そんな若者だからこそ、死もまた身近に感じてしまうのだと思います。
中高年のそれとはまた違うんですよね。
明確な理由もまたなく、行動を起こしてしまうということもあろうかと
思います。
少なくとも、この映画の場合、自殺したものの
明確な理由は、観る人にはわかりません。
彼女にとっては助けてもらいたいと思うほどの深刻な悩みが
あったのだろうけれど、それは、語られていないのです。
変わらない毎日。
そこにその友達がいることが当然と思っていた毎日。
それが崩れ去ってしまうときの衝撃って、それはそれは想像できないほど大きいと
思うんですよね。
まして、その気配にまったくといって、気付いていなかったのなら。
きっと自分を責めてしまうに違いありません。
なぜ、僕は・・私は・・気付けなかったのだろうかと・・・。
同じような経験をしたことはない私にとっても
この映画を観ながら、いつのまにかクラスの一員をなってしまっていたので
その衝撃は大きかったです。
まして、自殺にいたるまでの
描写もかなり長かったので、どうしていいかわからなくなってしまった
ところもあります。せつなかったです。
映画の手法は、ほとんどの人がおっしゃっているように
エレファントに似ています。
クラッシック&新緑の葉っぱのゆれ・・など、自然描写に重点を置いている点。
時間の流れを組み替えて、同じ場面を何回も映し、それぞれの生徒たちの視点でとらえるということ。
確かにどこかでみたことがある・・・ということは
分が悪いかもしれませんね。
でも、その手法が嫌いなわけでなく、
むしろ、同じく効果的に使われていたのだから
よかったのではないかと好意的に受け取っています。
それぞれに良い点があるので比べちゃあ悪いでしょう。
映画の内容を、自分に聞き寄せて考えることができたし、
また主人公たちに、入り込みやすい部分も多多あったので
とても興味深くみることができたと思います。
ただ一つ。
6人のかかえている悩みの中で、
いかにもというか・・・パターン化しているようなものも
感じられたのが気になったかな。
重くて、せつないのですが
観てよかったと思える一本でした。
次回作が楽しみです。
それにしても・・マーカスひどすぎだな・・・・¥・¥・\\
原題になっている「2:37」とは
命を絶った時間ですね。観終わった後で知るとこれもインパクトあります。

監督: ムラーリ・K・タルリ
製作: ニック・マシューズ
ケント・スミス
ムラーリ・K・タルリ
製作総指揮: ジーン・エンジェラ
ゲイリー・ハミルトン
スティーヴン・ノリス
ニック・セルス
ディーン・オフラハーティ
脚本: ムラーリ・K・タルリ
撮影: ニック・マシューズ
音楽: マーク・チャンズ
出演: テリーサ・パーマー メロディ
ジョエル・マッケンジー ショーン
クレメンティーヌ・メラー ケリー
チャールズ・ベアード スティーヴン
サム・ハリス ルーク
フランク・スウィート マーカス
マルニ・スパイレイン サラ
成績優秀な高校生マーカス・・・一流弁護士の父親を尊敬している彼。
両親の期待に応えたいという思いから、日々ストレスをかかえる毎日。
彼の妹メロディ・・・・動物を愛し子どもを愛する心優しい女の子。
両親は兄ばかりを可愛がると思い、疎外感を感じていた。
そして、誰にもいえない秘密をかかえることに・・・。
スポーツマンのルーク・・・“学校は弱肉強食のジャングルだ”という価値観。
勉強なんか何の意味もない・・・・。弱いものを平気でいじめる・・・。
でも彼も誰にもいえない秘密をかかえている。
イギリスから移住してきた片脚が悪いスティーヴン・・・彼は生まれつき尿道が2つあり
自分でもわからないうちに漏らしてしまう。そのためいじめの対象に。
でも両親たちには心配かけまいと秘密にしている。
長髪でゲイのショーン・・・・ゲイを公表することで学校では
いじめの対象に。家族からも理解を得られていない孤独感でいっぱい。
結婚を夢見るサラ・・・・ルークの恋人。でも
ルークの心がわからず、いつも不安。
感想 ムラーリ・K・タルリ監督のデビュー作。
この作品を制作した過程が紹介されていました。
・・・友人を自殺で失った半年後、自らも人生に絶望して自殺の道を選ぶが、幸いにも一命を取り留めたのをきっかけに、弱冠19歳で本作の製作に取り組み、2年の歳月をかけて完成・・・・
映画を観終わって、↑の事実を知り、
メッセージ性の強い映画なのは、こういうわけがあったからなのね・・・とあらためて
感じました。
同じように、大切な人を突然失ってしまった経験がある人ならば
より一層、衝撃度の大きい、忘れられない作品になると思います。
自分の思いと照らし合わせて、複雑な心境になるのではないかな・・・
映画は、ただ、黙ってふと、人一人がいなくなってしまうことを淡々と描いていました。
登場人物6人がそれぞれに悩みをかかえています。
インタビュー形式でその内容が語られます。
人には言えない悩み・・
皆が孤独感でいっぱいです。
誰が結局結論を出すのだろう・・・・。
映画は冒頭に誰かが死んでしまうという
結論をだして・・そこから遡った形で展開されていくので
否応無しにも、誰が死んでしまうのだろう・・・・という部分を気にかけながら
映画を観ることとなってしまいます。
でも、途中から気付いてしまいました。
・・・意外な人物なんだろうと。
でもこの意外な人物にしたことにこの映画の意味=強いメッセージが
あるんでしょうね。
いつでもそうですが、
自殺をすることの理由は
他人が判断できるものではないと思います。
他人から見て、その人がかかえている悩みの大きさって
判断できないから。
ある人にとっては大きいな事でも
また別に人にとってはたいしたことでもなかったり・・
乗越えられる事柄はその人、その人で違ってくると思うから・・・
そして、一番の分かれ目は、命に対しての、生きることに対しての
本人の意識の問題だと思います。
でも、思春期って一番の揺れどころ。
もう少し待ってみたら
また別の道が開けるかもしれないのに、
自分にとってはこの時期、この瞬間が、人生の全てであり、
すぐに結論だしてしまわないといけないような錯覚に陥ってしまうんですよね。
潔癖であり、純粋であり・・無邪気であり、
幼くあり、駆け引きなしで・・・
そんな若者だからこそ、死もまた身近に感じてしまうのだと思います。
中高年のそれとはまた違うんですよね。
明確な理由もまたなく、行動を起こしてしまうということもあろうかと
思います。
少なくとも、この映画の場合、自殺したものの
明確な理由は、観る人にはわかりません。
彼女にとっては助けてもらいたいと思うほどの深刻な悩みが
あったのだろうけれど、それは、語られていないのです。
変わらない毎日。
そこにその友達がいることが当然と思っていた毎日。
それが崩れ去ってしまうときの衝撃って、それはそれは想像できないほど大きいと
思うんですよね。
まして、その気配にまったくといって、気付いていなかったのなら。
きっと自分を責めてしまうに違いありません。
なぜ、僕は・・私は・・気付けなかったのだろうかと・・・。
同じような経験をしたことはない私にとっても
この映画を観ながら、いつのまにかクラスの一員をなってしまっていたので
その衝撃は大きかったです。
まして、自殺にいたるまでの
描写もかなり長かったので、どうしていいかわからなくなってしまった
ところもあります。せつなかったです。
映画の手法は、ほとんどの人がおっしゃっているように
エレファントに似ています。
クラッシック&新緑の葉っぱのゆれ・・など、自然描写に重点を置いている点。
時間の流れを組み替えて、同じ場面を何回も映し、それぞれの生徒たちの視点でとらえるということ。
確かにどこかでみたことがある・・・ということは
分が悪いかもしれませんね。
でも、その手法が嫌いなわけでなく、
むしろ、同じく効果的に使われていたのだから
よかったのではないかと好意的に受け取っています。
それぞれに良い点があるので比べちゃあ悪いでしょう。
映画の内容を、自分に聞き寄せて考えることができたし、
また主人公たちに、入り込みやすい部分も多多あったので
とても興味深くみることができたと思います。
ただ一つ。
6人のかかえている悩みの中で、
いかにもというか・・・パターン化しているようなものも
感じられたのが気になったかな。
重くて、せつないのですが
観てよかったと思える一本でした。
次回作が楽しみです。
それにしても・・マーカスひどすぎだな・・・・¥・¥・\\
原題になっている「2:37」とは
命を絶った時間ですね。観終わった後で知るとこれもインパクトあります。

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