ミリオンダラー・ベイビー・・・・・・ややネタバレあり・・
ミリオンダラー・ベイビー
未見の人はごめんなさい・・・。
(2004 アメリカ)
監督 クリント・イーストウッド
出 クリント・イーストウッド(フランキー)
ヒラリー・スワンク(マギー)
モーガン・フリーマン(スクラップ)
ジムを経営する孤独なトレイナー、フランキーの元に
31歳のボクサー志望のマギー(ヒラリー)が訪ねてくる。
自分のトレイナーになってほしい・・・初めは拒否していた
フランキーだが、彼女の熱意に負けて、条件付で承諾する。
自分の指示には口答えすることなく素直に従うこと・・
常に自分を守ることをすること・・・・。
彼女はめきめき頭角が表れ、勝ち進んでいく。同時に同じ
孤独を抱える身同士、親子にも似た愛情関係が築き上げられていく。しかし、2人の前に衝撃的な出来事が待ち受けていた。
感想 本年度(第77回)アカデミー賞、作品、監督、主演女優、助演男優賞受賞作品です。
賞に値するだけある作品だったと思います。
シンプルな音楽を最小限につかい(ギターでした)
登場人物たちの心の結びつきを、きめ細かく描いていったところに、とても好感もてました。
セリフ一つ一つとってみても、とても味があるものばかりです。
モーガン・イーストウッドの二人においては、年齢からでしょう・・人生の重みを感じる言葉を聞くことができ、ヒラリー・スワンクにおいては、情熱に満ちた言葉の数々を聞くことができました。この3人のコンビネーションもまた見所の一つで
あるでしょうね。
物語はモーガン・フリーマン扮するスクラップの語りで進められます。
これがなかなかいいですね。渋みのある声で、淡々と語る中に
フランキーの生き様に対する尊敬の念が感じ取れますし、
友情からくる彼の優しさ、思いやりが目一杯込められていたように思います。
ラスト30分は号泣きすることでしょう・・・と謳われていただけあって、後半は、前半のカラーとは
大きく違ってきてしまうのがこの映画の最大の特徴かと思います。
予備知識ない人は大いに驚くでしょうね。
その、衝撃の大きさがそのまま映画の感想になりえてしまうかと思います。作品の好み・・も後半で分かれますね。
作品の質が高いというのと好みとはまた別物だと
思いますからね。私はこの作品・・質は高いと思います。
前半も好きですよ。
ただやっぱり、最初から後半のみのカラーでいくのならば、心構えもあるぶんいいのですが、こう持ち上げていい気分になっておいてから崖から突き落とすような気分にさせる映画は
何度も観たくなる映画かというと、首を横に振ってしまいますね。いい映画ですが、好きにはなれないでしょう。
だって、やっぱり、せつなくて、つらかったから。
私、ボクシングというと、あしたのジョーを思い出すんです。
ジョーも力石も燃え尽きてしまっていましたが、ひどく
感動しましたもの。何かに一生懸命に情熱をかけられることって
素晴らしいと思ったし、それが青春だと思いましたから。
それが、まあ・・この映画も、似た分があって、当然好きな要素を秘めているってわかるんですが、結局、アニメじゃあないので、現実的に考えてしまうんです。そこの生身の人間がいる・・
人生悔いなく生きること・・・充実した人生・・・輝ける人生・・・孤独だった2人・・・愛を知った2人・・・。
だからこその納得にいく・・・ラスト。
ラブストーリーとしてみてくださいというとおり・・・2人の
関係は想像以上に胸打たれましたし、悔いなく生きることの素晴らしさも感じとりましたけれど、やはりあのラストへの
もっていきかたは気になるところ・・。
どうしてこそこまで、突き落とすの?っていう思いが
ぬぐいきれないのよね。
人生輝いたからいいじゃない・・・、悔いは残らないはず・・。
生きるってそういうこと?。愛を知ったからいいじゃない?
人生ってそういうこと?
なんだか、現実って結局つらいことばかりなんだよ。
神なんて、どこにもいないよ・・・みたいな発想を感じとってしまう自分が嫌でしたものね。
映画館の予告編ではかなり重要な場面を見せていたようで、察しがついていた人もいたことでしょう。私は
予告編は観ていなかったのですが、何かがあるっていうことは
聞いていましたし、前作(ミスティック~)がかなり不条理な展開だったこともあって、嫌な予感だけはしていました・・・笑
ボクシング・・・でしょう・・・それで衝撃な出来事・・といえば、おのずから待ち受けているものがわかってくるんですよね。
後半の衝撃的な出来事が明らかになった瞬間からも、どう展開していくかということが手に取るようにわかりました。
もちろん、細かい部分は別ですが、結論としては
ああなるだろうと・・・。
たぶん、重いものを用意してくるのだろうと思っていましたからね。単なるサクセスストーリーで終るはずがないと思っていましたもの。こう予想が当たるというのもある意味
不幸ではありますけどね。
2人の絆の強さがあったからこそ、ここで感動し、
涙腺も緩みだすのだと思います。
私は、察しがついた分、冷静に受け止めることができそれゆえ、泣くところまで至らなかったです。
また、いくつかの映画を観ている人ならお気づきでしょうが、
後半の展開・・テーマは、某映画と酷似しています。
後半のテーマにおいては、某映画でさんざん困惑させられたので
またなのか・・・という思いもどこかに浮かんでいて、
今回は、感情をセーブさせるカタチで観てしまったところが
ありました。もちろん、作品のカラーとしては別物ですが、
同じ時期に同系列な映画はきついですよ。
ましてや、この作品は、突き落とし型だし・・・。
しかし、この前半、後半の違いはやはり凄いです。
劇場の空気が一瞬にして変わってきましたからね。
前半、声こそ誰も出していませんでしたが、劇場の空気にはとても温かいものが流れていたんですよ。それって肌でわかるでしょ?でも後半からは、冷たい空気よ・・・・。なんだか、咳払い一つもできない重苦しい空気に変わってきて、息苦しかったですね。こうやって劇場の空気が一つになっていることは、最初から皆、集中してご覧になっていたかたが多かったってことでしょう。一斉に流れを変えさせることができる力が有る作品って
やっぱり、エネルギーがありますよね。
何回でもいいますが、質が高いからですよ。
前半が好きといいましたが、2人が絆を深めていく過程が
好きなんです。初め、マギーにはまったくかかわろうとしなかったフランキーが次第に心を開き、歩み寄っていく姿は、本当にいい・・・!!暗闇の中で握手を交わすシーンには、思わずジーンときてしまいました。
なぜ、あんなにも家族に疎外されているのかが
いまひとつわからなかったですし(だって、あまりにも
ひどいでしょ?憤り・・)フランキーと娘のこじれ方も
尋常ではないことから、とても気にはなります。
教会に足しげく通う姿を見ると、かなり信仰にはあついのだと思いますが、なにがそこまで彼を駆り立てているのかも
気になりました。それで、最後の決断ですよね。
信仰をもっているからこそ、苦渋の選択となりましたよね。
意外とあっさり描いていましたが、そのシンプルさが余計
重みを感じましたね。
神に対する批判とまではいきませんが、現実は神をも裏切ることがあるかもしれないとでもいっているようで、
そういう描き方をすることに、複雑な思いを感じました。
幸せな人生とはどういうものか・・・。夢に到達し、
輝く人生があるからこそ、あきらめもつく・・・?
でも、人生ってつらいときこそ、それを受け入れ、生き続けるというのも意義有ることだと思うのですけどね。
そういうことを考えればまた困惑の世界に突入するんでしょうね~~~。
前半部分は意外にもかなり感動した口なんですよ。
結構それで十分でしたけど。後半に関する思考能力は、見た瞬間はなかったです。
今感想書いていながら、湧いてきているけれど。。。
ヒラリー・スワンクは、光っていましたね。
女性のボクシングシーンは、「ガール・ファイト」の
ロドリゲス以来ですが、彼女よりは数段、迫力有るシーンを見せてくれましたものね。鼻血場面は思わず、顔をゆがめてしまいましたよ。今回、いい作品にめぐり合い、彼女の持ち味を充分
生かしてもらったということだと思います。他の作品・・色々出ているけれど、意外と光らない役も多いでしょう。でも今回
切羽詰った負け犬状態の女性って、本人自身の姿もあるのかな
リアルさが感じられて大変良かったです。
男性的な要素を持つ反面女性的な繊細さも持ち合わせていたでしょ。車の中で女の子に微笑むシーンなんて非常に愛らしかったですよ
スクラップとフランキーの靴下を巡るやりとりにしろ、レモンパイのシーンにしろ、モ・クシュラの意味にしろ、とにかく、
いい場面は多いです。ファンも多いはずです。
色々な感想が飛び交うかもしれませんが、これもまた
人生を考える映画としては良質なものなんでしょうね。

未見の人はごめんなさい・・・。
(2004 アメリカ)
監督 クリント・イーストウッド
出 クリント・イーストウッド(フランキー)
ヒラリー・スワンク(マギー)
モーガン・フリーマン(スクラップ)
ジムを経営する孤独なトレイナー、フランキーの元に
31歳のボクサー志望のマギー(ヒラリー)が訪ねてくる。
自分のトレイナーになってほしい・・・初めは拒否していた
フランキーだが、彼女の熱意に負けて、条件付で承諾する。
自分の指示には口答えすることなく素直に従うこと・・
常に自分を守ることをすること・・・・。
彼女はめきめき頭角が表れ、勝ち進んでいく。同時に同じ
孤独を抱える身同士、親子にも似た愛情関係が築き上げられていく。しかし、2人の前に衝撃的な出来事が待ち受けていた。
感想 本年度(第77回)アカデミー賞、作品、監督、主演女優、助演男優賞受賞作品です。
賞に値するだけある作品だったと思います。
シンプルな音楽を最小限につかい(ギターでした)
登場人物たちの心の結びつきを、きめ細かく描いていったところに、とても好感もてました。
セリフ一つ一つとってみても、とても味があるものばかりです。
モーガン・イーストウッドの二人においては、年齢からでしょう・・人生の重みを感じる言葉を聞くことができ、ヒラリー・スワンクにおいては、情熱に満ちた言葉の数々を聞くことができました。この3人のコンビネーションもまた見所の一つで
あるでしょうね。
物語はモーガン・フリーマン扮するスクラップの語りで進められます。
これがなかなかいいですね。渋みのある声で、淡々と語る中に
フランキーの生き様に対する尊敬の念が感じ取れますし、
友情からくる彼の優しさ、思いやりが目一杯込められていたように思います。
ラスト30分は号泣きすることでしょう・・・と謳われていただけあって、後半は、前半のカラーとは
大きく違ってきてしまうのがこの映画の最大の特徴かと思います。
予備知識ない人は大いに驚くでしょうね。
その、衝撃の大きさがそのまま映画の感想になりえてしまうかと思います。作品の好み・・も後半で分かれますね。
作品の質が高いというのと好みとはまた別物だと
思いますからね。私はこの作品・・質は高いと思います。
前半も好きですよ。
ただやっぱり、最初から後半のみのカラーでいくのならば、心構えもあるぶんいいのですが、こう持ち上げていい気分になっておいてから崖から突き落とすような気分にさせる映画は
何度も観たくなる映画かというと、首を横に振ってしまいますね。いい映画ですが、好きにはなれないでしょう。
だって、やっぱり、せつなくて、つらかったから。
私、ボクシングというと、あしたのジョーを思い出すんです。
ジョーも力石も燃え尽きてしまっていましたが、ひどく
感動しましたもの。何かに一生懸命に情熱をかけられることって
素晴らしいと思ったし、それが青春だと思いましたから。
それが、まあ・・この映画も、似た分があって、当然好きな要素を秘めているってわかるんですが、結局、アニメじゃあないので、現実的に考えてしまうんです。そこの生身の人間がいる・・
人生悔いなく生きること・・・充実した人生・・・輝ける人生・・・孤独だった2人・・・愛を知った2人・・・。
だからこその納得にいく・・・ラスト。
ラブストーリーとしてみてくださいというとおり・・・2人の
関係は想像以上に胸打たれましたし、悔いなく生きることの素晴らしさも感じとりましたけれど、やはりあのラストへの
もっていきかたは気になるところ・・。
どうしてこそこまで、突き落とすの?っていう思いが
ぬぐいきれないのよね。
人生輝いたからいいじゃない・・・、悔いは残らないはず・・。
生きるってそういうこと?。愛を知ったからいいじゃない?
人生ってそういうこと?
なんだか、現実って結局つらいことばかりなんだよ。
神なんて、どこにもいないよ・・・みたいな発想を感じとってしまう自分が嫌でしたものね。
映画館の予告編ではかなり重要な場面を見せていたようで、察しがついていた人もいたことでしょう。私は
予告編は観ていなかったのですが、何かがあるっていうことは
聞いていましたし、前作(ミスティック~)がかなり不条理な展開だったこともあって、嫌な予感だけはしていました・・・笑
ボクシング・・・でしょう・・・それで衝撃な出来事・・といえば、おのずから待ち受けているものがわかってくるんですよね。
後半の衝撃的な出来事が明らかになった瞬間からも、どう展開していくかということが手に取るようにわかりました。
もちろん、細かい部分は別ですが、結論としては
ああなるだろうと・・・。
たぶん、重いものを用意してくるのだろうと思っていましたからね。単なるサクセスストーリーで終るはずがないと思っていましたもの。こう予想が当たるというのもある意味
不幸ではありますけどね。
2人の絆の強さがあったからこそ、ここで感動し、
涙腺も緩みだすのだと思います。
私は、察しがついた分、冷静に受け止めることができそれゆえ、泣くところまで至らなかったです。
また、いくつかの映画を観ている人ならお気づきでしょうが、
後半の展開・・テーマは、某映画と酷似しています。
後半のテーマにおいては、某映画でさんざん困惑させられたので
またなのか・・・という思いもどこかに浮かんでいて、
今回は、感情をセーブさせるカタチで観てしまったところが
ありました。もちろん、作品のカラーとしては別物ですが、
同じ時期に同系列な映画はきついですよ。
ましてや、この作品は、突き落とし型だし・・・。
しかし、この前半、後半の違いはやはり凄いです。
劇場の空気が一瞬にして変わってきましたからね。
前半、声こそ誰も出していませんでしたが、劇場の空気にはとても温かいものが流れていたんですよ。それって肌でわかるでしょ?でも後半からは、冷たい空気よ・・・・。なんだか、咳払い一つもできない重苦しい空気に変わってきて、息苦しかったですね。こうやって劇場の空気が一つになっていることは、最初から皆、集中してご覧になっていたかたが多かったってことでしょう。一斉に流れを変えさせることができる力が有る作品って
やっぱり、エネルギーがありますよね。
何回でもいいますが、質が高いからですよ。
前半が好きといいましたが、2人が絆を深めていく過程が
好きなんです。初め、マギーにはまったくかかわろうとしなかったフランキーが次第に心を開き、歩み寄っていく姿は、本当にいい・・・!!暗闇の中で握手を交わすシーンには、思わずジーンときてしまいました。
なぜ、あんなにも家族に疎外されているのかが
いまひとつわからなかったですし(だって、あまりにも
ひどいでしょ?憤り・・)フランキーと娘のこじれ方も
尋常ではないことから、とても気にはなります。
教会に足しげく通う姿を見ると、かなり信仰にはあついのだと思いますが、なにがそこまで彼を駆り立てているのかも
気になりました。それで、最後の決断ですよね。
信仰をもっているからこそ、苦渋の選択となりましたよね。
意外とあっさり描いていましたが、そのシンプルさが余計
重みを感じましたね。
神に対する批判とまではいきませんが、現実は神をも裏切ることがあるかもしれないとでもいっているようで、
そういう描き方をすることに、複雑な思いを感じました。
幸せな人生とはどういうものか・・・。夢に到達し、
輝く人生があるからこそ、あきらめもつく・・・?
でも、人生ってつらいときこそ、それを受け入れ、生き続けるというのも意義有ることだと思うのですけどね。
そういうことを考えればまた困惑の世界に突入するんでしょうね~~~。
前半部分は意外にもかなり感動した口なんですよ。
結構それで十分でしたけど。後半に関する思考能力は、見た瞬間はなかったです。
今感想書いていながら、湧いてきているけれど。。。
ヒラリー・スワンクは、光っていましたね。
女性のボクシングシーンは、「ガール・ファイト」の
ロドリゲス以来ですが、彼女よりは数段、迫力有るシーンを見せてくれましたものね。鼻血場面は思わず、顔をゆがめてしまいましたよ。今回、いい作品にめぐり合い、彼女の持ち味を充分
生かしてもらったということだと思います。他の作品・・色々出ているけれど、意外と光らない役も多いでしょう。でも今回
切羽詰った負け犬状態の女性って、本人自身の姿もあるのかな
リアルさが感じられて大変良かったです。
男性的な要素を持つ反面女性的な繊細さも持ち合わせていたでしょ。車の中で女の子に微笑むシーンなんて非常に愛らしかったですよ
スクラップとフランキーの靴下を巡るやりとりにしろ、レモンパイのシーンにしろ、モ・クシュラの意味にしろ、とにかく、
いい場面は多いです。ファンも多いはずです。
色々な感想が飛び交うかもしれませんが、これもまた
人生を考える映画としては良質なものなんでしょうね。

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