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気をつけ、礼 。  著   重松  清

気をつけ、礼 。  著   重松  清


全6篇
「白髪のニール」
「ドロップスは神さまの涙」
「マティスのビンタ」
「にんじん」
「泣くな赤鬼」
「気をつけ、礼。」






感想   「青い鳥」がこんな先生居たらな~~と
思わせる作品ならばこちらは、先生だって1人の人間なんだ・・と
現実の厳しさを痛感させられるお話。
いいお話もあるけれど、苦い話も当然あるということ。


印象に残ったのは
「泣くな赤鬼」
これは涙無しには読めませんでした。
途中で話の展開が見えたとき、これはダメだな(私の気持ちが崩れそう・・という意味)
という予感がムクムク。

いわゆる病気物なのですが。
重松さんの、生死にかかわるお話はどれもリアルなので
読んでいて、つらいものも感じるんですよね。
あまり進んで読みたくないという思いも正直あります。
何も知らなかったので、読んでいくうちにしまった・・・と思ってしまいましたよ。
今回はこの病気ものに、
昔の先生との出会いが絡んで、心温まるお話になっていました。
学生のときは、先生なんてウザイ、学校なんて適当でいいんだ・・・と
思っていたけれど、いざ中退してしまい
その世界から離れると無性にその頃が懐かしい・・・。

赤鬼で通っていた厳しい先生。
でも、学校はなれて久々に会ってみると、自分があの頃、どんなに愚かだったことかと
思い知らされる。また赤鬼先生も先生で今は
あの頃のような情熱がすでになくなっている自分を寂しく感じていたりする。

両者が、何年かたった今だからこそ
心から分かり合える状況になったということ。
でもこういう流れは悲しすぎるな~~

「にんじん」
これも印象的な話。
主人公は先生。
彼は昔、ある生徒=自分ではにんじんとあだなをつけていた・・を
差別していたという話。
驚きと同時に、こんな先生いやだよ・・・と正直思いましたよ。
自分の生徒を、なんの理由もなく、嫌悪してしまうということ。
別に先生にこの生徒が何かしたというわけじゃないのに。
でも、先生だって人間だもの、
色んな感情が渦巻いているはず。そうわかっていてもやっぱり、ヤダよね。

同窓会で久々にあった、にんじんと呼ばれていた生徒の
言葉。・・強烈だった。
彼は色々わかっていたんですね。


「ドロップスは神さまの涙」
これは保健室登校してしまう子どもの話。
ずばりいじめ・・・。

けっして優しい言葉をかけてくれるわけじゃあないけれど、
先生の思いやりの数々にはホロリ。
いじめ場面はリアルだったな・・


最後の「気をつけ、礼。」 は
作者の実体験?と思わせていますけれど
どうかな。
この先生も、ずるいよね・・
親は許しているというけれど、やっぱり、お金を騙して取るというのは
どうでしょう・・・。




今年初の読書も重松作品から始まりました♪

i気をつけ
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