インターセックス   著 帚木 蓬生 

インターセックス   著  帚木 蓬生


贅沢な施設に高度な医療技術をもつ医師たちが集まるサンビーチ病院。
院長は岸川卓也。
ある医療裁判の法廷で、泌尿婦人科医の秋野翔子は岸川に出会う。
証言台での岸川の知識の豊かさに興味を覚えた翔子は
声をかけ、知り合いとなる。
その縁でサンビーチ病院で働くことになった翔子。
そこでは、性同一性障害やインターセックスの患者たちなどに
様々な最先端医療が行われていた。





感想   とても興味深い本でした。
現代医療の問題について、色々思うことありました。
今現代、どこまで、生殖の医療が進んでいるのかはわかりませんが、
近い将来ありゆるかも・・・と思わせるものがありました。
いままで、普通にお産して子どもを産んでという経過をたどってきたのですが、
世の中にはそうでない事例は沢山あるわけですよね。
いろんなケースがあり、子どもを産むという行為についても
いろんな考えがあります。
体外受精や、臓器移植、中絶の有無・・・、ダウン症について。
そして、ここでは、最大の問題として、インターセックスが取り上げられます。

インターセックスとは、(本文 309ページによると)

文字どおり男性と女性の中間に位置するさまざまな性を意味します。
人間の性は原始の時代から、男と女の二つに分類されてきました。宗教の世界でもこの二分法は
変わらず、旧約聖書ではアダムとイヴから人間の歴史が始まっています。
しかし、男と女に二分する方法は、全くの観念的なもので、自然界の現実を反映していないのです。



私は、こういう方がいるということを普段意識したことがなかったので
正直、ガツンときました。
物語の中では、患者さんの告白場面も用意されていて
かなりリアルな内容も描かれています。

知るということが大切・・・。初めてそう感じたかな。
実際、世の中、それで悩んでいる人もいるわけですよね。
性同一障害とはまた別のもの。
初めてのことばかりで、衝撃的でした。


女医の秋野先生の主張としては、早くから、手術、手術の生活にするのではなく
あるがままの姿で育てさせて、ある程度年齢がいって、性別を選択したいと本人が
主張したらそうしてあげるべき。またそのままでも良いというならそれもありだと。
二分するのではなく、男、女のまえに、人という意識を持てば良いと。
なるほど・・・。
こういった意識を皆が持てば、患者本人も生活しやすくはなりますよね。
ただ実際には、なかなか理解を得られない世の中ではないかなとは
感じました。でも、時間がかかってもいいから
↑のような意識をもつ世の中になって欲しい。
それにはまず、知ることが大事だと思います。
また同時に
そういった子を持つ親の姿も描かれていましたが、
それはそれは、読んでいて、いたたまれなくなってしまう感じでしたね。
もちろん、当の本人が一番大変だろうとは
思うのですが、そういった事実をつきつけられる親というのもつらいものは
ありますよね。
とくに、産むのは女性なので、いろいろ言われるでしょうね。
自分だったらどうだったろう・・・・。
この秋野先生は、心のケアーを大切にしているようで
先生の言うことに従っていれば恐くないというような
信頼感、安心感はありました。


女医、秋野翔子の↑の考えと違ったものをもっているのが院長の岸川です。
彼は、インターセックスの患者には早くからどちらかの性別を決めてあげるべきだと。
2人はお互い異なった主義ではありますけれど、
反発することなく、それぞれの考え方を尊重しているという風でした。
この岸川の作り上げた病院サンビーチというのがまた凄いです。

病院の職員をもてなす行事も、
クルージングやお花見など、豪華、豪華。
食事も豪華、入院するまでの過程も豪華。
素晴らしいです。

途中、学会でドイツフランクフルトへ出かけ。
その描写もリアルで、読み応えありです。

このふたりにまつわる医療ドラマの他に
翔子の親友の死についての謎が加わり、
後半ややサスペンス風になります。


最後にその謎が一気に解き明かされますが、
そこは、いそいでまとめたかな。。。。とちょっと感じたかな。
とくに追い詰められた岸川の結末は
あっけないようにも思いました。
(ネタバレ・・・・とくに、武藤直子の子どもの親については
え~~そうだったのと、かなり驚き)

これは、サスペンスでみるというより、現代医療の問題を
知るための本と考えたほうが満足感はあるかなと思います。


アマゾンの感想をちらりと見てきたのですが
この本は『エンブリオ』の続編ということですね・・・
この岸川さんにかかわることはそれを読んでみるとわかるみたい・・・
早速読んでみたいと思います。


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