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存在という名のダンス  上・下   著  大崎善生

存在という名のダンス   上・下  著  大崎善生




舞台は北海道。
厳しいルールに縛られ世間から隔離された
梟の森・・で暮らしていた少年宗太は
危篤の父親に会うために脱走。
やがて、悪の組織と戦うことになる。



感想   

大崎さんの新刊。
今までとはまた違った作風で驚きました。
恋愛小説が多かったのですよね・・・
でも、今回はファンタジーなんですもの!!



独特の世界観でなかなか面白かったです。
主人公の少年が父親に会うために舞台になる
北海道を転々としていくというはじまりから、
映画でいえばロードムービーっぽくなっていくのかなと勝手に思っておりました。
(上巻には地図もでております。参考にしながら読む進めていくことができます)
旅先で、さまざまな出会いがあって、少年が人間的に成長していくのかしら・・・・という
方向性を想像しておりました。


しかし、物語は違った方向に。

少年がいた施設から追手が迫ってくるのです。
少年は単なる脱走者ではなかったのですよね。
その父親も実はこの施設とは大いにかかわりがあって・・・・。

秘密が次第に明らかにされていく中で、
驚くような事実がたくさんでてきます。


ファンタジー小説なので、
独特の言葉も当然、出てきます。
とても不思議な世界観としかいえないのですが、
追うもの、追われるものということで、
終始緊張感が漂い
また悪の組織の非情さや、
宗太の見方になってくれるものたちの存在など
興味ある題材がいろいろ盛り込まれておりました。


存在という名のダンス。


題名にもありますが、
この言葉には深い意味があります。

ゲルミナンド・ヘステのノートにある言葉。


そもそも、ゲルミナンド・ヘステというのは何か
説明しなければなりませんよね~~。


そうなると、難しいです。読んでみて~~としか言えません。


宗太の父親には倒さなければいけない敵がいるのです。
そのことを宗太は知ることとなります。
自分の存在意義も知ることとなります。

敵であるその男・・。

その男は700年以上も前に忽然と現れ、憎悪をもって世界を支配しようとしてきたのです。
はじまりはドイツのハーメルンから。
有名なハーメルンの笛吹き男の伝説からはじまっているのです。
男は
130人もの子供を連れてドイツのハーメルンから姿を消しました。
そしていくつかの悲劇を繰り返したあと、戦後の岩見沢に姿を現したのです。

それが、宗太が戦うべき敵.


そして、戦士であるヨムロウとは・・・




ルビーという小鳥ちゃんや
美和という病弱な少女。
この存在も面白いです。



美和が、何者だったのかがわかる最後は
少しウルウルとします。


不思議な・・・不思議なお話だったな・・・。



時折出てくる
北海道のヒグマ

怖いですね・・・・

200902000494.jpg


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非公開コメント

みみこさ~ん、こちらにも。
これ、読んだばっかりなんだけど、なんか・・・凄い想像もつかないファンタジーで・・・
正直、こういうのは、ちょっとついて行けない世界だったりするんだけど・・
でも、面白くないってわけじゃなくて・・・。

五島列島の隠れキリシタンと、700年前のハメルーンのと、岩見沢と、悪魔と、ヒムラーだっけ?ヒトラーの・・・とか、なんか色々な事がつながっていて、呆然としちゃったよ。

なんだか、ハッキリ把握出来てない部分があるわ・・。
ソウタ君の父は、どうしてソウタ君を、あの危険な岩見沢の謎の場所に預けたんだろう?
将来の事を見据えてって事?

う~~ん、今さっき読み終えた処なんだけど、なんかこういう話には慣れてなくて、まだ混乱しているよ。
最初読み始めた時、上巻の途中までは、村上春樹っぽいなーって思ったんだけど、下巻は、ハリーポッターみたいな感じも少々あったかな?(^^ゞ

latifaさんへ


こちらにもありがとう。
これ読んだのね・・
なんだか、とっつきにくい内容ではあるよね。
私はこういう内容とは思わず
驚いたわよ。
<正直、こういうのは、ちょっとついて行けない世界だったりするんだけど・・
でも、面白くないってわけじゃなくて・・・。>


そうなのよね。
ファンタジーってもともと得意じゃないんだけれど。

<五島列島の隠れキリシタンと、700年前のハメルーンのと、岩見沢と、悪魔と、ヒムラーだっけ?ヒトラーの・・・とか、なんか色々な事がつながっていて、呆然としちゃったよ。>


うんうん・・・私たちが想像もしないような出来事が絡んでくるものね
ハメルーンと日本のキリシタンがともに、絡んでいるなんて
いったいぜんたいどういうことよ?って思ちゃいますよね。


<なんだか、ハッキリ把握出来てない部分があるわ・・。>


私も。
出来事だけ羅列してみたけれど、
これどういう話よ・・・説明してって言われると
文章だと難しくって…・笑

<ソウタ君の父は、どうしてソウタ君を、あの危険な岩見沢の謎の場所に預けたんだろう?
将来の事を見据えてって事? >


そうだよね。
自分のあとを息子よろしくと思ったんだろうけれどね・・・
息子は勝手にその宿命背負ってしまって大変よね。

<最初読み始めた時、上巻の途中までは、村上春樹っぽいなーって思ったんだけど、下巻は、ハリーポッターみたいな感じも少々あったかな?(^^ゞ


なんかね・・・・私は村上春樹って、あまり読んでいなくて(ノルウェーのみ・・・)
その比較ができないんだけれど
両方よく読んでいる人に言わせると
大崎さんの文章って
村上さんに似ているっていう人多いわよ・・


今、別の大崎さんの作品読んだけれど
そちらの方がわかりやすくて良かったわ。

あ・・・この話は、舞台が北海道だから
その部分ではなじみがあったかな・・・


感想UPしたらお邪魔するね。

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