サーカス象に水を   著  サラ・グルーエン

サーカス象に水を   著  サラ・グルーエン




93歳の老人ジェイコブは介護施設で生活する身。
施設の近くに移動サーカスがやってくる。
そこで思い出した過去の記憶。
23歳のジェイコブは、卒業を控えたある日
サーカス列車に飛び乗ってしまう。




感想    映画化にもなるということで、原作でもあるこの作品を読んでみました。

お話はミステリーもあり、恋愛ありと、様々な要素が盛り込まれた内容。



語り手は93歳のジェイコブ。
まず、プロローグで、サーカス史上に残る最大の惨事の中で起こるある殺人が描かれます。
でもそのあとは殺人にはまったくふれず。
次にこの話が出てくるのが物語の最後の方。
読者は、
ミステリー的な要素があったなど、ついつい忘れてしまうんですよね。
その殺人については、最後の最後に同じシーンが語られ
真相が明らかになるので、これはこれで興味深いこととなります。
そういうことだったのか・・・・と意外な真実がわかりますからね。

物語のほとんどは
93歳の老人ジェイコブの現代の生活(老人施設でままならない日々、しかし看護師ローズマリーと
次第に心を通わせていく)
と、
23歳のサーカス団で生活を始めるジェイコブの日々(3ヵ月)が交互に描かれます。


自由を失っているいわゆる静の状態のジェイコブと
若さあふれ何事も恐れずに行動していたまさに輝かしい日々、動の状態のジェイコブ。
その対比がときにせつなくも感じるのですが
メリハリがきいていて、面白いのです。



サーカスで出会う人々。
運命的な恋愛におちいる、マーリーナ。
彼女の旦那で精神的に不安定であり時に暴力的でもあるオーガスト。
腹黒い団長のアンクル・アル。
ピエロのウォルター。
サーカス列車に引き入れ、彼を助けることになるキャメル。

そして、サーカスの動物達。
表題にもある、象のロージー。


個性的な面々の登場で少しも厭きさせません。

サーカス自体の描き方も興味深いです。
裏事情というか、その時代ならではの
様子が鮮明に描かれます。
結構、ドロドロしているのよね。





波乱の満ちた青春をおくったジェイコブ。
サーカスの生活に足を踏み入れたからこそ
彼の運命が変わっていったのだと思います。

結婚もその後の生活も・・。

いろんな思いで結婚して
でも、老後生活は必ずしも子どもたちと幸せに生活しているわけじゃない・・・
ちょっと寂しいな・・・
年をとるということはそういうことなのかな・・・という
思いはしましたけれど、
最後の現代のサーカス団の団長の計らいが
実に心地よいもので
読み終わったあとは,爽やかな気持ちでいっぱいになります。




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