16歳の合衆国

16歳の合衆国

(2003  アメリカ)
監督・脚本 マシュー・ライアン・ホーグ
出    ドン・チードル/ライアン・ゴズリング/クリス・クライン
     /ジェナ・マローン/レナ・オリン


16歳の少年リーランドはある日、ガールフレンドの弟ライアンを殺害した容疑者として逮捕される。
やがて矯正施設に送られるリーランド。
虫一匹殺さないような彼に、施設の教官パールは
興味を持って近づく。パールは作家でもあり、
この事件を小説の題材にできると考えていたのだ。
彼との会話から彼が抱えていた大きな悲しみを見ることができるのだが・・

感想  繊細な少年が、殺人を犯してしまった・・・何故?
というシリアスな題材をテーマにした映画です。
しかし、明確な答えは出しておりません。
これも観た人が感じ取って欲しいという映画ですね。

淡々と事件にかかわった人たちの心情を描いています。
現代と過去が自然な形で入り込むので、多少わかりづらい
ところはあります。
今は、いつの話?と立ち止まってしまうことがありました。


被害者の悲痛さはかわりますが、
主人公の心の痛みは理解しがたいものに
感じます。「世界は悲しみに満ちている」と
すべての悲しみを自分のことのようにとらえてしまう
繊細な彼の心。
思春期においては危うい心をもった子どもは
たくさんいると思います。
でも、たやすく人は殺さないでしょう。
ではなぜ、彼はそうしたのか。
やはり理由があるはずだと思うのは間違いでしょうか。

恋人の弟を殺す・・・彼は障害者だった・・・

被害者を選んでいる時点で、リーランドには
なんらかの理由があったはずだと私は思っています。


彼はいいます。「その時にことは・・・覚えていない」と。
そのセリフは・・何事だ!!と私は思います。
被害者の立場はどうなるんでしょう。
勝手に人生決められて。その行為は、自分でもわからないなんて
いわれてごらんなさい。
児童カウンセラーでもないので、難しいことはわかりませんが、
やっぱり、自分の犯したことを認識できないのは
どうかと思います。

家族のせい、社会のせいだけだとは
思いませんが、
最終的には当人。

彼を含めて現代の子ども達が甘えすぎているのだと思います。

正直、こういうテーマを映画にしたことの評価は認めます。
でも、もっとわかりやすく描いてくれても良かったかも。
だって、やっぱり理由はあるような気がしたから。
施設の教官パールも、どこか偽善者ぶっている
ところが気になります。
単なる興味本位で話を聞いて、自分(パールね)は好き勝手なことを
している・・・。別に私生活は個人の勝手でどうでもいいんですけれど。なんだか好きになれませんでした。

私は主人公に独りよがりの、生き方に、
まったくついていけませんでしたので、いい印象は持ちません。
彼の独白を聞いて、悲しみを感じる?
全然思いませんよ。
だって、殺された人の気持ちがまったく無視されているから。


気持ちが滅入る映画でした。
ラストもうやむやで終ったようで
なんとも残念です。あれじゃあ、なんの解決にもなっていないし、
やりきれなさだけが残りますね。
ライアン・ゴズリングは役柄かしら・・かなり暗かったです。
あの顔が嫌だな・・・笑


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お邪魔します

こんばんは、コメント&TBありがとうございます!
こちらからもTB送らせて頂きましたm(_"_)m

みみこさんのレビューすごく興味深かったです。
確かに「覚えてない」と言うのは良くないし、恐ろしいことですね。
いくら『殺人を犯す異常な事態』に精神が陥っていたとしても人の人生を終わりに
する以上は罪を罪として忘れるな!刻み込んどけ!と言う感じです。
この部分が特に興味深く、共感できました。

私は触れてなかったのですが、みみこさんと同じくパールはどうかと思いました(苦笑)
せめてもう少しリーランドに罪の意味を諭して欲しかったと感じます。
どんなに綺麗事を言っても思春期にありがちな独りよがりなセンチメンタルで
未熟な少年だったんでしょうか…。ほんと遣り切れないですね。

かのさんへ

おはようございます~
かのさんのところは色んな映画が更新されていて楽しいですね。
それにしてもいっぱいご覧になっていて・・・すごいわ。

この映画・・実は劇場鑑賞もしたかった作品だったの。
予告が良かったからね。
でもきっと・・モヤモヤ感が残ってしまって、
帰る道が重苦しくなってしまったかも。
あんまりね・・・人を殺すことを正当化したくないな・・
って思ったわ。
<思春期にありがちな独りよがりなセンチメンタル>
そうそう・・ここね。
鋭いわ・・。自分ひとりが苦しんでいるような
そういう悲劇的な発想は持って欲しくないわ。だってもっとつらい人生
送っている人沢山いるんだものね。
難しい問題をよく映画化したわ・・驚き・という感想ももっていますけどね。

こんばんは。
TB、コメントをいただきながら、ちょっとバタバタしていて、
こちらへの書き込みが遅くなりました。

珍しく、わたしはみみこさんと正反対の感想でした。
小中学生時代の息子で、ちょっと辛い経験をした時、
(もちろん、犯罪絡みではありませんが)
周囲の人からは、「何を1人で勝手に苦しんでる。自分のせいなのに、気付くこうともしない。言って聞かせない親も悪い」などなど、いろんなことを言われたのです。
感受性の強さや発想が似ているリーランドと息子の、
「罪を犯す、犯さない」の境界線は何だったのだろうと、
他人事とは思えず、観てしまいました。

それと、被害者本人、その家族の思いは何の関係もないのは、明白なことですが。

悠雅さんへ

忙しいときにきていただき
ありがとうございます。
ちょっとこれは辛口ですよね・・私
自分の場合に置き換えてみることが
できる映画は心に残りますよね。
私は、被害者の方に目がいきがちだったのかも。本当は主人公の心の動きが
問題なのにね。これは子どもが男か
女でも違ってくるのかも。
女の子とはまた違った気持ちの変化が
あるものね。まだまだ私は親としては甘いのかも。感想は色々あって当然。
それを知るのが、私にとっては勉強にも
なるのですよ。だからとっても参考になりましたわ。またかぶった作品ありましたらコメントさせていただきますね~

私も嫌いです

みみこさん~きっと、みみこさんなら、ご覧になっていらっしゃるはず・・・って過去ログ検索したら、やっぱり!発見☆

私もこの主人公嫌だわ、あとドンチードルさんの教師もね。この映画、題材は興味深かったのだけれど、あいまいでハッキリしない感じの描き方が、映画として、なんだかなぁ・・・って思ったの。みみこさんも、この映画で、ちょっとな~!って思われた部分があちこちあったみたいね^^

ただ、私も理由があって欲しい一人なのだけれど、理由コレといって無かったんだろうな~って思ったりしてるの。(許せる訳じゃ全く無いよ!)

PS 昨晩アイリス録画したんだ。後で見ます~☆

latifaさんへ

こんにちは。
うん・・そうなのよ。
題材は惹かれたけれど、
納得できないところが多かったわ。
やっぱり、許せない気持ちのほうが
大きかったから。
理由がないって言うのがまた許せないのよ。そういう曖昧さをもった年頃だと思ってもやっぱり・・悶々とするんだよね。

みみこさま、こんにちは。観ましたよ~。TBさせて下さいね。
インフルエンザ、もう大丈夫でしょうか?今年は流行が遅かったですよね。
お大事になさって下さいませ。
現代の若者が甘えすぎている・・、本当にその通りですね。
監督が、殺す側の少年たちにも理由があるんだよ、と言いたいのはわかるのですが、殺される側の視点が無さすぎですよね。
キャストが豪華でびっくりしました!
何回も観れば、もっといろんなことがわかる映画なのかも?しれませんね。
ライアン・ゴズリング・・、強敵だわ(笑)
ではでは、また来ます~。

真紅さんへ


おはようございます~~
お気遣いありがとうございます。元気なのですが
しばらくお家にいなくては・・フッ(ため息)
↑この映画ご覧になられたのですね。
今回も、ライアン君の眼差しにやられてしまいますよね。深い悲しみを秘めていたというか・・。
・・こういった物語の場合、犯罪者側の
心理がよくわからないと、なかなか入っていけませんね。わかったところで、行為が正当化されるわけではないのですが、なにか、独りよがりな行動のような気がしてしまうのです。問題提起した作品と思えば
いいのでしょうが・・。
色んな見方がありそうなので、また時間をおいて
みてみたいですわ・・。
あとでお邪魔しますね。
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