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ランプコントロール   著  大崎 善生

ランプコントロール    著  大崎  善生


27歳でドイツ出向を命ぜられた、大手出版社勤務の直人。
学生時代から付き合っていた恋人・理沙は広島に病気の父親がいるため
一緒に行くことを拒んだ。そのため2人は別れることに。
やがて直人はドイツでステファニーと新たな出会いをする。





感想



大崎さんの新刊。今回は「アジアンタムブルー」を思い起こさせるような恋愛小説。
正統派ですね。



失った恋に悩む主人公。
忘れられない恋人の影。


大崎さんならではの小道具の使い方が相変わらず効果的に物語を彩っています。

音楽でいえば今回は、
シンディローパーの
<タイム・アフタータイム>
エリック・クラプトン<Change the World>

その他、
クロスワードパズル
観葉植物のライムポトス
ブレーメンの音楽隊のお話





などなど。


過去の恋愛小説同様、同じ感じのものが多いのですが
それが、よい意味合いをもっていて、やはり素敵だと思います。

もちろん、印象的なセリフも多いです。

ただ
今回は
正直、前半のドイツでの生活風景がとても面白かったゆえ、
後半、日本に帰ってきてからの
展開にはがっかり感がありました。


そういう方向に展開してしまったら、嫌だな・・・という思いが
まんまと当たってしまったということです。


前半のドイツでの生活。
傷心の主人公を待っていたのは
個性的な共同生活をすることになる仲間たち。
そして、同じように恋人との関係に行き詰まっていたステファニーとの出会い、新しい恋の予感を感じる。
ゆっくりとした時間の中で
2人が、徐々に歩みを近づけていく様がとても微笑ましかったです。



後半は
別れた(と認識していた)恋人・・・・
のその後が分かるお話です。



日本に戻ってきてからは
ちょっとドラマチック過ぎる感があり・・・・。
もちろん、ドイツでの生活&恋人という部分においても
夢物語的なところもありますけど、読んでいて外国生活そのものが興味深かった分、
気にならなかったのです。
が・・・後半に別れた恋人理沙の現状が
感動路線に持っていかせようという意図はないにしろ
そういう方向を感じさせるようになっているみたいで、
嫌でした。

映画「レナードの朝」を思い起こさせるようなところもあります。
レナードの朝自体は素敵な映画なんですけど・・・ね。
こういう流れの中で出てくると違うかな・・・って。




確かに別れた直後、そういう事態に恋人が陥ってしまうこともあるかもしれません。
悩む主人公の気持ちもわかりますが・・・
現実的に広島から久里浜まで
3年間の移動が可能なのかどうか。
また、病人の理沙が美しすぎて、綺麗過ぎて・・・。

ちょっと・・・冷めた目でみてしまいました。



いい話ではあるんですよ。美しい恋愛小説。
泣くまでには至らなかったかな。

ちなみに、性描写は生生しかったです・・・。


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