トト・ザ・ヒーロー
トト・ザ・ヒーロー (1991 ベルギー・フランス・ドイツ)
監督: ジャコ・ヴァン・ドルマル
製作: ピエール・ドゥルオー
ダニー・ジェイ
製作総指揮: ジャクリーヌ・ルイ
脚本: ジャコ・ヴァン・ドルマル
撮影: ウォルター・ヴァン・デン・エンデ
音楽: ピエール・ヴァン・ドルマル
出演: ミシェル・ブーケ
トマ・ゴデ
クラウス・シンドラー
サンドリーヌ・ブランク
ミレーユ・ペリエ
ジョー・ドゥ・バケール
いつもブン、ブン♪~という曲をピアノで弾きながら愉快に歌ってくれる飛行士の父。
優しい母、素敵な姉、障害がある弟、そしてトマの幸せな4人家族。隣には同じときに生まれたアルフレッドという男の子がいる。
トマはアルフレッドの生活をいつもうらやましく思っていた。裕福な家庭。トマは心の中では、実は自分は
隣のカント家の子供で、出産時に間違えられたとさえ思っていた。
そんなある日、カント氏の注文で父が嵐の日に英国へ商品の買い付けにいったきり
戻ってこない。そして、大好きだった姉が、アルフレッドと仲良しになり、自分から離れていく・・・。
やがて訪れる姉の死・・・すべては、アルフレッドの存在が原因なのだと考えるトマは、彼を憎むようになる。
トマの空想の中に現われるトト・ザ・ヒーローという探偵。夢の中では探偵トトが、アルフレッドから父を救ってくれるのだ・・・。
幻想と過去、現代が交差するファンタジックな物語。
感想
ベルギー出身のジャコ・ヴァン・ドルマンが、初監督にして、91年度のカンヌ映画祭でカメラ・ドール(新人賞)を
受賞した作品。この作品を観て、以前観た作品に似ていると思いました。
それは「八日目」。調べてみたら同じ監督でしたね。映画の中のファンタジックな映像が、全く同じですもの・・。
トマの弟が、障害をもっているっていう設定も、「八日目」を連想させました。トマの弟でダウン症(だと思う)役の役者さんは
八日目に出てくる人と同じ人ですね。
物語は、老人になったトマが自分の人生を回想する形で進みます。
笑いとせつなさが程よくミックスされた構成は、心を揺さぶります。
いいですね~、こういった人生をしみじみ感じさせる映画は。大好きです。
「ワンス・アポン・ア・タイム・アメリカ」に構成が似ているかな。
現代(老年期)のトマが、、青年期の自分、幼年期の自分と、次から次へと回想していくのですが、順序だっているわけではありません。行きつ戻りつという感じです。さらに、それにトマの空想物語りも加わるのですから、ずいぶんと複雑なつくりになっているのですが、混乱にはなりません。92分の短い中で、
きちんとまとめあげているのは、うまいなと思います。
空想話は非常に面白いです。ストーリー全体は実はシビアな話なのですが、非現実的な世界が挿入されることによって、暗くなることはありません。
逆に言うと、自分の人生に豊かさがないから、空想力で埋めているに過ぎないんですけどね。
子供の頃からの他人の人生への憧れ。自分にないものをもっているという妬ましさ。
うまく行かないのは、他人のせいだと思ってしまうトト。
確かにトトの人生は隣に住むアルフレッドによって、左右されていったという見方もできます。
愛するものを次から次へと奪ってしまうのは、すべてアルフレッドだと思い込む気持ちも分らなくはありません。
しかし、非常に被害者意識が強すぎのではないかな・・・という気もします。
奪われたものの中でも、姉、アリスに関しては、かなりこだわりを感じていたみたいです・
アリスはトトの姉です。トトは彼女を愛していたよう。(近親相姦のにおいがします)
アリスが死んだ後も彼女を追い続けていたトト。青年期になって、エヴリーヌというアリスソックリな女性に出会ったのも運命なんでしょうね。
彼女にこだわり続けるトトがかわいそうでしかたがありませんでした。
トトは自分で自分の人生を不幸に導いていったような気がします。
トトの人生を寂しくしたのは自分自身のせいだと思います。誰のせいでもないと思うな。
この映画、ラストまで観ると、本当に悲しい気持ちになるんです。トトの人生に哀れさを感じてしまうの。
アルフレッドの人生にこだわり続けるトトが、愚かに思えてしょうがないのです。
ラストは皮肉を感じさせます。ああいう手段で、自分が幸せを感じ取るなんて、私は、イヤだなと思います。
「八日目」と似た終わり方です。監督は好きなのかな・・ああいう終り方が。
明るい感じを漂わせているけど、かなりマイナス思考
の考え方ですよね。
もっと前向きに生きる方が私は好きです。是非、ご自分の目で確認してみてくださいね。
ブン♪っていう曲が耳にこびりついて離れなくなりますよ。

監督: ジャコ・ヴァン・ドルマル
製作: ピエール・ドゥルオー
ダニー・ジェイ
製作総指揮: ジャクリーヌ・ルイ
脚本: ジャコ・ヴァン・ドルマル
撮影: ウォルター・ヴァン・デン・エンデ
音楽: ピエール・ヴァン・ドルマル
出演: ミシェル・ブーケ
トマ・ゴデ
クラウス・シンドラー
サンドリーヌ・ブランク
ミレーユ・ペリエ
ジョー・ドゥ・バケール
いつもブン、ブン♪~という曲をピアノで弾きながら愉快に歌ってくれる飛行士の父。
優しい母、素敵な姉、障害がある弟、そしてトマの幸せな4人家族。隣には同じときに生まれたアルフレッドという男の子がいる。
トマはアルフレッドの生活をいつもうらやましく思っていた。裕福な家庭。トマは心の中では、実は自分は
隣のカント家の子供で、出産時に間違えられたとさえ思っていた。
そんなある日、カント氏の注文で父が嵐の日に英国へ商品の買い付けにいったきり
戻ってこない。そして、大好きだった姉が、アルフレッドと仲良しになり、自分から離れていく・・・。
やがて訪れる姉の死・・・すべては、アルフレッドの存在が原因なのだと考えるトマは、彼を憎むようになる。
トマの空想の中に現われるトト・ザ・ヒーローという探偵。夢の中では探偵トトが、アルフレッドから父を救ってくれるのだ・・・。
幻想と過去、現代が交差するファンタジックな物語。
感想
ベルギー出身のジャコ・ヴァン・ドルマンが、初監督にして、91年度のカンヌ映画祭でカメラ・ドール(新人賞)を
受賞した作品。この作品を観て、以前観た作品に似ていると思いました。
それは「八日目」。調べてみたら同じ監督でしたね。映画の中のファンタジックな映像が、全く同じですもの・・。
トマの弟が、障害をもっているっていう設定も、「八日目」を連想させました。トマの弟でダウン症(だと思う)役の役者さんは
八日目に出てくる人と同じ人ですね。
物語は、老人になったトマが自分の人生を回想する形で進みます。
笑いとせつなさが程よくミックスされた構成は、心を揺さぶります。
いいですね~、こういった人生をしみじみ感じさせる映画は。大好きです。
「ワンス・アポン・ア・タイム・アメリカ」に構成が似ているかな。
現代(老年期)のトマが、、青年期の自分、幼年期の自分と、次から次へと回想していくのですが、順序だっているわけではありません。行きつ戻りつという感じです。さらに、それにトマの空想物語りも加わるのですから、ずいぶんと複雑なつくりになっているのですが、混乱にはなりません。92分の短い中で、
きちんとまとめあげているのは、うまいなと思います。
空想話は非常に面白いです。ストーリー全体は実はシビアな話なのですが、非現実的な世界が挿入されることによって、暗くなることはありません。
逆に言うと、自分の人生に豊かさがないから、空想力で埋めているに過ぎないんですけどね。
子供の頃からの他人の人生への憧れ。自分にないものをもっているという妬ましさ。
うまく行かないのは、他人のせいだと思ってしまうトト。
確かにトトの人生は隣に住むアルフレッドによって、左右されていったという見方もできます。
愛するものを次から次へと奪ってしまうのは、すべてアルフレッドだと思い込む気持ちも分らなくはありません。
しかし、非常に被害者意識が強すぎのではないかな・・・という気もします。
奪われたものの中でも、姉、アリスに関しては、かなりこだわりを感じていたみたいです・
アリスはトトの姉です。トトは彼女を愛していたよう。(近親相姦のにおいがします)
アリスが死んだ後も彼女を追い続けていたトト。青年期になって、エヴリーヌというアリスソックリな女性に出会ったのも運命なんでしょうね。
彼女にこだわり続けるトトがかわいそうでしかたがありませんでした。
トトは自分で自分の人生を不幸に導いていったような気がします。
トトの人生を寂しくしたのは自分自身のせいだと思います。誰のせいでもないと思うな。
この映画、ラストまで観ると、本当に悲しい気持ちになるんです。トトの人生に哀れさを感じてしまうの。
アルフレッドの人生にこだわり続けるトトが、愚かに思えてしょうがないのです。
ラストは皮肉を感じさせます。ああいう手段で、自分が幸せを感じ取るなんて、私は、イヤだなと思います。
「八日目」と似た終わり方です。監督は好きなのかな・・ああいう終り方が。
明るい感じを漂わせているけど、かなりマイナス思考
の考え方ですよね。
もっと前向きに生きる方が私は好きです。是非、ご自分の目で確認してみてくださいね。
ブン♪っていう曲が耳にこびりついて離れなくなりますよ。

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