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ツリー・オブ・ライフ

ツリー・オブ・ライフ (2011  アメリカ)


THE TREE OF LIFE

138分


監督: テレンス・マリック
製作: サラ・グリーン
ビル・ポーラッド
ブラッド・ピット
デデ・ガードナー
グラント・ヒル
製作総指揮: ドナルド・ローゼンフェルト
脚本: テレンス・マリック
撮影: エマニュエル・ルベツキ
プロダクションデ
ザイン: ジャック・フィスク
衣装デザイン: ジャクリーン・ウェスト
編集: マーク・ヨシカワ
音楽: アレクサンドル・デスプラ
出演: ブラッド・ピット オブライエン
ショーン・ペン ジャック
ジェシカ・チャステイン オブライエン夫人
フィオナ・ショウ 祖母
ハンター・マクラケン 若きジャック(長男)
ララミー・エップラー R.L.(次男)
タイ・シェリダン スティーヴ(三男)
アイリーン・ベダード
ウィル・ウォレス



 
成功した実業家ジャック・オブライエン。
ふと、少年時代に思いをはせる――。
時代は1950年代半ば。
オブライエン一家の父は、
長男のジャックをはじめ3人の子どもたちに厳しい態度で接してしまう。
一方、全てを運命として受け入れる母親は、子どもたちを優しい愛で包み込む。





感想

2011年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いたテレンス・マリック監督作品ですね。
監督作は「天国の日々」「ニュー・ワールド」と観ているので
映像の素晴らしさには期待しておりました。
その点では・・期待通り。これは映画内容以前に視覚的な好みの問題です。
あわせてつかわているクラシック音楽も心地よかったですよ。眠くはならなかったです・・笑
ただ内容は、いままで見た監督作の中では(といっても2作)一番つかみどころがない感じだし
難解だな・・・という印象でした。
哲学的だったな・・・・・。
つまらなくはなかったけれど、面白い映画ではないです・・・・笑
たぶん、商業的にヒットは厳しいと思うし、ブラビという知名度に惹かれて
感動ドラマ的なものを期待していると、ものすごくショックを覚えると思います。
という私も、覚悟はしていたけれど(絶対わかりづらいんだろうな・・・という予感)
それ以上におお~~~こんな映画だったのかい!!と思いましたからね。
恐竜やクラゲが出てくるとは思わなかった・・・・よ。

TV予告だと、ヒューマンストーリーのように感じますが、
物語といった物語は結局のところなかったように思います。
主人公の追憶がメインですが
断片的な映像が多く、お話に流れ的なものがないんですよね。
よく、人が死ぬときに過去が走馬灯のように蘇るっていう表現がありますが
(死んだことがないからわからないが…笑)
そんな感じで、思い出される印象的な場面が、次々に現れてくるんですよね。
そしてそれはセリフのないシーンも多いので観ているものは感じとるほかないのです。
ああ・・・主人公はこうやって家族の中で育ってきているんだな・・・と
受け取るしかないのです。
でもこの主人公の葛藤は、理解できないものではないのです。
だれしもが親に対して兄弟に対して何かしらの感情を持っていて
成長してきているのだろうから
映像を観ているだけで、なんとなく理解はできる。
とくにこの主人公のように男兄弟で育った人や
この両親とタイプが似たような家庭で育ってきた人なんかは
すんなり・・・入り込みやすい感情じゃあないかなと思います。
こうこうこうで・・・親に対して不満が多かったんだろうな・・・という説明的な要因が
映画の中であまり見受けられなくとも
主人公の思いを感じ取ることはできるのは
別段、特別な家庭ではないからではないのかな・・と思うんですよね。
父親に反発する息子という図式というのは
同性であるゆえ、良くあると思うしね。

そしてこんな風に
主人公のように
中年にさしかかって自分に迷いがあるときに
このままの生き方でいいのか・・・・、
と揺れ動いたとき、幼少の頃がまさに、死の瞬間ごとく、蘇ってくるということも、また
あるのかもしれませんよね。




自分の夢をかなえられなかった分、力の存在をより強調する父親。
それゆえ、子供には厳しく、そして、期待もかける。
その父親に、献身的に尽くし、常に愛情をもって人に接する母親。
それぞれにそれぞれの思いの愛がある・・・


思春期にさしかかればさしかかるほど、
親の思いにどう答えればいいのかと迷いも感じるでしょう。
反発心も増し、
悪事を働きたくなる衝動へと繋がっていく・・・。
純粋だった頃から
どんどん、成長していき、自分が望まないような人間にさせ
変わってきてしまう。社会的には成功し、父親の望むような人間になったとは思うけれど
どこか満たされない部分が生まれてきたんじゃあないのかな。
こんなはずではなかったと・・・
中年の主人公は思っていたのかもしれません。



ただこの映画って
主人公の過去場面だけの映像で終わっているわけではなく、
あたかも唐突な感じで
主人公の誕生以前・・・・まで時がさかのぼり
さらには地球の誕生・・・・・・・恐竜の出現・・・・と、これがまた実に壮大なスケールの映像が
私たちを包みこんでいく場面にまでいってしまう。
それも映画の前半で。かなりの時間です。
ショーンペンの振り返り映画だけでとどまらない部分が描かれてしまうとやっぱり驚いてしまうところは
あるのよね。
人一人の人生を考えるというより
もっと大きな次元で物事を考えてみようという感じ。
その2つの部分の組み合わせのバランスがやや悪い感じなので(唐突感を感じる)
違和感に繋がり
さらには、
受け入れなれない部分へとなっていくのだと思います。



そして同時に宗教色が強い・・・



主人公たちが信仰深いというのもあるけれど
宗教的な意味合いが随所に見られるんですよね。
冒頭から神への問いかけがあるし
映画中でも
ところどころ行われます。

最後の映像にいたっては
死後の世界にもつながるような感じもしました。


私は
神の存在を確かなものとしているこういう作品は好きだから
受け入れられないっていう映像ではなかったし、
むしろ、ああやって、懐かしい人々に会えるようなシチュエーションが
あるだろう世界観がうらやましくも感じました。
私も扉をくぐりたかったですし。
ラストの解釈としては
主人公が心の解放に向かったんじゃあないのかな・・・・と理解しました。
いいんだよ・・・今のままでと頑なな心に安らぎを感じたのかと。

ああいう映像を見ると
自分は自分の一番大切な人たちに
いつも守られているんじゃないのかな・・・と感じられるし、
今自分が存在しているのは
やっぱり親、家庭があったからじゃないのかな・・・と
思います。
自分の価値観もまた育ってきた家庭があるからこそだし
それを否定するのはやっぱりね、できないと思うけどね。
それこそが神様が与えた自分の運命だと思うからね。



と、
まあ・・・こういう映画って
意味不明な映像も多いので
自分なりに好きに解釈して自分のものにして
楽しみ方をみつけるしかないと思います…笑
でもこういう生命誕生の部分をみると
命を粗末になんかできないと思いますよね。
またある程度年齢重ねて
肉親の死を経験している人にとっては、この手の映画は
わからないながらも、心に染み入る部分が出てくると思います。
監督の意図とは違っていても
全然理解できなくても
勝手でもいいから・・・自分のものにしたくなってくるじゃない?

あ・・・ブラビの子供の誕生シーンちょっと感動しちゃった。
あの赤ちゃんも可愛いの・・・★

お母さんが宙に浮かんで踊るような様した映像があったけれど、
印象的だったな。
他にもいろいろあるけど。


あと・・・あの後ろの髪の毛が少しない子供。
ちょっと意味がわからなかったです。
わざわざ登場したのは意味があるのかな。


結局映像に意味を求めていますね・・笑



なぜか、
今回はさいたま・・の映画館、(アリーナ近くの・・・)
夜上映で観ました。人数も少なかった。
それも印象的☆


turi-obu.jpg
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非公開コメント

同感です

みみこさん、おはようございます。
みみこさんの感想拝見して、同感同感~~って思ってしまいました。
宗教色、こんなに濃くて・・でも欧米の方にとってはさほどでもないのかな?
って不思議な感じでした。
それに、人の存在について色々思いめぐらすのに、
あそこまで時をさかのぼって、恐竜まで出すこともなかったんじゃ?;;
・・って、マリック映画スクリーン初体験で、映像は楽しめたものの、
たまに「2001年宇宙の旅」???とか思ったり。(笑)
宇宙っぽいのよりも、ブラピとかの人間のパート(?)のさりげない映像の方が良かったし、
それで十分に人や神について考える事も出来たのになあ・・
・・って思いました。
私が編集したら、バッサバッサ切ってしまいそう・・(笑)
それとあの後ろ頭をケガしてる少年・・私も、あれ?何だったっけ?
子供たちのイタズラの前からいたよね??違ったっけ??
・・って混乱してしまってます。なんだったんでしょうね?
誰かにおしえてほしいよね。(←映画をもう一回見るには覚悟がいりそうだし。笑)
赤ちゃんが生まれる所は一番ほほえましくて良かったよね。
弟を見つめる、まだ赤ちゃんの長男とか・・色々可愛いかったよね。
次男がブラピにそっくりだったのにはびっくりしたけどね~(笑)

追伸

みみこさん~ここでナンですが、
フロムA子、わかりました!
やっぱり小池栄子だったんですね~しかも20歳設定で。
小池栄子、やっぱ恐いね~!?(笑)
ケイタイで検索したら、そのキャラの絵文字とか可愛いのが色々ありましたよ。

つるばらさんへ


こんにちは♪
わ~~やっぱり早々チェックされていたのね。
賞もとったし、見てみたいって気にはなるよね。
それにあんまり作品撮っていない監督さんだから
こんなチャンスまたとないし・・・と思ってしまうしね・・
とはいうものの・・・私にはようわからない映画だったし・・・涙
誰かの感想聞きたくなるのよね。
同じだということでちょっと安心したりして。

<宗教色、こんなに濃くて・・でも欧米の方にとってはさほどでもないのかな?
って不思議な感じでした。>

ですよね・・・


<それに、人の存在について色々思いめぐらすのに、
あそこまで時をさかのぼって、恐竜まで出すこともなかったんじゃ?;;>

そうなのよ・・・ここ!!
かなりバックしていたものね。最初あれ、恐竜だとは思わなくって
何かの生き物かな・・と思ったら、しっかり恐竜。
あの恐竜が同じような生き物をいじめていた?脚で頭を押さえていたのも・・
ああいうのも意味がある行動だったのかな・・・と
今頃ふと・・・思い出して考えています。

<たまに「2001年宇宙の旅」???とか思ったり。(笑)>

あ・・「2001年~」の映画をあげている人も
どこかの感想でみたわ。やっぱり思い出すのね?
実は私・・・↑この映画は途中挫折で未見。冒頭の猿だけしか記憶にないの・・・。


<ブラピとかの人間のパート(?)のさりげない映像の方が良かったし、
それで十分に人や神について考える事も出来たのになあ・・
・・って思いました。>


そうよね・・・あのママとパパと&ペンちゃんとの幼少期の
生活風景はいろいろ想像できて、なかなか面白かったけれど・・・。

<それとあの後ろ頭をケガしてる少年・・私も、あれ?何だったっけ?
子供たちのイタズラの前からいたよね??違ったっけ??
・・って混乱してしまってます。なんだったんでしょうね? >

そうなのよ。初め3人兄弟の誰かかと思っていたけど
実際は友達だったのかな。でもなぜ頭が?う~~ん・・・
そういうシーンってあったっけ。

<赤ちゃんが生まれる所は一番ほほえましくて良かったよね。
弟を見つめる、まだ赤ちゃんの長男とか・・色々可愛いかったよね。
次男がブラピにそっくりだったのにはびっくりしたけどね~(笑)>


うんうん・・・めちゃめちゃ・・・あの赤ちゃんの長男が可愛かった☆
ベビーちゃんにちょっかい出しているところも可愛い・・
次男・・・似ていたよね
でも三男の顔が・・・思い出せなく
あ・・・段々忘れてきているよ・・・笑

あと・・・
フロムA子・・検索させてしまって・・・・ごめんなさい・・・。
全国的に流れているのかと思ってしまったわ。
見てみると面白いですよね?
最近・・・やたら流れるんですよ・・こちらでは。
なぜかな・・・・笑

いやもう本当に壮大な映画でしたよね。
恐竜が出てくるとは誰が予想したでしょうか(笑)。

でもみみこさんの、あの家族について書かれているくだりを読んで、そこはたしかに普遍的な描かれ方がされていると思いました。
最後のシーンも心の解放、という言葉にしっくりきました。
だからラストにショーン・ペンは微笑んでいたのかと。

なかなかつかみどころのない作品ではありましたが、雰囲気はオッケーです。
実はテレンス・マリック作品を初めて見たわけなのですが、興味をひかれて、みみこさんもご覧の『ニュー・ワールド』をレンタルして今鑑賞中です。
『天国の日々』も見たいのですが、レンタルされているかどうか……。
とりあえずなぜに巨匠と呼ばれているのか、その片鱗を見た気がしました。

リュカさんへ

こんにちは。
壮大でしたね。
TVの予告でもこんな雰囲気はまったく感じられなかったので
驚き度は高かったです。

主人公の家族、兄弟の思いは
理解できたんだけれど、
それ以外がね、結構深いところまでいっているので
理解が及ばなかったです。

でも、ショーン・ペンのラストの姿を見ると
よくわからないながらも
こちらも安心できるので
観終わったあとは、すがすがしい気になりますよね。


『ニュー・ワールド』・・・・是非~
こちらの方が観やすいかも。濃いコリンだけど、ガンバってます☆
『天国の日々』・・・レンタルあるといいですね。
こちらは若~~い、ギアが素敵です。

感想楽しみにしていますね。

<とりあえずなぜに巨匠と呼ばれているのか、その片鱗を見た気がしました。>

うんうん・・・さすが・・・って感じですよね。凡人にはできません。

映像美

みみこさん、おはようございます~
台風の進路は外れたけど、全国的に大雨みたい。
もうこれ以上、災害が起こらないことを祈るのみです・・(-_-;)

ブログにコメント、ありがとうございました。
賛否両論だけど、結果的には良い映画だったと思います。
テレンス監督作品だしね(*^^)v

>>まあ・・・こういう映画って
>>意味不明な映像も多いので
>>自分なりに好きに解釈して自分のものにして
>>楽しみ方をみつけるしかないと思います…笑
ホント!! その通りだと思うな。
特にこの映画に関しては、ひとりひとりが自分の経験などから
映画の展開に、それを重ねてみたり、ちょっと引いてみるのもいいよね。

みみこさんの感想を読ませてもらって、細かい部分をいろいろ思い出しました。
お陰で、私の適当な感想も、少し追記出来ました、ありがとう♪

バレンタインデーのアシュトン君、可愛かったよね。
あんな振られ方、可哀想だけど、なんかそういう役が似会う感じ?
ハリポタも、夏休みに一気観してから劇場に行ったので
感動もひとしお~~~
で、今までいったい何を観ていたんだろうと思いました。
結局、イギリスの俳優さん目当てだけだったんだよね^m^

↓のレイフの新作、わぉぉ、またハゲですか!?涙
また普通のレイフが観たいな・・、ハゲじゃなくて、リップ塗って喜んでなくて、

では、またお邪魔しますね。
夏バテに気を付けてね(^^)/

みぬぅさんへ


こんにちは。
遅くなってしまいごめんなさい。
台風は大丈夫でしたか。
関東の方は、それほどでもなかったように思いますが
それでも
時折強い雨が降ったりしてとっても不安定だった様な・・・
傘が今日あたりでも手放せませんよね。

紀伊半島の方では被害も大きくて・・・。
なんだか…今年は自然災害が多い気がします。
嫌だわ・・・


↑この映画・・いろいろ言われていますよね。
でもやっぱり
大画面で観たい映像ではありますよね。
一度は経験しておきたい・・・・★

たまに・・・こういうスケールの大きい映画
みたくなりますものね。
日頃の些細な悩みなんか、吹き飛んでしまうぐらいの
強烈な時間でしたわ。
そういう意味では
なかなか良い映画かも・・・・


バレンタインデーはなぜか、今頃・・・ですが鑑賞。

アシュトン君うんうん・・・、可愛かったです。

<あんな振られ方、可哀想だけど、なんかそういう役が似会う感じ? >

アハ~~、そうですよね。
でもあんまりだよね。
やっぱり結婚となると違うのかな・・・


ハリーも最後でちょっと寂しいですよね。
レイフ作品も
優雅なものを是非一本観たいものです。
最近は
悪役が多いものね・・・寂しいわ

みぬぅさんも体調にお気をつけて・・・
秋の鑑賞、お互いいい作品を見つけましょうね。


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みみこ

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  • レイフ・ファインズ好き
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