刑事のまなざし    著  薬丸  岳

刑事のまなざし    著  薬丸  岳




夏目刑事が扱う
7編の事件。




感想


薬丸さんの短編集です。長編のイメージが強いのですが短編もさすがに
上手いです。しかし、どれもかなり重めの事件ばかりですので
読んでいて、どんより・・・してしまいます。
実際、殺人事件というものは気持ちがいいものではないのはわかりますが・・・。
やるせない気分になってしまうんですよね。



「オムライス」・・・内縁の夫が殺された。台所にはオムライス。
          犯人は息子なのか?
「黒い履歴」・・・クレーンゲームを得意とする男。そして彼の姉。
過去の罪のために男はなかなか就職できずにいた。そこに起った殺人事件。
         被害者は、姉の子供の友達の父親だった。
「ハートレス」・・・ホームレスたちを巻き込んだ事件。
「傷痕」・・登校拒否を続ける女子高校生。きっかけは痴漢事件だった。
「プライド」・・女性はボクシングジムにかよっていた。強くなるために。
        被疑者と加害者には誰にも言えない秘密があった。
「休日」・・夏目は大学の同級生に息子の相談を受ける。息子は犯罪に手を染めているのではないか?
「刑事のまなざし」・・夏目の娘を襲った通り魔事件。犯人がついに判明する。




全部で7編。全部の物語に絡んでくるのが夏目刑事です。
夏目刑事には過去があります。もともと刑事だったのではないのです。
自分の身内を襲った事件。そのために刑事に転職したのでした。
犯人を捕まえるため…復讐したい・・・そんな単純な気持ちだけではないのかもしれません。
普通の感情ではなかなか刑事という職業を全うできないと思います。
毎日、毎日、気持ちが塞ぐような事件ばかりに遭遇するわけですし、
被害者とも当然接して行かなくてはいけないのですから・・・。
自分と同じような被害者と接するんですよ。
できないですよね・・・・・・普通は。
そんな夏目刑事の葛藤ですが
わりと抑え気味。もっと感情的になってもいいんじゃないのかな・・・と思うくらい
冷静でした。それは年月がたってしまったということもあるのでしょうか。
でも、目の前にいるのは、
事件の後遺症を抱えている自分の娘なわけですよね。やるせない気持ちばかりです。
最後の
「刑事のまなざし」で、夏目刑事の娘を襲った犯人が判明するわけですが・・・
やっぱり、加害者には同情できません。
どんな事情があろうと・・・・やっぱり、許すことはできないだろうな…・・自分だったら。



7編の中では
最初の「オムライス」が一番後味が悪かったです。
そういうことか・・・・という事実が判明してからの
どんより感が・・・はんぱなくすごい。
こんなことあっていいの?と。。。問いかけたくなりました。


また
「黒い履歴」で描かれる性犯罪。
これもまた
気分的にどんより・・・。



犯罪のない
世の中になって欲しいと願わずにはいられません。


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「刑事のまなざし」薬丸岳

娘の笑顔を奪われた男は刑事の道を選んだ。そのまなざしは何を見つめているのか―。思わず涙があふれ出す連作短編集、 ぼくにとっては捜査はいつも苦しいものです―通り魔によって

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