ヒミズ

ヒミズ  (2011  日本)



監督: 園子温
アクション監督: 坂口拓
製作: 依田巽
吉岡富夫
プロデューサー: 梅川治男
山崎雅史
エグゼクティブプ
ロデューサー: 小竹里美
ラインプロデュー
サー: 鈴木剛
共同プロデューサ
ー: 國實瑞惠
原作: 古谷実
脚本: 園子温
撮影: 谷川創平
美術: 松塚隆史
編集: 伊藤潤一
音楽: 原田智英
音響効果: 齋藤昌利
スタイリスト: 村上利香
ヘアメイク: 本田真理子
照明: 金子康博
録音: 深田晃
助監督: 木ノ本豪
出演: 染谷将太 住田祐一
二階堂ふみ 茶沢景子
渡辺哲 夜野正造
諏訪太朗 まーくん
川屋せっちん 藤本健吉
吹越満 田村圭太
神楽坂恵 田村圭子
光石研 住田の父
渡辺真起子 住田の母
モト冬樹 てつ
黒沢あすか 茶沢の母
堀部圭亮 茶沢の父
でんでん 金子
村上淳 谷村
窪塚洋介 テル彦
吉高由里子 ミキ
西島隆弘 YOU
鈴木杏 ウエイトレス
手塚とおる
清水優
清水智史
新井浩文
永岡佑
小林ユウキチ
麻美
今村美乃
遠藤雄弥
深水元基
玄覺悠子
矢柴俊博
新納敏正
ペ・ジョンミョン
翁長誠
吉田エマ
石川ゆうや
岸田茜
姉吉祐樹
大堀こういち
石垣光代
斎藤嘉樹
内田慈
木野花
小久保寿人
宮台真司
永井まどか




 「冷たい熱帯魚」「恋の罪」の園子温監督作品。
原作は古谷実の同名コミックス。
15歳の孤独な少年、住田祐一。借金をつくって蒸発した父親と浮気している母親。そんな中で
ボート屋を営んでいる。彼の夢は、立派な大人になること。
クラスメイトの茶沢景子は住田に好意をもっていつもくっついてくる。
それを疎ましく思いながらも、少しずつ心を解きほぐしていく住田。
ところがある日、母親もいなくなってしまい・・・


感想 

  

今年初映画鑑賞。
Rー12なので、暴力的な描写、痛い、痛いシーンは数多くあったものの、
今までの作品にあるような、ものすごいグロ・・・☆や、もういいよと遠慮したくなるような濃いエロ・・・☆は
影をひそめ、どちらかというと、ソフトな作りだったように思います。
震災をうけ、当初の脚本を書き直して作ったという今作品は、
監督ならではの、メッセージを伝えようとしているんだろうな・・・というのが
随所にみえる・・・そういう作品でした。
原作は未読ですが、どうもラストが違う模様。
映画と違うのならば、相当暗めなんでしょうね・・・。
そもそも、どの作品においても、園作品って、パワーみなぎっている作品が多いので
その調子で、こういうメッセージを発せられると
観ているこちら側も、グッと気持ちを持っていかれます。
主演2人は、
ヴェネチア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)に輝いたということで
(染谷将太と二階堂ふみ)、
賞に恥じない、迫真の演技で、素晴らしい!!
染谷君はテレビドラマで、ちょろちょろ観たことあるのですが、二階堂さんは初めて。
セリフは、早口でまくし立ててたり、同じ言葉を連呼したり、独特の言い回しも多し。
こういう演出が多いんだよね。
それゆえ、より印象的です。むきだし・・・のひかりちゃんみたい
役柄としては、好きな人(住田)を一途に思うので、西島隆弘の女バージョンですね。



住田の家庭はダメな両親ゆえ、荒んでいますが、それでも住田自身は、悲観することなく前向きに生きています。茶沢さんは、立派な家に住み、一見普通にみえますが、
実は母親にうとまれ、早く死ねとまで言われる始末。
なんだか、自宅に、奇妙な絞首台を作られていました⇒茶沢の家庭、描写は少ないが
ほとんど、異常だと思える母親(これは黒沢あすか が、例の映画を思い出させるような演技でみせます)
がいます。観ていて非常に不可解。

しつこくつきまとう、茶沢さんだが、
住田も、口では嫌がっていますが、気持ち的にはそうでもないのかも・・・。
そんな住田の貸しボート屋の周りには
震災で家や家族をなくした人たちが、テントを作って暮らしています。

ここの住人が、
渡辺哲 (役名、夜野正造)だったり、
吹越満、神楽坂恵(役名、 田村圭太、田村圭子、夫婦です☆)
だったりします。
そう・・・過去の作品を観ている人はお気づきですが
「冷たい熱帯魚」の面々です。

つまり、この作品、園作品で、おなじみの人たちが
かなり多く出演しているのです。
でんでん、、光石研、 渡辺真起子、 吉高由里子、 西島隆弘などなど。
ちょっとオールスター出演しすぎでは・・・と思うところもあります。
なぜなら、過去のイメージが頭をちらつかせるときもあったから。
観ていない人ならそれほど、問題ではないことですが、
どうも過去作品、すべてインパクトあったからね~~~。



ボート屋のそばで暮している人たちは
「住田さん、住田さん」と彼を慕い、彼を見守ってくれる存在。



そんな彼の暮らしが変わるのは・・・
母親が蒸発、父親が現れる。そしてその父に金をせびられ、暴力を振るわれ
あげくに
「おまえなんか、いらないんだよ」とののしられる。
やがて、住田はとうとう、ある行為を犯してしまう。



観終わった後
なぜか、住田に心をよせている・・・自分がいることに気づきます。
住田・・つまり、未来です、希望です。

住田の借金を返すために
犯罪を犯してしまった、夜野正造が金貸しのでんでんに言った言葉が印象でした。
夜野は、
600万ポ~~ンと用意しちゃったんですね。

「なぜ、あんな奴のためにそこまでする」というでんでん、に
「住田さんは、私たちの未来なんだ」(←正確には思いだせないので、ニュアンスで受け取ってください)という
夜野。

あ・・・・そうか、
私たちには未来があるんだ。
そしてその未来は、今、まだ若い、子供たちが背負っているんだ。
そして希望も彼らに託すことができる・・・



正直、こんなストレートな言葉をセリフとして、発せられることに驚きも感じましたが
同時に、この作品で言いたいことが明確に分かった気がしてうれしかったです。



また、この金貸しのでんでんの存在も、ただのやくざだけではおわらせていなかったのも印象的です。
住田が、父親を殺してしまって、絶望の淵にいるときも、
彼に生きる勇気を与える言葉を発していました。
拳銃を渡すシーンですね。
ちょっと、はっきりした言葉は忘れてしまいましたが・・・。


そして一番は
茶沢さん。


彼女が最後まで諦めなかったから、
住田をなんとか救うことができたのです。



・・頑張れ・・・頑張れ・・・ということば。やたらめったら使うのは私はあまり好きではないのだけど、
この映画ではそうは感じなかった・・・
その状況を理解していない人が使ったら、ただの、意味のない言葉になってしまうかもしれない。
相手に対しても、プレッシャーでしかないかもしれない。
でも、このときのラストの
茶沢さんの「頑張れ~~」には、住田を思う気持ちがよくあらわれていたように思います。
だからこそ、素直に響いてきたのかも。
受け入れられたのかも。
うわべだけの教師の言葉とは違う・・・
とことんまで
住田の気持ちに寄り添ってくれた茶沢さんの
心の底からの叫びだから・・・・
そして住田は
今絶望のそこにいる多くの人々の代名詞でもあるのだから・・・。



言葉を大切にする人ならではの作品だったのかな・・・と思いました。


himizu.jpg
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俺にはわかる~『ヒミズ』

 15歳、中学三年生の住田(染谷将太)は、震災で家を失った大人たちが集う、 湖の畔の貸しボート屋で暮らしていた。住田のクラスメイト・茶沢(二階堂ふみ) は、「普通最高!」と叫ぶ住田を神格化し、憧...

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初・園子温

みみこさん、おはようございます。
初めての園子温でした。とってもよかったです。
でも、今まで園作品を観続けている方には物足りなかったのかな?
「出来損ないの作品」とまで書かれているブロガーさんがいて驚きました。
今までの作品とは、ちょっと毛色が違うのですかね?
私自身は大感動、だったのですが・・・。

ところで、うちが休止の際にはメッセージありがとうございました。
受験は、第一志望がダメで、残念な結果に終わってしまいました。涙
子どもは、今日から学校に行ったのですが、、普通の小学生に戻って欲しいです。あとちょっとだけど。
インフルエンザも流行ってきてるので、お互い気をつけて過ごしましょうね♪

真紅さんへ

おかえりなさ~~い。
再開されて、良かったです。
うれしいわ・・・
まずは、受験、お疲れ様でした。
今は親子ともどもゆっくりお休みくださいね。
新しい学校生活、きっと楽しいものになりますよ・・・♪
あとはそちらで・・



で・・・この映画。
受験終了ですぐの鑑賞かしら。
結構重めのシーンが多かったのですが
やはりラストの、希望に満ちた走りには
勇気づけられますよね。


たしかに、いままでの作品が
刺激が強かったぶん、
意外とおとなしいわね・・・・という印象は持ってしまうかな・・・と思います。
まあ・・原作もあるものですし、
原作好きの人には実際どう、うつったんでしょうね。

「出来損ないの作品」・・・・いや~~~さすがにそこまでは感じなかったかな。
今のこの時期でしか、作れなかった作品だと思いましたよ。


あとでうかがいます~~

ほんとね~!

みみこさん、こんにちは。
今頃やっとこれの感想をまとめてます。
と言っても、観た当初からずいぶん経ってしまったので
あまり詳しい感想ではなく、ほとんどただの叫びですが。(いつもかな;;)

で、みみこさんの感想拝見にきたら・・

>言葉を大切にする人ならではの作品だったのかな・・・と思いました

・・・・・いやぁ~本当にその通りですね、って共感。
私も、あの「未来」や「頑張れ」の言葉には驚いたし、でもそれがすんなりと
素直にココロに響いてきたのには我ながら驚きました。

今回の作品は、震災の映像がちょっとひっかかったりもしたんだけど、
物語自体はやはりパワーがあって、しかもあのラストだったし、
いつもの園映画よりは爽やかな感じがしました。

tsurubara さんへ


こちらにもありがとうございます。
震災の影響で大幅に脚本を替えたとかで・・・。
メッセージのはっきりした作品でしたよね。
本来の漫画の方を知らないので
どこまで違ったのかはよくわかりませんが・・・
こういう作品を作ったのね・・・と
驚きながら鑑賞していました。


やっぱり、言葉関係、充実していましたね。
主役の女の子に、詩を読ませるところとか・・・。
印象深いフレーズは何回も繰り返えすところなんか・・・
いつも通りの感じかな・・・とは思いました。



最後の
頑張れも・・
あんなにストレートに言わせるとは思わなかったかな。

冒頭の震災の映像ですよね。
とってきたんですよね。
ちょっと生々しかった部分はありますよね。

確かにさわやかでしたね。
あれで絶望的なら、見ている方もどうしていいかわかりませんよね。

次作は
「希望の国」とか。
いろんな意味で気になりますね・・・・

寒いね?(^^ゞ

みみこさ~~ん、同じ、同じだよー。
やっぱりみみこさんも、あのオッサンの言う「若い子 希望、未来だよ」に
ガツーンと来てたのね?
私は、最近になく、あのセリフは凄い衝撃と感動?を受けたわー。

>言葉を大切にする人ならではの~
まさに、そうだよね。さすが・・・って思ったわ。

まあ、難はあったと思うんだけど(首つり装置とか) それを上回る感動をくれた作品だったよ。
とはいえ、震災部分のところは、素直にすーっと見れなかったんだ・・・。

はつ恋、最終回見たら行くからね!!

latifaさんへ

こんにちは。
今までとはちょっと雰囲気が違う感じでしたね・
メッセージ性しっかりあったし。
おじさんの言う言葉印象的でしたよね・・・
若い人に期待したいものね。

そうそう・・・
あの女の子の家族・・
妙な装置とか
意味不明のものもあって・・・ねぇ~~。
(それはいつものことなんだけどね。。。。)
でも相変わらず勢いがあって
あっというまの上映時間はさすがだね・・・と思いました。

震災の部分は・・・うんうん。 
急遽変えたって言うことで
不自然な部分もあったかもね。


やっぱり次回作が楽しみな方だよね

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