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すべて真夜中の恋人たち   著   川上未映子  

すべて真夜中の恋人たち   著   川上未映子 



 34歳、フリーの校閲者入江冬子。
人づきあいが苦手な彼女。
趣味は真夜中のまちを散歩すること。
仕事上では出版社社員の石川聖と交流有。彼女は冬子とはタイプの違う女性。
ある日冬子は、カルチャーセンターで初老の男性と知り合う・・





感想



少し前に読んだのですが感想書き忘れていたので簡単に。
もう一本エッセイも読んだのですがそちらも面白かったな。

「ヘブン」よりは、どんより感はないものの、やはりせつない恋愛話なので
心は痛くなります。お互い惹かれあいはするものの、それ以上にはならなかった2人を
いたわってあげたい・・・。
年の離れた男女ということで
別、川上さんの「セ ン セ イ の 鞄」を思い起こさせるけど、あちらはハッピーだったものね。



なぜ、お酒を飲むまで主人公が孤独にさいなまれているのか、
なぜ、彼、三束さんは嘘をつかなけらばならなかったのか・・・
思いめぐらせることは多いです。
こんな風に終わらないで
もっといい2人の関係があったのではないか…築けなかったのか
そんな思いを感じました。

三束さんと冬子さんの
光に関する会話が素敵でした。
言葉一つ一つを丁寧に拾い上げて会話しているような気がして・・・
一つも無駄な言葉がないみたいで。



冬子と、石川聖の最後のバトルは凄まじかったです・・・
女同士だと強烈になるのね。
聖が
「涙にしろ精液にしろ、たかだかティースプーン一杯か二杯ぐらいの量の液体を体からだすことが
なんでこんなに大変でこんなに重要なんだと思う」という語り。
読み返してみるととっても強烈です。
女性ならではの視点だよな・・・と思ったりしましたが。
しかし、こういった言葉をだせる女性、尊敬さえしてしまいます・・・




失った人への
切ない思いが
淡々とした言葉で描かれていていつのまにか、自分も遠い昔の苦い想い出を
思い返してしまいそうなそんな気分でした。
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