メゾン・ド・ヒミコ
メゾン・ド・ヒミコ
(2005 日本) 監督 犬童一心
出演 : オダギリジョー(岸本春彦)
柴咲コウ(沙織)
田中泯(ヒミコ・父) 歌澤寅右衛門 ほか
母親の入院費のために借金をかかえてしまった沙織。
昼は、塗装会社の事務員、夜はコンビニのバイトをして働いていた。
そんな彼女の元に、幼い頃に出て行った父の恋人なる男性岸本春彦
が訪ねてくる。余命少ない父親に会ってやってくれ・・という誘いに
最初は反発をしていた沙織だが、バイト料を払うという申し出に
しぶしぶ引きうけてしまう。
海辺傍に立つ・・・メゾン・ド・ヒミコ。ゲイのための老人ホーム・
そこを沙織の父親は経営していたのだ。そう、父はゲイだったのである・・・。
感想 ジョゼの渡辺あや、犬童監督のコンビによる、オリジナル
ストーリーです。前作が良かったので、普段邦画は映画館には
行かないのですが、思い切って観にいってしまいました。
まあ~~~すごい混雑です。
オダギリジョー目当ての観客が多数いらしたのではないのかと
推測しますが、いかがでしょう。
私今まで、彼のことなんとも思っていませんでしたが、
この映画での彼・・・いいですね。
カッコイイと思いましたね・・・ハイ・・・笑
もしかしてゲイ役だからかな~~~。
映画は2時間11分。これといった大きな感動とかはありませんが
じわじわ心の染み込んでいくような不思議な魅力をもった
作品に仕上がっていたと思います。
エピソード一つ一つは淡々としていたと思います。
面白おかしくあったり、時にはシリアスであったりと、バランスよく
組み込まれていました。かなり丁寧に描いているので
もう少し簡潔にしてもよかったかな・・とも思いましたけどね。
感想はですね・・・どこに重点を置くかによって、
観る人、様々なような気がします。
ゲイを扱っていることから、ゲイのあり方についてまでも
感想が出てくるような気がするんですよね。
自分のあるがままに生きることって人間としては最大の喜びであると思います。だから、差別されようとも、あるがままの自分を愛し
ゲイとしての生き方を貫いた彼らは、幸せ者だと思うんです。
でも世間では認められないのはやはりつらいことですよね。
ゲイのホームをつくったというのも、同じ仲間でしか、居心地の良さ
を感じることができなかったからでしょうね。
また、自分の好きなように生きるということは、誰かを悲しませているところでもありますよね。家族とか・・・ね。
そういう背後関係まで考えると、あるがままに生きるっていうのは
難しいことでもあるんだな・・・って感じました。
沙織の気持はよくわかります。やはり簡単に父親を許せないでしょう。
映画は、安易な和解に走っていかなかったことに好感もてました。
これで、ハイ、理解しあいました・・・めでたしめでたし・・・に
なったら、つまらないもの。
許したくない父親。でもその父親は憎くまれていることを承知でも、沙織に「好きだ」という一言をかけてあげるのです。
それは、純粋な自分の気持だったんだろうな~~。
我侭で勝手な父親像に見えていても、きっとその一言で
沙織の気持は軽くなったのんじゃあないのかなって思いました。
許すという結論までは行き着かなくても、今まで感じていた
父への気持が変わってきたことは確かだと思うんです。
そして母親に関する事実。母は・・・父親のことを許していたんですよね。それもまた違った意味での愛なのかなと感じました。
春彦は沙織の父親の恋人です。
深い愛情を寄せているようです。彼と出会う前は孤独で一杯だったと
言う彼。その孤独から救ってくれたのが、ヒミコなんですよね。ホームにいる住人は、女装趣味の男性や、かなりどきつい衣装のゲイやらで
若い人は晴彦だけなんです。そして誰よりも彼は・・・見た目
カッコイイんですよね。そんな彼が惹かれる男性として描かれるヒミコはターバン巻いて、薔薇のお洋服など着て、ファッション的にも
インパクトある男性。でもさすが、皆の先頭に立っている男性ですよね。容姿は別としてカリスマ的な魅力が全身からビシバシ感じるのですよ。
ゲイの晴彦が惹かれるのも、しょうがないのかな・・・とも思えます。
演じている田中泯の存在感はすごいですね。
晴彦はヒミコを愛するゆえ、失うことに、とても恐れを感じているように思えました。頭では理解しているに、やがて迎える喪失感にどう
立ち向かっていいかわからない部分もあったんじゃあないかな。
だから、彼が「欲望にしがみつきたい」と訴える気持が痛いほど
わかりました。生きることはすなわち、欲望を追い求めることかも
しれませんよね。何かしたい、欲したいというエネルギーが
希望にも繋がるんだと思います。
晴彦は、その欲望の一つとして、沙織に向かおうとしたのかと
私は理解しました。ラブシーンは思った以上にリアルで
ちょっとドキドキしましたけど。(なんたって前2列目での鑑賞でしたから)
ただ、気持と体って、一体にならないこともあるようで。
お互いに、せつなかったのではないのかなと思いました。
ゲイだろうが、そうでなかろうが、誰でも
老後を迎えるし、死も迎えるんですよね。
そのとき、孤独感を感じず、誰かが傍にいてくれるそれが
一番の幸せでないのかなと思いました。
ちょっと盛り込まれるテーマがいっぱいあったかな。
観る度に、違った感想を持てそうな気がします。
オダギリジョーのフリルのシャツは王子様みたいで
良かったわ。あと他のゲイたちは奇抜な服装が多かったから、ナチュラルな服装の彼が余計目立ちましたね。
西島さんはしょうもないエロ経営者の役でした。
どんな女でも手を出すの。ああいうの観ていると、愛した人のために
つくす晴彦がひどく純に見えてきますね。
柴崎コウ・・・は素顔に見えるメイク?なのかな。
最初は生活に疲れた~~~という感じでしたね。
怖い目は健在で。今回父を憎むという役だから、合っていたんじゃあないかな。
彼女は住人たちと出会うことで、少しづつ変わっていくのですよね。
偏見を捨てて付き合うことで、自分もどこか変化していったようです。
なかなかどうして・・・現実的に向き合う問題としては
ゲイ、老後など、一筋縄ではいかないことだろうけれどね。
難しいだろうっていうこと。
でも、この映画を観て、どこかホッとできる部分も感じました。
やっぱり、どんな人間でも
接することで、理解しあえる部分もあるんだな・・って。
住人の中では、ルビイーが印象的でした。
泣けたわ~~~~~~。
ホテルを改装したということで、このメゾン・ド・ヒミコ内の
インテリアはとても素敵です。老人ホームなんて言葉は
相応しくないみたい。ある種、パラダイスみたいな場所ですよね。
色んな人の感想を聞きたい映画ですね。
私は3回くらいツツツ~~って泣いちゃいましたね。
人の死はつらくて・・・。

(2005 日本) 監督 犬童一心
出演 : オダギリジョー(岸本春彦)
柴咲コウ(沙織)
田中泯(ヒミコ・父) 歌澤寅右衛門 ほか
母親の入院費のために借金をかかえてしまった沙織。
昼は、塗装会社の事務員、夜はコンビニのバイトをして働いていた。
そんな彼女の元に、幼い頃に出て行った父の恋人なる男性岸本春彦
が訪ねてくる。余命少ない父親に会ってやってくれ・・という誘いに
最初は反発をしていた沙織だが、バイト料を払うという申し出に
しぶしぶ引きうけてしまう。
海辺傍に立つ・・・メゾン・ド・ヒミコ。ゲイのための老人ホーム・
そこを沙織の父親は経営していたのだ。そう、父はゲイだったのである・・・。
感想 ジョゼの渡辺あや、犬童監督のコンビによる、オリジナル
ストーリーです。前作が良かったので、普段邦画は映画館には
行かないのですが、思い切って観にいってしまいました。
まあ~~~すごい混雑です。
オダギリジョー目当ての観客が多数いらしたのではないのかと
推測しますが、いかがでしょう。
私今まで、彼のことなんとも思っていませんでしたが、
この映画での彼・・・いいですね。
カッコイイと思いましたね・・・ハイ・・・笑
もしかしてゲイ役だからかな~~~。
映画は2時間11分。これといった大きな感動とかはありませんが
じわじわ心の染み込んでいくような不思議な魅力をもった
作品に仕上がっていたと思います。
エピソード一つ一つは淡々としていたと思います。
面白おかしくあったり、時にはシリアスであったりと、バランスよく
組み込まれていました。かなり丁寧に描いているので
もう少し簡潔にしてもよかったかな・・とも思いましたけどね。
感想はですね・・・どこに重点を置くかによって、
観る人、様々なような気がします。
ゲイを扱っていることから、ゲイのあり方についてまでも
感想が出てくるような気がするんですよね。
自分のあるがままに生きることって人間としては最大の喜びであると思います。だから、差別されようとも、あるがままの自分を愛し
ゲイとしての生き方を貫いた彼らは、幸せ者だと思うんです。
でも世間では認められないのはやはりつらいことですよね。
ゲイのホームをつくったというのも、同じ仲間でしか、居心地の良さ
を感じることができなかったからでしょうね。
また、自分の好きなように生きるということは、誰かを悲しませているところでもありますよね。家族とか・・・ね。
そういう背後関係まで考えると、あるがままに生きるっていうのは
難しいことでもあるんだな・・・って感じました。
沙織の気持はよくわかります。やはり簡単に父親を許せないでしょう。
映画は、安易な和解に走っていかなかったことに好感もてました。
これで、ハイ、理解しあいました・・・めでたしめでたし・・・に
なったら、つまらないもの。
許したくない父親。でもその父親は憎くまれていることを承知でも、沙織に「好きだ」という一言をかけてあげるのです。
それは、純粋な自分の気持だったんだろうな~~。
我侭で勝手な父親像に見えていても、きっとその一言で
沙織の気持は軽くなったのんじゃあないのかなって思いました。
許すという結論までは行き着かなくても、今まで感じていた
父への気持が変わってきたことは確かだと思うんです。
そして母親に関する事実。母は・・・父親のことを許していたんですよね。それもまた違った意味での愛なのかなと感じました。
春彦は沙織の父親の恋人です。
深い愛情を寄せているようです。彼と出会う前は孤独で一杯だったと
言う彼。その孤独から救ってくれたのが、ヒミコなんですよね。ホームにいる住人は、女装趣味の男性や、かなりどきつい衣装のゲイやらで
若い人は晴彦だけなんです。そして誰よりも彼は・・・見た目
カッコイイんですよね。そんな彼が惹かれる男性として描かれるヒミコはターバン巻いて、薔薇のお洋服など着て、ファッション的にも
インパクトある男性。でもさすが、皆の先頭に立っている男性ですよね。容姿は別としてカリスマ的な魅力が全身からビシバシ感じるのですよ。
ゲイの晴彦が惹かれるのも、しょうがないのかな・・・とも思えます。
演じている田中泯の存在感はすごいですね。
晴彦はヒミコを愛するゆえ、失うことに、とても恐れを感じているように思えました。頭では理解しているに、やがて迎える喪失感にどう
立ち向かっていいかわからない部分もあったんじゃあないかな。
だから、彼が「欲望にしがみつきたい」と訴える気持が痛いほど
わかりました。生きることはすなわち、欲望を追い求めることかも
しれませんよね。何かしたい、欲したいというエネルギーが
希望にも繋がるんだと思います。
晴彦は、その欲望の一つとして、沙織に向かおうとしたのかと
私は理解しました。ラブシーンは思った以上にリアルで
ちょっとドキドキしましたけど。(なんたって前2列目での鑑賞でしたから)
ただ、気持と体って、一体にならないこともあるようで。
お互いに、せつなかったのではないのかなと思いました。
ゲイだろうが、そうでなかろうが、誰でも
老後を迎えるし、死も迎えるんですよね。
そのとき、孤独感を感じず、誰かが傍にいてくれるそれが
一番の幸せでないのかなと思いました。
ちょっと盛り込まれるテーマがいっぱいあったかな。
観る度に、違った感想を持てそうな気がします。
オダギリジョーのフリルのシャツは王子様みたいで
良かったわ。あと他のゲイたちは奇抜な服装が多かったから、ナチュラルな服装の彼が余計目立ちましたね。
西島さんはしょうもないエロ経営者の役でした。
どんな女でも手を出すの。ああいうの観ていると、愛した人のために
つくす晴彦がひどく純に見えてきますね。
柴崎コウ・・・は素顔に見えるメイク?なのかな。
最初は生活に疲れた~~~という感じでしたね。
怖い目は健在で。今回父を憎むという役だから、合っていたんじゃあないかな。
彼女は住人たちと出会うことで、少しづつ変わっていくのですよね。
偏見を捨てて付き合うことで、自分もどこか変化していったようです。
なかなかどうして・・・現実的に向き合う問題としては
ゲイ、老後など、一筋縄ではいかないことだろうけれどね。
難しいだろうっていうこと。
でも、この映画を観て、どこかホッとできる部分も感じました。
やっぱり、どんな人間でも
接することで、理解しあえる部分もあるんだな・・って。
住人の中では、ルビイーが印象的でした。
泣けたわ~~~~~~。
ホテルを改装したということで、このメゾン・ド・ヒミコ内の
インテリアはとても素敵です。老人ホームなんて言葉は
相応しくないみたい。ある種、パラダイスみたいな場所ですよね。
色んな人の感想を聞きたい映画ですね。
私は3回くらいツツツ~~って泣いちゃいましたね。
人の死はつらくて・・・。

スポンサーサイト