悲しみのミルク
悲しみのミルク (2008 ペルー)
LA TETA ASUSTADA
THE MILK OF SORROW
監督: クラウディア・リョサ
製作: アントニオ・チャバリアス
ホセ・マリア・モラレス
クラウディア・リョサ
脚本: クラウディア・リョサ
撮影: ナターシャ・ブライエ
編集: フランク・グティエレス
音楽: セルマ・ムタル
出演: マガリ・ソリエル ファウスタ
スシ・サンチェス アイダ
エフライン・ソリス ノエ
マリノ・バリョン
2009年のベルリン国際映画祭、金熊賞作品。
老女が一人歌っていた。
彼女が味わった壮絶な恐怖と苦しみの記憶だ。
やがて老女は息を引き取る。
残されたのは娘のファウスタ。
彼女は
母親の苦しみを母乳から受け継いだと信じている。
一人で出歩くのも恐ろしく、他人とも心を開かない。
しかし、母を故郷の村に埋葬したいと願う彼女は、
その費用を稼ぐため、ピアニストの屋敷でメイドの仕事を始める。
ある日
即興の歌を口ずさむファウスタに興味をもった
ピアニスト。一曲歌うごとに真珠一粒と交換するという約束を交わすのだが。
感想
地味映画として紹介された一本。
ここのところ、紹介されている地味映画はほとんど間違いなく地味ですね・・・・・。
さすが皆さま、選びどころが違う・・・。
この作品
全然知らなかったのですが
ベルリン国際映画祭、金熊賞作品なんですね。でも2009年ということは
やっと公開されたってこと?わ~地味な扱い。(そういえば、「善き人」も2009年作だったような)
冒頭
まず歌から始まります。
もしかして、ミュージカル?と思いきや、
そんな楽しい雰囲気はなく
よくよく歌詞を聞いていくと
ドヨ~~~ンとした気分に。
老母の歌は・・・。
暴力で犯されたという悲惨極まりないもの。
これを長年聞かされていたら
まるで、娘自身が経験者の様な気持にもなるだろうし
今はそんな時代ではないとわかっていても
消せない傷として心に残ってしまいますよね。
彼女が世間に対しての恐怖をもつようになるのも
わかる気がします。
娘は
母親のその過去に縛られることで
明るい未来など自分にはないように思ってしまう・・・
映画は母親の過去に囚われる娘の姿を通して
ペルーの内戦の悲惨さを静かに語っている部分もありますし
同時にこの重い過去を背負ってしまった(といっても母親の過去)
娘の新たな出発を描いている作品のように感じました。
介護していた母親はやがて、死去します。
娘は遺体を故郷の村に運ぼうとするのですが・・
お金がないのです・・。
この娘、ファウスタは、
ピアニストの家にメイドとして入り
賃金を稼ぎ始めます。
ファウスタは恐怖に陥ると心を安らげるためか
歌います。
その歌もまた聞かせるメロディーです。
ある日、
ピア二ストの家で
「人魚の歌」を口ずさんでいるのを
雇い主の女性が聞き、もっと聞かせてほしいと頼まれます。
このピアニスト・・・
私、救いの人になるのかと思ったのですが、
そうではなかったのです・・・かなしい。
ピアニストは
裏切るんですね。。
真珠を渡すといったのに・・・
ファウスタはこの出来事でまた心を閉ざし始めるのですが・・・
彼女を救いだす、きかっけになる人物が
近くにいたのです。
庭師・・・
地味・・・。
でも、色恋沙汰にならないで、気持ちいい人間関係を築くことができる
人物がいて、
本当に良かった・・・
叔父さんに言われた
「生きろ」という言葉も印象的。
この映画は
ちょっと抽象的な部分もあったり
話の流れ以外にも結婚式の場面がよく描かれていたり
やや、感性に訴えるような映像が多いのですが、
妙に心に残る不思議な魅力があります。
そして
もうひとつ忘れてはいけないのが
ジャガイモ。
ジャガイモは、キーワードなのかもしれませんね。
ペルーにとってはじゃがいもって意味があるみたいですし。
でも、
まさか、
あんな使われた方をしているとは
信じられなかったです。
途中で
チョッキンと切っていたのは
芽だったんですね。
痛そうな・・・・
そこまで彼女を追い詰めてしまっていたというのも
考えてみれば
悲しいこと。
ラストはそのじゃがいもで
みせます。
どう捉えるのか・・・。
新たな出発を応援してあげたいですよね。

LA TETA ASUSTADA
THE MILK OF SORROW
監督: クラウディア・リョサ
製作: アントニオ・チャバリアス
ホセ・マリア・モラレス
クラウディア・リョサ
脚本: クラウディア・リョサ
撮影: ナターシャ・ブライエ
編集: フランク・グティエレス
音楽: セルマ・ムタル
出演: マガリ・ソリエル ファウスタ
スシ・サンチェス アイダ
エフライン・ソリス ノエ
マリノ・バリョン
2009年のベルリン国際映画祭、金熊賞作品。
老女が一人歌っていた。
彼女が味わった壮絶な恐怖と苦しみの記憶だ。
やがて老女は息を引き取る。
残されたのは娘のファウスタ。
彼女は
母親の苦しみを母乳から受け継いだと信じている。
一人で出歩くのも恐ろしく、他人とも心を開かない。
しかし、母を故郷の村に埋葬したいと願う彼女は、
その費用を稼ぐため、ピアニストの屋敷でメイドの仕事を始める。
ある日
即興の歌を口ずさむファウスタに興味をもった
ピアニスト。一曲歌うごとに真珠一粒と交換するという約束を交わすのだが。
感想
地味映画として紹介された一本。
ここのところ、紹介されている地味映画はほとんど間違いなく地味ですね・・・・・。
さすが皆さま、選びどころが違う・・・。
この作品
全然知らなかったのですが
ベルリン国際映画祭、金熊賞作品なんですね。でも2009年ということは
やっと公開されたってこと?わ~地味な扱い。(そういえば、「善き人」も2009年作だったような)
冒頭
まず歌から始まります。
もしかして、ミュージカル?と思いきや、
そんな楽しい雰囲気はなく
よくよく歌詞を聞いていくと
ドヨ~~~ンとした気分に。
老母の歌は・・・。
暴力で犯されたという悲惨極まりないもの。
これを長年聞かされていたら
まるで、娘自身が経験者の様な気持にもなるだろうし
今はそんな時代ではないとわかっていても
消せない傷として心に残ってしまいますよね。
彼女が世間に対しての恐怖をもつようになるのも
わかる気がします。
娘は
母親のその過去に縛られることで
明るい未来など自分にはないように思ってしまう・・・
映画は母親の過去に囚われる娘の姿を通して
ペルーの内戦の悲惨さを静かに語っている部分もありますし
同時にこの重い過去を背負ってしまった(といっても母親の過去)
娘の新たな出発を描いている作品のように感じました。
介護していた母親はやがて、死去します。
娘は遺体を故郷の村に運ぼうとするのですが・・
お金がないのです・・。
この娘、ファウスタは、
ピアニストの家にメイドとして入り
賃金を稼ぎ始めます。
ファウスタは恐怖に陥ると心を安らげるためか
歌います。
その歌もまた聞かせるメロディーです。
ある日、
ピア二ストの家で
「人魚の歌」を口ずさんでいるのを
雇い主の女性が聞き、もっと聞かせてほしいと頼まれます。
このピアニスト・・・
私、救いの人になるのかと思ったのですが、
そうではなかったのです・・・かなしい。
ピアニストは
裏切るんですね。。
真珠を渡すといったのに・・・
ファウスタはこの出来事でまた心を閉ざし始めるのですが・・・
彼女を救いだす、きかっけになる人物が
近くにいたのです。
庭師・・・
地味・・・。
でも、色恋沙汰にならないで、気持ちいい人間関係を築くことができる
人物がいて、
本当に良かった・・・
叔父さんに言われた
「生きろ」という言葉も印象的。
この映画は
ちょっと抽象的な部分もあったり
話の流れ以外にも結婚式の場面がよく描かれていたり
やや、感性に訴えるような映像が多いのですが、
妙に心に残る不思議な魅力があります。
そして
もうひとつ忘れてはいけないのが
ジャガイモ。
ジャガイモは、キーワードなのかもしれませんね。
ペルーにとってはじゃがいもって意味があるみたいですし。
でも、
まさか、
あんな使われた方をしているとは
信じられなかったです。
途中で
チョッキンと切っていたのは
芽だったんですね。
痛そうな・・・・
そこまで彼女を追い詰めてしまっていたというのも
考えてみれば
悲しいこと。
ラストはそのじゃがいもで
みせます。
どう捉えるのか・・・。
新たな出発を応援してあげたいですよね。

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