火口のふたり    著  白石一文

火口のふたり    著  白石一文


震災、原発事故から三年。
離婚し、会社をやめ起業したものの、倒産の危機にみまわれた賢治。
従妹である直子の結婚式に出席するために、東京から、生まれ故郷である福岡へ。
直子とは以前愛し合った仲。
そんな直子と再び再会。
直子の結婚相手は、陸上自衛官3佐の北野という幹部自衛官だが
直子が本当に相手を愛しているかどうかは・・わからない。
ただ子どもを欲しいという思いから結婚を考えた感じだ。
そんな直子が賢治に言う。
もう一度あの時に戻ってみないかと・・。








感想


新年早々の一冊は白石さんの新作。
前作「幻影の星」に続き、震災の影響が大きく関わっている作品。
ただし、かなりエロいです。
行為は変態チックです。
表紙も刺激的。
もちろん、テーマはエロだけではないです。
後半の出来事がメインでしょう。
ただ、
この濃密な愛と後半の出来事が
すんなり結びつき、生きるということがどういうことかまで
考えられるかどうか。
読者がこの流れについていくのかどうかは微妙な感じもします。




主人公の賢ちゃんがつくる
お料理は美味しそうでした。ハンバーガ食べたいな。
お料理描写と性描写は、いつも印象に残るんですよね。


導入部分
いとこの結婚式のために久々に故郷、福岡に戻った主人公。
再会したいとこ直子は以前関係があったのです。
思いだす過去。
ここまでは、普通に読むことができるのですが
想い出の写真、直子の写真が出てきて・・・
それがどういう被写体かわかったときは、
主人公に向ける目が変わってくるとおもいます。
私が女だから余計そう思うのかもしれませんが
どうもマニアックな感じの恋愛になると引きます。
濃密と言えば濃密でしょうが。
いとこ同士という、近親同士の恋愛は許容範囲としても
なぜ、こんな激しさと言うか、特殊というか(そうでもないのか・・・)
マニアックな絡みが必然であるのかは、理解できませんね。



先の見えない未来。
確かに今は、一歩先、どうなるかわかならい世の中ではあります。
表題にもなっている火口・・・。
それは富士山のことなんですが
その富士山にまつわる、大事件が
唐突に感じます。
もちろん、3佐と結婚を考えるという時点で
こういう大事件への伏線は張られていたのだと思いますが
その出来事を
この2人がどう受け止めるかについては
これでいいのかという思いも感じます。
自然現象なので2人がどうするわけにもいかないとは
思いますが
だからといって、2人が愛慾に溺れて
生きているということとはこういうことだ・・みたいな
対応のみだとしたら
なんだかな・・・という思いも感じます。
自分たちは遠い地で黙ってこの事態を見つめている・・・
だからどうなのか。
なんだか悶々としませんかね。
直子が
賢ちゃんが求めたから、あんなシチュエーションでの行為を受け入れたという
告白も、なんだかな・・・・と思いました。



昔の作品が懐かしいです。

窪美澄さんの書評もありますので
それを読んで手に取る人もいるかもしれませんよね。
でも
白石さんの作品としては
もっといい作品があるのにな・・・と思います。



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