母性   著    湊  かなえ

母性   著    湊  かなえ



母親と娘のそれぞれに思い。
母性とは・・・。





感想


湊さんのお得意の独白形式の物語。

母親、娘、それぞれの立場から
様々な出来事の状況説明を行っていきます。
つまり
同じ出来事を経験していても
立場が違えば、とらえ方も、考え方も
まったく違ってきているってことなんですよね
所詮、母親、娘といえども
別人格なので、お互いの思いがどのように伝わっているかなんて
わからないし、理解できない部分が合ってもしかたがないんじゃないのかな…って思えます。

タイトル通り
テーマは母性。
母性ってどういうものなんだろうと・・・・物語を読みながら
考えたくなってしまう内容でした。


冒頭
<17歳の女子高生が4階にある自宅から転落したという>
新聞記事の中で
<女子高生の母親の「愛能う限り、大切に育ててきた娘」というコメント>を
みつけた
一人の教師が、同僚の教師にこの事件のことを尋ねるというシーンから
始まります。
とはいうものの・・・
この事件は本題とは関係なし。
実はこの教師がキーポイント。
ネタバレしちゃえば
この教師は、新聞記事を読んで、自分の過去を思い出したんですね。
自分もこの事件の少女と同じように
母親に<愛能う限り、大切に育ててきた娘>という位置づけで育てられてきたから。

この後に続く
母親と娘の手記は、この教師の物語なんです。(この構成は最後まで読まないとわからない・・)

「母の手記」・・・娘を愛することができない母親が、とある教会の神父に向けて書いた手記という形式。
「娘の回想」・・・・母親に愛されていないと感じている娘の手記。

2人の名前は
最後まで明かされません。
母親は
ルミ子で
娘は清佳<さやか>です。

そうやって
物語は
母親の幼少から結婚、子供を産み・・と続き
果てはその母親の母親、(つまり娘の祖母)の死について語られていきます。
夫の親との同居生活は凄まじいです。
義母はいじわるだし、夫、田所の妹もわがままだし、苦労のし通し。
子供さやかは
母親を守るためにいろいろするのですが
母親ルミ子にその思いは通じず
かえって、うらまれる始末。


ここら辺の
母、娘のわかりあえない関係は悲しかったですね。


夫、実家には
英紀という子が遊びに来ているのですが
この英紀がこれまたどうしようもない、子でしたね。
読んでいて不快。

2人目妊娠したルミ子の流産はこの英紀のせいなのに・・・。


そうやって
波乱万丈な出来事が続き
最終的に
娘のある事件まで発展していくのですが・・・。


この親子
どうみても
ルミ子の、思いこみというか
お母さん大好き的な思想が自分の家庭を壊しているとしか
思えませんでした。


最後には
娘さやかと
普通に暮らしているみたいですが、
こうまで、いろいろ問題を抱えている家庭が
すんなり平和になるとは思えませんよね。



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「母性」湊かなえ

私は愛能う限り、娘を大切に育ててきました。 「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です」著者入魂の、書き下ろし長編。持つものと持たないもの。欲するものと欲さないもの。二種類の女性、母と娘。高台にある美しい家。暗闇の中で求めていた無償の愛、温もり。ないけれどある、あるけれどない。私は母の分身なのだから。母の願いだったから。心を込めて。私は愛能う限り、娘を大切に育ててき...

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