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P.S.アイラヴユー

 P.S.アイラヴユー

 著 セシリア・アハーン    訳 林 真理子

夫ゲリーを脳腫瘍で亡くしたばかりの若妻ホリー。
嘆き悲しんでいるホリーの元に、一通の手紙が届く。
そこには愛する夫が残したリストが同封されていた。
月ごとに開けて・・・。そこには、ホリーに対する愛情深い
メッセージが込められていた。末尾には必ず、「P.S.アイラヴユー…」。愛する人の死を乗り越え、新たな人生出発を決意するまでの一人の女性の物語。

 林真理子訳・・という言葉に引かれて読みました。
表紙も、白地に赤文字が、可愛らしいです。
喪失感と再生の物語ですので、読み手の状況によって
(同じ経験をしているとかね)感じ方も変わってくる作品だと
思います。日本ではこの手のお話が、大流行しましたよね。
セカチューとかね。でも私・・原作読んでいないので、
よくわからないのですよ。あ・・テレビドラマは観ました。
やはり、死に行くものの描写がある分、つらい物語でしたね。
この本では、主人公の夫・・ゲリーの死んだあとが中心になります。ですから、ゲリーの病気が不治の病だったといわれても、
描写部分が少ない分、ストレートには悲しみは浮かび上がってきません。むしろ、死を受け入れなくてはいけない、若妻ホリーを応援する方の気持ちが強くなりますね。頑張れって・・いう気持ち。
舞台は、ダブリン。そこに住む人々がどんな日常を送っているのかも垣間見れる、面白いエピソードがいくつか挿入されています。お話はホリーの家族、友達関係が中心となってきます。
日本とはまた違った生活習慣なので、一概にそれぞれの
気持ちが理解できるとはいいがたいのですが、退屈せずに読むことができますね。
 ただ、心に響いてくるものがあるかというと
そうでもなかったように思います。題材的には、感動を覚える
ものだと思うのですが、読んだ結果としてはそれほどでも
ないかなというのが正直なところ。やはり、舞台が外国だからなのかな。月ごとに書かれたメッセージというのも、私には
もったいぶっていて、我慢してもっていることなど到底不可能だと思うのです。絶対、見てしまう。また、その時その時のメッセージがあり、そのとおりにしていくというのも、
自分自身で見つける道をかえって、遠回りさせているようで、
どうかな・・・と思ってしまいます。もちろん、傍にいてくれるという感覚は大事だけれど、その後の人生にかかわりが強く
なってしまうのは、どうかと思うのです。いわゆる遺言が、何ヶ月にも渡って言い渡されるということですよね。
でも、迷って自分の道を
進むことができない人にとっては、ある程度の期間こういった
ことも必要なのですかね。よくわかりませんけど。

ストーリー中で、一番面白く感じたのは、後半の、就職先が
決まってからかな。やはり新しい人生が決まってからは女性は
輝きますからね。
そして現れる新しい男性。ダニエルですが、こちらの描写、とくに後半の結末についてはかなり不満。読んだかたの感想を
お聞きしたいところです。

ちなみにこのお話の作者・・セシリア・アハーンは、
アイルランドの首相バーティ・アハーンのお嬢さんだとか。
令嬢ですよ。そちらの方が話題かしらね。
映画化権も獲得しているところがあるということなので
今後の展開が楽しみではありますが・・・。
これ・・映画向きだと思いますね・20050127235129s.jpg

20050127235341.jpg

 セシリア・アハーン↑
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こんにちわ

貴重なストーリー紹介ありがとうございます。^^
大好きな本なので一人でも多くの人が手にとって読んでいただけると嬉しいです。
私はこのお話の映画を見てから小説を読んだのですが、とても感動しました。
確かに後半の物語のくだりはちょっと物足りなさを感じる気もしますが、映画とセットで読んでいただくとそのへんのモヤモヤが解消されるかもしれませんね。

ここで本題なのですが、ホリーの夫の名前は「ジェリー」です。
細かいとは思いますが重要人物なので是非修正を><

こんにちは。
私は映画は観ていないのですが良さそうな感じですね。
映画→小説だと映像のイメージそのままで小説を追うことができるので
より感情移入しやすいですよね。
夫のバトラーさんも優しそうな感じだしヒラリーも今までにないイメージなんでしょうね。
映画のほうも挑戦してみたいと思います。

<ここで本題なのですが、ホリーの夫の名前は「ジェリー」です。
細かいとは思いますが重要人物なので是非修正を>


了解しました。
私が読んだ本は2004年の単行本で、映画化のかなり前に読んでいます。
アマゾンのあらすじ紹介だと2004年版の単行本ではゲリーなんですよね。
実際翻訳の↑の本にもそう書いてあったのかも。(すでに手元にないので確認しようがないですが)
そのあと2008年に、映画版の二人の写真付きの表紙で文庫本が出たようです。
これは、アマゾンの紹介文だと、夫の名前はジェリー。
ちなみに映画版でも夫はジェリーだそうですね。
洋書だと、her husband Gerryとなっています。
つまり、このGerryの翻訳の仕方の違いですよね。
2004年の単行本ではこれをゲリーと訳していたのでは。だから私は↑のように
あらすじ紹介したのかな・・・と思われます。
でもそのあとはジェリーとなったとか・・・。
Gerryって翻訳ソフトで訳するゲリーと出ますからね。
ただ、映画版の印象があるとやっぱり、ジェリーですかね。

まあ・・・そういう経緯ですので・・・・。
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