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ディーパンの闘い

ディーパンの闘い(2015)
DHEEPAN

上映時間 115分
製作国 フランス
監督: ジャック・オーディアール
製作: パスカル・コシュトゥー
脚本: ジャック・オーディアール
ノエ・ドゥブレ
トマ・ビデガン
撮影: エポニーヌ・モマンソー
美術: ミシェル・バルテレミ
衣装: シャトゥーヌ
編集: ジュリエット・ウェルフラン
音楽: ニコラス・ジャー

出演: アントニーターサン・ジェスターサン ティーハン
カレアスワリ・スリニバサン ヤリニ
カラウタヤニ・ヴィナシタンビ イラヤル
ヴァンサン・ロティエ フラヒム


ジャック・オーディアール監督による2015年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞の社会派サスペンス・ドラマ。内戦下のスリランカを逃れ、フランスに入国するため赤の他人と家族を装うことになった元兵士の過酷な運命をスリリングに描き出す。主演は本人も実際に少年兵として内戦で戦った経験を持つアントニーターサン・ジェスターサン。
 内戦が続くスリランカ。妻と娘を殺され、戦う意味も失った元兵士のディーパン。難民キャンプで一人の女ヤリニと出会う。単身よりも家族のほうが難民として受け入れられやすいということで、2人は母を亡くした少女イラヤルも加え、家族としてフランスへ向かう。やがて、どうにか難民審査をパスした3人は、パリ郊外の集合団地に移り住む。そこで、団地の管理人の職を得たディーパンは、秘密を共有するヤリニ、イラヤルとともに、嘘がバレないよう、慎重に家族のフリをし続ける。それもこれも、ただ平穏な暮らしを願ってのことだったのだが…。

(allcinemaより引用)


感想

受験期間中
時間つぶしで映画鑑賞。久々の日比谷☆
ずっしり重かったらどうしようという不安はありましたが
希望のあるラストでしたので、精神状態もよかったです(笑)

2015年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。

難民、移民、暴力・・・
リアルな社会状況で
考えさせられる部分がたくさんありました。
日本が平和であることをつくづく有り難く感じます。

争いから逃げてきたのに
たどり着いた地、フランスでも暴力がはびこっていたという悲しい状況。
フランスでもあんなふうに無法地帯な住居ってあるんですね
管理人という仕事を与えられても
怖そうな人物たち相手ではお気の毒に・・・と思っちゃう。
しかし、主人公はもっと過酷な場所にいたのだから
新しい土地の荒くれどもなんて、なんとも思ってはいないんだろうね。

ディーパンの家族は偽物。
奥さんも娘も・・・。

娘をもったことのない奥さんにしてみれば
なんで、子育てなんて・・・と思うのも、わかります。
娘にしてみても
知らない人を親として見なければいけないし
甘えたいと思ってもそうできないのは、辛いの一言です。
だから娘が学校を嫌がったりするのも、十分わかります。

娘が奥さんに
家族がいる?って尋ねて
弟が一人…と答えたとき
私も弟のように優しくして~~と訴えたシーンには涙。
子どもは可哀想だな・・やっぱり。

ディーパンは元戦士ということで
寡黙なんですよね。
冗談も言わない代わりと、与えられた状況で、真面目にコツコツと我慢強く働く
健さんみたい・・
偽りの奥さんのこともちょっと気にはなるけど、好き?みたいな感情もあるのかもしれないけど
なかなか上手い表現はできないみたい・・・。
そして奥さん。
慣れない土地で働くのは苦手で・・
なにせ、この家族、子供以外はフランス語があまりよくわからない・・
でも奥さんも働かなくちゃあ・・ならなくなって。
年寄りのいる家庭に家政婦として派遣され、そこでお仕事。
家事は得意みたいです。
だけどそこの家庭は怪しい・・・
おいっこは薬の密売人で
常にその部屋では争いの声が起こっていて、奥さんも落ち着かなかったりします
その密売人の男ですが、なかなかイケメン、
意外に奥さんには優しい・・・
てっきり、その人とできちゃうのかな・・・
もしくは、襲われちゃうのか・・・と
下世話なことを考えたりもしましたが
紳士的で一安心。

とにかく
本国を出てからも
なかなか生活が安定しなくて
何かが起こりそうな雰囲気がプンプン。
なんだかわからない不安が
ず~~と映画の中に漂っているので
みていて、終始緊張感あります。
また登場人物たちも
何か起こすような微妙な動き、行動するしね・・・・心配。

ハラハラドキドキ

そして最後・・・起こってしまいました、大きな出来事。

メリハリのあるつくりで
最後まであきずに見ることができました。
ラストは素敵です。
ホッとできます。

今、同じような状況下が
どこかで繰り広げられているのかな…と思うと
映画の中だけでも
安心できる結末を観ることができて良かったです。

主人公のディーパンや娘役の子は
演技もしたことがないって。
え~~~って感じでしたが
逆によりリアルでした。

ジャック・オーディアール監督の
他の作品
「預言者」「君と歩く世界」もみてみたいな

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非公開コメント

平和が当たり前であって欲しい…

難民問題は今始まったことではないけど,ISの存在で急速に表面化してますネ。 実際に起こってる話なんでしょう。

>戦う意味

先日もシリアで病院と学校が攻撃されましたが,91年のユーゴ内戦でも「敵兵士の戦意を奪う」目的で同様のコトが起こりました…。 

25年以上も昔の話ですが,ボランティア先で知り合った20代の兵士を思い出します。 映画なんかでは描かれることがありませんが,必死で生き残った兵士たちの自殺率は非常に高い。 PKOから戻った自衛官が20人以上帰国後自殺したことは余りマスコミが取り上げないのですが,現場は筆舌にし難い惨状が続いています。

ワタシが面会した兵士は24時間震えが止まらず,ずっと「もぅ,パパやママに会わす顔がない」と呟いていました。 彼が戦闘で体験した話は割愛しますが,無事に帰国した報告は受けつつも,その後どうしてるのか今も気になっています…。

浮世に戻ってからの人生構築…。 これは然るべきサポートが必要なのに,頼るべき施設が少ないのが現状。 それが難民だったら尚更だし,まして秘密を抱えてなんて…。

だからと言って,浮世に暮らす我々ができることも中々見当たらない。

ワタシたち一家は「募金」で精神のバランスを保ってます。

あとはこの国の唯一のアドバンテージである平和を維持していかなければならないですね。 日本の政治家(屋?)たちの所業で認めてるのはソコだけ。 明日は我が身です。

重たいコメになってしまいましたが,ワタシがディーパンと同じ立場だったら絶対に浮世には戻れません。 

平和でいたい

メタボリッカ@ホームさんへ

コメントありがとうございます。
いえいえ・・・
いろんな意見伺えると参考になったり勉強になったりするので
有り難いです。

ボランティア先・・・というと
留学先で・・・でしょうか。
そちらに書き込みできないのでいつも読み逃げですが
英国なんですね…留学。
若い時の経験は得るもの多いですよね


浮世に戻ってからの人生構築…。 これは然るべきサポートが必要なのに,頼るべき施設が少ないのが現状。 それが難民だったら尚更だし,まして秘密を抱えてなんて…。>

そうですよね・・
私もできないかな・・・。
アメリカンスナイパーでも
戦場に記憶に悩む主人公でしたけど
やっぱり、戦争の記憶は影響大ですよね

いろいろ考えさせられる映画もまたよいですよね

ところで
息子さん、中学入学なのですね。
制服姿拝見しました
おめでとうございます。

男の子は中学からどんどん成長していきますので
楽しみですね。
男の子いいな~~

我が家は女の子が…

当時(90~91年)はワタシも若気の至りで,まだクリスチャンの頃でしたから,何かできると信じて,ある意味騙された感じがw

国連も無力。 真面目にやってる人が多いんですが,一方で残念な実情も…。 例えば某国のPKO部隊の装甲車に怪我人を乗せるのにも「金をよこせ」とか,自衛隊のPKOを守る別の国の部隊からは日本人というだけで唾を吐かれる始末…。 自衛隊は人助けに行ったつもりですが,他の国の尊い犠牲の上に成り立つ成果を上げているに過ぎません。 「世界一安全な軍隊」なのですから…。

残念ながら,ワタシがキリスト教を投げ出した理由にもなりましたし,今では下世話なコトをしてしまったと反省もしているのです。 ポールの“Let It Be”という歌が心に突き刺さります。

安保法制もそうですが,他人に手を差し伸べるには,自分の人生を捧げる覚悟が必要になるのです。 犠牲なくしては何も成し遂げられません。

その道に投身できなくても,お布施や賽銭と同じで,募金だって十分意味を成します。 資金があれば能力のある人たちが,文字通り命を懸けて懸命にやってくれますから。

>男の子

我が家は女の子が欲しかったのです,特に女房の方は(爆
それで姪っ子をメチャクチャ可愛がってたりすんのです。
(*^。^*)

遅くなりました

こんにちは

すみません
いろいろ遅くなってしまいました

クリスチャンだったのですね。
いろいろ考えることは世の中
ありますよね。
できることしかできないのが
現状ですが

<我が家は女の子が欲しかったのです,特に女房の方は(爆
それで姪っ子をメチャクチャ可愛がってたりすんのです。>

どちらも
可愛いことには変わりありませんよね。
男親は男の子の遊び
一緒にしたいですからね
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