婚約者の友人
婚約者の友人(2016)
FRANTZ
上映時間 113分
製作国 フランス/ドイツ
監督: フランソワ・オゾン
製作: エリック・アルトメイヤー
ニコラス・アルトメイヤー
シュテファン・アルント
ウーヴェ・ショット
脚本: フランソワ・オゾン
オリジナル脚本: エルンスト・ルビッチ
撮影: パスカル・マルティ
美術: ミシェル・バルテレミ
衣装: パスカリーヌ・シャヴァンヌ
編集: ロール・ガルデット
音楽: フィリップ・ロンビ
出演: ピエール・ニネ アドリアン
パウラ・ベーア アンナ
エルンスト・シュトッツナー ハンス
マリー・グルーバー マグダ
ヨハン・フォン・ビューロー クロイツ
アントン・フォン・ルケ フランツ
シリエル・クレール アドリアンの母
アリス・ドゥ・ランクザン ファニー
感想
オゾン監督の作品。お友達のサイトでも昨年ベストに入っていて
みようみようとおもいつつ、今になってしまいました。
今年は、新作も鑑賞できたので
やっぱりその前の作品もきちんとみておかないとね(といいながら、その前の前も未見・・(笑))
モノクロとカラーの切り替えや
主人公のクラシカルな服装、
切ない音楽など、
味わい深い一品でした。秋にふさわしいわ♪
リメイク作品でもあると聞いてはいましたが
後半部分は、監督のオリジナルみたいですね。
元映画は未見です。⇒エルンスト・ルビッチ監督による1932年の映画だそう。
主人公アンナの視点で物語が進んでいくので
やっぱり、このアンナの気持ちに入り込んでしまいますね。
さらに
後半、
アンナ、とっても苦しい思いを味わうので、
これはみているものにとっては、
その苦悩のもとになる、 アドリアン に対して、
むか~~~~とした感情をもってしまいがちですね。
もちろん、アドリアンの、状況も考えたとしても(彼は彼で罪の意識に苦しいんでいたと考えたとしてもね)
やっぱり、女性の方に同情ですよ。
舞台は第一次大戦直後のドイツ。
戦争で婚約者を亡くしたドイツ人アンナは
婚約者フランツの墓でたたずんでいる一人のフランス人男性と出会う。
彼に声をかけると
「亡き婚約者の友人だ」という。
フランス人の男性は、フランツの自宅にも訪れるが、義父母は反発。
とくに義理父(敵国の男だしね)
しかし、アドリアンの真摯な態度と
彼と息子の楽しげな思い出話をきき、
しだいに、心を許すようになる。息子の為に涙も流してくれているので・・・。
ここまではとってもいい話。
私も素直にみていました。
たださすがにオゾン監督なので、
きっとなにかがあると、身構えたのは事実・・笑
アドリアンが、戦前のパリでフランツと出会ったときの
話の中で、仲良く絵画を見に行ったり、
バイオリンを指導しているさまが、映像で流されたとき、
うん?
もしかして、友人?ではないのでは
⇒恋人?という、そういう方向性の疑いを感じました。
って、ここ、
ほとんどの人がそう感じていたみたいなので、逆にミスリード的に
あんな感じの親しげな雰囲気をかもしだしていたのかな・・・とも考えちゃいました。
・・・(笑)
やがて、アンナは
アドリアンを意識するように・・・。
わかるわ~~この感情。
ちなみに、
少し前に、ニコラス・スパークスのザック・エフロン主演の『一枚のめぐり逢い』
というものをみまして。
ふと、その内容を思いだしてしまいました。一部似たような設定。戦地で拾った写真をもとに、持ち主の
もとを訪ねる⇒やがてそこの女性と恋愛・・・。まあ、世界観は違いますけど。
運命に導かれて、女性と出会うという部分が似ている感じがして。
もちろん、鑑賞のフランス映画はそんなに簡単に恋に落ちてハッピーエンドとはいかないから
奥深くなっていたのだと思います。
ザックの映画はただただ、ラブラブ~~でしたもん(笑)
しかし
アドリアン、
実は大きな嘘をついていました。
ここから始まる
アンナの嘘・・・
嘘・・嘘
ア ドリアンの嘘⇒アドリアンは、フランツの友人などではない。
戦場で、フランツを撃ち殺してしまった。フランツの持っている銃は弾切れだったのに。
贖罪に気持ちで墓を訪れたのだ
アンナの嘘⇒アドリアンの正体を知り、動揺はしたが、義父母には真実を伝えない
アドリアンのついた嘘の世界を、義父母の前で演じようと決心する。義父母たちを傷つけないためというより、
アドリアンを悪者にしたくないためか?つまり、アンナ自身の
感情がアドリアンに向かってしまっているため、義父母への印象を悪くしたくないという思いか。
きっと複雑な感情が絡み合ったゆえのウソだったのかも。
そして
アドリアンにも、義父母には真実を伝えたと、嘘をつく。
これは、アドリアンを楽にしてあげたいという気遣いから。
やはり、アンナ、アドリアンに思いありあり。
しかし
アドリアンは、フランスへ帰国。
真実を告白したことから
もう・・・・という気持ちかな。
フランスからアンナに手紙をよこすようになる。
手紙の内容を
義父母には違った内容で報告のアンナ。
一人に嘘をつくとそれを、かばうために嘘をつき続けないといけないんだものね。
きついわ~~
時間はかかったが
アドリアンに返事を出したアンナ。
が、宛先不明で戻ってきてしまう。
ここからが後半、
アドリアンの消息をもとめ、フランスへ・・・。
ここからは意外な展開へ。
映画を見て是非確認~~~
結局
アドリアンは、アンナとは違った人生を歩むことになりますよね。
実際、どうだったんだろう。
婚約者はいたものの、
心は揺れたのか。アンアの気持ちに気づいていたのか。
もし、まったくアンナへの気持ちにも気づいていなく、自分、贖罪以外に
何の感情もなかったとしたら
これは、アンナにとっては残酷としか言いようのない仕打ちだよね
いわゆる思わせぶりな態度だったわけだから。
アドリアンの婚約者は、少なくともアンナの気持ちには
感づいていたかもしれないよね。
女の勘で。
同じく、母親も。
アドリアンは、芸術肌で、純粋って言っていたから
これは、ギリギリまでアンナの気持ち気づいていなかった可能性はありますよね。
これは、罪よ。
という風に、いろいろと登場人物の奥底の感情を読み取る楽しみもあり
見応えある映画でありました。
もちろん、
ドイツとフランスの戦争への感じかたも、描かれていて
反戦映画としても見応えありますよね。
アンナの義理父の言葉は重かったですもの。
フランツも一人異国で
どういう生活を送っていたのか。
そこも気になる映画でありました。
アンナのラストのセリフ。
例の自殺の絵画を見て
「この絵を見ていると、むしろ、生きる希望が湧く」と。
言葉通り
前に進んでいくんじゃあないかと私は思うなあ。
私も落ち込んでいたら
そういう心境になるから。

FRANTZ
上映時間 113分
製作国 フランス/ドイツ
監督: フランソワ・オゾン
製作: エリック・アルトメイヤー
ニコラス・アルトメイヤー
シュテファン・アルント
ウーヴェ・ショット
脚本: フランソワ・オゾン
オリジナル脚本: エルンスト・ルビッチ
撮影: パスカル・マルティ
美術: ミシェル・バルテレミ
衣装: パスカリーヌ・シャヴァンヌ
編集: ロール・ガルデット
音楽: フィリップ・ロンビ
出演: ピエール・ニネ アドリアン
パウラ・ベーア アンナ
エルンスト・シュトッツナー ハンス
マリー・グルーバー マグダ
ヨハン・フォン・ビューロー クロイツ
アントン・フォン・ルケ フランツ
シリエル・クレール アドリアンの母
アリス・ドゥ・ランクザン ファニー
感想
オゾン監督の作品。お友達のサイトでも昨年ベストに入っていて
みようみようとおもいつつ、今になってしまいました。
今年は、新作も鑑賞できたので
やっぱりその前の作品もきちんとみておかないとね(といいながら、その前の前も未見・・(笑))
モノクロとカラーの切り替えや
主人公のクラシカルな服装、
切ない音楽など、
味わい深い一品でした。秋にふさわしいわ♪
リメイク作品でもあると聞いてはいましたが
後半部分は、監督のオリジナルみたいですね。
元映画は未見です。⇒エルンスト・ルビッチ監督による1932年の映画だそう。
主人公アンナの視点で物語が進んでいくので
やっぱり、このアンナの気持ちに入り込んでしまいますね。
さらに
後半、
アンナ、とっても苦しい思いを味わうので、
これはみているものにとっては、
その苦悩のもとになる、 アドリアン に対して、
むか~~~~とした感情をもってしまいがちですね。
もちろん、アドリアンの、状況も考えたとしても(彼は彼で罪の意識に苦しいんでいたと考えたとしてもね)
やっぱり、女性の方に同情ですよ。
舞台は第一次大戦直後のドイツ。
戦争で婚約者を亡くしたドイツ人アンナは
婚約者フランツの墓でたたずんでいる一人のフランス人男性と出会う。
彼に声をかけると
「亡き婚約者の友人だ」という。
フランス人の男性は、フランツの自宅にも訪れるが、義父母は反発。
とくに義理父(敵国の男だしね)
しかし、アドリアンの真摯な態度と
彼と息子の楽しげな思い出話をきき、
しだいに、心を許すようになる。息子の為に涙も流してくれているので・・・。
ここまではとってもいい話。
私も素直にみていました。
たださすがにオゾン監督なので、
きっとなにかがあると、身構えたのは事実・・笑
アドリアンが、戦前のパリでフランツと出会ったときの
話の中で、仲良く絵画を見に行ったり、
バイオリンを指導しているさまが、映像で流されたとき、
うん?
もしかして、友人?ではないのでは
⇒恋人?という、そういう方向性の疑いを感じました。
って、ここ、
ほとんどの人がそう感じていたみたいなので、逆にミスリード的に
あんな感じの親しげな雰囲気をかもしだしていたのかな・・・とも考えちゃいました。
・・・(笑)
やがて、アンナは
アドリアンを意識するように・・・。
わかるわ~~この感情。
ちなみに、
少し前に、ニコラス・スパークスのザック・エフロン主演の『一枚のめぐり逢い』
というものをみまして。
ふと、その内容を思いだしてしまいました。一部似たような設定。戦地で拾った写真をもとに、持ち主の
もとを訪ねる⇒やがてそこの女性と恋愛・・・。まあ、世界観は違いますけど。
運命に導かれて、女性と出会うという部分が似ている感じがして。
もちろん、鑑賞のフランス映画はそんなに簡単に恋に落ちてハッピーエンドとはいかないから
奥深くなっていたのだと思います。
ザックの映画はただただ、ラブラブ~~でしたもん(笑)
しかし
アドリアン、
実は大きな嘘をついていました。
ここから始まる
アンナの嘘・・・
嘘・・嘘
ア ドリアンの嘘⇒アドリアンは、フランツの友人などではない。
戦場で、フランツを撃ち殺してしまった。フランツの持っている銃は弾切れだったのに。
贖罪に気持ちで墓を訪れたのだ
アンナの嘘⇒アドリアンの正体を知り、動揺はしたが、義父母には真実を伝えない
アドリアンのついた嘘の世界を、義父母の前で演じようと決心する。義父母たちを傷つけないためというより、
アドリアンを悪者にしたくないためか?つまり、アンナ自身の
感情がアドリアンに向かってしまっているため、義父母への印象を悪くしたくないという思いか。
きっと複雑な感情が絡み合ったゆえのウソだったのかも。
そして
アドリアンにも、義父母には真実を伝えたと、嘘をつく。
これは、アドリアンを楽にしてあげたいという気遣いから。
やはり、アンナ、アドリアンに思いありあり。
しかし
アドリアンは、フランスへ帰国。
真実を告白したことから
もう・・・・という気持ちかな。
フランスからアンナに手紙をよこすようになる。
手紙の内容を
義父母には違った内容で報告のアンナ。
一人に嘘をつくとそれを、かばうために嘘をつき続けないといけないんだものね。
きついわ~~
時間はかかったが
アドリアンに返事を出したアンナ。
が、宛先不明で戻ってきてしまう。
ここからが後半、
アドリアンの消息をもとめ、フランスへ・・・。
ここからは意外な展開へ。
映画を見て是非確認~~~
結局
アドリアンは、アンナとは違った人生を歩むことになりますよね。
実際、どうだったんだろう。
婚約者はいたものの、
心は揺れたのか。アンアの気持ちに気づいていたのか。
もし、まったくアンナへの気持ちにも気づいていなく、自分、贖罪以外に
何の感情もなかったとしたら
これは、アンナにとっては残酷としか言いようのない仕打ちだよね
いわゆる思わせぶりな態度だったわけだから。
アドリアンの婚約者は、少なくともアンナの気持ちには
感づいていたかもしれないよね。
女の勘で。
同じく、母親も。
アドリアンは、芸術肌で、純粋って言っていたから
これは、ギリギリまでアンナの気持ち気づいていなかった可能性はありますよね。
これは、罪よ。
という風に、いろいろと登場人物の奥底の感情を読み取る楽しみもあり
見応えある映画でありました。
もちろん、
ドイツとフランスの戦争への感じかたも、描かれていて
反戦映画としても見応えありますよね。
アンナの義理父の言葉は重かったですもの。
フランツも一人異国で
どういう生活を送っていたのか。
そこも気になる映画でありました。
アンナのラストのセリフ。
例の自殺の絵画を見て
「この絵を見ていると、むしろ、生きる希望が湧く」と。
言葉通り
前に進んでいくんじゃあないかと私は思うなあ。
私も落ち込んでいたら
そういう心境になるから。

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